著者が日本の軽音楽に不満な点は、バックビートが盆踊りに化けることでなく、リフレインの単調さが大きい。4小節でワンコーラスを4回繰り返す展開で、合計16小節の起伏がなく、時間がたいくつすぎる曲がよくあるのです。見直されるシティポップの中にも意外にあって。海外のバンドリーダーやプロデューサーなら、4回繰り返しても各回を違うアレンジ(編曲)にすることが多い。A、Aダッシュ、Aプラス、Aエクステンドなどと、少しず...
芸術がわからない原因自体を探る研究。美術が難しい症候群を解きほぐす試み。アートを敬遠する日本人を理解者に変える。
増税や公共料金値上げが間違いである理由【正解をすぐに言うべき時代】
先日のブログ記事で「国費を国民が負担する真っ赤な嘘」に触れましたが、「国民が負担しないなら、誰が負担するんだ?」と疑問がわいた方もいるかも。現代は遠回しやほのめかし、読者に考えさせたり調べさせるやり方が、あまり通用しないスピード時代です。だからこそ著者は、芸術の意味を何となくぼかしたまま放置しないやり方です。「芸術の特徴は表現の裂け目」「相反する要素を含んだ作品が芸術性を発揮する」と、こまめに言葉...
6月になると徴税や公共料金の請求が始まりますが、世界で日本だけが増税と料金値上げを繰り返している原因は、お金の意味や機能で大きい勘違いを続けているからです。なぜ勘違いが激しいかは、学校教育で嘘を教え続けてきたからです。「財源論」と呼ばれる嘘を。日本人だけは「国費は国民が負担する」真っ赤な嘘にまみれ、取りつく島もない状態です。「ええっ、国民以外に誰が負担するの」の声が飛び交うくらいに勘違いは強固であ...
戦争のスポンサーはどう儲ける?【自国通貨の発行はおもしろ錬金術】
戦争には必ずスポンサーがいます。資金提供者。出資者。出資者は戦争当事者にお金を貸して、勝っても負けても返済の金利でがっつり儲ける構造。戦争誘発業はイベント企画の範疇にあり、意図的に仕組む者が陰にいるとの説も昔からあります。どこまで細かい企画を立てるかはわかりませんが、戦争する双方の陣営に同じ者が出資していることも知られます。誰の出資か知られた戦争もあり、たとえば江戸幕府と戦う日本人クーデター学生へ...
お金を使うやつはバカとあなどる風潮【使った額が経済成長分なのに】
国の経済政策である「財政」の議論を聞くと、お金は使えばなくなるという間違った前提で語る者が多い。むしろ大半がそれ。「お金を大事にとっておかないで使ってしまうせいで、日本人は貧乏なのだ」の訴えに国民は納得して腑に落ちた様子。正論だとたたえて。お金を使えば他人の所得となって移動するだけで、地球上から失われたりしません。しかし日本では「皆がお金は使いまくれば国が破綻しても当然だろ」「バカの物欲が国を亡ぼ...
自由という魔法にひそむ社会崩壊現象【新自由主義とグローバリズム】
「私は魔法使い、君の願いをひとつだけかなえてやる」と言われたら、「お金をくれ」が浮かぶ人が多いはず。お金で自由が手に入る。しかしある人は「政府と同じ通貨発行権をくれ」を思いつくでしょう。これなら、お金を使い切っても底をつく破産が永久に来ない。実は正解があります。著者の初見は赤塚不二夫の漫画『天才バカボン』のパパの願いでした。「わしがずっと魔法を使えるようにしてくれ」。その願いはかなえられ、話が続き...
日本の報道の自由は世界70位と振るわず【検閲の一般化と途上国化】
「報道の自由」の世界順位で、最新の日本は70位だという。海外報道がタブーを破ったジャニーズ問題も関係はあるでしょう。マスコミ各社がワンパターンに陥るのは、スポンサーの意向だからです。スポンサーは超大企業や外資系が中心で、新自由主義とグローバリズムの立場です。なのに視聴者が納得するのは、美術のあの現象も共通するのでしょう。「正解はひとつであり、正解だけを知りたい」「色々な意見があると、どれが正しいのか...
家庭の主婦にお金を理解させる論法は【芸術よりてごわい人類の難題】
日本人は「お金は使えばなくなる」と思っています。美術のためにお金を使った時も、やっぱり減ってしまう。そこでお金を一切使わないようにすれば、良い社会に向かうのだと信じています。ところが実際は逆に社会は滅びます。「お金を使えばなくなる」の信念は、お金を石油になぞらえています。石油は発火させて燃焼させることが多く、石油と異なる物体に化学変化して大気へ逃げます。このイメージでお金をみて考えている人が多い。...
日本の地名に託された先祖のメッセージ【平成デフレの災害引き寄せ】
商戦の都合で国民の生命財産が失われる現象として、テレビでも特集があったのが「地名変更」でした。現代感覚に照らして住所の特に町名が古くさいと嫌って、しゃれた名称に変える流行が問題です。ご先祖からのメッセージが消えて、不幸に落ちる不吉な行動です。昔の地名にはマイナス面の特質を表す漢字を入れて、子孫たちの生存をおびやかす災害を防ごうとしてきたらしい。古人は「今だけ、金だけ、自分だけ」でなく、不都合な真実...
表面的と内容的は常に誤解され対立し断絶する【抽象思考の限界】
人間同士は常に対立して闘っていますが、一人の中で生じる闘いもあります。「表面的」と「内容的」の対立もひとつ。自分が注目する着眼点を、表面的なものから内容的なものへと変えた時に、人生のターニングポイントが訪れやすい。ラジオドラマの物語構成には定型パターンがあり、「表面的な現象で騒動が起き、ラストに内容が明らかになり、人同士の関係が修復される」が多い。理解し合えない騒動は、映画やドラマの大きいモチーフ...
ブランドのラベル効果と品質体感は混じる【価値の分別は意外に困難】
「ブランドにもの申す」論が世に出回りますが、著者は「ブランド論にもの申す」に関心がありました。というのは、ブランド語りで起きがちなのが、ネームバリューと品質を分けて感じ取る難しさです。二つは混じり合って受け取られるからです。高級ブランドの信用は二面あります。「性能が裏づけたブランド信用」と「ネームが裏づけたブランド信用」です。ところが二つを分けて考えることは、人間の心理学的には全く困難です。なぜな...
モナリザ症候群の説明がわかりにくい原因【へたな文章が連鎖する謎】
最近「モナリザ症候群」という言葉を初めて知りました。太っている人があまり多く食べていないつもりなのに、やせない現象を言うらしい。レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナリザ』の絵のモデルだったジョコンダさんに、少食でも太る傾向があったのかと思ったら、そうじゃない。
人工知能AIが描く絵に米特許庁は著作権を認めず【独占禁止の意味】
「創作物はいずれ枯渇する、何をつくっても誰かがやったものばかり」という説は現実に起きていると、著者は著書で触れました。米国特許庁が出した「人工知能AIが描いた絵画には、著作権を与えない」の判断は正しいと著者は考えています。「でもAIが描いた絵にも創造的なものはあり、著作物として認めてよいのでは」と思っている人は、やはり考えている範囲が狭いのです。この問題は音楽でよくわかります。今の音楽は西洋の12音階方...
