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  • クール誕生

    for O ことばのなかではどこだってゆける──19歳のぼくはそうおもっていた するとこの世界はどの現在をたどっているのか──40まぢかのおれはおもう 乾いた助辞と接続詞をやりながら、わたしはやってきた 迷いと索漠のなかで準急列車が梅田にむかっている わたしは入り江を求めてさ迷う釣り人みたいに この畦にたどり着いたんだ きみはいまどこにいる? きみはなにを撰ぶ? 風上に立った老人たちが石蹴り遊びをつづけるように、 きみも縁日の世界へと旅立ってしまうのだろうか やめておくといいい、 あそこにはもう航海日誌が残されただけだ 星のコスプレをした退屈人たちが立ち上がる沖で、 いまいちどわたしたちは叫ぼ…

  • Culliner Wharf in Heaven

    for U 悪夢を謳う儀式をやめられないでいるトラッカーとともに ぼくはモー・タッカーのドラミングを聴いている どうしたものか、かの女が左利きにおもえてしまう さっき尋問のようにつづく高速道路を抜けようとして、 誕生日を失った子供らとともにサービスエリアを抜けたのは午後の真実 ささやかなやさしさでぼくにことづけをする幽霊たちと、 おなじような顔をして、きみが窓に立つ その一瞬、その挙動 見逃したはずの科白でぼくを責める眦、 いつかは──とぼくがいう きみを愛せるかも知れないと 小学校で見つけたきみの滑稽なざま きみがぼくを嫌悪する百の理由のなかで 見失ったはずのけものたちが とにかく臭いんだ …

  • ぼくの電話

    ずっとのあいだ、 ぼくの電話は沈黙している 当然だれからも声がかからない だれかがぼくを知っているはずのなに 親しいひとすらもぼくにはない 羽のような塊りが浮遊する午後の窓 電球を数える子供の声がどこからかしている それでもぼくの電話は黙っている ぼくはきみの好きなものがすきだとおもう でも、きみはぼくの好みを憎みつづける 階段のない裏庭で、過去にたどり着くという遊び その真ん中に誘動円木をしつらえろ ぼくが此処まで来て だれもいないとしても ぼくにも方法と愛が必要だとおもう 迫り来る壁のなかで着飾った声で だれかが受話器を投げる、投げる 池の鯉のように口をあけた姿をしてなおもぼくの罪を数える…

  • Culliner Wharf in Heaven

    www.youtube.com www.youtube.com for m 悪夢を謳う儀式をやめられないでいるトラッカーとともに ぼくはモー・タッカーのドラミングを聴いている どうしたものか、かの女が左利きにおもえてしまう さっき尋問のようにつづく高速道路を抜けようとして、 誕生日を失った子供らとともにサービスエリアを抜けたのは午後の真実 ささやかなやさしさでぼくにことづけをする幽霊たちと、 おなじような顔をして、きみが窓に立つ その一瞬、その挙動 見逃したはずの科白でぼくを責める眦(まなじり)、 いつかは──とぼくがいう きみを愛せるかも知れないと 小学校で見つけたきみの滑稽なざま きみがぼ…

  • 夜の中心地

    * ふるい納屋にしつらえられた祈祷台からひとりの女がジャンプする 1920年代の、イギリス製で、オーク材 スパークしたあらゆる過去が、 ひめられたものを悉く暴露する だれかが扉を叩く だれかがそれに答える 長い祝日のなかで冬の花だけが 夏の予感のなかでみずみずしい声を放つ。 * 星の在処をおれは探していた 暗い御堂のなかを進み、 3番めの室に入る そのとき、すれちがった男が木曜日だと識ったからか、 おれの全身をまさぐる季節と、 おれのあたらしい靴で、 おおきな手をふって、あたらしい顔を手に入れる。 * すべてがそれらしいふるまいで去ってゆく おれの知らない隣人からその隣人へと手渡す花や 過去か…

