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minority sense https://roots-amanekouko.hatenablog.jp/entry/2019/10/27/181952

自閉症の二次障害でボロボロだけど自己表現したい 天寧煌子の作品基地 自閉スペクトラム症(聴覚過敏多め)に関する散文・息抜き雑文/詩/その他絵

主に自閉スペクトラム症に関する散文(手記、エッセイ、小論文、小説など)を載せています。聴覚過敏に関する散文が多いです。 絵や詩の別サイトも運営していて、リンクから見ることができます。

天寧煌子
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2019/10/28

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  • 鬱気味につき実践中の方法

    ※軽度鬱向け。重度の人は「それすら」できない可能性があります。 1、省エネ どれほど活動しても絶対に鬱にならない人が実践している、鬱にならない「秘訣」を教えていただきました。 めんどくさいことはやらない。ひたすら省エネで動く。 几帳面に「やりすぎてしまう」人には、実践はやや難。 個人的効果:★★★ 2、デスクダイアリーに〈やること〉を列挙 【左:一日の〈やること〉優先順位】 〈やりたいこと〉×〈やらなければならないこと〉=〈やること〉 ※基本は〈やらなければならないこと〉優先。余裕ががあれば〈やりたいこと〉〈やらなければならないこと〉どちらでもよい。望ましいのは、両方重なっていること を列挙し…

  • 詩「汚れた手」

    このやろう! 火の粉がかかって 熱いじゃないか! 熱ッ、熱ッ、 やめろ! なんだてめえ? 振り払いやがって乱暴だな ウチのもんに当たったぜ 手ぇ出しやがったのは 弱い者イジメしやがったのは この手か? ええ!? 煤で汚れてるぜ 真っ黒じゃねえか てめえのこの手はなんだ? やったんか? やったんやな? やったって言えよオイ! 報復してやるから 大人しく手ぇ出せ 焼き入れてやるよ 熱ッ、熱ッ、 放せ! やったのはおまえじゃないか じぶんの手が見えないのか? そんなのは知らん 見たこともねえ そんなことより てめえの手を見てみろよ 煤で汚れてるだろ? てめえがやったんだ 先に汚したんだ間違いねえ て…

  • 約半年ぶりの投稿です…近況など

    家庭内のゴタゴタが… 約半年前、鬼投稿した直後――。 私の感覚過敏のために、パニックに陥り、 家族から暴力を受け、警察沙汰になり、 関係機関で相談すると、よけい傷つき、 ガリガリ考えて、何人もの専門家と争って、 病院を替える替えないの、すったもんだを起こし(係争中)、 詩の会の人とも、「障害ないやろ? 障害いうな」で争い、 聴覚過敏手記の推敲を進める(一応、今月出版予定だが、間に合わない…)合間に、 本1冊分ほどの手記を書き、3カ月かけて推敲し、 加害者に渡し、返事が怖くて読めず、 ほうぼうで争っているうちに、だんだん精神がオカシクなってきて、 音に襲われる悪夢、幻聴、金縛り、夜驚が頻発し、 …

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(15) 高校時代3 ファンタジーの終焉

    大晦日の深夜。親戚の家に一人でいた。 あるアニメ映画が放映されていた。いよいよエンドロールが流れ、「物語の終わり」が訪れようとしていた。 それは、死を予感させた。胸を締めつける恐怖が、心に爆発した。 むきだしの存在不安、そして死の不安。 梶井基次郎が「檸檬」の冒頭で、「えたいの知れない不吉な塊が私の心を終始圧えつけていた。焦燥と云おうか、嫌悪と云おうか――」と書いたが、同じ心境の。 アニメの「物語」を通じて私が見たものは、「永遠の純潔なるもの」だった。若く完璧なヒーローが、完璧なヒロインを愛する。それは美しい青春だった。 未熟な自我がそういう境地を目指しながら、手に入らないその「完璧性」に、私…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(14) 高校時代2 発狂

    ◆発狂 十二月三十一日。私は突然「発狂」した。 それはいかにも奇妙で、異様な体験だった。私の心に何が起こったかを、一般の人に説明するのは難しい。 〈世界〉が見えるようなった私は、「物語」に耽溺した。小説、漫画、アニメ、ゲーム、映画のファンタジーに。平安中期の歌人・菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)が「物語」に耽溺したように。 「物語(ファンタジー)」は、私の中で実在していた。 一貫した芸術作品として確立しているばかりでなく、そこにある世界が、現実とは別の秩序をもって、息づいていた。登場するキャラクターも、私と同じように 〝生きて〟 いた。 それは私にとって、現実とは異なる、もう一つのまっ…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(13) 高校時代1

    ◆うわの空の高校生活 変わり者が多く、個性が尊重される美術系の高校だったせいか、〝浮く〟 ことはなかった。 高校生活もやはり、「うわの空」だった。 美術や漫画つながりの友達はいたが、趣味は合っても、ほんとうの親密さや、心のつながりは、感じなかった。 鬱々とした内面とは裏腹に、ギャグ漫画が好きで、友達とゲラゲラ笑い合ったが、心はそこになかった。相手を友達だと認識していなかった。 先生の押しつけがましい「説教」を嫌った。中学時代もそうだったが。 「常識」すなわちコモンセンスのない私は、「いかにももっともらしい」それを押しつけられることに、我慢ならなかった。 「常識」は、みんながものを考えずに受け入…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(12) 中学時代6 ファンタジーへの没頭

    ◆趣味の世界に没頭する 小学校高学年から絵を描くようになっていた私は、アートを皮切りに、小説、漫画、アニメ、ゲーム、音楽などの「趣味の世界」に熱中するようになった。それは尋常でない没頭ぶりだった。やりすぎるし、やめられないのだ。 アウトドア派から一転して、インドア派になり、外出しなくなった。 徹夜が続き、胃腸をはじめ、あちこち身体の具合が悪くなった。とくにゲームのやりすぎで、視力が急激に悪化した。 得意だった運動も、急にできなくなった。小学時代の健康な肉体は、徐々に虚弱になっていった。 身体を壊すまで「没頭しすぎる」性癖は、幼少期から現在まで、変わらず続いている。 ◆「物語の終わり」と「儀式」…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(11) 中学時代5 宇宙人