バブルがはじけた原因は芸術よりは簡単なはず【ジュリアナ東京伝説】
最近、バブルがはじけるのが近いとの記事を見ます。Yahooニュースに港区の大規模ディスコ『ジュリアナ東京』なき近辺で、再開発が活発化している報も。部分的なバブルは毎日はじけているから、言うが勝ちかもしれません。NFTアートバブルもそんなひとつでした。日本のバブル経済は1987~1992年の5年間が中心で、発端は『五カ国プラザ合意』でした。高度成長を果たした日本を円高に変え、他国が輸出で日本を打倒するもくろみ。その...
ジグソー『スカイハイ』をアルバムで聴く【格闘技でも大人気の名曲】
香港とオーストラリア合作の映画『THE MAN FROM HONG KONG』のテーマ曲が、ロックバンドのジグソー(英)『スカイハイ』。香港映画『片腕ドラゴン』(1972)の主演ジミー・ウォング(台湾)が、刑事として敵のビルへ乗り込む伏線が、冒頭のハンググライダー。乗り込まれる組織の親分は英国映画『女王陛下の007』で、ジェームズ・ボンド役を一度きりで辞任したジョージ・レーゼンビー(豪)。イギリスや米ハリウッド映画と違う雰囲...
悪い時代のヒーローは時代を悪くした犯人さ【四月馬鹿とは言わずに】
何度か論じてきましたが、悪い時代のヒーローたちは、時代を悪くしている犯人なのです。そのヒーローたちに「時代を良くしてください」と頼み込んで活躍の場を与えると、より悪い時代へとどんどん変えていくに決まっています。しかも国民は思考でつまずきます。「時代を悪く変えたいやつなんていない」と思考してしまう。実はいるのです。たとえば消費税を上げれば、誰にとっても生活費が高コストになります。「だから上げたい者な...
高齢者が集団自決すれば日本は経済成長する【反論する善人も勘違い】
勘違いしている人に、勘違いだと教えるのは、実際にはかなり難しい。理由は主に三つあります。ひとつは、人間は保守的で惰性的で、勘違いにフリクションがかかる点。二つめは、外部からの洗脳が発端の場合、容易に解けないカルト宗教のパターンに陥る脳の限界です。まだあります。もし自分の勘違いを認めてしまうと、一貫しない自分の立場がない。勘違いで築いた地位や収入を失いたくない自己愛の心理。メンツと利害も理解を妨げる...
株価は上がったのに暮らしが落ちるのはなぜ【当たり前の株主資本主義】
日経平均株価が史上最高を記録しました。1989年12月29日に最高価格38957.44円、終値38915.87円でした。以降が「失われた35年」。その日からアメリカ株は14倍に上がったのに、日本株は逆に下がったままで、経済衰退が延々と続きます。若者の過労死が絶えない時代。その日本株も最近4万円台に上がりました。国民の疑問は「株価は高いのに、僕らの暮らしはなぜ悪いままなの?」。この疑問が間違った前提なのです。今の世界を覆う新自...
人間は変わるものか、変わらないものか【格言が矛盾する人生の本質】
「人間は変わろうとすれば、変われるものだよ」と「人間は変わらないものだよ」の二つの言い方が聞こえます。矛盾するように思えますが、そのとおり矛盾しているのです。芸術の運命を追っても、人間は矛盾した生き物だとわかります。舞台芸でもいえます。「僕は人前に出て目立ってはいますが、実は生まれつき引っ込み思案な性格です」という言い方。これつまり、引っ込み思案な性格と、前面に出て社交的にやる行動に、さしたる相関...
紅茶の価格グレードと味わいの不思議な関係【価格6倍の違いは】
著者は家では水道水を飲んできて、飲み物をつくる家庭的な楽しみとは無縁でした。一杯のコーヒーや紅茶を入れたのは、人生の半分をはるか過ぎてからでした。豆の挽き方にこったコーヒーの次は紅茶。一袋4円のティーバッグを大箱で買い続けています。ふと店で気になり、一袋24円の高級な紅茶を買ってみました。素で飲んでみると、何と味がしないのです。どの程度おいしいのかと心が構えたせいか、4円の紅茶と似たような印象です。ま...
物やサービスを買わない理由は隠されてしまう【飲み会と絵画購入】
平成になって飲み会が減った理由と、飲み会を若者が嫌った理由は同じです。緊縮財政と消費税増税による通貨削減で所得が減り、可処分所得が減ったから。生命維持に必要でない出費を減らしたいから。生活費を節約するために、飲み会へ加わらなくなった。しかし「僕は貧困なので飲み会へ参加しません」と言う若者は少ない。「上司とは飲みたくない」と理由をずらす。上司のいない同僚の飲み会もガクンと減ったから、真っ直ぐな告白と...
ガリレオ+センメルヴェイス+ゴッホ【常識人が最も嫌う異端者列伝】
新型コロナのクラスターで封鎖された施設の女性に、センメルヴェイスの話題の前置きでガリレオの語を出した時。「ガリレオってなーに」と質問されて撃沈しました。全員を敵に回す一人ぼっちの人生は、考えてみれば男の子の世界といえるでしょう。ハンガリー人のセンメルヴェイスの名が日本で表に出たのは、コロナ前の2019年でした。消費税が8パーセントの頃で、もう5年近くもたつ。「センメルヴェイス反射」と呼ぶ行動が「税金は財...
結婚相談所で窮する男女の背景は緊縮財政【新自由主義の格差拡大策】
バブルより前からあったアルトマンシステムの現代版が、結婚相談所と呼ぶデータベース式の仲人産業です。入会した29歳男性、55歳男性、28歳女性が異性と見合いし、交際し成婚を目指すTVノンフィクション番組が、ネットで話題になっていました。かなりの話題性。何が話題の中心かは、内申書のスペック重視で相手を選ぶ世知辛さや、男性はエステ通いやメイク、女性は美容整形を受けて挑む、残酷なほどシビアになるお見合いでした。晩...
『セクシー田中さん』テレビ実写ドラマ改変圧の背景【原作乗っ取り】
漫画『セクシー田中さん』の作者が、実写テレビドラマ化で違約の改変を受け、ライバル的な脚本家のSNS発言の後に自殺した件。最初に連想したのは、芸術が苦手な国民性の反映です。著者は昔、女性コミックを持ち主からまとめ借りして読み、細かい心理描写に驚きました。紙の漫画は抽象表現を多用するから、芸術の要素を自然に含みやすい。それでファンやオタクの鑑賞力で受け止められても、テレビ化なら万人受けも必要だろうくらい...
