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マツノート https://ai-dragon.hatenablog.com/

読書が好きな理系大学院生による書評ブログです. 特に司馬遼太郎さんと城山三郎さんの作品を愛読しています.

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2020/02/03

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  • 「沈黙」の創作秘話

    遠藤周作さんの作品のなかで最も有名と思われる名作「沈黙」. 沈黙 (新潮文庫) 作者:遠藤 周作 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1981/10/19 メディア: 文庫 その沈黙の創作秘話や文学と宗教の関係についての講演録をまとめたのが,「人生の踏み絵」です. 人生の踏絵 (新潮文庫) 作者:遠藤 周作 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/07/26 メディア: 文庫 一番面白かったのは,「沈黙」の創作秘話について語られている「人生にも踏絵があるのだから ー『沈黙』が出来るまで」です.一番印象に残っているのは以下の文章です. 戦後の人たちも今の人たちもでも,やっぱり多かれ少な…

  • トヨトミの逆襲

    本屋さんで見かけて,興味を持ち購入しました.梶山三郎著「トヨトミの逆襲」です.自動車企業で「トヨトミ」って…,あの企業がモチーフなのかな,と.愛知県出身の私が,興味をそそられないはずはありません.そして,作者のペンネームが「梶山三郎」.城山三郎さんリスペクトなんだろうなとピときました.もっとも,これは半分不正解で名字の梶山は梶山季之さんから取ったようです. 愛知県出身で城山三郎さんファンの私は,絶対に読まねばなるまい.そう思って本を手に取り裏返すとトヨトミ自動車株式会社についての基本情報が書かれています.これによってどうやら自分の予想が正解だったと思いました.なお,前作「トヨトミの野望」を知っ…

  • 理想と現実の狭間を突き進む ー大原孫三郎について

    先日,倉敷に行ってきました. 倉敷の美観地区 倉敷にある大原美術館において城山三郎さんの作品が販売されていたので買いました. 大原孫三郎を扱った「わしの眼は十年先が見える」です. わしの眼は十年先が見える: 大原孫三郎の生涯 (新潮文庫) 作者:城山 三郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1997/05/01 メディア: 文庫 大原孫三郎は,大地主であり倉敷紡績(クラボウ)の設立者である孝四郎の息子として生まれました.少年・青年期の孫三郎は「バカ息子」という言葉がぴったりです.勉学のため上京したものの,孫三郎は1万5千円(現在の金額で1億円)もの借金を抱えてしまい,倉敷に連れ戻されてしま…

  • 経済と人間の関係について

    最近読んだジョージ・ソロスの本が面白かったので紹介したいと思います.10年ほど前に発表された「ソロスは警告する」という本です.なお,私は経済学を専攻しているわけではなく,主観的な解釈となりますがご了承ください. ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ 作者:ジョージ・ソロス,松藤 民輔 (解説) 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2008/09/02 メディア: 単行本 ソロスの主張は,「市場のさまざまな変数(価格など)は均衡値に向かって収斂する傾向がある」という現在主流の経済学(新古典派経済学)の考え方は偽りであるということです.これは,人間はホモ・エコノミクスとしては行動しない…

  • 予測にいかす統計モデリングの基本 ー ベイズ統計入門から応用まで

    先日,以下のような@icoxfog417さんによる論文の紹介を読みました. 時系列予測の問題において、機械学習のモデルより既存の統計モデル(ARMAモデルなど)の方が予測精度において優良な結果が出るという研究。データへの適合=予測精度の向上ではないことも実験で示している。機械学習の研究では統計モデルとの比較も入れるべきという提言をしている。 https://t.co/jboGhYSX6E — piqcy (@icoxfog417) September 16, 2019 そこで,今回は統計モデリングのおすすめ本を紹介したいと思います. それが, 樋口知之著「予測にいかす統計モデリングの基本 ー …

  • 藤沢文学の出発点 ー 藤沢周平「暗殺の年輪」

    藤沢周平著「暗殺の年輪」 藤沢周平「暗殺の年輪」(文春文庫)は,直木賞受賞作「暗殺の年輪」など,藤沢氏が文壇に登場してから2年の間に発表された作品のうち5篇を収録した本です. 私が藤沢氏の作品を読むのは,「蝉しぐれ」に続いて二作目です.「蝉しぐれ」を読んだとき,端正な文体でとても美しい作品だと思いました.しかし,同時に美しいものの地味だなとも思いました.当時の私には藤沢文学の滋味を十分に味わうことができませんでした.そのため,しばらく藤沢作品からは離れていました.今回本屋さんでたまたま目に入ったため,久しぶりに読んでみようと思いました. 読んでみて,驚きました.こんなにおもしろいのか,と. 端…

  • 落日燃ゆ ー 城山三郎

    城山三郎著「落日燃ゆ」 この作品は,城山氏のもっとも有名な作品の一つではないでしょうか. 外交官であり,戦時中には総理や外務大臣を務め,そして戦後の極東国際軍事裁判で文官でただ一人処刑された広田弘毅を描いた作品です. 広田は決してエリートコースを走ってきたわけではないですが,外交官時代にソ連との国交回復に貢献するなど着実に実績を上げて,遂に閣僚となりました.彼が外相や首相を務めたときは日本が戦争へと突入していく時期と重なります.広田は日本が戦争へと突き進んでいくのを食い止めることに奔走することとなります. 作品中では,広田の心情が描写されることはほとんどないです.しかし,軍部は統帥権を振りかざ…

  • 海と毒薬 ー 遠藤周作

    遠藤周作著「海と毒薬」 この本は太平洋戦争末期の日本陸軍と九州大学が起こした,捕虜を生体解剖するという悲惨な事件をモチーフにしたものです.この事件は,戦争中という異常な状態が引き起こしたのだと言えるのかもしれません. しかし,作者はこの事件が起きた理由を,日本人の罰は恐れるけれども罪は恐れないという習性に求めています.「赤信号みんなで渡れば怖くない」という言葉があるように,日本人は個人の意識よりも全体の「空気」を優先することがあります.個人の罪の意識よりも、他人の眼や社会からの罰を恐れます.本作品での生体解剖を行う医師たちも全体の「空気」に拘束されてしまったといえるでしょう.余談ですが,この日…

  • 燃えるだけ燃えよ ー 本田宗一郎との100時間

    人間・本田宗一郎に魅了されます. 城山三郎著「燃えるだけ燃えよ ー 本田宗一郎との100時間」は「世界のホンダ」を創った本田宗一郎の魅力を余すことなく伝えてくれる人間紀行です。 本の前半は当時76歳の本田さんに著者が100時間の密着取材を行った模様が,後半は本田さんの半生が書かれています. この本を読み,本田さんの人柄や考え方を伺うにつれ,本田さんがなぜ一介の技術者にとどまらず,「世界のホンダ」を創り上げるに至ったかがわかります. いい物を作りたいという情熱,日本一,世界一を目指す強い信念,藤沢武夫さんという素晴らしいパートナー…いろいろな要因があると思いますが,一番は人の心がとてもよくわかる…

  • 初投稿

    はじめまして,AI_dragonです. 読書が好きな理系大学院生です. 特に,城山三郎さんの作品を愛読しています. 読んだ本の感想と書評を徒然なるままに書いていこうと思います. 城山さんの作品を中心に,経済,歴史小説や理系大学院生らしく理系っぽい本(?)まで幅広く書いていきたいです. よろしくお願いします.

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