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庭と紙風船 https://sousakuoishii.hatenablog.com/

エンジニア×看護師の社会人じれじれ寸止め短編集。長編連載は安心と信頼の国産ゾンビゲー系異世界に社畜が閉じ込められたり逆にゾンビが現実に出てしまう大人の青春話をやっています。なろう日間ローファン部門最高31位。

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2019/11/12

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  • 秋の夕空、金色、はんぶんこ

    彼女が安っぽい単層ガラス窓をガラリと開けると、ひやりと清涼な空気が部屋の中に入ってきた。 「ふーっ、生き返るー」 揺れたカーテンが風といっしょに彼女の頬をかすめたので、彼女は思わず笑みをこぼした。 ──空気が酸っぱい黒ずんでいると散々な言われようの大都会・S宿にも、当然ながら秋は来るし、まれに清涼な空気が流れる時もある。 今日はまさにそんな日で、彼のマンションの窓から顔を出した彼女は、気持ち良さそうな顔をして窓の外を見ていた。薄い青紫の空の下にはもう夜景めいたビルの窓明かりや車のテールランプが見え始めている。 「……もっと早く開ければよかったです」 彼女が苦笑まじりに言う。 付き合って一年経っ…

  • 断じて熱中症ではない・2

    さて、彼はしばらくぼんやりとした表情で窓の外の景色を眺め続けていたが、やがてそうすることにも飽きたらしい。 青い空からふっと彼女が操作しているスマホの画面へと目を転じた。 彼女はどうやら、先ほど撮っていた浴室中の画像をいじっているようだ。 (なんだろう……あれはさっき撮っていた写真と……何か文章を打ち込んでいる……?) と、ぼーっとしながらそこまで考えた彼は、やがてハッとした顔になり、彼女が『アップロード』と表示された部分をタップするよりも早く、慌てた様子で彼女からスマホを奪い取った。 「──ちょっ、ちょちょちょちょっと待て! 君は一体この写真をどこに載せるつもりだったんだ!?」 「え? SN…

  • 断じて熱中症ではない・1

    二人とも完全に油断していた。 とある夏の、土曜の昼下がりのことである。 その日のS宿駅西口にある某ビルの温度計は、36度を示していた。 それ自体は特に珍しいことでもない。 しかし、そんな酷暑日ともいえる日に、彼と彼女はエアコンが壊れている飲食店にうっかり入ってしまい、ならばすぐに出ればいいものを、「少しなら大丈夫なのでは」と二人で話しながら料理を待っていたら、思いのほか待たされてしまった……という出来事は、二人にとって完全に予想外のことだった。 ちなみにエアコンは最後まで壊れたままで、待っていた料理はアツアツのラーメンだ。 ──……つまり、汗をかきすぎた。 「……このあとどうなってもいいや、っ…

  • Drawings8

    あけましておめでとうございます。今年もお手すきの時に遊んでいただけると嬉しいです。 Twitterにイラストを上げる一方こっちに上げるのをすっかり忘れていました…。 バールナース本編の裏主人公、組み立てられず面倒くさくなって放置された通販で買ったスチールラック。 「どうせ助からない世界の中で」 絵に文字が入れられるようになったので嬉しくなって色々入れてました。 ネチコヤンTシャツのある暮らし 色を塗る段階に入ってから急に何もかもが嫌になった(色塗りが面倒くさくなった) スマホで仕事してる蒔田君 夕ちゃん。夜勤明けにボーッとしている間に窓から入ってくる日の光が移動してしまいお弁当に日光が直撃して…

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