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 メインブログでは過去に同人をやっていたエピソードやハマッている作品について、また音楽やミステリ、特撮ヒーローなど、多岐に渡るテーマの戯言を垂れ流していますが、自作のBL小説に特化したサブブログを立ち上げることにしました。随時披露しますので是非とも御一読ください。

ブログタイトル
Welcome to MOUSOU World!
ブログURL
https://xifuren2020.hatenablog.jp/
ブログ紹介文
メインブログ"灰になるまで腐女子です?"の稀腐人が過去から現在に至るまで創作したオリジナルBL小説を公開するサブブログです。よろしければ感想などお寄せください。お待ちしております。
更新頻度(1年)

27回 / 47日(平均4.0回/週)

ブログ村参加:2020/01/08

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ハンドル名
ネオ稀腐人さん
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ネオ稀腐人さんの新着記事

1件〜30件

  •    背徳のカプリッチオ ⑥

    第六章 樹神の危惧が現実となり、オレは今、この場所にいる。時刻はたぶん、夜の十一時ぐらいのはずだ。 この場所で──恐らく新宿からほど近い、どこかの廃ビルの一室──目覚めたのはほんの数分前、クロロホルムを嗅がされたせいか、未だに頭がぼうっとしたままだ。 当然ながら電気は通じていないが、床に転がされた懐中電灯が室内の一部を照らしているので、そこに脚が傾いた事務机やら書類棚、ひっくり返ったクズカゴなどがあるのはわかる。以前はオフィスとして使われていたのだろう。 事務机の御供だったであろうスツールに全身を縛りつけられたオレは身体を揺すって脱出を試みたが、ガッチリと固められたロープが肌に食い込むだけで、…

  •    背徳のカプリッチオ ⑤

    第五章 心を鬼にして、鉄の意志で捜査にあたるオレはその日も樹神を張り込んでいた。 今日の服装は黒いスーツにロイヤルブルーのワイシャツ、シルバーのネクタイにお決まりのサングラス……と、かなりド派手。 どう見ても先生に相応しくない、職業を間違えている格好だけど、イイ男は何を着ても許されるというか、その男ぶりを引き立てているのだから、大したものだ。 さて、彼はふだんどおりに予備校の事務所へと出勤し、そこから講義を担当する校舎へと向かった。当然あとを尾ける。 オレに尾行されていると承知の樹神はこちらの存在を無視するかのように、無表情のままでさっさと車に乗り込んだ。 教室に入るのを確認すると、出入り口が…

  •    背徳のカプリッチオ ④

    第四章 降り注ぐ太陽の光を受けて、キラキラと輝く緑の葉をつけた木々が林立する広い庭、白いカーテンのかかった黒枠の出窓に赤茶色のレンガ造りの大きな西洋館── あれ、何だっけ? 何て呼ばれていたんだっけ? うーん、ダメだ。 近所で「緑のお屋敷」あるいは「緑屋敷」と呼ばれていた建物の、もうひとつの呼び名がどうしても思い出せないが──まあ、いいや。 とにかく、その「緑のお屋敷」のすぐ隣にある広い公園がオレの小学生時代の放課後の遊び場だったのは確かだ。 公園にはたくさんの遊具の他に、芝生の広場が設けられているのだが、そこで野球をやるのが高学年男子の楽しみであり、ステータスでもあった。「あー、また入っちゃ…

  •    背徳のカプリッチオ ③

    第三章 未だ容疑者を一人に絞り込めない状況の中、確固としたアリバイがない樹神への容疑は強くなる一方だった。 彼が食事を摂ったという横浜の店での証言は得られたが、帰宅時間から逆算して、店からいったん川崎の被害者宅へ向かい、横浜に引き返して自宅に戻るのは充分可能だったからだ。 また、防犯カメラに残る映像の人物、黒い服の男に似ているのも彼を不利な状況に追い込んでいた。 この人物は犯人と考えてほぼ間違いないし、捜査本部もその方針で動いているため、樹神は容疑の濃さでは重要参考人中でナンバーワンになってしまった。「最重要参考人ってわけか。こりゃ面倒なことになったな」 田ノ浦さんは柔和な顔に難しい表情を浮か…