アラフォー女性とクロワッサン症候群【悪い時代のカリスマは極悪人】
考えてみれば、日本が世界から浮いて経済が単独で落ち続ける時代に、落としている犯人は当代の顔役です。当代の売れっ子カリスマ論者や、ベストセラー書がそう。よく売れた書籍は経済衰退させるための指南役でした。悪い時代の人気書籍は、悪書である真理です。一例が著者も読者だった雑誌『クロワッサン』でした。結婚しない女性の生き方を提案し、そのかっこよさで若い女性たちを魅了したのです。今結婚したくてもできない、アラ...
日本の唱歌赤とんぼは和音が劇的【しかもロンドンデリーの歌の類型】
以前から先延ばししていた歌曲の編曲を、最近進めています。山田耕筰(1965没)作曲、三木露風(1964没)作詞の『赤とんぼ』。この曲の魅力は故郷を感じる歌詞なのは間違いないとして、二回上昇するサビのメロディーが決め手だと思えます。「け、こやけーのー」と「て、みたのーはー」で二回高く舞い上がる。このメロディーはパクリとされた騒動があり、シューマン作曲『ピアノと管弦楽のための序奏と協奏的アレグロニ短調作品134...
ChatGPTが学習する文書と画像は盗作か【ネットの著作権問題】
ChatGPTは、人工知能AIが読者の質問に答えるプログラムです。ネット上にある大量の活字、画像、音声をまず「学習」して、知識を整理して待機します。そうして人が文章をつくる時の話のつなげ方や、論理展開の技法をプログラムが備えます。ChatGPTサイトでユーザーが質問すると、瞬時にAIが答えます。しかし根本的な課題がいくつか残っています。ひとつは著作権です。ネットに置いてある著作物は、ピカソ論にしても、若い画学生が描...
デマに目からウロコが落ちて日本沈没【ウソやガセでも感動は生じる】
大勢の日本人が目からウロコとなった言葉は、たぶんこれ。「国も家庭と同じで、収入以上に支出すればお金がなくなって破産する」。それを信じた結果、世界で日本経済だけが「失われた35年」です。読者はもう信じていないでしょう。もちろん国の破産は真っ赤な嘘です。なぜ嘘かは、政府に通貨発行権があるから。家庭に通貨発行権はない。「国がお金を使いすぎれば、金庫の一万円札が減りすぎて底をつく」「金欠で国の台所はおしまい...
人を幸せにする生き方が馬鹿にされる理由【新自由主義では他人は敵】
今の日本では「人を幸せにする」の生き方は失墜し、カリスマご意見番たちも鼻で笑うほど。「助け合いは社会主義だ、ソ連になりたいのか」と忌み嫌います。代わりに「優れた者は残れ、劣った者は滅べ」という弱肉強食の選民思想が大衆の心をとらえ、だからカリスマに君臨。日本の若者に広くみられるのは、助け合いよりも倒し合いすれば、戦いを通して人間の能力が高まって、イノベーションが起きて経済成長する筋書きです。互助と協...
二次大戦で食べ物に飢えた理由を理解する手がかり【お金不足でない】
謹賀新年。今90歳の人は、太平洋戦争(大東亜戦争)の終戦時に12歳の小学6年生でした。そして多くの児童は飢えた体験を持ち、それゆえ食物を大切にする傾向が強い。レストランでSNS掲載用に撮影し、食べずに帰る客の出現は、飢えを知らない後の世代でしょう。ところで今の新世代たちは、二次大戦の後半に日本人が飢えて栄養失調になり、次々餓死した理由と、そのメカニズムを理解できていません。特に理屈一辺倒の人に多いのは「出...
労働の意味が誤解されやすい日本の危機【食べるために働く意味とは】
日本では「食べていくために働く」の意味が誤解されています。食べ物を買うお金づくりが労働だと思っている人が多い。富裕家庭に生まれたら生涯遊んでいても食べていけて、平凡家庭に生まれた罰ゲームとして労働を位置づけるのが、カリスマ論者たちの切り口あるあるです。これはお金の性質を誤認した間違い解釈です。国民が労働する理由は、自分たちの食べ物を作るためです。「食べるために働く」という日本語は一応は正解ですが、...
音楽曲は繰り返し聴いてやっと理解できる【絵画も何度も見ようぜー】
著者は音楽には詳しいつもりで、各種ジャンルのソースをコレクションしています。生涯を通して増やし続ける理由は、探し続けているから。たとえば他人から「この歌手はいいし、このバンドもサイコー」と耳に入れると、「へえ」「ふーん」でその場は終わります。しかし後で必ず調べ、聴いてみることにしています。心がけではなく、ほとんど習性になっていて、力んでなんかいない。他人が注目するものは、注目するだけの内容があるは...
ディープステートの語が日本で理解されない理由【デフレ不況が続く】
ディープステートの存在を信じない心理と、貧困化は相関します。だが最近はディープステートは妄想だと抗弁するなら、いくら何でも意固地すぎるとみる傾きも感じられます。ディープステートは「民間の政商」を指すと徐々に知られてきたからです。「政商はいるけど、ディープステートはいない」だと話が変。ディープステートの語をテレビが嫌い、ありもしない陰謀説だと簡単に言い出す理由は簡単で、ディープステートは番組スポンサ...
クリスマスツリーの飾りは生け花の技術と同じ【ツリーアレンジメント】
日本初の公的なクリスマスツリーは1886年の横浜だそうで、世界初のクリスマスツリーは1419年らしい。著者は最近ある施設でクリスマスツリーを飾りつけ、生け花の芸術的なやり方を応用しました。生け花の極意のひとつが、アシンメトリーのバランスです。シンメトリーとは、左右対称や等間隔リズムの繰り返しなど、幾何学的な規則性に沿っている意味です。アシンメトリーはその無機質な配置を崩して、規則的なリズムをなくしてバラン...
アリス谷村新司のチャンピオンの論理【防衛戦は後輩に席を譲る儀式】
あらゆる職業人は、自分の責務を業界への貢献と繁栄に広げます。日本国民は特にそうした社会性が強いのかも知れません。日本人温厚説へのカウンター的にスパイト行動が言われますが、堅固な仲間意識の国民性の方が大きい。だから単純な自己責任に変えたら失墜しました。フォークグループのアリスの谷村新司が先日亡くなり、追悼でどの曲がベストかの話題で、『チャンンピオン』が一番との声が多かった。この曲はラブソングでなく、...
富士山の噴火に備えない国民の心理とは【心のマグマが爆発するぜー】
富士山の噴火はそろそろ起きそうだと言われ、研究者たちの定説では、遠い将来でなく近い将来に爆発するという。なのに噴火に備えた政策は皆無に近く、国民も警戒心はほとんどありません。話題に出しても食い付きが悪いし。そうなった理由のひとつは、緊縮財政と消費税増税による通貨削減で、国民は貧困化しデフレ不況の最中です。大勢が食べていくだけで必死になり、国を案ずる気持ちはもうない。自殺回避などが先立ち、結婚せずに...
