不意に誰かが路上にてくしゃみを一つしたのが聴こえた。厄介な疫病を飛散していなければいいんだがな。まあそんな懸念なんて何の足しにもならないけれど。ただこんな状況だから過敏になってしまっているのだろう。くしゃみ一つで不安になるぐらいセンシティブな世の中。息をするのも躊躇うほど……。だったら息をするのを止めればいいのではないか。つまり死ねばいい。そうすればくしゃみ一つにこんなに不安な気持ちにならなくても済むし、それはおろか一切の不安から吹っ切れることができる。…で、だから何なんだ?世間はここ数ヶ月、疫病関連のニュースで騒がしいが、僕らにできることなんて外出を避けるだの、マスクをしろだの、手洗いうがい…
駅の休憩室で列車を待っていたら、知らないおじいさんに話しかけられた。おじいさんは、数十年前僕と同じ大学に通っていた大先輩らしく、学生時代の思い出や街の沿革や戦争について色々と楽しげに語ってくれた。経験に裏打ちされた生きた言葉で話してくれたので、昔の話なのに鮮やかに聞こえた。おじいさんは僕に話したいこと、伝えたいことを純粋に話してくれた。僕も時間を忘れて聞いていた。久しぶりに会話が楽しいと思った。テレビやyoutubeでトークを色々と聞くのが好きだけど、おじいさんのトークはここ最近で一番印象深かった。一期一会で、一瞬の会話。そして、この地での最後の会話だった。おじいさんが立ち去ってからしばらくし…
驚くほど晴れている。 新型コロナが無くて、就職先があれば 最高の一日なのになあ。
疲れた
引越しが終わり、ホテルへと歩く道。 歩き慣れた道。住み慣れた街。 だけど、僕が居る時間はもうあと少ししかない。名残惜しく、寂しい。住み始めた当時、早く出て行きたいと思っていたけれど、今はもう少しここに居たい、離れたくないという気持ちだ。住み慣れた部屋が空っぽになってから、掃除をしていたら、色々と思い出してきた。1つ1つの思い出は大したことない。ベッドでうだうだしていたり、朝まで机に向かっていたり、めんどくさいけれどご飯を作ったり、風呂あがりに寒さに耐えつつ急いで部屋に入ったり、普通の、平凡の暮らし。その暮らしが何よりも自分らしく、悠々自適としていて、自由で、過ごしやすかった。自分の過ごしたいよ…
また一からやり直し 何故こうも上手く行かないか 不安、漠然とした不安、拭きれない不安、先が見えない不安、 息詰まり、どん詰まり、苦悩の血栓、 近くのものが遠くに感じる、自分だけが遠くに感じる、孤立
今日は色々ありすぎて、疲れた。とても書きたくない。
自分の意見が善きことだと信じて疑わず、自分ルールを人に押し付ける人たちってどこにでも居る。僕の周りにいるこういう人たちってそれなりに社会経験や地位があるなどの過去の栄光による絶対的自信を持っていることが多く、意見も相当前時代的なのだ。しかも自分の意見以外は決して認めない。全否定する。余計にタチが悪い。 こういう人の特徴として、自分の意見を理論的に話せることが少なく、感情的に意見を押し付けることが多い。意見の正当性をきちんと言語化して説明できない人がとにかく多い。「細かい理由はよく分からんけど、とにかく俺が正しいんだ」である。 さらに意見の根拠を突き詰めて聞くと、その人の意見が経験知に依拠するも…
夢に出てきた猫 - 断片
身体の調子が悪いとき、何か心に引っかかるものがあるとき、やる気が全く起きないとき、今の自分に疑問があるとき、何もかもが上手くいかなくて自分が信じられないとき、自己嫌悪に陥ってしまったとき……。まあ色々なときがあるけれど、総じて心身になにか一物を抱えているときは、どんなに躍起になったって、どんなに歯を食いしばったって、物事はうまく進まないものだ。何をやっても駄目な時、うまくいかない自分に苛立ち、悲観し、何とか立ち直るために、或いは慰めのために、ネットを奔走し数多のうまくいかないときの処方箋を探し続ける。だけど見つかるのはまるで中身がない内容を良きことげに虚飾した自己啓発系サイトだったり、過去の失…