  •    背徳のカプリッチオ ②

    第二章 捜査状況を報告するため、その日のうちに捜査本部のある川崎署へ戻った。 午後十時からの捜査会議まで休憩を取っていたオレは自動販売機コーナー前のベンチに座ってぼんやりとしていた。中身の入った紙コップが手から落ちそうになり、慌てて持ち直す。 帰り際のあのキスはいったい、どういうつもりだったのか。 容疑者に不意を突かれた、それだけでも刑事失格なのに、挙句の果てに唇を奪われたなんて。 奪われたのが拳銃だったら最悪の事態になっていただろう。そんなの、比べる対象じゃないけど。 それにしても、よりにもよってキスをするだなんて、ふざけるにも程がある。 自分より年下のくせに、いっちょまえに刑事ぶっていて生…

  •    背徳のカプリッチオ ①

    第一章「おっ、帰ってきたぞ。ヤツだ」 田ノ浦(たのうら)警部補の押し殺した声を耳にして、全身に緊張が走る。 横浜市港北区にある高級マンション脇の駐車場にて、張り込みを始めて三時間あまり。太陽がすっかり西に沈んでしまった今、ようやく重要参考人のお出ましだ。 本部事務所の説明によると、今日の授業は都内の二つの校舎で午前と午後一番の二コマのみ。 夕刻には自宅へ戻る予定じゃなかったのかとも思うと、ちょっと納得いかないけれど、予定は未定ともいう。待つことを苦にしていたら、この仕事は務まらない。 さて、ここからがスタートだ。 オレは武者震いをしながら、黒塗りのセダンから降り立った男を食い入るように見つめた…

  •    背徳のカプリッチオ 解説(と予告)

    オリジナルBL小説のお披露目、四作目にしてようやく「真のオリジナル」を公開することになりました。これまでのコロコロやジャンプにヒントを得たものではなく、イチから構築した作品です。しかしながら、キャラのイメージを具体化させるのは難しく、何とか表紙を描いたものの、果たしてこれが登場人物から受けるイメージに合っているのかどうか心もとない……ここのところ、ずっと爆ベイやバトビを描いていたせいか、顔立ちが子供っぽい感じ。メインブログで同人時代のスラダンのイラストをUPしていますけど、あの頃の絵柄の方がずっと大人だったな、画力も今よりあったし。ずーん…… 気を取り直して(笑)今回の作品はお披露目初、社会人…

  •    ムーンライトダンス ⑦(最終章)

    最終章 けっこう重症だった胃潰瘍の治療もメドがつき、オレは晴れて退院となった。 退院当日、迎えに来てくれたのはこの日を一番待ち望んでいた辰哉で、オレはようやく二人のスウィートホームに戻ってきた。 いやまったく、このオンボロな寮がスウィートだなんて、笑っちゃうよな。 道すがらの、辰哉の説明によれば、次期理事長を巡るその後の騒動はとりあえず終結したようだ。 辰哉の理事長就任は取り止めとなり、婚約の話ももちろん自然消滅。柿崎さんあたりが説得したのか、善司ジイさんは態度を変えてこれまでの辰哉に対する扱いについて詫び、孫と祖父は和解。 また、近いうちにその座を岳大パパに譲ると承知し、その代わりキャンパス…

  •    ムーンライトダンス ⑥

    第六章 目が覚めたら天国だった。 いや、そんなはずはない。オレが行くのはどうみても地獄の方だろうに。 それにしても、何でベッドなんかに寝てるんだ? 白い壁、ブルーのカーテン、地獄らしくない、どっちかっつーと病院みたいな感じの場所だ。「おい、気がついたか?」 こちらを覗き込む地獄の番人は辰哉にそっくりだ。だからオレの担当にしてくれたのかな、地獄って、けっこーサービスがいいところなんだな。「ラムネ、俺の顔がわかるか?」「あ……」 ここは地獄じゃなく、本当に病院だった。 オレってば、意地汚なくも生きていたってわけだ。死ぬ、死ぬと大袈裟に吹聴していたのが何とも恥ずかしい。 医師の診断によって病名判明、…