  • He Said

    存らしめよ、かれはいった ばかな、そんなばかな、 たわごとはたくさんだっておれは応えた 芝生のうえを通過する鈍行列車や、 ハイカーたちのあいだを縫って、 交通網はさびしい だれがだれを裁くのか おれが鯖を捌くのか ひらかれた天戸のなかで ふるえてる女神をいままさに 犯そうとする、いっぴきの副詞 助動詞と共同正犯をやらかした修飾詞が、 おもい灰語のなかで澱む いまさらかの女をおもってもなにも帰って来ないという軛のなかで、 おれが乾涸らびるのをどうか、見届けていて、 存らしめよ、そうかれはいった 氷上を滑るキャデラックのように 流線形の未来を甘受するのに溺れ果て、 やがて消えていく対象におもいを馳…

  • 見世物小屋の私生児たち

    www.youtube.com 産まれてからずっと、 わたしは逃げつづけてきた 幾度もいくども素足で階段を上った あたりまえのことができず、 踊れない腰つきで、 ステップを踏む いくつもの咎を塩素で洗い流し、 見世物小屋の私生児たちを見限った そのつもりできょうまで過ごしてしまった だけどわたしの属性はあくまで銀河であって路上ではない ビタミンの欠乏した躰でまぎれもない電波を受信する 麦の芽を解す春の雨のようにレインコートが降りしきる町で、 たったいまインタビュアの突きつけた質問を 地獄まで蹴り飛ばす わたしになにもいうな わたしになにも訊くな わたしはなにも知らない わたしにはなにもできない…

  • おれの徒然〈06〉

    01/12 1時、床に就く。夜中、左足の痛みがひどい。散歩のせいか。やはり靴が合ってない。朝、激痛で眼醒める。まだ8時まえ。おれは歩くことさえできないのか。テキスト入力のレスポンスが遅い。9時に医者、きたむら内科にいくことにして朝餉の支度。喰う。そして内科へ。けっきょくまた心療内科で坐薬をだしてもらうようにいわれる。小さな坐薬を処方されて帰る。2本同時に使う。午まで眠る。痛風と燕麦について調べる。毎日喰うのはよくないということだった。鶏胸肉もよくない。牛乳とヨーグルトと魚にするべきか。判断がつかない。プロテイン、MIKAパンとチーズと冷凍野菜にでもするか。 どうにも入力と、方向キーのレスポンス…

  • おれの徒然〈05〉「成人式」篇

    www.youtube.com 01/07──予感篇 ★ 1時に床に就く。音楽が一瞬聞えた。だれかが室にいるのかも知れない。だれもいない。たまたま廊下を歩いたやつのスマホから流れたものかも知れないが、ドアの音はなかった。鍵が開いてた。ようやく寝つこうとしたとき、電話が鳴る。おれはでなかった。そのとき、蛇のような生きものが蒲団に這入ってきた。慌てて起きる。なにもない。また眠ろうとする。電話の音。なにかが素早く這入ってきた。軟体動物のようにおれの躰にしがみつく。一瞬熱くなって光った。蒲団を捲る。なにもない。アルコールに起因する幻覚や幻聴かも知れない。 夢/古いレコードについて男たちと話してる。列車…

  • H氏への書簡〈02〉

    www.youtube.com ★ いやはや、信じがたいほどに混迷した年末年始を迎えました。いろいろと失敗を繰り返し、いまはようやくblogを更新したところです。正直、タイピングが覚束ない。またしても酒にやられています。本はいろいろと入手したものの、内容が入って来ないです。減らすつもりだった体重も増えてしまった。なんだか、輪郭のない不安にやられています。4年も使っている腕時計が故障しました。原因不明です。いまはメーカー修理にだす予算もないです。飛べない豚のような気分。それでも、せめて墜落する場所だけは撰びたいという欲望。 今年でもう40になるので、じぶんを変化させなくてはとおもっています。悪習…

  • PERFECT DAYS

    www.youtube.com www.youtube.com ★ ようやく酔いが醒めた きょうで6日か 年末年始は前後不覚だった とにかくひどい浪費 ¥10,000以上も酒に使った 4日なって映画『PERFECT DAYS』を観た ヴェンダースは『だれのせいでもない』以来だった 少しの冒険も赦さない、 ヒューマニズム過剰な作劇で、 エンディングを飾る役所広司のアップは滑稽にさえおもえた 気づくと時計の調子おかしい、どうやらメーカーで修理するしかない でも、そんなときに限って金はなかったりする 諦めて残金を酒に注いだ おれはまったくどうかしている 不安な気分 ペナルティキックを受けたゴールキー…

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