彼は裁かれた 社会正義 法の下に その首を切り落とされた 夥しいほどの鮮血 転がる死体 広がる臭気 それを知らぬ人々は にわか雨に舌打ちをした 正しさにおいて裁かれた者が居る。罪や罰の裁量は本当に正しいものだったのだろうか。そもそも正しさとは本当に正しいものなのか。本当の正しさとはなんだ。それは社会や法の傘下に隠れている僕らには正確に判断できかねるものだろう。とにかく正しさは定かではないけれど、その正しさによって罪人が断罪されたのは紛れもない事実である。現に処刑台には遺体が横たわっている。曖昧な正しさによって下された確実的な死。 ニュースで誰かの死刑執行が報じられているけれど、素知らぬ顔でにわ…
聞きたいのはコメンテーターの感想じゃなくて、確かな情報だ。
掃除がなかなか終わらない。特に便器のフチ裏の汚れと浴室床の黒カビが強固で、全く落ちない。使い方を一歩間違えると死に至るくらい強力な洗剤を汚れにありったけばらまいて浸け置き、しばらくしてからブラシでゴシゴシとやる。これが結構きつい。三十分も中腰で研磨していると腕と腰が痛くなってくる。強く擦るとブラシが毛羽立って、汚水が顔とかに跳ね返ってくる。それでも我慢して擦り続ける。一時間くらい何も考えずに続け「そろそろ汚れも落ちたろう」と水で洗い流す。ところが全く綺麗になってない。掃除前と全く変わらぬ様相で汚れがこびりついていた。「どうにもならない」とすっかりやる気を無くし、用具を放り投げて、掃除をやめてし…
心臓の音が気になって眠れない。
何が本当で嘘で、どんなことを隠蔽したのか分からないけれど、たった一つ確実に分かることは、信用できる組織では無いということだ。私利私欲のために多くを欺き、誰かにしわ寄せを押し付け、コトが済んだら後は知らぬ存ぜぬ。こんな人間の為に何故僕らは生涯税金の支払いに苦悶しなければならないんだ?
口内炎が痛い。
もうすぐ卒業式。友達との別れも近い。今日ご飯を食べに行った友達が帰り際にぽつりと「卒業したらもうしばらくは会えなくなるね」と言った。急に寂しくなって、不安になった僕は、気持ちを晴らすように「大丈夫だよ、またいつか会えるよ」とわざと明るい調子で言った。でも寂しさは収まらなかった。家に帰ってきて、独りになって、さっきの会話を思い出して少し泣きそうになった。気の合う友達との別れは寂しい。これまでの人生において、数々の出会いと別れを繰り返してきた。出会いの中でも、気の合う仲間と出会ったときは、ずっと一緒にいたい、この関係がずっと続けばいいな、なんて思うけれど、実際そんなことはない。仲良しの仲間みんな足…
会話中、発言のタイミングが被ることがよくある。誰が相手でも、どんな状況でも起こりやすいので、僕のタイミングが悪いんだろうなと思う。被ったときは、僕はすぐに口をつぐみ、相手の発言に耳を傾ける。言いたかったことは一旦胸にしまう。一通り相手の言葉を聞いたあと、僕は申し訳ないような、決まりが悪いような感じで、おずおずと言いたかったことを話す。こんなことばかり起きるもんだから、コミュニケーションって、会話って面倒くさいなって思ってしまう。気まずい思いばかりするくらいなら、黙ってチャットでもやっていた方がいいような気がする。LINEとかだったら自分の好きなタイミングで発言できるのになあ。 コミュ障は発言の…