    ◆宇宙人 自分はほんとうに人間なのだろうか? 宇宙人ではないだろうか? 己の「人間」を疑った。 毎日、学校から帰ると、押し入れの中に潜り込み、襖を閉めて、暗闇で一、二時間は泣いた。毎日毎日。 思い返せば、私の発達はうんと遅れていた。小学時代は多くの子どもたちと活発に遊んだが、じつは一人遊びに夢中になっていて、社会と出会っていなかったのだろう。思春期になり、自我の目覚めとともに、初めて 〝社会と接触〟 したのだ。 私は絶望した。生まれて初めて本格的な人生の試練に遭遇した。 次から次へと襲ってくる「絶望」に、小学時代とは違ってあたふたと翻弄される自分。環境が変わると同時に、精神も、これまでとはまっ…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(10) 中学時代4 人間への違和感

    ◆人間への違和感 ほとんど同じ時期、もう一つの、鮮烈な自己意識が芽生えた。 毎日、中学校の校舎で、楽しげに笑う中学生の群れを見ていた。私の眼は、虚ろだった。 強烈な違和感があった。 みんながなぜ笑っているのかわからない。みんなと同じように感じない。なじまない。そぐわない。何かが違う。…… 同級生だけではなかった。気づけばきょうだい、親、親戚、テレビの中の人にまで、人間全てに違和感があるのだ。縦長のガラスの円柱から世界を眺めているようで、目の前の現実から隔てられている。 赤ん坊を抱く母親、結婚式のカップル、校舎で青春を満喫する中学生。――人間社会に溢れる、いかにももっともらしい幸福の空気は、死の…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(9) 中学時代3 〈世界〉

    ある夕方、空いた電車に乗っていた。車窓の外で霧雨が降っている。夕靄が縦座席を染める。 突然、私の脳裏に見たこともない映像が鮮やかに出現した。薔薇の蔓が絡まり合った巨大な門が、白く霞む濃霧に浮かんでいる――。 白昼夢。 それは、心の宇宙に膨張する神、離人症的内面世界、自分の世界でもあった。 〈世界〉、と名づけた。

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(8) 中学時代2 詩「大いなるものへ」

    ◆自我の芽生え 突然、何かが私を激しく打った。天の啓示のようないかづちが――。 【大いなるものへ】 灰に染まる石室で、あなたは〈わたし〉を与えてくれた 日覆いの隙間から、見知らぬ風景の空から それは突然降りてきた 初めて目覚めた人間のように 啓示は激しくわたしを打った 灰に染まる石室で、あなたは〈世界〉を与えてくれた 日覆いの向こうをまなざしは貫いて、遙か遠い山脈と雲の彼方から それはわたしに呼び掛けた 未だ見ぬ郷愁に抱かれて 涙は満ちるよろこびを湛えた あるとき、――それは死んでいた 巫女もかぐやも 猜疑の晦冥(かいめい)に呑み込まれ 長く白けた 罪が下った 底無しの 色彩失せた夜の始まり …

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(7) 中学時代1 故郷喪失

    ◆引っ越し 小学校を卒業すると同時に、父の仕事の都合で、中部地方のある町に引っ越した。社宅アパートに住まった。 この町は、工場地帯だった。 石灰石の鉱山がある。ふもとの工場が採掘し、破砕し、焼成する。見渡す限り、そのような工場だらけだ。 工場の影に、民家も密集している。 アパート前の平野いちめんに、何台ものショベルカーのまわりに、破砕された石灰石が積み上げられている。 遠くに、地肌の露出した鉱山が白っぽく見える。大気に霞んで存在感は薄い。自然の情趣もなく、私の眼には入らなかった。 ショベルカーが石灰石を砕く、ガラガラガラという凶暴な音が、四六時中響き渡っていた。 殺伐――という言葉がピッタリく…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(6) 小学時代5 集団意識ゼロ

    ◆疎い人間関係 よくからかわれ、いじめられていた。 男の子に背中で担がれて泣き喚いた。五線譜に作曲したノートを奪われた。ペンを盗られた。 しかし当時は、相手が自分に何をしているのか、わからなかった。意味不明な災難に遭ったという感じだけがあった。 人間関係に疎かった。 小学校高学年になり、人間関係は複雑になった。 クラスの女の子は「グループ」をつくり、○○ちゃんは△△ちゃんのグループに入るだの入らないだのと、騒いでいた。 私の「入っていた」(つもりはないが)グループが、けんかで二つに分裂した時、仲の良かった女の子は、私にこう迫った。 「煌子は私のグループに入るよね? それとも○○ちゃんのグループ…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(5) 小学時代4 人目がわからない

    ◆人目がわからない 家でも外でも、狂ったように遊び回るのに、人が来るのを待っているだけで、自分から、友達の輪に入ろうとしなかった。 保育園の先生によると、自分の殻に閉じこもって、外の世界に興味を示さなかったという。 母によると、「暗い」というのではなく、自分にひきこもっているところがあったという。いつも自分の世界に夢中で、まわりが見えておらず、「人目」がわからない。服が汚れていてもかまわず外に出て、外出の服すら準備できなかったと。 この自己没入傾向は、三歳頃にはすでに現れていたらしい。学業成績が話題に上る小学校の面談で、こうした私の発達の問題ばかりを、母は担任と話し合っていたという。 考えられ…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(4) 天真爛漫な子どもだった小学時代まで3 こだわり

