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ろうげつ https://blog.goo.ne.jp/hanadankurabu

花より男子&有閑倶楽部の二次小説。CP :あきつく、魅悠メイン。旧ブログ「たゆたふ」の管理人、中将の新しいブログです。

中将
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2020/04/17

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  • 秋は夕暮れ【魅悠】

    「夕日の差して山の端いと近うなりたるに、からすの寝所へ行くとて~って言うけどよ、ホントだよな」「はっ?」「山の端に夕日が差した時、二、三羽のカラスが寝所に帰る姿は、確かに趣があるよな」「・・・また枕草子?」「おっ!分かってきたか」「まあな」だから、前から分かってるっての。知らないフリしてるだけだ。しかしさぁ、相変わらず魅録ってばズレてるよな。二、三羽のカラスなら趣あるかもしんないけど、うちらが見てる光景は、どう見ても大群じゃん。しかも、寝所に帰るどころか、都心でメシの在処を探してる集団じゃん。コレのどこに趣を感じるんだよ。マジで魅録の感性が分かんねぇ。「秋の夜長に聞こえる虫の声や風の音も、またいいもんだよな」「うん」あ、それは分かる。秋風にそよぐ音も虫の音も、耳にすると不思議と心落ち着くんだよな。と同時に、ほん...秋は夕暮れ【魅悠】

  • 慕情残火(あきつく) 8

    「決めた!私、告白する」「「「はっ?」」」「このままじゃ、余計に想いが募って自分が苦しくなる。後にも退けず先にも行けず、八方塞がり状態がずっと続く。だったら、玉砕覚悟で美作さんに当たって砕けろ。そう西門さんに指摘されたから・・・って訳じゃないけど、背中を押してもらったからさ。だから、自分の為にも美作さんに告白する!」「方向転換しすぎやろ。振り切れすぎや」「極端すぎるわ」「1か100しかないの?50はないんか?牧野には」ノゾヤ、難波、山科が飽きれ顔でそんな事を言うけど、仕方ないじゃん。これが私の、持って生まれた性格なんだから。ついウジウジ悩んじゃって、自分の気持ちから逃げる為に関西にある大学に進学しちゃったけど、それじゃあ何の解決にもならないよね。薄々自分でも気付いてたけど、みんなに指摘され、西門さんに止めを刺さ...慕情残火(あきつく)8

  • 六花の軌跡【魅悠】 5

    息をしていないのではないかと見紛うくらい、青白い顔で寝ている悠理を目にした俺は、心が千々に乱れそうになるのをグッと堪えながら、その枕元に静かに座した。そして、震える指先で悠理の頬に触れ、生を感じる温もりを実感すると、無意識のうちに安堵の溜息を漏らした。───よかった。ちゃんと息をしている。手の届かぬ所へ召されなくて、本当によかった。心底そう思うと同時に、ここまで悠理を追い詰めてしまった自分に、そこはかとない怒りを覚える。いくら守秘義務を伴う仕事とは言え、コイツをここまで傷付け苦しませる必要があったのか。せめてコイツにだけは、ある程度打ち明けてもよかったのではないか。いや、例え身内にでも極秘捜査の内容は教える訳にはいかない。そんな複雑な思いが交錯する中、俺は悠理の温もりに触れたい一心で、コイツの頭をそっと優しく撫...六花の軌跡【魅悠】5

  • 父さん頑張れ 10

    「・・・おい。何で修平が、類の膝の上に乗ってんだよ。おかしいだろ」「別におかしくないよ。ね?修平君」「うん!」初対面の人間、特に大人に懐く事など皆無な人見知りの修平が、ほんの数十分で類には懐いた。それは類にも言えて、子供など好きではない彼が、修平にはすぐ心を開き可愛がった。これは本当に珍しい光景だ。類はいざ知れず、修平に関しては初めてと言っていいくらいの姿だ。実の父親である総二郎にさえ、しばらくは懐かず距離を置いていた修平が、類には自ら近付きすっかり打ち解けている。当然、総二郎にはそれが面白くない訳で、自然と類に対しても口調がきつくなり、態度も硬化する。「あきらと司はどうしたんだよ。一緒に来たんじゃねーのか」「あきらに司を押しつけて、俺だけ先に来た」「はぁ!?何やってんだよ、お前は」「当然だろ?だって、あきらん...父さん頑張れ10

