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葉咲透織
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2020/03/24

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  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【26】(終)

    <<はじめから読む! <【25】 「レイ。これはここにやっていいのか?」 「あ、えーと。それはサム爺に……サム爺! これってどうするの?」 ある秋の日、レイナールはジョシュアとともに、庭に出ていた。一角を整備してもらい、レイナール専用にし

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【24】

    <<はじめから読む! <【23】 帝国には、過去、白金の王族が送り込まれていた。レイナールは、帝国にもヴァイスブルムの伝承が残っていることに賭け、皇帝に手紙を送った。 帝国の歴史について、遠く離れたヴァイスブルム出身のレイナールが知るこ

  • 秋(?)の読了本

    秋といいつつ、10月~12月の3か月に読んだ本です。 図書館で集中して書き、本を借りて帰ってくるサイクルはやはりいいですね。 「獣神様とは番えない~アルファの溺愛花嫁さま~」(村崎樹) 我らがたつるん先生の獣人モノオメガバース。 運命の番っ

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【23】

    <<はじめから読む! <【22】 冬の風が吹く。首筋がひやっとして、レイナールはぶるぶると身体を震わせた。短く切りそろえた白金の髪は防寒には頼りなく、カールが差し出したストールを、ぐるぐると巻きつけた。 「まだいらっしゃいませんよ。家の中

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【22】

    <<はじめから読む! <【21】 ジョシュアが旅立って、三日経った。 アルバートが手の者をこっそりとつけているので、一行があと二日で国境を抜けるという情報が入ってきていた。本当なら、とっくに隣国に入り、帝国まで続く街道をひた走っている頃

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【21】

    <<はじめから読む! <【20】 ジョシュアが旅に出るまでの日々、レイナールは彼と睦み合った。言葉を交わせば、「行かないで」「ひとりにしないで」と縋りついてみっともなく泣いてしまいそうだった。 肉体の交わりは、レイナールから意味ある言葉

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【19】

    <<はじめから読む! <【18】 「十日後、ここを立つ」 疲れた顔のジョシュアが、重々しく告げたのは、年が明けてすぐのことだった。 新年の祝いもほとんどせず、周囲の貴族の挨拶も断っていた。軍閥貴族と言われる家系は、ジョシュアの置かれた立

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【18】

    <<はじめから読む! <【17】 以降、何度もジョシュアはレイナールの部屋を訪れ、話し合いをしようとしたけれど、応じる気になれなかった。アルバートが来たときには、さすがに扉を開けたけれど、ただそれだけ。彼の話を聞いても、聞き入れようとは一

  • 私のお母さん

    産みの親と育ての親が違うのは、まれによくある。 積極的には言わないけれど、親密になるにつれて、打ち明け話をするようになる。一般家庭の子には同情され、腫れ物扱いされる場合もあるけれど、「実は……」と、お互いの秘密を共有する友人もいた。 人

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【17】

    <<はじめから読む! <【16】 ジョシュアの言う「今度」は、なかなか訪れなかった。 すっかり回復したボルカノ王が、軍を振り回しているせいで、ジョシュアは家に帰ってこられない日が増えた。朝も早くに出ていくため、朝食の時間くらいしか、話す

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【16】

    <<はじめから読む! <【15】 夜会の日から五日、ジョシュアは家に帰ってこなかった。 彼が先頭に立って、医師団と連携を取り、腹痛の解明に挑んだ結果、食中毒であることがわかった。夜会の前に、側近中の側近である貴族を集めての晩餐会があり、

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【15】

    <<はじめから読む! <【14】 城を見上げるのは、二度目だった。 一度目は、自分の命を守ることだけを考えていた。母国にとっては、レイナールが生きようが、この地で死のうが、どちらでも構わなかった。死ねば開戦、生きて根づけばそれはそれで使

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【14】

    <<はじめから読む! <【13】 レイナールの初めての恋は、六歳の頃だった。 すでに王家に入ることが決まっていたから、残りわずかな親子の時間を、ことさらに実父は大切にしていた。 当時はまだ大臣の地位になく、実務に携わる外交官であった父