失われた35年が確定した日本【世界で唯一こじらせたアラフォー国】
戦争の足音以外で日本に迫る脅威は当面は二つ。経済衰退と移民拡大です。経済衰退は新自由主義の策略、移民拡大はグローバリズムの策略です。二つは関係が深く、連携して国家破壊し国の資産を資本家が所有し独占する目的です。あと40日で『失われた30年』が35年目に入り、アラフォー不況が確定した記録更新中の日本で、物価高騰の混乱が続きます。現象を説明すれば、緊縮財政と消費税増税で通貨削減して所得減となり、続いた貧困化...
政府が自国を壊す意味を理解できない日本人【論文に書いてある】
各国政府が故意に自国を壊し解体させていく経済主義の存在を、頭から信じようとしない人が不自然に多い問題が日本にあります。昭和の日本が終身雇用や年功序列を採用し、成果が「ジャパン・アズ・ナンバー・ワン」の経済成長だと知らない世代も増えました。日本人が日本文化をみる時に、悪い部分に期待し、良い部分をけなしているのは、教育の影響です。戦後教育の指針は、日本の植民地化を狙ってきた列強の連合国、すなわち進駐軍...
格差社会を目指す新自由主義との闘い【文化芸術の基盤を守ろう】
日本国が経済成長せず貧困化した原因は、緊縮財政と消費税増税による通貨削減です。皆の所得を年々減らし、物を売れなくさせる政治プログラムです。新自由主義に基づき、故意にわざと意図的に国を売り崩す。それを誰が指図したのか。グローバル資本家たちです。金融界とつながる、産業界の大物がバックにいます。国を故意に貧困に変え、国家丸ごとの時価総額を下げ、国内の資産価値を下落させます。金欠で維持できず吐き出した資産...
日本のGDPはドイツに抜かれ4位へ墜落する予定【国民の認識は逆さま】
昭和時代にアメリカに続きGDPが世界2位の日本は、平成に3位に落ちました。来年、令和6年にドイツに抜かれ4位に落ちるとIMF(国際金融基金)が予言しました。IMFは新自由主義の支持組織でもあり、日本の没落と解体を望む立場である話は今回はやめましょう。日本崩壊願望は、飛鳥時代から築いた日本の資産を、グローバル資本家たちが安く買い取るチャンスです。問題は、日本人の勘違いの妄想が今も続いている点です。GDPが4位に転落...
理想的な好人物の男性を愛せない女性の謎【芸術作品とのアナロジー】
経済ブログで男女愛をテーマに書こうと思った理由は、「新自由主義」「グローバリズム」に染まった日本で、高齢者への愛が国民から消えた現象です。日本の若い男性が草食化したのは事実で、原因は通貨削減による所得減です。エサを減らした動物は繁殖力が下がる。男女愛の停滞のひとつは、男性から告白を受けた女性が、なぜか好きが進まない困惑の相談です。つき合い何カ月もたつのに愛するにはいたらず、関係はすでに進んでいるの...
管理通貨制度50年記念+信用貨幣の時代と版画【日本の貧困化の謎】
「管理通貨制度」は現代の財政手法ですが、この語が知られず理解されにくいのが世界の現状です。特に日本は、これを知らないせいで主要国で唯一の貧困化を、国民が許して飲んだ状態です。「失われた34年」の平成大不況は、管理通貨制度に背いて生じています。管理通貨制度とは政府が信用貨幣と呼ぶ自国の借用証書を発行し、そこに書かれた数字が財源になるという方式です。世界で延々と誤解されていた「お金」の意味を、本来の正し...
洗脳された民意を外圧が溶かす可能性は【情報戦でつぶれた平成日本】
カルト教団のサリン事件で知られたのが、洗脳やマインドコントロールというだまし方です。洗脳された者も自らを正常な人と思っているのが怖い部分。日本人の大半を洗脳した嘘の例が「国費は国民が負担する」「消費税は預り金」で、国民はまだ正常化できません。洗脳だから。海外から「失われた30年」と呼ばれる経済停滞とデフレ不況は、まだ力強く続く。そして国民は現状を強める方を選ぶから洗脳は怖い。日本の伝統や先祖伝来の無...
SNSでの誹謗中傷を法規制する流れ【先進美術館構想とのつながり】
SNSで激しい誹謗中傷の炎上に加わった加害者が、後にネット報道社に動機を語りました。仲間との一体感にゾクゾクする興奮があったそう。皆でリンチするきずな。この犯罪の中心的な原因はネットだと言われますが、著者は平成デフレ不況が主因だと訴えてきました。日本の国策は、国土全体の価値を下げる貧困化です。「なぜそんなことを?」は簡単な話で、世界は1980年から新自由主義とグローバリズムに染まっています。今の日本は忠...
インボイスの嘘を謎解くユーチューバーが増加中【消費税の嘘と複合】
10月に入るとガクンと気温が6度ほども下がり、セミの声も皆無の朝が続きます。予定どおりインボイスが施行され、日本経済は徹底破壊されるシナリオが進みます。インボイスには複数の目的があり、複数税率で業界ごとに優遇冷遇を変える「アメとムチ政策」の準備が大きい。10%への増税時に新聞社を8%にすえ置いた結果、消費税批判がマスコミから消えた懐柔成功も、動機としてあるでしょう。これつまりナチス方式です。そのインボイ...
ナチスに報道機関は親身に味方する理屈【誰も自分が得する側につく】
現代のナチスが現れ育つと、新聞テレビなどの報道機関は、当然ながらナチス側に味方して、ナチスの敵と戦うようになります。なぜそうなるのか。いや、そうではなく、なぜこの説明が皆にとって違和感があり、意にそぐわないかを問いたいところ。ナチスは絶対権力者なのであり、逆らった新聞社や放送局は抑圧され、幹部や家族が投獄されたり不審死などが待ち受けています。絶対権力というものの恐ろしさを、現代人がよくわかっていな...
自己責任を芸術に持ち込んではだめ【新自由主義は文化をつぶす圧力】
かなり前の雑誌だかの議論。日本で強盗殺人ではなく、恨みなどで一人を殺しても懲役12年などになる現実を指して、「12年と引き換えに殺人してもよい意味になる」という意見を見かけました。弁護士は反論して「法律はそういう趣旨ではない」と。著者には弁護士こそが机上の論に思えました。犯罪をやる者は法の趣旨を尊重せずに、しかし法そのものは無視せず、利害の計算が行われると想像できます。例の森友事件の公文書開示請求でも...