    ◆こだわり 収集癖があった。 缶ジュースの蓋(当時は缶から外せた)をコインに見立て、大量に集めた。 山道で捕まえたカマキリを、帽子に入りきらないほど入れ、持ち帰った。 空き地で、何かの白い幼虫を大量に掘り起こし、家の庭に放した。 何かを燃やすのが好きで、火に執着した。 マッチやろうそくに火をつけては、いつまでも眺めた。 塾の階段裏で問題用紙を燃やした。 小学校の倉庫から机を運び出し、理科室で天板をこっそり燃やした。 シンナーの臭いに熱中した。 車の排気ガスを嗅ぎに回った。 マジックを束にしてキャップを全部外し、臭いを嗅いで倒れた。 保健室に運ばれ、四十三度近い熱を出して大騒ぎになった。

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(3) 天真爛漫な子どもだった小学時代まで2 危険な遊び

    ◆いたずらと危険な遊び いたずらばかりしていた。 「慈善事業」と称し、ティッシュでつくった「こより」の束を、住んでいたマンションの全ポストに入れた。 マンションのコンクリートにマジックで落書きして、消せなくなり、親から怒られた。 人の家から桃を盗み、うじ虫と蝿が湧くまで、机の引き出しに隠した。 鉄棒で逆(さか)上がりして、口に入ったカメムシを噛んだので、知らない人の家に、インターホンを鳴らして上がり込み、口を濯いだ。 カエルを口に入れて、遊んだ。 木の枝によじ登り、町に向けて、リコーダーを吹き鳴らした。 自宅の屋根を這った。 二階のベランダから、柱を伝って、外へ抜け出した。 小学校の授業を真面…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(2) 天真爛漫な子どもだった小学時代まで1

    ◆天真爛漫な子どもだった小学時代まで1 私は、関西地方のある都市で生まれた。 幼稚園に入って一年後、奈良県にある、山の斜面を削ってできた新興住宅地に引っ越した。 母によると、私は子どもの頃から聞かん気が強く、わがままで、強情で、しつこかったそうだ。妹の何倍も手がかかり、しつけができなかったという。 小学時代まではやんちゃで、一箇所にジッと落ち着かず、ガサガサ動き回る、悪ガキだった。好奇心旺盛で多動傾向があった。忘れ物はしょっちゅうあり、注意散漫だった。 宇宙や顕微鏡に興味を持ち、昆虫や草花を観察し、未知の土地を探検する、少年のようなところがあった。今でも哲学、ゲーム、恐竜、模型などに惹かれ、感…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(1) 詩「あなたのひとまたぎは千里の道」

    【あなたのひとまたぎは千里の道】 一息に羽化する人は 知っているだろうか あなたのひとまたぎが 千里の道であることを 精神科医の小澤勲は、『自閉症とは何か』の中で、「自閉症範疇化の中核症状は自閉である」と言っている。 私の自我はずっと「自閉」と「社会」に引き裂かれていた。

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで はじめに(2)

    〈自己〉が〈自己〉であろうとする物語 私が生涯で、一番悩み苦しんだのは、〈自閉〉である。一言でいうと、「〈自閉〉という〈自己〉」「〈自己〉の中から出られない」。 このテーマについて語り尽くせば、1冊の本になるかもしれない。 私は今、重度の聴覚過敏に悩んでいる。家から出るのも困難である。 この問題にかかりきりで、先に解決しなければならなくなった。それで、何年もかけて手記を書いている。 ほんとうは、〈自閉〉について考えたい。解き明かしたいのである。こんなことを言っている人は、誰もいないようであるが――。 生涯、苦しめられた〈自閉〉について、ライフワークとして、書きたい。 しかし、きゃつめ(聴覚過敏…

  • 〈自閉〉と〈社会〉のはざまで はじめに(1)

    〈自閉〉は嫌われている? 〈自閉〉は嫌われているらしい。 電車内で携帯電話をかける人や、わけのわからない独り言を呟いている電波系の人は、多くの人々に異様な不快感を与えると、精神科医の斉藤環はいう(※1)。なぜなら、「僕たち」と同じ言葉をしゃべらず、別の世界を背負って歩いているからだと。 斎藤環は、いわゆる〈精神病〉の〈自閉〉のことを言っているらしい。 私が話題にしたいのは、自閉症の〈自閉〉である。 もし〈そこ〉に、〈自己〉がいるとしたら? そう考えたことはあるだろうか? 世間では、〈自己〉というものは、問題にされることが少なく、「それをもっていることがちょっとでも気づかれるならば、この上もなく…

  • 詩「社会は私を生かし、そして殺した」

    社会の対極に、布置していた。 しかし、社会はそこに私が居ることを、知らなかった。 社会に布置させることが、幸福だと、思っていたのだ。 【社会は私を生かし、そして殺した】 社会は私を生かした そして殺した 社会に殺されたことのない人は そんなことを想像もできない人は ただただ社会が善 社会が正義 社会が自分 自分を押し広げていけば そのまま社会の正義になる エゴを糊塗しながら 自分はそのまま社会になり 社会はそのまま自分になる そんな特権に気づくこともなく 社会は自分の家と うそぶける 社会からいちばん近い人は 社会の中に身を置いても それは自分自身だから 自分が殺されることはない 殺されること…

  • 聴覚過敏を伴った自閉症感覚とその能力(2) 予知覚

    ある出来事が起こりかけている気配を〈徴候〉という。つまり時間や空間の与える〈印〉である。 五感が反応する前に、〈徴候〉は私の心にいち早くスタンプされる。この感覚はテレパシーのようなもので、第七感の域に達しているのかもしれない。五感を統合する根源的能力である共通感覚(中村雄二郎『共通感覚論』、岩波書店、二〇〇〇年)と言えるだろう。 私の聴覚は〈徴候〉を捉えるレーダーの役割も果たし、共通感覚を広げたのだろう。人の存在を存在として、つまり〈核〉のまま受け取る能力を高めたのだろう。 ただ、身体の中で起きる物質的(フィジカル)な反応も強いので、個別的な五感のうちにとどまり、共通感覚として十分な統合がなさ…