  •    ムーンライトダンス ⑤

    第五章 すぐに気を取り戻したがそのまま寝入ってしまい、目が覚めたのは翌朝七時。辰哉はけっきょく帰ってこなかった。理事長の具合は相当悪いんだろうか。 のろのろと起き上がると、汚れた床を雑巾で拭いてから、これまた汚れた服を着替えて洗面台へと向かう。 鏡に映った顔はオフクロ自慢の美少年でもなんでもない、血の気が失せた最低最悪の顔色をしていた。 これが心臓麻痺とかだったら、とっくにあの世逝きだ。いっそ、そうなっちまった方が楽かもなどとノー天気らしくない、気弱なことを考えてしまう。「辰哉……」 ふと、名前を呼んでみる。 あいつが帰ってきた時にオレの死体が転がっていたらどんな気分かなんて、イヤなことばかり…

  •    ムーンライトダンス ④

    第四章 翌朝、病院へ行くつもりで辰哉よりも先に部屋を出たオレだが、診察の結果を──それも最悪の──告げられるのが恐くて、けっきょく取り止めにしてしまった。 ならばせめて、病状について詳しい情報を得ようと思ったけれど、手持ちの通信手段はケータイのみ。それも学割の特約を使った一番安価な契約でギガ放題とかもなく、辰哉のパソコンを拝借してネット検索をしているという状況では無理だ。 けっきょく無料で調べられる図書館に足を運んで『家庭の医学』と書かれた、ぶ厚い蔵書やら医学書の類を棚から取り出し、パラパラとページをめくる。 オレが感じていた症状から考えられる病名は急性胃炎、胃潰瘍に十二指腸潰瘍、肝硬変、そし…

  •    ムーンライトダンス ③

    第三章 窓から差し込む日差しが瞼を撫でて、すっかり寝坊していたオレは慌てて飛び起きた。まるでお決まりのギャグみたいだった。 時計に目をやって愕然となる。もうすぐ昼メシ時じゃねえか。なんてこった、二限には間に合いっこない。 宇都木はちゃんと起きたらしく、気配は消えていた。ちくしょー、ベッドがどうのこうのと気をまわすぐらいなら、起こしてくれればいいのに。仕方ない、三限から出よう。 昨夜の酒と一緒に買い置きしておいたパンをかじっていると、胸の辺りがムカムカしてきたので食べるのをやめた。 このオレが缶二本分のアルコールで二日酔いになるとも思えない。よっぽど体調が悪いのかな。 それでも無理して校舎へと向…

  •    ムーンライトダンス ②

    第二章 次の日、クラスメイトの中でも情報通の富田をとっ捕まえて聞いたところによれば、宇都木のジイさんが──宇都木善司という名前も初めて知った──この大学の理事長だという話はけっこう有名で、ほとんどの学生が知っているらしかった。 会社でいえば社長、学校法人暁学園という法人のトップなわけで、もちろんそれなりに資産もあるお金持ち、いわばセレブだ。 セレブなんつー、ムカつく言葉で語られる理事長の孫という立場。宇都木に向けるみんなの眼差しにはそれに対する憧れや恐れなんかも混じっているのかもしれない。 そういや、ヤツが身につけている服とか小物、シンプルだけど質が良さそうだったし、部屋に置いた家具類もそこら…

  •    ムーンライトダンス ①

    第一章 オヤジが死んだ。 胃ガン、それもスキルス性で、あっという間に進行してしまい、長くはないとわかっていたけど、やっぱりショックだった。 享年四十五歳って、いくら何でも早すぎるんじゃねーの。長寿の時代に、少子高齢化社会に、そんなのアリかよ。 人生、たかだか二十年がグラグラと崩れていくのがわかった。ノー天気なオレにしちゃあ、メチャメチャ凹んだ。「あなたが気に病むことはないのよ。学費なら心配いらないわ、お父さんがちゃんと遺してくれているからね」 オフクロは学生生活を続けるようにと励ましてくれた。 オレよりずっと辛いだろうに、我が母ながら気丈な人だと尊敬する、けれど──「……ったって、そっちのこれ…