  • 父さん頑張れ 9

    紆余曲折あれど、総二郎がつくしと結婚し、正式に修平の父親となってから1ヶ月が経過した。初めのうちは修平から「僕の大好きなお母さんを独り占めするオジサン」と警戒されていたものの、今では立派なお父さん子に成長し、総二郎もいたくご満悦の様子だ。さて、そんな仲睦まじい牧野家に本日、来客がやって来るという。「え~!?けんたろーとキャッチボールしたかったのに~」「ゴメンね、修平。健太郎君とはいつでもキャッチボール出来るから、今日は我慢してくれる?」「・・・わかった。じゃあ、がまんするから、おかーさんのハンバーグたべたい」「えっ?」「おかーさんがハンバーグつくってくれたら、がまんするよ、ぼく」「分かったわ。じゃあ、今夜はハンバーグにするね。お父さんと一緒に作るから、楽しみにしててね」「やった~!」「おいっ!?俺も作るのかよ」...父さん頑張れ9

  • 夏は夜【魅悠】

    「雨など降るもをかしって言うけど、まあ納得だな。月明かりは消えちまうけど、夏の夜に降る雨には趣がある。そう思わねぇか?悠理」「何だよソレ」「何だよソレって・・・だから、枕草子だよ」「美味いのか?」「バ~カ!枕草子は食いモンじゃねえっての」そう言いながら魅録は、前回に引き続き今回もあたしの頭を小突いた。バカはどっちだっての。あたしだって、枕草子くらい知ってるわい。わざと知らないフリしてるだけだぞ!?だってさ、もしあたしが「枕草子くらい知ってるわい」って言ったら、「何で知ってんだよ」って絶対聞いてくるだろ?そうしたら、あたしは誤魔化しきれない。大好きな魅録が読んでたから、あたしも必死になって読んだんだって事を。だから言わないんだ。「月が輝く満月だろうと、月が出ない新月だろうと、ホタルが飛んでる光景はいいよな」「・・...夏は夜【魅悠】

  • 父さん頑張れ 8

    溺愛する長男の息子を次期家元に。そんな御家騒動にもなりかねない野望を抱く家元であったが、その野望に真正面から異を唱える者が現れた。それは、「家元夫人だ」総二郎の母親でもある家元夫人だった。「西門さんがいるのに、お兄さんの子供を次期家元にするのはおかしいって言ったの?家元夫人は」「いや、違う」「えっ!?」「兄貴の息子を次期家元にするのではなく、弟の・・・三男に跡を継がせるのが筋だろうって言い出した」「なっ!?何でそんな───」「兄貴が家を出た際、俺が『跡は継がない』ってハッキリ言ったからだ。だから、あの二人には俺が跡を継ぐっていう選択肢は全くなかったんだよ」それに加え、家元夫人は三男を溺愛している。だから余計に、三男に若宗匠を継承してもらいたいのだろう。「例えばの話、俺が若宗匠を継承する腹積もりでいたとしても、あ...父さん頑張れ8

  • 父さん頑張れ 7

    「ありがとう。後は、この部屋に誰も近付けないで下さる?用があれば、こちらから呼びますから」「かしこまりました。では、失礼致します」二人分のお茶とお茶請け、そして追加のお茶請けを運んできた係員にそう指示した夢子は、彼が部屋から立ち去り、その気配が完全に消え去るのを待ってから話を切りだした。「元気そうで何よりね、つくしちゃん」「あ、はい!」「今日は無理言って、時間作らせちゃってごめんなさいね。しゅ・・・子供は大丈夫?」「はい。友達にお願いしました」「そう。色々と話を聞きたいところだけど、時間に限りがあるから早速本題に入──」「あ、あの!その前にいいですか?」本題に入る前に先に話をさせて欲しいと要求するつくしに、話の腰を折られた夢子は嫌な顔一つせず頷いてみせた。「さっきはお見苦しいところをお見せして、本当にすみません...父さん頑張れ7

  • 春はあけぼの【魅悠】

    「紫だちたる雲の~なんて言うけどよ、本当だな。夜空と朝陽が混じった紫色の雲は、最高に綺麗だ。春はやっぱり明け方の空が一番だと思わねぇか?悠理」「何だよソレ」「何だよソレって・・・枕草子だよ」「枕草子?饅頭の商品名か?」「バ~カ!違ぇよ」なんて言いながら、魅録はあたしの頭を軽く小突いた。どうせ、バカなあたしが枕草子を知ってるワケないと思ってんだろ。バカはどっちだっつーの。枕草子くらい知ってるわ。ん?何故、バカなあたしが知ってるのかって?そんなの決まってら。大好きな魅録が、生徒会室で枕草子を読んでたからだよ。やっぱりさ、好きなヤツが読んでるものって知っておきたいじゃん。どんなものに興味を持って、どんなものを好きなのかって。だから必死になって読んだんだよ。少しでも魅録に近付きたい一心で。なんて、魅録はこれっぽっちも気...春はあけぼの【魅悠】

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