  • 聴覚過敏を伴った自閉症感覚とその能力(1) 体性感覚から伝わる人の意思

    スリランカ上座仏教には、〈印〉(または〈想〉。サンニャーと読む)という言葉がある。対象を認識するときに、他のものとの違いに気づく心の働きをいう。意味は印象impressionに近い。 Saññāとは、感じたものについて何か区別するために、印のようなものが生まれることです。 (アルボムッレ・スマナサーラ『サンガ文庫 ブッダの実践心理学 アビダンマ講義シリーズ 第三巻 心所(心の中身)の分析』、サンガ、二〇一三年、四二頁)〉 私の〈印〉は強大で、深い。心に押されるスタンプが強烈なのだ。 とりわけ人の声から受け取る〈印〉は大きい。よく格闘漫画やゲームで、空気の波動でダメージを食らうシーンがあるが、あ…

  • ブログに書くことが思いつかない & 聴覚過敏手記プレ出版

    「そろそろ記事を書きたい」と書いた後、気づけば、4カ月も経っていました。 その間、聴覚過敏手記を自分で製本して、ドラクエ11のゲーム実況にハマって、手記を文芸社と中日新聞のコラボ企画の自分史大賞に応募して、ドラクエ11の主人公のサラサラ髪はドラクエにしては珍しくHSP気質を表現しているのかもとか思って、手記をkindle出版することを思い立ってまたしても推敲が終わらなくて死にそうで、遂にドラクエ11が欲しくなりプレステも要るんかと悶々として、次の手記「<自閉>と<社会>のはざまで」を書き進めるも森口さんの『自閉女の冒険』が良すぎて感想を書きたいのに手記で一杯一杯で、ドラクエ11ができない禁断症…

  • 20年心にしまい続けた森口奈緒美さんへのファンレター

    私は自閉症当事者・森口奈緒美さんの大ファンです。熱烈といっていいほどかもしれません。 先日、森口奈緒美さんの自伝第3作『自閉女の冒険』をチラ見(まだ途中までしか読んでいない)しました。 自閉女(ジヘジョ)の冒険──モンスター支援者たちとの遭遇と別れ 作者:森口 奈緒美 発売日: 2020/02/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) 森口さんいわく「もう、あまり、時間がない」(214頁)という気になり、いてもたってもいられず、長年にわたる森口さんへの思いを書き記すことにしました。 『変光星』との出会い~アスペルガー症候群を診断される ドナの本にも出会う 明るく、軽く、キラキラしている手記は心…

  • 9ヵ月ぶりの投稿です。近況〈聴覚過敏手記〉など

    久々の投稿です 9ヵ月ぶりの投稿です。ブログを始めてから、集中しすぎるのを止められず、画面を凝視し続けて、視力が大幅に悪化してしまいました…。空間定位(空間に自分の身体の位置・姿勢を定めること)がしづらくなり、聴覚過敏も悪化したので、長らくパソコン画面から遠ざかっていました。 聴覚過敏の手記を推敲していました 聴覚過敏の手記の推敲をずっとしていました。原稿は完成して、そろそろなんらかの形で発表(出版)したい。宣伝は苦手だけどやらなければならないので、集中しすぎて目を酷使しないように気をつけながら、これから少し記事を上げるかもしれません。 手記のタイトルはこのブログと同じ『マイノリティ・センス』…

  • 圧倒的な世界の対応できない私

    世界は圧倒的 k0nt0n.blog.fc2.com さんのマネをして、4コマを描いてみました。 毎日毎日、HELP ME 今、詳しいことは書かないので、ものすごく漠然とした表現で恐縮ですが、いずれブログに書きたいと思いますが、 毎日毎日、HELP ME!! モードで街を走ったり机で一人問題対策会議を開いたり……という感じで日が過ぎます。 聴覚過敏の問題で、なんですけど・・・。 理解が得られない。困った。 友人知人といえども、わからないですよね。 数年かかわっている知人にも困り感は伝わらないですね。 聴覚過敏の問題には「ハァ」しかない。 専門家? 専門家は・・・。 病院が変わり、医師に説明して…

  • 言葉が重くてパッと出ない…

    行きたい場所がある。 かけたい電話がある。 ……でも腰が重い。 聴覚過敏がハードルになっているのですが、言語の問題もあります。 言葉が沼の底に沈んでいるよう 自分の要求をパッと言葉にできない。 そうできる自信がありません。 言葉が重たい沼の底に沈んでいて、なかなか浮かんでこない感じです。 その時その瞬間に、うまく引っ張り出せない心もとなさがあります。 たとえとっさに言葉が出たとしても、相手に合わせる表面的な言葉になってしまうことがあります。 そこには「自分」がいないことも…。 「自分」はもっと底の方に座っています。 目の前の人に合わせている「自分」は、かなり演技しています。 質問されたときもそ…

  • 超個人的偏愛趣味音楽【ドラクエ/アルヴォ・ペルト/dir en grey/モーツァルト/光田康典など】

    コロナ危機によって聴覚過敏が悪化したので、毎日音楽をかけまくっています。 ブログに自分の好きな趣味音楽をアップしている人を見ると、「いいなぁ、私もやってみたい…」なんてスケベ心を起こして、こっそり好きな音楽を紹介。 発達障害とはなんの関係もない、ただの私の個人的偏愛趣味なので、興味のない方はスルーしてください・・・。 偏愛CDコレクション全体 車の中にも10枚ほど。 上段:ゲーム音楽 上段がゲーム音楽(すぎやまこういち、光田康典、伊藤賢治)。 生まれて初めて心から感動した音楽が、すぎやまこういちのドラゴンクエスト・オーケストラでした。 リズム、ハーモニー、メロディーが織りなす音の世界。 これが…