Twitterを見てると、色んなニュースが飛び交っている。最近はやっぱりコロナウイルス関連のニュースが多い。ウイルスそのものよりも経済的な様々な問題が多くなっている。僕はあまり経済に詳しくないけれど、大まかに言えば世界中での消費が落ち込んでいて、経済が回らんということらしい。日本も業績悪化した中小企業とか倒産している。Twitterを見ると、こうした問題に対して「消費税を無くそう」とか、「給付金をつけよう」とかまあ色々意見が散見される。言いたいことも分かるし、そのどちらも僕はやって欲しいと思うけれど、たぶん現実的には難しいんだろうなあと諦める。僕には、コロナショックの経済悪化に対しての策が全く…
今日描いた落書き。本当に落書き。すげえ雑だし。僕は絵を描くのが好きだけど、人が全く描けない。なんか体のバランス悪かったり、立体感ゼロで平べったみえたり、体の部位の形が変だったりと散々だ。この絵はだいぶラフだけど僕にしてはバランスが上手くとれた方だと思う。嬉しくて、ブログに載せてしまった。 バランスはそれなりだけど、まだ腕とか足の付け根あたりが違和感ある。体の構造がよく分かっていないからだろう。まだまだ勉強しなければ。 それはそうと、Twitterを見ると色々な方が落書きを投稿されているけど、どれもこれも、あまりのクオリティの高さに「落書きって何だっけ…?僕が描いた落書きなんて落書きですら無いゴ…
僕はあまり掃除や片付けをするのが好きじゃない。とにかく面倒くさい。そんなことをするより僕は本を読んだり、スマホを弄ったり、ベッドで寝ていたりしたい。掃除片付けは僕の中では相当優先順位が低い。だから部屋の中は物にあふれ、埃は溜まり、ゴミは放置と、相当汚い状態にあると思う。 このままじゃ駄目だ、今日こそ部屋を掃除しよう、と一年に三回くらい一念発起することもあるけれど、すぐに嫌になってしまう。部屋の中が乱雑すぎて、何処から手をつけて良いのか全くわからないのだ。机の上にはいつ学校からもらってきたか分からないようなレジュメの山や本、本棚は読み終わった論文や雑誌や文庫本がでたらめに差し込んであり、テーブル…
自由は恐ろしい。誰からも何からも縛られていないというのは、まるで誰からも何からも必要とされていないのと同じような気がする。言い方を変えると愛されていない、である。だから自由は恐ろしい。制約や規則は、その人を必要としているからこそ、その人を拘束するのだ。自由の反対は不自由だ。不自由は誰からも何からも縛られて、自由な状態ではない。縛られるものが多くなってくると、雁字搦めになって、身動きがとれなくなって、思考の逃げ場すら失ってしまう。誰からも何からも過剰に緊縛されている状態。不自由も自由と同じくらい恐ろしい。 人は皆、自由を求めるものだけど、僕らが受け入れられる自由にも限度がある。もちろん不自由にも…
目覚ましよりも早く起きた 決してポジティブな意味合いではなく、 ストレスや不安により睡眠が浅いのだ。
自分にとって、他人とは自分の一部なのかもしれない…… おしべ、めしべは、それ自体では不完全であり、それぞれの不完全さを満たすように求めあう 僕らも同じで、自分だけでは不完全な存在なのだその不完全さを満たすために他人を受け入れるのかもしれない ということは他人とは自分の一部といえなくもないだろう 互いの不完全さを補完する行為、これを愛というのだろうけど、すべてを満たす完全な愛というものはあるのだろうか 完全な愛……、他人を取り込み、かつ取り込まれる……他人と自分が綯い交ぜになってできた綱を手繰り寄せてくる、暗がりの中の光。
過密スケジュール、かつ無謀スケジュール。 引越し日がようやく決まった。もう引越しできないと思うくらい焦った。ひとまず良かった。引越し業者さんありがとう。後は入社時に提出しなければいけない書類を完成させなければいけない。ここで致命的なミスに気がつく。どうやっても入社時に間に合わない書類があった。もうどんなに悔やんでも悔やんでも後の祭りである。悔やんだって先週は帰ってこない。開き直って、「後日提出します、すみませんでした」でいく。ただ反省はきちんとしなければいけない。 ちゃんと予定を立てる。グズグズせずすぐにとりかかる。いい加減にしない。
