女に促されるままカウンターの席に腰かけた。5,6人、座れれば満席になるカウンターだ。上には小さなスリガラスの灰皿とメントールの煙草がひと箱、置かれている。灰皿にはまだまだ吸えそうなくらい長い吸い殻がひとつ。カウンター奥のキッチンに女が消えると暗かった部屋が少しだけ明るくなった。照明のスイッチを入れたようだ。部屋中の灯りを全部点灯させてもそれなりの明るさしか得られないのはこの店の業態が夜仕様だからだ...
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