  • うるさい! コロナストレス(2) 以前より厳しくなった日常

    近所がうるさくなった この頃から、ゴールデンウィークや土日などの休日に聴覚過敏が悪化する法則に気づくようになった。休日は平日と違って、わさわさ動き回る何者かの気配がせわしなく、一触即発の空気に満ちている。身体じゅうの細胞は落ち着きなく、爆弾を抱えているよう。休日は私にとって避けなければならない鬼門だ。とくにゴールデンウィーク、夏休み、年末年始は、聴覚過敏の火種が発火する危険を孕(はら)んでいた。 『踏まないで! ―ある自閉症者の聴覚過敏手記― 第八章 病む記憶』 静かな平日の近所が「休める場所」だったのに、今は近所がうるさくなり、生活しづらくなりました。 散歩道には人があふれ、往路800メート…

  • 選挙活動で苦労した聴覚過敏とコミュニケーションの問題

    最近、応援している人の選挙を手伝いました。 以下は聴覚過敏やコミュニケーションの困難を記した記録です。 選挙前夜打ち合わせ 総勢12名で打ち合わせ。 あちこちザワザワ騒がしく気が散る 誰も彼も声がキンキン尖っている 初めての顔ぶれとのコミュニケーションに苦手意識がある 目に見える手がかりのない話し言葉がわかりにくい コロナ防災バカ無線がうるさい ドアや取っ手にコロナウィルスがついている可能性があるのが気にかかる 人がマスクを外して近づいてくると脅威を覚える 聴覚過敏が今にも出ないかと身体に意識がいく 打ち合わせが盛り上がってトイレに行くタイミングが掴めない サウンドレベルメーターを車から持ち出…

  • 人の気持ちがわからない奴はアスペルガーだ!……なわけはない

    ○○さんってアスペルガーじゃない? 知り合いのY美が、声をひそめて私にこうささやきました。 「Oさんてアスペルガーじゃない?」 Y美はスピリチュアルなものに興味を持つ、繊細で敏感な人です。 HSP(Highly Sensitive Person 人一倍敏感な人)の特性があると、私は感じています。 ある時Oさんは、Y美の繊細な気持ちを汲まない発言をしたそうです。 Y美は、そんなOさんをとがめるために、「アスペルガーじゃない?」と指摘したのです。 こうした声を、私は至るところで聞いてきました。 Y美だけではなく。 「○○さんってアスペルガーじゃない?」 「△△さんてアスペよ」 自閉症より「アスペ」…

  • みんな面白がる共通の話は、たいてい面白くない。

    共通性の高い話は面白くない とある人の選挙を手伝い、お疲れ様会があった。 一言で言うと、あまり面白くなかった。 近所の人間関係の裏事情に興味がないのだ。 政治の話にしても、「人の心を解き明かす」真理を聞きたいのに、自分の生活実感に沿わない話題ばかり。 人生経験豊富な老人の、ためになる面白い話ぐらい聞けるかと思ったが、近所の誰がどうしたという卑近な話に終始していて、面白くない。 新聞の社説に載っているような、理念的な話が聞きたかった。 市の現状はヒトラーが権力を持った状況に似ていないかと思うが、そういう話も聞けなかった。 目の前の人間を一生懸命観察したが、いまいち誰も面白くない。 「人間万事塞翁…

  • 聴覚過敏を描いた詩「打ち下ろす槌に」

    以下の詩は、聴覚過敏を描いたものです。 全身を引きずり込むすさまじい重力。 吸い取られる生命。 全世界を敵に回し。 誰にも相手にされない圧倒的な徒労感。 ぬかに釘、どころか空気に釘。 そういう症状の苦悩です。 【打ち下ろす槌に】 灼熱(しゃくねつ)の闇に 暗赤(あんせき)の泥濘(でいねい)は底無く 揺れる葦(あし)を掻き分け、漬かる膝を引き抜く 慄(おのの)く掌(て)が虚空を掴み、逃れ行く脚に 煌めく針山の底より 噴き出す業火から 群がる 無数の腕、 乾いた亡者らの 骨浮き、皮崩れ、 開け広げた唇に音なく 〈これでもかこれでもか、〉打ち下ろす 〈これでもかこれでもか、〉打ち下ろす 肉断ち、骨砕…

  • 時間感覚が麻痺している私の時間管理術

    私の時間感覚は、麻痺しているといっていいほど乏しいです。 いろんな方法で管理します。 そのツールを紹介します。 1、デスクダイアリー モザイクをかけすぎて何が何やら。 DAIGOのアポイントダイアリーを長年愛用。 基本はコレです。 時間が目に見える形で把握できる安心感があります。 2、理想タイムスケジュール表 このスケジュールをつくる時は頑張ってつくりますが、あまり守れず、すぐグダグダになります。 予定通り過ごすぞ!という気合いを高める効果だけはあります。 3、タイムタイマー 発達障害者の憧れ(?)タイムタイマーです。 スチール製の本棚にマグネットでくっついています。 毎日使っているわけではな…

  • 病院のコミュニケーションで困ること と 対処法「目で見て理解」

    コミュニケーションで困ることをリストアップ コミュニケーションで困ることを word でリストアップしました。 他の困りリスト含め20ページ以上あります。 こういう資料が山ほど(ファイル2冊以上)あります。 このリスト内容をブログに展開してみます。 病院のコミュニケーションで困ること 目に見えない耳から入る話し言葉は "音" に聞こえることがあり、意味を把握しづらい。言語障害のない定型発達者は、目に見える手がかりなしに、音声のみでペラペラ会話しているが、私には難しい。 自分語りしすぎることがある。引き際の判断が難しく、「良い加減」で止めるのが下手。 いかにもコミュニケーションできているように演…

  • うるさい! コロナストレス

    流行に興味はないけど・・・ 私にとって価値あるものは、時間の淘汰を経たものです。 新しいものや流行に、あまり(ほとんど)興味はありません。 流行や時事ネタに疎く、新聞を読み思うことはあっても、人と共有する意思は乏しく、一人で考えているダケ。 「新しきものの善きものたることは稀なり。善きものの新しきものたること、つかのまにすぎざればなり。」 (ショウペンパウエル『読書について』、岩波文庫、32頁) 流行ってパッとやってきて、フワフワ流れていって、何も残らない。 毎年毎年、何か流行るたびに、迷惑なことだなぁと思っていました。 しかし……しかし……。 コロナの "流行" があまりにストレスフルなので…