何故日本で貧困はなくならないのか、間違った日本の貧困観・清貧主義、そして子どもへの弊害 ~豊かさと貧しさ~ など雑記
今日は偶然ネットで拾ってきた、「日本の貧困」についての論文を読んでいた。日本では貧困について問題視されはじめたのは2008年くらいだと思う。やはり原因はこの時期起こったリーマンショックだろう。実は結構最近になってからである。湯浅誠さんがこの年に『反貧困「すべり台社会からの脱出」』という新書を出している。この本では、実は貧困問題は結構身近なものであり、正社員・非正社員関係なく、さらに貧困は自己責任では片付けられない、ということなどを書いている。10年前の本だけど、むしろ現在の貧困問題を的確に示していて今こそ読む価値が高い本だと思う。10年前からこんなに貧困問題について指摘されているのにも関わらず…
会社から連絡が来た。ようやく配属先が決まったとのことだった。福島県だった。配属は現住地からそんなに離れていないだろうと勝手に考えていたから予想外だった。まさか生涯で福島県に住むとは思いもしなかった。そういえば4年前の現住地に越してきたときも同じようなことを思ったような気がする。 思いがけない場所に来た僕は、次の思いがけない場所へ行く。そうやって流浪するように、揺蕩うように、これからも僕は生きていく。軸の無い人間だからこそ、思いがけない場所に辿り着けるのさ。
識る者は今を知ろうとせず カビの生えた初版の教養から物事を判断し 前時代的な良き事を疑うこともせず善とし、 新しい価値については不気味がり糾弾する 或いは己の古ぼけ歪曲されたイメージのみで今を批判する そして「昔は良かった」と語る こちらの主張には耳を傾けることなく、古昔を押し付ける 歩み寄ろうともせず 勘違いするな 今を創る者は、今を見つめることができる者であり、今を見もしない者では無い 今を批判するために、昔を知ろうとする者であり、今を貶すために、昔を賛美する者ではない 今を良いものにしようとする者であり、昔は良かったと思いを馳せる者ではない それが出来ない奴は今を創る資格なんて無い 識る…
いつまで経ってもどこの店でもマスクが品切れ状態で、全く入手できない僕は、今日もマスクをせずに外出した。依然としてコロナウイルスの感染が広がっているが、もう「感染してもいいや、しょうがないよ、マスク無いし」みたいな半ば諦めた状態だ。はっきりいってコロナなんてどうでもいいやと思っている。コロナウイルスそれ事態の懸念よりも、感染拡大による世界的な影響の方がよほど深刻だろう。コロナウイルスは「一・二週間が山」と言われていたのがすっかりなかったことになり、専門家によると「長期化」が危惧されている。これによる影響も当然長引くだろう。こうなると東京オリンピックはどうなるんだろうか……。というか日本の経済は持…
9年前、2011年3月11日。当時僕は中学生で、ちょうど春休み前の修学旅行で東京に訪れていた。この日はグループで一日自由に行動できる日だった。僕の班は、科学館や日銀や上野動物園などを見て回っていた。十分に東京を満喫した僕らは早めにホテルに帰ろうと、浜松町駅に向かっていたときのことだった。14時46分、急にめまいがした気がした。はしゃぎすぎて疲れたのかなと思っていたら、周りの人が「揺れてる」と騒いでいるし、近くの高層ビルの上階がありえないほど揺らいでいた。まるでペラペラの定規のようだった。僕のめまいではなかった。突如として歩けないほどの強い地震が起きたのだ。でもこの時は、そんなに大した地震じゃな…
