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書に耽る猿たち https://honzaru.hatenablog.com/

本と猿をこよなく愛する。本を読んでいる時間が一番happy。読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる色々な話をしていきます。世に、書に耽る猿が増えますように。

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2020/02/09

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  • 『フェアリー・テイル』スティーヴン・キング|コロナ禍に巨匠が作った大人のためのファンタジー

    『フェアリー・テイル』上下 スティーヴン・キング 白石朗/訳 文藝春秋 2025.06.05読了 フェアリーテイル、つまり「おとぎばなし」と名付けられたこの小説。あのキングが「おとぎばなし」というタイトルをつけるなんて、真っ向からファンタジーじゃないの。まぁキングはファンタジー要素がある作品も多くお得意の分野。そしてこの小説はハッピーエンドになると断言されているから、特に恐怖やドキドキはなくゆったりとした気持ちで読書に入り込めた(キング作品としては珍しく)。 コロナ禍で引きこもっている時にこんな大作を書いていたとは。世界を混沌の渦に巻き込んだコロナウイルスだったけど「いつか必ず晴れる日が来る」…

  • 『狐花 葉不見冥府路行』京極夏彦|艶やかで面妖な世界へようこそ

    『狐花 葉不見冥府路行(はもみずにあのよのみちゆき)』京極夏彦 KADOKAWA[角川ホラー文庫] 2025.05.31読了 昨年末に、歌舞伎好きの友人から「京極夏彦さんの本は好き?」と聞かれた。私が読書好きなのを知っているから何か本の話をするのかなと思ったら、どうやら京極さんとコラボした歌舞伎をやるらしく一緒に鑑賞しないか誘ってくれたのだ。スケジュールが合わずに結局行けなかったのだが、小説は読んでみようかなと思い手にする。単行本が2024年7月に刊行されているのに、12月にもう文庫化って早すぎないか!?って思ったけど。 彼岸花の模様がある着物を着た世にも美しい顔をした男性が屋敷中に度々現れる…

  • 『怪物』東山彰良|混乱だらけの重層的なストーリーに飲み込まれる

    『怪物』東山彰良 新潮社[新潮文庫] 2025.05.30読了 この作品に関する感想は賛否両論あって、期待外れみたいな感想も結構多いのだけれど、私としてはそんなに悪くなかった。東山さんの筆さばきというか筆運びはやはり目を見張るものがあり、その語り口と表現がほんとうに上手い。佐藤正午さんもこのタイプかなと思う。 語り手の「わたし」こと柏山康平が10年ほど前に『怪物』という小説を書いた。その主人公鹿康平は架空の人物であるが、叔父の王康平をモデルにしている。中国の諜報機関の一員だった叔父がたどった運命が、エンタメ感満載にスケール大きく描かれる。台湾現代史、特に日中戦争下の台湾の歴史を学ぶこともできる…

  • 『密やかな炎』セレステ・イング|母親の定義を決める要素はなにか

    『密やかな炎』セレステ・イング 井上里/訳 ★ 早川書房 2025.05.27読了 家族というものはそれぞれに形がある。周りからどう見られるとしても真実はその家族にしかわかり得ない。いや、本人たち(当事者)も、本人だからこそ分かり合えないものもある。母と子の関係が作品の重要なテーマであるこの小説。「母親の定義を決める要素はなにか。生物学的要素か、愛か」この問いかけに対して私たちは何を思うのか。 期待していなかったこともあってか、かなりおもしろく読めた。強く感情を揺さぶられ、頁を捲る手が止まらなくて、どこを読んでいても飽きる・だらけるということがなく変わらぬスピードで読める。重たい問題を取り扱っ…

  • 『行人』夏目漱石|人間の内面に存在する煩悩

    『行人(こうじん)』夏目漱石 新潮社[新潮文庫] 2025.05.24読了 現代小説もいいけれど、ときおり明治、大正、昭和初期の文豪の小説を読みたくなる。去年、奥泉光著『虚史のリズム』を読んで、次の漱石作品は『行人』にしようと決めていた。 honzaru.hatenablog.com しかし一向にあの有名な「自分の嫁と一晩過ごしてくれないか」の話にならない。実はこの作品は「ともだち」「兄」「帰ってから」「塵労(じんろう)」という大きく4つの章にわかれている。自分の嫁と過ごすことを弟に託すのは2章めの「兄」だ。どうりでしばらくは本題に入らなかったわけだ。新聞小説ということだが、最初からストーリー…

  • 『過去は異国』ジャンリーコ・カロフィーリオ|罪を背負って生きるか、吐き出して償うか

    『過去は異国』ジャンリーコ・カロフィーリオ 飯田亮介/訳 扶桑社[扶桑社文庫] 2025.05.20読了 この手のジャンルはアメリカ文学はよく読むけれどイタリアの作品という意味では新鮮だった。なんか良い意味で気取っているように感じ、それはイタリア人的なダンディーさとかカッコよさに繋がっているのかも。そしてタイトルじゃないけど、読んでいる間異国に紛れ込んだみたいだった。いや〜、楽しいじゃない。 法律を専攻する大学生ジョルジョ・チプリアーノは、退屈な生活に飽き飽きしていた。ある日フランチェスコという若者と運命的な出会いをする。フランチェスコはいかさまギャンブラーであるが、どこか憎めない独特の魅力が…

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