  • バンパイア=発揚性性格者 vs HSP=敏感性性格者

    繊細で傷つきやすい人が自分の心を守るための本 加藤諦三著『「自分の心」をしっかり守る方法』を読みました。 これは、繊細で傷つきやすい人が、自分の心を守る方法について書かれた本です。 「自分の心」をしっかり守る方法: 「くやしさ」「悩み」「モヤモヤ」が消えていく (知的生きかた文庫) 作者:諦三, 加藤 発売日: 2019/05/22 メディア: 新書 何気なく手にとって読みましたが、自分の生きづらい性格をこれでもかと解き明かしていて、大変参考になりました。 読んだ後、心が明るくなりました。 敏感性性格者 敏感性性格者とは、小心で、繊細で、傷つきやすい内面を持ちながら、野心は人一倍ある人間です。…

  • 障害者は不幸をつくらない

    私ではなく、なぜあなたが? 2020年2月17日、横浜地裁であった津久井やまゆり園事件の論告求刑公判で、自閉症の娘を殺害された母親が、こう述べていた。 「勝手に奪っていい命など一つもない」 「あなたが不幸をつくる、生きている価値のない人間」 (2020年2月18日 朝日新聞) 障害者が不幸をつくる。 植松聖被告はずっとこう述べてきた。 精神科医の神谷美恵子は、ハンセン病の患者に「私でなく、なぜあなたが?」と思ったという(出典不詳)。 被告はそう思わないのだろうか? 「私でなく、なぜあなたが?」 「なぜ私が無力な者ではないのか?」 と。 いつ、誰が、無力な人間になるか 人が強大な力をもって生まれ…

  • 過敏な人に! 『「敏感」にもほどがある』を読んで

    『「敏感」にもほどがある』を本屋で立ち読みして、バカウケしたので、即買いしました。 敏感にもほどがある 作者:高橋 敦 出版社/メーカー: きこ書房 発売日: 2017/07/03 メディア: 単行本(ソフトカバー) HSP(highly sensitive person 敏感すぎる人)の日常について、四コマ漫画を交えて書かれた本です。 漫画だけでもめちゃくちゃ笑えるのですが、自己分析した文章が素晴らしい。 引用しながら思ったことを書きます。 これは自分!? 発達障害者とHSPの違い 聴覚過敏に応用できる? 感受性が高い人の役目はなんだろう? やっぱり理解されないのか… まとめ 過敏に悩む人に…

  • 自閉症の人は「努力」しないという先入観

    知り合いの躁鬱病持ちD氏に手記原稿を見せた。 そこには、思春期の内面における葛藤と、職場いじめなど社会に出てからの闘いを記していた。 D氏はこう指摘する。 「自閉症の人でここまで努力しているのは少数派でしょうね」 「は?」 なぜそんなふうに言えるのか? 違和感を抱いたので、私見を述べる。 自閉症の人は努力しないという先入観 知る限り、D氏は自閉症の本を一冊も読んだことがないはずだ。 自閉症の人に一人もかかわったことがないはずだ。私以外は。 理解どころか、自閉症のことを何も知らない。 そんなD氏はこう思っているのだろう。 「多くの自閉症者は努力しない」 こうした考えあって、さきの発言が出てきたの…

  • ブログを読んでいただきありがとうございます

    はてなスターと読者ボタンを押していただいた方、ありがとうございます。 プロフィールは見ていたのですが、そこからブログにたどり着けることに全然気づかず。 今ようやく気づきました……。 よもやこんなところにリンクが張られていようとは……。 はてなの使い方がいまだによくわからないです。 日々、鬱気味なのと、自分の症状に喘ぐのとで、なかなか意識を外に向ける余裕のない私ですが、今度じっくりブログ巡りしようと思います。 記事を読んでいただきありがとうございました。

  • 社会に理解を求めること、断念すること――二つの道の消失点【統合失調症者Tとの対話】

    社会に理解を求める 「未成年の時はマイノリティだった。親が守ってくれて、まわりの人は通り過ぎていくだけ。けれども大人になってメジャーになる。自分もまわりから見たら通り過ぎる一人にすぎない。みんなと同じ一員とわかる。失楽園」 統合失調者Tが早口で頭の中から言葉を引っ張り出す。渋い顔つきで。苦い過去を思い返すように。コメダの薄暗い照明が、彼の黒いジャンパーに吸い込まれる。七〇デシベルはあろうかというざわつきの波は、彼の後ろに凪いでいく。私は彼の隣で言葉を書き取る。 「批判は自分に戻ってくる」 批判……? 私は考えを巡らす。どういうことだろう。 「自分モナド(充実した内面をもち、自発的知覚を担う単位…

  • 軽々しい言い方になって申し訳ありません。

    とあるブロガーの方へ。 あれ以上コメントするのは申し訳ないので、ここに書かせていただきます。 おっしゃるとおり、物語の再構築とは、解釈の変更程度の、軽い意味ではありません。 「解釈」という言葉は適切ではありませんでした。 思考の問題ではなく、心(人間)の回復ということが言いたかったです。 ――が、ネット上でいくら文字のやりとりをしても、伝わらないでしょう…。 頭で言葉を弄ぶような、いかにも軽々しい言い方でした。 私は、心に生じる情感と、頭が司る言語が分裂して、連動しないことがあります。 心が切り離されたような、淡々としたしゃべり方になってしまいました。 今もそうなっていなければいいですが…。 …