池の水が、春の風に揺さぶられ、きめ細やかな鱗を掬いだす鱗の一枚一枚は陽光に照らされ、ちらちらとざわめくその中を静かに滑っていく鴨の群集各々の生活のために、下を向いて虫を狙っている妙に秩序だっている様相だった 不意に強い風が吹き付けた 一枚の枯葉が群れの中に舞い降りた鴨たちは一斉に羽をばたつかせ、跳びはねた水面は騒然として、鱗がばらばらに剥がれ落ちた鴨が、また水に吸い付くように降り立ってすぐに、また池に秩序が訪れた 刹那的な乱れだった 鴨たちは、水面を乱したことなんて素知らぬ様子で依然として下を向いている池の水も、鴨たちに面を乱されたことなんてすっかり忘れた様子である春風も、水面を乱した根本原因…
今日は晴れていたから歩いた。遠くの山々もくっきりと青空に浮かび上がっていた。まだ頂は白い氷雪が覆っていた。外はもう春を越えて5月になったような暖かさで、ぶ厚い厳寒期用のコートを着て歩いていたら汗が滲んだ。雪はもはや路傍に少々横たわるのみだったので、滑り止めが付いた靴も必要無い。 あてもなく歩いているつもりだったけれど、自分がよく通る道ばかりを進む。見知らぬ道に逸れると何処へ繋がっているのか分からないので、怖いし億劫だから、自然とこうなる。見知った道を進めば、見知った場所に辿り着く。往路も目的地も復路も知り合いだ。僕は好奇よりも平穏を優先する。散歩だけの話ではなく、生き方など全てにおいてそうかも…
リンゴは赤いいや、皮を剥いたら黄色い空は青いいや、夕焼けは赤いし、夜になれば黒い樹葉は緑いや、枯れれば茶色い 曖昧な象徴曖昧な認知それを疑いもせず良しとする曖昧さ
私のために私がいる 誰も助けてくれなくても 私の側には、ずっと私がいる
守らなければいけないものもあるが、 それを顧みずに進まなければいけない時もある 守っていたものを捨て、 次に守るべきもののために進まなければいけない時もある 進むのと同時に、次世代でも守るべきものを遺す時がある 進むことで、喪ってしまうものもたくさんある 僕らは進む度に僕らは何を喪い、何を遺しているのだろう 拓本に、生活の、伝統の、文化の、歴史の明暗が滲む 僕らはいつも前に進むことばかりを考えてしまうけれど、 前進によって喪われてきたものも時折思い出すことも必要だと思う 厳かに展示された拓本たちは、そんな大切なことを僕らに静かに、切実に訴えている
昔、未だ僕が幼い頃に曾祖母の墓にお参りに行ったときのことを不意に思い出した。その墓は山を登る道の途中から脇にそれた、木々に囲まれている小高い丘の墓地にある。ここからは祖父母の住む町が望める。その日は一面に霧がかっていて、何も見えなかったが、雲の上に居るような感じがして幻想的だった。供養の最中、不意に一羽のカラスが付近の他の墓石にとまった。カラスは鳴きもせず静かに墓石の上を歩きまわり、墓周辺の様子を伺っていた。カラスは恐らくは墓下のお供え物の菓子やら果物を狙っていたのだろうが、小さい僕には静かに墓にお辞儀をしているように佇むカラスは、僕らと同じように亡くなった者を弔っているように見えた。 カラス…
平板化された基準に人の痛みなんて反映できるわけもなく、 痛みを知るはずもない人間共の裁量により、耐えがたい苦痛を強いられる人々 もはや弱き者のための社会なんて存在しない 事情を深く鑑みることもせず「自分は良いことをした」なんて利己的な快楽のために、独善を押し付け、痛みすら無視して生存を賛美した人間には勲章を与えて、 事情は封殺され、これ以上の苦しみは耐えられないほど様々なものを耐えてきて、ようやく見つけ出した解決法すら社会に唾棄された人間には舌打ちか 腐敗した人間の尊厳 誰かが傷つかなければ成り立たない関係 暗黙知の称賛のために無視される個人的事情 立場の弱い者から順に押し付けられるしわ寄せ …
水銀灯を見つめる猫。 猫は強い光に弱いらしく、長い時間光を目に受けると網膜が傷ついてしまうらしい。