現代貨幣理論入門の平易で難しい本【現代芸術理論よりも難しいかも】
著者が常に避けてきた言い方が「僕には理解できません」。非常識な人や物を批判する「全然ダメ」の烙印を押す意図でしょうが、自らの理解不足を暗示してもいます。天動説の信者が、地動説を理解できないまま切り捨てる時も、この言い方だったはず。バツをつける宣告。「俺にはわからないぜ」と言い放ったとたんに、自分の知識や思考力や理解力はそこまでしか届かない、見識の限界を自己申告したかっこう。「それ恥の上塗りでしょ?...
米政府とNASAの宇宙人騒ぎと落語の天狗裁き【結論ありきの思考停止】
落語の『天狗裁き』は、昼寝していた夫が夢などみていないのに、みたはずだと妻が夢の内容を問い詰める噺です。親友から大家さん、町奉行と、彼を問いつめる者がだんだん大物になってエスカレートし、しまいに天狗様の裁きを受けて殺されてしまいます。よく似ているのが、アメリカ政府とNASAとが、アメリカ国民にUFOに関して報告するあれ。政府は宇宙人との交流も通信もやっていなくて、めぼしい情報を持っていません。なのに国民...
武士のイメージが日本で曲げられた原因【進駐軍のWGIPの一環か】
江戸時代の士農工商はおよその区分にすぎず、またがっていた人もいたそうです。武士でありながら、畑で作物をつくり商店で売っていた人だとか。その武士という概念は今では世界で、サムライとして日本文化の象徴のひとつになって人気があります。著者が海外美術展を募集だけしていた頃、サムライがテーマの作品展示がドイツでもありました。絵になるアイテムはやはり日本刀で、それでジャパン・フェスティバルでも日本刀の販売店が...
日本人は日本文化や芸術に無関心【二次大戦の懲罰WGIPで洗脳】
日本人はなぜ自国文化や芸術への知識も理解度もないのか。これは海外へ行った日本人が、よく他国の人から言われるらしい。『源氏物語』を読んだことがないどころか、およその内容も知らない人だらけ。相手国の人が知っているのに、日本人は知らない。当時の普通のOL相当の紫式部のキュートなイメージで、少し前に現代訳本が出て話題になりましたが、それほど広く読まれなかったような。とにかく日本人は日本のあらゆる作品が、あま...
不幸な時代に人気の書籍は不幸へ引っ張る本【どう考えても当たり前】
日本国民だけでなく世界中の人々が理解できないひとつがこれ。「ある時代によく売れている本は、その時代をつくっている」。つまり好景気が続く時代には、国民を富ませて国力を上げるよう、皆の手を引き背中を押す本が信用され、よく読まれます。不景気が続く時代には、国民を貧しくして国力を下げる本が信用され、よく読まれます。では平成以降の「失われた34年」なる経済衰退と、「デフレ不況26年」の国民貧困化時代に愛好され、...
人類の理想が強いと戦争が起きる【現実から遠いほど不幸は拡大する】
「あれをこう変えたら、世の中は理想的だ」という何らかのベスト追求が、戦争を起こすという歴史法則があります。「世界を最高にデザインしてやるぜ」が、戦争を呼び寄せるお約束です。宗教戦争もそうだし。共産主義も同様。「理想はこうである」で殺人合戦がスタートし、「現実はこうである」で終戦になるお決まりのパターンです。「理想をかかげてみれば、人権侵害が広がる」が世の現実です。人類の中に天才が現れ、究極の理想を...
『暴動』スライ&ザ・ファミリー・ストーン【平和な表現の裂け目】
著者は全方位の音楽に手を伸ばしてきましたが、まだ一度も聴いていない著名なアルバムがスライ・アンド・ファミリー・ストーンの『暴動』(1971)でした。ソウル分野のファンク系の走りとされる傑作。色々な評論では「時代の緊迫感が焼け付くよう」的な論調が多い。少し前に当時のLP盤の収録分を聴いてみると、荒れた曲の合間にある温かくハートフルな部分が印象に残りました。ギラギラ、ギスギス刺激的な音に対比させた効果が秀逸...
怪事件が起きるたびに皆が首をかしげ【原因は緊縮財政と消費税】
平成中盤から日本はテロ多発状態に変化し、令和になってもむごい暴力的な怪事件が連発しています。問題は、なぜこんな日本になったのか、首をかしげる投稿のあまりの多さです。本当に思い当たるものがないなら、ぼんやりしすぎています。世界は日本を「失われた10年」と呼び、2023年現在で延々と34年失っています。22歳で就職した若者はすでに56歳となって、その間経済は下り坂を落ち続けています。キーワードはデフレです。デフレ...
構造改革と規制緩和が破壊的【電動キックボードのレントシーキング】
著者の本に「憲法を変えるのに賛成か反対か」の質問が無意味な理由を書いています。変えると言っても、どう変えるかで賛成反対も逆になるから愚問でしょう。平成の成長戦略「構造改革」「規制緩和」がそれです。これ現に内容は衰退の促進です。構造改革とは国民所得が減る構造へ変える意味で、規制緩和とは貧困化を防止する規制を取り払う意味です。構造改革の典型例が非正規社員の拡大で、規制緩和の典型例が農薬を規制する濃度を...
今の人気者が今の時代の作者である【好景気でも不景気でもいえる】
日本を現仕様へ変えた人は、今の日本の顔役たちです。支持者やファンが多い人気者のご意見番や指南役、時の権威者たちです。「この人の話を聞きたい」と皆が思う大物たちが、日本を「失われた34年」「デフレ不況26年」へと保っている人たちです。経済低落中であっても、作者は時の人たちです。日本の今を牽引する者たちが、日本を落としている当然の理屈です。日本経済が延々と上がらず、世界から脱落している最中である現在、日本...
レストランの女性店員が皿を連続して割る日【原因は速度オーバー】
著者が企業にいた頃は好景気で、毎晩仕事仲間と地下レストランへ夕食へ行きました。いつもの女性従業員が、厨房で皿を落として割ってしまい、我々が帰る頃にもまたパリンと落ちた音が聞こえました。「今日は朝から三回目だ、おかしいぞ」と、店長の不機嫌な声も聞こえます。とはいえ食器や急須など磁器類は熱膨張を繰り返すだけで材質が疲労し、いずれ取り替え消耗品です。ただ床に落ちるのが不自然に連続するなら、理由は気になり...
死刑判決日と執行日のタイムラグが大きい日本【美術の審査と似た話】
日本では死刑判決から6カ月以内に執行する法律ですが、忠実に守ろうとする動きはなく、平均7年半以上と、規定の15倍にも伸びています。最近ネットによく出てくる6カ月以内を遵守せよという声には、簡単に応じてはだめ。動機が時代錯誤の財源論だからです。刑務所の維持費や収容者のコストは公金なので、そのお金を国民が払ったり、社会が負担したりはあるわけがないのです。公金とは追加発行した当該年の自国通貨の増分で、刑務所...