  • 犠牲となった障害難民マイノリティたちへ ADHD・S子との対話

    障害難民 ADHDのS子の部屋は、暖房の利きが悪く、凍えそうに寒かった。 聴覚過敏手記の冊子を、私は床に並べる。 「トラウマですよ、××事業所の。それで聴覚過敏なんです。フラッシュバックがひどくて買い物にも行けない。もうどこにも。ストレスで△△病も鬱も」 「△△病って歌手○○○○がなったやつ?」 「さあ、その人は知りませんけど。顔とかお腹とかブクブクでしょ。ステロイドで」 「障害難民やて、重複障害」 S子の言葉にピンときて、私は声のトーンを高める。 「それ! クマさんも同じようなことを言ってました。なんだったかなあ……超多重生活困窮者?」 「どの施設も断られた人がそうなるんや」 「そう、社会に…

  • 距離感がわからず、人に近づきすぎてしまうのは

    人に近づきすぎる 文学会の主宰者がたしなめました。 「苦手な人のに、近づきにいってはいけないよ」 「・・・」 その距離感がわからないのですよ。 そう――人間関係の距離感が。 私が苦手な人に近づいてしまうのは、たいてい「対人恐怖」「初めての状況への恐怖」からです。 相手がどんな人かわからないから、「初めての状況」をなくそうとするのですね。 「初めての対人環境」ほど怖いものはありませんから……。 情報を少しでも多くもって、人間関係の不可解さをなくそうとする、というか。 かつて通っていたA型事業所で、やたら初めての人に話しかけにいって、「天寧さん、近づきすぎて怖い」「神出鬼没」と言われました。 「・…

  • 「STIGMA FREE」リニューアルのお知らせ(3) fc2はミラーサイトになっています

    数年間、閉鎖していたFC2ブログも閲覧可にして、現在ミラーサイトになっています。 takiruka.blog9.fc2.com 本当は、FC2ブログに完全移転したいです。 拍手ボタンがある はてなやアメーバのような「会員ID」がなくてもコメントできる コメントするときに閲覧不可にできる つまり、私にとってFC2は、読者の反応を実感しやすく、ブログを継続するモチベーションを保ちやすいのです。 しかし! どの記事が読まれているか知りたいのに、わからない のが最大のネック。 現在、グーグルアナリティクスなどで調べる方法を検討中(数ヵ月、いや1年以上かかるかも?)ですが、はてなではコレが簡単にわかるか…

  • 「STIGMA FREE」リニューアルのお知らせ(2) ブログをやめてから

    ブログをやめてから 2013年に閉鎖した弱小ブログ 「STIGMA FREE」を見てくれていた人が、今いるかどうかわかりませんが、もしいらっしゃったら、少し近況報告を。 6、7年前なので、絶対いないだろうけど……。 ブログを書いていた当時は、A型事業所で働いていました。 けれども、ものすご~く端折って書くと、そこで○○な体験をしました。 ○○に入る言葉は、過酷、深刻、不条理、悲惨、目茶苦茶etc...どんな言葉も、それはその通りなのですが、しっくりきません。 「外面的な事件」という観点からすると、たいしたことはないのかもしれません。 でも、私の心の中が、スサマジイ嵐でした。 あまりにいろいろあ…

  • ドナ・ウィリアムズ『自閉症という体験』との対話 2 詩「鍵を知る者」

    【鍵を知る者】 ―ドナ・ウィリアムズに贈る― 鍵を知る者よ 教えてほしい わたしがなぜここに 繋ぎ止められているのか 母なる器 痩せ果てた大地の封印に 縛(いまし)めを解(ほど)く 型はどこに 秘匿されているのか ――組み敷かれた魔方陣 ――解けない鍵穴 ふたつでひとつのからくり 片割れを抱えている あの雲に 差し伸べる大地の稲穂が なぜ届かないのか わたしはひとりで 硬い土に水をやり 稲穂を鍵の凹凸に変えようとする けれども鍵は ふたつでひとつ 雲は 持ち去ったまま 鍵を知る者よ あなたはあなたの頭上へ あなたの長身よりも遙かに 振り解(ほど)いていった 縛めを解く 型となって 母なる器はあ…

  • 一気に人が増え、状況が変わり、苦手な人も来る……ビンゴで苦手…

    なんでこんなに来るんだ(泣) ある文学会に1年前から参加しています。 いつも、総勢5名のメンバーで文学談義し、作品を発表します。 私は毎回、聴覚過敏手記を発表しています。 メンバーには、最初は対人恐怖がありましたが、今は慣れ親しんでいます。 ところが次回、メンバーが一気に4名も増えるうえに、苦手な人が来ると、主催者から連絡が。 ビンゴで苦手な状況すぎる。 対人恐怖と、コミュニケーションの困難と、状況理解の困難と、感覚過敏があるのに……。 基本、二人以上の人とやりとりするのに抵抗があるのに……。 なんでイキナリこんなに来るんだ! こんなに来なくていいじゃん! やめてー! 切実にやめてー! いっそ…

  • 発達障害について何が言える? パトスの思いつきでものを言うのに嫌気が差した

    聴覚過敏のリハビリに、病院で音に“被爆”しながら、スマホで記す。 ロゴスのない文章が嫌になった 2011年から2013年までの記事は、発達障害について思ったことを思ったままに、ポンと吐き出すように語っていた。 針のような直感をもち、下手なりに詩を書き、パトス(情念)が優勢な私の物の見方は、「鋭い」こともあったかもしれない。 けれども、あるとき嫌になった。 みずからのロゴス(論理)の乏しさに――。 思いつきでものを言う。素直。 それは大事かもしれない。 けれども論理は、ロゴスはどこにある? 何も知らない、何も言えない 発達障害について「知っている」のは、じかに体験したことだけだ。 しかし、失敗し…