  •    ムーンライトダンス 解説

    オリジナルBL小説のお披露目も、この『ムーンライトダンス』を以って三作目になりました。今度こそはインスパイア物ではなく自力で構築した真のオリジナル(笑)を、と思ったのですが、そうなると表紙イラストが簡単につけられない。インスパイアなら元キャラのパクリで描けばいいのですが(安易)内容からキャラをイメージして「こんな顔立ちで、こんな髪形で、服装はこれこれで」等、自分の想像力のみでイチから創って描くというのはなかなか難しくて…… 前回の披露からかなり経って急ぎたいけれど、pixivの作業もあり(言い訳)表現は悪いが手っ取り早く上げられるのはどれかと検討。そこで白羽の矢💘が当たったのがコロコロシリーズ…

  •    紅蓮の炎 ⑤(最終章)

    最終章 「大志、そろそろ時間じゃないのか」 栄吉の呼びかけに顔を上げた大志は時計を見て、慌てふためいた。「ヤベッ、もう二時かよ」「ほら、急いで。そこの風呂敷を忘れずに持って行くんだよ」「うん。ジイちゃん、ありがと」 孫を見送るため、玄関まできた病み上がりの祖父を振り返ると「本当に一人で大丈夫?」と大志は訊いた。「私のことは気にしなくていい。それより、右京さんの傍でお役に立てるように。大変なのはこれからだよ」「わかった。じゃ、また来るからね」 待ちに待った土曜日、祖父の元を訪れた大志は自転車をぶっ飛ばして『かどくら』の店から静蒼院家へと戻る道をひた走った。 約束の時間をとうに過ぎてしまった。自分…

  •    紅蓮の炎 ④

    第四章 その日は朝から重い雲が垂れ込めるイヤな天気だった。 学生の正装は制服ということで、着替えを終えた大志は部屋の外に出て、またしても恐ろしいものを目にして慄然とした。 今度は貼り紙ではない、扉に直接書かれた赤い文字は……『殺ス』 震える脚を何とか引きずり、右京の部屋の前まで行ったが、彼は既に準備へと向かったらしくそこにはいなかった。(『殺ス』って、いったい? どうしてオレがそこまで……) 今すぐ逃げ出したい思いにかられながらも右京のところへ行けば何とかなるだろうと、大志は気力を振り絞った。 会場は彩月荘一階の十二畳と十畳の和室を続きにした大広間で、座布団や湯茶を用意したり、続々とやって来る…

  •    紅蓮の炎 ③

    第三章 けっきょく右京は帰ってこなかった。 それだけではなく、翌日もそのまた翌日も大志の前に現われなかった。 たまりかねて菊蔵が電話をかけたが、携帯電話の電源は切られたままで音信不通になっていた。 消えてしまった師匠の代わりに、大志の指導は洸が受け持つことになった。 貼り紙をした犯人探しをする気にはなれなかった。ヘタに騒ぎ立てると余計な刺激を与える気がする。行為がますますエスカレートしそうで怖かった。 いや、これまでの大志ならばそんな弱音など吐かず、見えない敵との闘いに臨んだかもしれない。だが、今の彼は生きる気力を失いかけていた。 あれは月夜が見せた右京の幻だったのだろうか──互いの想いを確か…

  •    紅蓮の炎 ②

    第二章 翌日、大志は洸たちと共に亮太の運転する高級乗用車で学校へ向かい、そこで明凰学園の生徒たちからの、妬みと羨望の眼差しを受けた。この地では静蒼院家と関わりがあるというだけで特別視されるらしい。 帰りもまた亮太が迎えにきていたが、家元一家専属の運転手というのが彼に与えられた使用人としての主な仕事なのである。したがって子供たちの通学以外にも、和久や真紀を乗せて、あちらの茶会こちらの会合と御供をするようだ。 洸たち兄妹は幼稚園の頃からの送迎で慣れっこ、ゆったりとした後部シートでくつろいでいる。 ちょっとしたドライブ気分というわけで、車で学校を往復するなんて贅沢なと落ち着かないのは助手席の大志だけ…