芸術のエントロピー増大と減少【加減で作品充実度が極大化する】
著者が相当昔に考えた「芸術とエントロピー増大の関係」を、最近また考えることがあります。抽象作品の充実度を左右する大きい要素だからです。エントロピーは熱力学の専門用語で、社会学の分析にもよく出てくる概念です。たとえば家の敷地で造園が完成した時は、樹木や花がきれいに並んで、この状態のエントロピーは小さい。手入れしないで何年も放置すると、全体が雑草に埋もれて花壇と広場の違いもわからなくなり、古墳みたいな...
タイタニック号見学ツアーの深海探査船が水圧で分解【国営と民営の差】
タイタニック号はカナダの東ニューファンドランド島近く3650メートルの深海に沈んでおり、それを見学する潜水艇タイタンが1070メートルの水圧でつぶれ5名全員が亡くなった事故。日本経済の『失われた34年』に無理に話をつなげると、国営と民営の差がカギになります。特に採算を度外視してまで安全を追究する場合、たとえば海軍の潜水艦などは、国営でないと成り立ちません。民営で建造すると採算を気づかい、コストパフォーマンス...
「ブログリーダー」を活用して、Wakaruartさんをフォローしませんか?
著者が日本の軽音楽に不満な点は、バックビートが盆踊りに化けることでなく、リフレインの単調さが大きい。4小節でワンコーラスを4回繰り返す展開で、合計16小節の起伏がなく、時間がたいくつすぎる曲がよくあるのです。見直されるシティポップの中にも意外にあって。海外のバンドリーダーやプロデューサーなら、4回繰り返しても各回を違うアレンジ(編曲)にすることが多い。A、Aダッシュ、Aプラス、Aエクステンドなどと、少しず...
『実は死亡する予定だった重要キャラクターたち』というおもしろ動画があり、有名な映画作品の中で、ラストに死亡する予定だったはずが、生き延びる設定に途中で変えたケースです。こうした作品の大変化は、芸術表現に関わる人には何となくピンとくるでしょう。芸術創作のオリジナル原作は、暗くてむごいラストで重くなりやすい。暇つぶしの娯楽を超えて訴えるつもりでしょう。そこに配給会社幹部が「死なせずに生きさせてくれ」と...
昭和の象徴「年功序列」「終身雇用」は、当時の若者らがさっさと転職する「売り手市場」への企業の対策でした。1950年の朝鮮戦争特需とケインズ主義という、高度成長中盤のこと。就業年数で昇給し出世し、40年勤められるよう福利厚生も厚くしました。社宅も必須。「年功序列と終身雇用」は、平成に流行した昭和批判でやり玉にあがりました。「窓ぎわの老害が足を引くから、日本は経済成長しない」と、クビ切り自由化を叫ぶカリスマ...
「バックビート論争」がネットにあります。アメリカのポピュラー音楽はしゃれてかっこいいのに、似た曲を日本人が演じてもダサく、イモっぽくなってしまう原因は、民族のリズム感覚の差だという。その焦点がビートの表と裏の関係らしい。バックビートの定義は日米で違い、共通認識として4拍子の曲なら2拍と4拍をバックビートと呼び、1拍と3拍をオンビートと呼びます。一例で「やーれん、そーらん」の歌に手拍子すれば、バックビー...
紙の本の良さは何か、の議論がよくあります。1990年代のラジオ番組で聞いた議論では、ワープロの電子文書と比較した利点がテーマでした。さらに21世紀のネット時代になると「紙の本の良さが僕には全くわからない」という全否定の論調が増えたのです。デジタル礼賛の表明。それなりの中高年がそれを言い出せば、先進的な柔軟な人格を演じた、アイデンティティー確立を狙った発言が想像されるでしょう。ドライな割り切りのよさがエリ...
ネットでよく見る「ビジネス戦略」を説くニュース。企業業績を上げるために、社内の問題点と課題を提案する論説の全般が、前提が根本的に間違って脱線した空回りです。昨今の業績悪化を、社長がバカで社員がサボリだと解釈した論点ずらしだから。昭和に世界に轟いていた日本企業たちが、平成令和にすっかりしぼみ、廃業したり外資に買収される原因は、緊縮財政と消費税増税です。緊縮財政とは国債発行の拒否。消費税増税とは国民の...
「芸術ほど誤解された分野はない」で始めたら、究極の誤解は年貢米式の「国費は国民が負担する」です。国民の資産は政府が供給するから、国民の資産を政府が欲しがるのはお芝居です。が昨日の全国世論調査で「消費税減税か廃止」への賛成は73%に達したとあって驚き。政府はお金を発行する仕事だからお金に困るわけがなく、だから税金は財源でない。通貨発行分(国債発行残高)と相殺し通貨抹消して、市場経済を爆買いで狂わせる過...
動画サイトの衝撃映像のシリーズに、産業車両事故の記録があります。クレーン車、フォークリフト、パワーショベルなどで作業中に、倒れたり、落ちたり、落としたり、周囲も巻き込んで車や建物を押しつぶし、作業員の手足や胴体をつぶしてしまう事故も多い。読者コメントはあきれた声が多い。産業車両の運転手も操作員も作業を急いでいる上に、見るからに装備が不足しています。そして物理法則の初歩も知らず、これから何が起きるか...
日本の「失われた10年」は令和7年で36年目。原因は緊縮財政と消費税なので、消費税廃止を訴える正論が「財務省解体デモ」に含まれます。うち穏健派はこう言う。「財政健全化も確かに大事だけど、まずは消費の罰金たる消費税をやめて、売買を活発にすべきでしょ」。この論法だと財務省に負けます。なぜなら「財政健全化」は机上の論にすぎず、真意は「経済成長をゼロかマイナスにとどめる」だから。母子にたとえると「母が子に100cc...
トランプ関税の原動力のひとつが、アメ車が関税ゼロの日本で売れない問題です。非関税障壁へ対抗した米側の関税は24%に決めた。トランプ氏は関税以外の、非関税障壁に着目しています。が英BBC放送が何年も前に「狭い道に対して車体が大きすぎる」と謎解きしていました。しかし著者が非関税障壁として真っ先に思い浮かべたのは、両国の実質GDPの伸びとデマンドプル型インフレ率の落差です。コロナより前の20世紀終盤に、アメリカは...
Aさんが言う。「僕の話は極論に聞こえるけど事実なんだ」。Bさんは突っ込む。「その言い方をする人は必ず極論を言うのさ」。こんなやりとりは何を意味するか。Aさんは、Bさんの見識が狭いから理解しないだろうと予想し、前置きで釘を刺したと考えられます。Bさんは理解できないトンデモ話を多く聞かされた過去があり、どうせ君も極論を言うのでしょと釘を刺しました。つまりAさんの予想どおりBさんの見識が狭かったから、B...
日本のよくある論調では、国力とは国が持つお金の多い少ないですが、これは無意味な指標です。なぜなら、自国通貨は政府が必要なだけ発行でき、今の十倍や百倍に刷り足すのも簡単。国家は無料でお金を欲しいだけ刷れて、お金に困る道理がありません。ならばなぜ、お金を多く用意できる国と、少なくしか用意できない国があるのか。簡単です。「欲しいだけ刷れる」の「欲しいだけ」がカギです。お金が欲しい理由は買いたいものがある...