引き続き、引越し作業中。最近はものを捨てたり整理したりの毎日である。のんびりと片付けているから中々終わらない。だけど次第に着実にゴミやものが整理されてきて、部屋が広くなってきた。そういえば引越し手続きもやらなければいけない。書類とか書くのを忘れそうで怖い。早めに取り組んでおかなければいけない。今日はダンボールなど、ものを収納するやつを色々と揃えてきた。ダンボールって折りたたまれた状態でもかなり大きく、店から歩いて持って帰ってくるのは結構大変だった。体の前でダンボールを抱えていると、些細な風が重く感じて歩きづらい。こんな時車があれば便利なのにと、僕の横を颯爽とすり抜けていく自動車たちを見ながら思…
僕には聴こえた気がしたんだ、よだかが天に向かって哭き叫ぶ声が。堪らずに僕は家を飛び出した。どうしてか分からないけれど、僕はよだかを留めたかった。 空は不気味なほど輝く星で埋め尽くされていた。ぼろぼろになった、穴だらけのテントのようだった。星たちは僕を、まるでゴミを見るような目つきで見下ろしていた。 夜を駆ける。 冷たい風が頬を殴りつける。「行っても無駄だ」と静止しているように吹き付けた。それに構わず僕は突き進んだ。 途中、山背が赤く彩られているのが見えた。山が燃えていたのだ。火事を横目に気にしながら、僕はひたすら暗い森の道を駆け抜けた。 高く大きな樹木たちによって切り取られた夜空を見回しながら…
花と茎 - 断片
ある問題が起きたとして、誰が罪に問われるか、責任の所在はどこにあるのかなんて争っている間に、問題が膨れ上がり、取り返しのつかないことになってしまうことがある。罪のなすりつけあい、犯人探しよりもまず、問題の対処を急がなければいけない。場が混乱し、誰もが責任を取りたがらないせいで、事の優先順位を見誤ってしまい、進むべき方向性を見失った社会や集団は瓦解していく。 飛び交うのは空っぽの糾弾や、不安を過剰に煽るオピニオンや、嘘か真か判然としない眉唾物な情報ばかり。風説に狂わされた人々は、今日も無意味な買い占めの歴史を繰り返す。爆買いを貶していた彼等も混雑したレジ前にに不安そうな顔で並んでいる。 混乱に乗…
学ぶ場所はどこでも良い。学ぶ姿勢さえあれば、どんなものからでも学べる。学ぶ環境が完全に整っていたって学ぶ姿勢の無い人間には学習なんて不可能だし、無意味だ。
不安定な日々に安息なんて無くて、通りすがりの人が全員敵に見えてきて、僕の憂き目は誰かに仕組まれたもののような気がして、不純物のようなシステムの狡猾さに腹が立って、些末でよくある昨日今日に疲弊して、その度に、世界を包み込むほど大きな爆弾で、何もかもが消えて無くなってしまえばいいのにと過激的な厭世に苛まれて、苦しさから逃れるためには、ちっぽけな僕には、もうたった一つの末路しか残されていないと悟ってしまった。最期くらいこの世に爪痕を残してやろうかと、人に迷惑をかけてやろうかと、その不気味な薄笑いを思い切り歪めてやろうかと、不安も怒りも憂いも綯交ぜになった火炎瓶を雑踏に投げ込んで無理心中してやろうかと…
堕ちてきそうなほど灰色の雲が積み重なった空を 貫くように高層ビルが立ち並ぶ街の一角にて――、 煤けた背中をした男が無表情にふらついている 深い泥沼に静かに埋没していくようなその姿を 街往く人々は気にも留めない 彼は確かに其処に存在しているのに、 彼らには存在していないような、 そんな、半透明の男 瞬間、 雲の切れ間から、太陽の青白く輝きが差し込んだ 雑踏を往来する人々も、 綺羅びやかなのに無機質な繁華街も、 交差点を駆け走る車も、 鈍行の運転見合わせを示す電光掲示板も、 全てが陽光の下にくっきりと照らされ、 存在の下に暗い影を落とす 半透明の男の足元には陰影すら落ちることなく、 ただ底知れない…
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