  •    紅蓮の炎 ①

    第一章 平凡だが平和な高校生活、それが激動の日々に変わってしまうなど、案外誰の身にも起こり得るのかもしれない。 門倉大志(かどくら だいし)を過酷な運命の渦中に投げ込んだのは突如もたらされた両親の訃報──都内で起きた、乗用車と大型車の衝突事故──それも新聞の片隅の記事であっさりと片付けられた──だった。 二人が死んだという実感も湧かないままに喪主となった大志は葬儀の当日、彼にとってたった一人の親戚だという、母方の祖父と初めて対面した。 胡麻塩頭に柔和な顔立ちの祖父・門倉栄吉(かどくら えいきち)は霊前の写真を目にすると、自分よりも先に旅立った娘夫婦を思っては泣き、初対面の孫を見ては泣いたが、大…

  •    紅蓮の炎 解説

    オリジナルBL小説のお披露目第二弾は『紅蓮の炎』です。前回の『魔性のオトコ』がコメディ路線だったので、今回はシリアス物でいこうかと。 この話は『デュエルマスターズ』にインスパイアされて創った、コロコロシリーズのひとつですが『魔性』同様、原作の内容とはまったく関係ありません。当時の表紙で使ったイラストを文明の利器で塗り直してみましたが、これが登場人物の一人、静蒼院右京を表しているとすれば、主人公の門倉大志と静蒼院洸は誰をモチーフにしたのかは、言わずもがなですね。もっとも、元キャラに対して、大志はかなりキャラ変していますけど。ちなみに、原作の内容とは関係ないと言いつつ、あのキャラとしてpixivに…

  •    魔性のオトコⅠ ⑥(最終章)

    最終章 必勝! ディック杯 波乱の強化合宿が終了して二週間、今日はいよいよディック杯当日である。 市の体育館を借りて行なわれるこの卓球大会に参加するのは高校生の卓球部だけではなく、地区の卓球愛好家なら誰でも可、というわけで、下は小学生から上はシニアクラスまで、様々な年代の人がいる。 よって、体力や技術その他に差が生じるゆえに、男女別はもちろんのこと、大まかな年代別ブロックに分かれて競技を進め、そのブロック毎に優勝チームを決めるという取り決めになっていた。 佛真高校卓球部は男子の部・十五歳から三十五歳までのブロックに含まれているが、そこには高校生や大学生の他に、社会人でも若手と呼ばれる人たちが参…

  •    魔性のオトコⅠ ⑤

    第五章 それぞれの朝──合宿終了 午前六時。目を覚ますと、室内には薄日が差していた。しばらくぼんやりしていたが、昨夜の顛末を思い出した大和は「やべっ」と起き上り、辺りを見回した。 武流は自分の布団に戻っていた。大和が寝ている間にそうしたのだろう。ホッしてさらに窺うと、照も素直も未だ布団の中で、やれやれと息をつく。 トイレを済ませてから洗面所へ、鏡に映った自分は明らかに疲れていた。やつれていると言ってもいい。「マジであの婆さんの言ったとおりになってもうたな……」 『これからますます激しくなる。酷なようじゃが、そなたのさだめとして受け入れるしかないのう』『そなたは男でありながら男を惹きつける色香、…

  •    魔性のオトコⅠ ④

    第四章 それぞれのイケナイ夜 食堂にある食卓のひとつを卓球部の七人が独占して座り、夕食の時間が始まった。 楽しみにしていた食事だが、胸に重いものを抱えてしまったせいか食欲が湧かない。『美味しいお刺身』を前に、箸が進まない大和を見て、隣の椅子に腰かけていた素直が問いかけた。「大和くん、どうしたの? 部会の時はお刺身、お刺身って楽しみにしていたのに」「うん、ちょっと食欲不振で」「具合でも悪いの?」「すぐに治るって。心配かけてごめんな」 それでも大和の不調は皆に伝わり、つと立ち上がったのは津凪で、彼は珠子に胃腸薬があるかと訊ねたが、あいにく切らしているとのことだった。「ここから薬局まではちょっと遠い…