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【13】

    <<はじめから読む! <【12】 夜になって、レイナールの部屋のドアを叩く音がした。 「はい」 俺だ、と聞くやいなや立ち上がり、出迎える。扉を開けると、冷気がスッと入り込んできて、身が縮こまった。 ジョシュアはレイナールの姿を見て、少

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【12】

    <<はじめから読む! <【11】 「レイナール様、少しよろしいでしょうか」 和解したとはいえ、カールはやはりどこかよそよそしい。残るふたりが友好的すぎるだけなのだが、レイナールは彼が話しかけてくると、嬉しいと同時に、背筋が伸びる。 読ん

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【11】

    <<はじめから読む! <【10】 ジョシュアにとって、丸一日の休みは珍しいことだ。軍だけでなく、王都における侯爵の仕事もこなさなければならない。領地は祖父に守ってもらって、現在は仕官しているが、そう遠くないうちには、領地に戻る予定だから、

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【10】

    <<はじめから読む! <【9】 その夜、ジョシュアはレイナールの部屋を訪れた。 入ってくるなり頭を下げたジョシュアに、面食らってしまう。慌てて顔を上げさせるべく説得するが、彼はなかなかに頑固で、最敬礼の角度を崩さなかった。 「ジョシュア

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【9】

    <<はじめから読む! <【8】 ジョシュアの天然すぎる一面を見た翌日、「もう大丈夫だろう」と、アルバートは領地へと帰っていった。一週間あまりの滞在だったが、なんだかもうずっと一緒に暮らしているかのようで、寂しい。レイナール自身が、ボルカノ

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【8】

    <<はじめから読む! <【7】 ふたりで酒を楽しんだ夜以降、ジョシュアは別人のようになった。 第一の変化は、早めに帰ってくるようになったことだった。食堂で一緒に夕食を摂るようになった彼を、アンディたちは「支度が一度で済んでラクになった」

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【7】

    <<はじめから読む! <【6】 寝る支度をすべて済ませたレイナールは、蝋燭と窓から差し込む月明かりの下、机に向かい、筆を走らせていた。 白い便箋は、瞬く間に埋まっていく。実父とリザベラに向けた手紙は、書き上げたところで、投函するわけにも

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【6】

    <<はじめから読む! <【5】 「お祖父様!」 夜になり、ジョシュアが帰宅した。 夕食の時間には間に合わなかったが、食後の茶を楽しんでいるところに、食堂に乗り込んできた彼は、開口一番、大きな声を上げた。 高貴な人間は大声を張り上げたり

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【5】

    <<はじめから読む! <【4】 結局、レイナールがジョシュアと再び顔を合わせたのは、三日後のことであった。 目の下に隈をつくり、表情は一層険しい。疲労がそうさせるのか、それとも仕事で気に入らないことがあったのか、レイナールは尋ねようとし

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【4】

    <<はじめから読む! <【3】 見送りの神官は、ごくわずかだった。 寝食をともにしたところで、白金の王子を友と呼んでくれる人間はいない。崇拝の目を向けられる生活は居心地が悪かった。 ボルカノでも宗派は違うものの、同じ神を祀っている。英

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【3】

    <<はじめから読む! <【2】 レイナール・アーノンが王家の養子になることは、産まれてまもなく、定められた。決して、己や父が望んだことではなかった。 母は産後の肥立ちが悪くて亡くなり、彼女を深く愛していた父親は、息子を手放したくないと抵

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【2】

    <【1】 グェイン侯爵の領地は、南の国境線に面した広大な土地であった。 歴史上、戦争が頻発していたこの地域では、いまだに様々な小国が小競り合いをしていて、周辺では飛びぬけた国力を持つボルカノ王国にも、時折飛び火する。 森を抜ければすぐ

  • 白金の花嫁は将軍の希望の花【1】

    「面おもてを上げよ」 想像していたのとは異なる声に、レイナールは一瞬、反応が遅れた。 母国で見た、ボルカノ国王の肖像画を思い出す。すらりとした威厳のある男だった。もっと若い頃は美形であったのだろうと推測できる。 彼の口から、怪鳥の鳴き

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