当ブログでは芸術を理解する焦点とツボを解説しますが、芸術一辺倒でなく世事も含めて話題にします。そして「財務省解体デモ」の報道内容がわかりにくい問題。芸術を語る時と似て、焦点があいまいだし言葉が滑ってしまっています。チンプンカンプンな報道。財務省を解体する目的は、財務省内の「歳出」と「歳入」の部門を分けることです。両方を含むから国債発行と税収を等しくする短絡思考で、国の経済成長が常にゼロになる。企業...
SDGsという略語の和訳は「持続可能な開発目標」で、二酸化炭素地球温暖化説が典型です。世界はこの方向へ全員が向きたまえいう宣言ですが、資本家や資産家、経済学者を集めた国際会議で決められます。要は1パーセントの富裕層が決めた、世界を支配する設計図です。ファッション業界の「この春はパステルカラーが流行りそう」「次の秋はアースカラーとモノトーンです」と似て、予言を装う誘導。SDGsの中には迷惑なものもあり、ジェ...
「美術の価値」という概念は、実に多くの話題を生みました。「価値」は抽象語で意味が複数あるから、一人一人が異なる意味で使いやすく、よくすれ違います。同じように「お金の価値」も、言葉説明を詳しくしないと互いに意味が通じないことが多い。お金で考えると金銭欲がじゃまするから、鉄道切符で考えるとわかりやすい。新幹線の9700円の切符は、発行するJR社側からみると9700円の宝ではない。道を歩くJR職員がJRの未使用切符を...
「言論の自由がなくなると、民主主義は成り立たない」。アメリカ政権入りした民間人イーロン・マスク氏も、日本を憂えて言いました。このトートロジー的なわかりきった標語に、全ての答があります。民主主義を壊したい派が、言論の自由を狭める案を出してきます。1980年代以降の新自由主義とグローバリズムは、上級国民と下級市民の格差を拡大して、上が下を支配し、賃下げして搾取するセオリーです。早くから明文化されています。...
世界中でよく見かける間違った議論のひとつが、「資本主義はもう限界に来ている」です。このフレーズの何が間違いかは「語句定義の自己流解釈」です。多くのケースで、資本主義の「資本」はお金を指すのだと誤解されています。お金という資本を投じる経済だとして。資本主義の資本は、道路や電線を指します。主に社会インフラを指す。公的だから、国の政府がバックグラウンドに立つわけです。その推進力は自国通貨の発行です。言い...
ウクライナのゼレンスキー大統領とアメリカのトランプ大統領の奇妙な口論を、50分全編と訳文で調べました。トランプ氏の穏やかなねぎらいの言葉に対して、ゼレンスキー氏はプーチン氏への非難で割って入り、会議を壊した流れです。停戦合意をさせなかった印象。日本のテレビ報道内容は、切り取り映像イメージによる印象操作です。富裕層の言うことを聞かないトランプは、富裕層が出資するテレビ局の敵だから当然そうなる。また別に...
「増税すれば景気は落ちる」の言い方が、ネットによくみられるように変わりました。この正論は奇妙で、何ともねじれた感のある表現です。なぜならどの国の政府も、景気を冷やしたい時に増税するから。増税の主目的は景気下げなのに、副作用みたいに言うのが奇妙。国の財源は国債であり、公金と呼びます。税金は財源ではない。政府の支払いに使う資金づくりで税金を集めたりしない。なぜそうなのかは、今言いました。国の財源は国債...
財務省解体デモはもう全国に広がり、国民の正義感以上に危機感が漂います。沈黙中の民放テレビの一部が報道しました。『失われた10年』はもう36年目で、無限の増税で国民を貧困化させ、少子化急伸で人口減を進め続けた主犯は財務省だったと、国民は察しました。著者はフランス革命と関連づけて本にしましたが、圧政もいつかは滅ぶ摂理でしょう。財務省が総理大臣をあやつり国をとことん破壊した平成は、令和に入って転換点が近づい...
先日のブログ記事で「国費を国民が負担する真っ赤な嘘」に触れましたが、「国民が負担しないなら、誰が負担するんだ?」と疑問がわいた方もいるかも。現代は遠回しやほのめかし、読者に考えさせたり調べさせるやり方が、あまり通用しないスピード時代です。だからこそ著者は、芸術の意味を何となくぼかしたまま放置しないやり方です。「芸術の特徴は表現の裂け目」「相反する要素を含んだ作品が芸術性を発揮する」と、こまめに言葉...
6月になると徴税や公共料金の請求が始まりますが、世界で日本だけが増税と料金値上げを繰り返している原因は、お金の意味や機能で大きい勘違いを続けているからです。なぜ勘違いが激しいかは、学校教育で嘘を教え続けてきたからです。「財源論」と呼ばれる嘘を。日本人だけは「国費は国民が負担する」真っ赤な嘘にまみれ、取りつく島もない状態です。「ええっ、国民以外に誰が負担するの」の声が飛び交うくらいに勘違いは強固であ...
戦争には必ずスポンサーがいます。資金提供者。出資者。出資者は戦争当事者にお金を貸して、勝っても負けても返済の金利でがっつり儲ける構造。戦争誘発業はイベント企画の範疇にあり、意図的に仕組む者が陰にいるとの説も昔からあります。どこまで細かい企画を立てるかはわかりませんが、戦争する双方の陣営に同じ者が出資していることも知られます。誰の出資か知られた戦争もあり、たとえば江戸幕府と戦う日本人クーデター学生へ...
国の経済政策である「財政」の議論を聞くと、お金は使えばなくなるという間違った前提で語る者が多い。むしろ大半がそれ。「お金を大事にとっておかないで使ってしまうせいで、日本人は貧乏なのだ」の訴えに国民は納得して腑に落ちた様子。正論だとたたえて。お金を使えば他人の所得となって移動するだけで、地球上から失われたりしません。しかし日本では「皆がお金は使いまくれば国が破綻しても当然だろ」「バカの物欲が国を亡ぼ...
「私は魔法使い、君の願いをひとつだけかなえてやる」と言われたら、「お金をくれ」が浮かぶ人が多いはず。お金で自由が手に入る。しかしある人は「政府と同じ通貨発行権をくれ」を思いつくでしょう。これなら、お金を使い切っても底をつく破産が永久に来ない。実は正解があります。著者の初見は赤塚不二夫の漫画『天才バカボン』のパパの願いでした。「わしがずっと魔法を使えるようにしてくれ」。その願いはかなえられ、話が続き...
「報道の自由」の世界順位で、最新の日本は70位だという。海外報道がタブーを破ったジャニーズ問題も関係はあるでしょう。マスコミ各社がワンパターンに陥るのは、スポンサーの意向だからです。スポンサーは超大企業や外資系が中心で、新自由主義とグローバリズムの立場です。なのに視聴者が納得するのは、美術のあの現象も共通するのでしょう。「正解はひとつであり、正解だけを知りたい」「色々な意見があると、どれが正しいのか...