  •    魔性のオトコⅠ ③

    第三章 直前強化合宿 ディック杯は五月の連休後の第三日曜日、五月二十日に実施される。 大会前にたっぷりとれる休み、すなわちGWを利用して『直前強化合宿』を行おうと提案したのは照であった。 それは彼の叔父が経営する海辺の民宿に泊まり込み、朝から晩まで卓球ずくめというヘビィな企画だった。 照の叔父、寿年徳(ことぶき としとく)という人は無類の卓球好きで、照が卓球を始めたのも彼の影響だった。いつかは世界の檜舞台に立てる選手に、と夢を追っていた年徳だが、それも叶わず実家の民宿の後継ぎとなった。 だが、彼は卓球をやめてしまったわけではない。いつでも練習できるようにと庭の一角に卓球用の練習場を増築し、希望…

  •    魔性のオトコⅠ 補足

    この作品はバトビのパラレル小説としてpixivに投稿した際に形式を前・後編としたため、表紙イラストを二枚描きました。③から後編となるので、ここで後編用表紙を公開します。 前編用表紙で描いたのは財前大和(中央の赤い髪)佐門武流(黄色の髪)福島素直(水色の髪)寿照(黄色のシャツ)で、後編では黒部文珠(後方の赤い髪)高須津凪(茶色の長髪)高須津並(ブレザー着用)となります。全員勿論バトビキャラのコピーなんだけど(笑)大和は原作よりもビジュアル盛っています。参考までにバトビの画像を貼ります……あ、照がいない! ま、いいか。 この話はⅠとしてあるように、じつはⅡも計画中……というか、書き始めたところで詰…

  •    魔性のオトコⅠ ②

    第二章 卓球部始動 紆余曲折を経て、佛真高等学校男子卓球部は一人前の運動部として、本格的な活動を開始した。問題児二人が部員として名前を連ねているという不安材料はあるが、それでも新たな一歩を踏み出したのである。 練習場所は今までどおりプレイセンターを使用。また、最初の部会にて、副部長には素直が選ばれたのだが、二年生二人がガラではないのだから妥当だろう。 まずは筋力アップのトレーニングと基礎練習を並行して行い、増田産業主催の卓球大会で──社長がやはりディック・グリーンバッグ選手のファンなので、ディック杯と名づけられている──一勝をあげることが当面の目標に掲げられた。 それにしても、クセ者揃いのメン…

  •    魔性のオトコⅠ 解説

    稀腐人のBL小説お披露目第一弾は『魔性のオトコ』。十五年ほど前にBL商業誌の新人賞に応募し(評価は最低のDだった)、最近はpixivにも投稿した作品です。もちろん、十五年前のままではなく、時代に合わせて手直しをしてあります。コロコロコミックに連載されアニメにもなった『B-伝説!バトルビーダマン』にインスパイアされて書いたものですが、二次創作ではないので(そのためpixivではウケませんでしたが)原作を知らなくても充分楽しめると思います。

  •    魔性のオトコⅠ ①

    第一部 結成! 新生卓球部の巻 第一章 男難の相 「……これ、そこの少年」 スタスタ。「これ、ちょっと待て」 スタスタスタ。「待てと言っておるのに」 スタスタスタスタ。「待てと言うのが聞こえぬのか!」「だぁーかぁーらぁ。さっきからやかましいな、いったい誰や」 早朝の通学路で始まったこの奇妙なやりとり、くるりと振り返った財前大和(ざいぜん やまと)は声の主を見て、きょとんとした。 そこにいたのはちっぽけな老婆だった。長く伸ばした白髪に尖がった鼻、鋭い目つきはまさに魔女。しかも真っ黒なマントを羽織って、トンガリ帽子を頭に乗せた、いかにも魔女の見本みたいな格好をしていたのである。「何や、バアさん。ワ…

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