日本人は「お金は使えばなくなる」と思っています。美術のためにお金を使った時も、やっぱり減ってしまう。そこでお金を一切使わないようにすれば、良い社会に向かうのだと信じています。ところが実際は逆に社会は滅びます。「お金を使えばなくなる」の信念は、お金を石油になぞらえています。石油は発火させて燃焼させることが多く、石油と異なる物体に化学変化して大気へ逃げます。このイメージでお金をみて考えている人が多い。...
商戦の都合で国民の生命財産が失われる現象として、テレビでも特集があったのが「地名変更」でした。現代感覚に照らして住所の特に町名が古くさいと嫌って、しゃれた名称に変える流行が問題です。ご先祖からのメッセージが消えて、不幸に落ちる不吉な行動です。昔の地名にはマイナス面の特質を表す漢字を入れて、子孫たちの生存をおびやかす災害を防ごうとしてきたらしい。古人は「今だけ、金だけ、自分だけ」でなく、不都合な真実...
人間同士は常に対立して闘っていますが、一人の中で生じる闘いもあります。「表面的」と「内容的」の対立もひとつ。自分が注目する着眼点を、表面的なものから内容的なものへと変えた時に、人生のターニングポイントが訪れやすい。ラジオドラマの物語構成には定型パターンがあり、「表面的な現象で騒動が起き、ラストに内容が明らかになり、人同士の関係が修復される」が多い。理解し合えない騒動は、映画やドラマの大きいモチーフ...
「ブランドにもの申す」論が世に出回りますが、著者は「ブランド論にもの申す」に関心がありました。というのは、ブランド語りで起きがちなのが、ネームバリューと品質を分けて感じ取る難しさです。二つは混じり合って受け取られるからです。高級ブランドの信用は二面あります。「性能が裏づけたブランド信用」と「ネームが裏づけたブランド信用」です。ところが二つを分けて考えることは、人間の心理学的には全く困難です。なぜな...
最近「モナリザ症候群」という言葉を初めて知りました。太っている人があまり多く食べていないつもりなのに、やせない現象を言うらしい。レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナリザ』の絵のモデルだったジョコンダさんに、少食でも太る傾向があったのかと思ったら、そうじゃない。
「創作物はいずれ枯渇する、何をつくっても誰かがやったものばかり」という説は現実に起きていると、著者は著書で触れました。米国特許庁が出した「人工知能AIが描いた絵画には、著作権を与えない」の判断は正しいと著者は考えています。「でもAIが描いた絵にも創造的なものはあり、著作物として認めてよいのでは」と思っている人は、やはり考えている範囲が狭いのです。この問題は音楽でよくわかります。今の音楽は西洋の12音階方...
最近、バブルがはじけるのが近いとの記事を見ます。Yahooニュースに港区の大規模ディスコ『ジュリアナ東京』なき近辺で、再開発が活発化している報も。部分的なバブルは毎日はじけているから、言うが勝ちかもしれません。NFTアートバブルもそんなひとつでした。日本のバブル経済は1987~1992年の5年間が中心で、発端は『五カ国プラザ合意』でした。高度成長を果たした日本を円高に変え、他国が輸出で日本を打倒するもくろみ。その...
香港とオーストラリア合作の映画『THE MAN FROM HONG KONG』のテーマ曲が、ロックバンドのジグソー(英)『スカイハイ』。香港映画『片腕ドラゴン』(1972)の主演ジミー・ウォング(台湾)が、刑事として敵のビルへ乗り込む伏線が、冒頭のハンググライダー。乗り込まれる組織の親分は英国映画『女王陛下の007』で、ジェームズ・ボンド役を一度きりで辞任したジョージ・レーゼンビー(豪)。イギリスや米ハリウッド映画と違う雰囲...
何度か論じてきましたが、悪い時代のヒーローたちは、時代を悪くしている犯人なのです。そのヒーローたちに「時代を良くしてください」と頼み込んで活躍の場を与えると、より悪い時代へとどんどん変えていくに決まっています。しかも国民は思考でつまずきます。「時代を悪く変えたいやつなんていない」と思考してしまう。実はいるのです。たとえば消費税を上げれば、誰にとっても生活費が高コストになります。「だから上げたい者な...
勘違いしている人に、勘違いだと教えるのは、実際にはかなり難しい。理由は主に三つあります。ひとつは、人間は保守的で惰性的で、勘違いにフリクションがかかる点。二つめは、外部からの洗脳が発端の場合、容易に解けないカルト宗教のパターンに陥る脳の限界です。まだあります。もし自分の勘違いを認めてしまうと、一貫しない自分の立場がない。勘違いで築いた地位や収入を失いたくない自己愛の心理。メンツと利害も理解を妨げる...
日経平均株価が史上最高を記録しました。1989年12月29日に最高価格38957.44円、終値38915.87円でした。以降が「失われた35年」。その日からアメリカ株は14倍に上がったのに、日本株は逆に下がったままで、経済衰退が延々と続きます。若者の過労死が絶えない時代。その日本株も最近4万円台に上がりました。国民の疑問は「株価は高いのに、僕らの暮らしはなぜ悪いままなの?」。この疑問が間違った前提なのです。今の世界を覆う新自...
「人間は変わろうとすれば、変われるものだよ」と「人間は変わらないものだよ」の二つの言い方が聞こえます。矛盾するように思えますが、そのとおり矛盾しているのです。芸術の運命を追っても、人間は矛盾した生き物だとわかります。舞台芸でもいえます。「僕は人前に出て目立ってはいますが、実は生まれつき引っ込み思案な性格です」という言い方。これつまり、引っ込み思案な性格と、前面に出て社交的にやる行動に、さしたる相関...
著者は家では水道水を飲んできて、飲み物をつくる家庭的な楽しみとは無縁でした。一杯のコーヒーや紅茶を入れたのは、人生の半分をはるか過ぎてからでした。豆の挽き方にこったコーヒーの次は紅茶。一袋4円のティーバッグを大箱で買い続けています。ふと店で気になり、一袋24円の高級な紅茶を買ってみました。素で飲んでみると、何と味がしないのです。どの程度おいしいのかと心が構えたせいか、4円の紅茶と似たような印象です。ま...
平成になって飲み会が減った理由と、飲み会を若者が嫌った理由は同じです。緊縮財政と消費税増税による通貨削減で所得が減り、可処分所得が減ったから。生命維持に必要でない出費を減らしたいから。生活費を節約するために、飲み会へ加わらなくなった。しかし「僕は貧困なので飲み会へ参加しません」と言う若者は少ない。「上司とは飲みたくない」と理由をずらす。上司のいない同僚の飲み会もガクンと減ったから、真っ直ぐな告白と...