  • 奪われた者の言葉を、沈黙を強いることで再び抑えつける

    暴力を受けた人は、自分の身に何が起きたのか、理解することができなくなる。「自身との関わり方と世界との関わり方という二重の意味」で、その根幹を揺さぶられ、沈黙を余儀なくされる。加害者は、被害者の沈黙を望み、その犯罪の痕跡を消し去ろうとする。 暴力によって、沈黙を強いる。沈黙させることで、生きる権利を剥奪する。 聞く側が言葉を要求するのではなく、こぼれてくる言葉を拾い集める。そのことで、人間は回復する。沈黙からの言葉が生まれるのをゆっくりと待つ。 朝日新聞書評(日付不詳)『なぜならそれは言葉にできるから』に寄せる武田砂鉄の書評「人間的であろうとするために」 言葉が出ない。(どうでもいい言葉は出るけ…

  • 自己表現の火花は散る 芸術というメッセージ

    芸術かメッセージか 芸術の世界では、自由は、おのれの決意次第だ。今すぐ、誰に遠慮することもなく、なにものにも束縛されずに発揮できる。社会に対して、ぶつけたいメッセージがある。言わずにはいられない。ならば、当然、表現のスタイルが決まってくる。内容が形を決めるんだ。どう表すか。それは自分次第。無限の自由がある。 芸術はメッセージだ。伝えたいものがあるならば、言うことは自ずから決まっている。いちばん適格に、言いたいことを表す形はなにか。それは自分にしかわからない。 今、この瞬間、まったく無目的で、無償で、生命力と情熱のありったけ、全存在で爆発する。それがすべてだ。 岡本太郎『壁を破る言葉』 基本、私…

  • 「STIGMA FREE」リニューアルのお知らせ(1) 過去記事復活中

    「STIGMA FREE」リニューアル 今更ですが、2011年から2013年にかけて公開していた「STIGMA FREE」をリニューアルしました。 過去記事を少しずつ復活中です。 過去記事から、カテゴリーから見ることができます。 「STIGMA FREE」を休止していたわけ 管理人プロフィールでも書きましたが、 直観にまかせていい加減に文章を書いており、あまりに未熟で、見るに堪えない 就労がうまくいかなくて、惨めな身辺雑記を発表するのがいたたまれない 理由で、正視できない記事ばかりでした。 このたび、過去記事の多くは削除して、見られるものだけ推敲して、再び公開することにしました。 それでも、過…

  • あなたの成功体験を普遍化しないで

    当事者会で、関係の本で、よくある。 発達障害だけど○○できました。発達障害だけどスゴイ成功してます。 ・・・ま、自分もやってしまっているカモしれませんが。今、実際、発達障害だけど、文章書いてるので……。 しかし、成功アピールは全然届かないですよ、心に。あなたの成功体験を、成功者の視線から、普遍化しないでほしい。お前が言うな。って感じになるんです。 どうしてもうまくいかない人がいるんですよ。あなたと私は条件が、環境が、スタートラインが違うんです。「それができる条件」があるんです。 その条件を手にできるかどうかは、運次第です。 社会的成功者とは傲慢かつ単純な人種が多いので、自分の成功を普遍化したが…

  • 死者を継ぐ声

    逝っても 大丈夫だよ…… 弱いから わたしが先に逝くかもしれないけど 弱いから あなたのこと感じられるよ わたしが感じているかぎり 感じるひとが感じているかぎり あなたの思いは いつまでも聴こえているよ 一筋の道がシャボン玉になるから あなたの声は風に乗って 遠くまで届けられるよ 蒼空(そら)の果てまで 感じるひとが それを聴いてる

  • 目が 目があああっ

    100か0なのです。 集中の仕方が…。「やりすぎる」か「やらなすぎる」か極端。 ブログに100没頭してると、力が抜けず、眼筋が硬直して、視力が恐ろしく低下。 いつもの調子を0と仮定すると、 -10 ---- 0 ---- +10 の-9ぐらいに落ちてしまい。 パソコン画面から離れるしか。゚(゚´Д`゚)゚ 今流行りのガボールパッチ本なんて~のも入手しながら、視力を温存。 初のスマホからの投稿です。 うまく表示されるかな? ________________ 最近、聴覚過敏のイラストを描き始めました。 これで鬱が少し和らぎました。

  • ありのままの自分を照らし出すもの――自閉症【詩】

    【カンテラ】 巌(いわお)が暗がりに沈む 闇黒(あんこく)の洞窟を行く 湿った石灰岩に沿って 奥、奥、そのまた奥深く―― 道の尽きた壁に 肉厚に隆起した 透明の膜を着膨れて 沈黙に鎮座する 異形の塊 ――それがわたし 君よ カンテラに灯をともし その手に掲げ持て そうして黒く染まった足下を 明らかに照らし出し ここまで歩みきておくれ カンテラを掲げるな お前はたちまち 狙撃されてしまうだろう 君は知らないのだ この照明なしに 洞窟を 闇黒(あんこく)を 寒天の着膨れを わたしと君を隔絶している白壁を 決して見ないことを…… カンテラを掲げるな カンテラはなくとも お前はお前でいられる 君は知…

  • 誰に向けて発信するの? 一対【多】は見えない

    誰に向けて発信しているかわからない ある日、ハローワーク比佐間さんをつかまえて、グループ展における社会の反応「?」や無言の意味を確認しようとした。比佐間さんは、こう教えてくれた。 「天寧(あまね)さんは、自分のアピールが人にどう受け止められるか見えていない」 「そうなんです。わからないんですよ」 「あれ(グループ展の表現)だけ見ると『何が?』って思う。社会にどこをアピールするの?」 「……」 社会との関係によって聴覚過敏が発生している。けれどもいまだに私には、その社会の顔が、さらに顔の全体が見えない。自分との関係が、位置が、距離がつかみづらい。こうした社会性の拙さが、聴覚過敏をいっそう複雑で捉…

  • 人間への違和感 3人以上の集団で共感しづらい

    一対一では大丈夫ですが、特に3人以上の集団において、 みんなと同じように感じない 肯定的感情を共有できない ということに、ズーッと、悩んできました。 みんな笑っているけど、 私だけわからない or 苦痛とか・・・ みんな「いいなあ」というけど、 私だけそう思わない、感じない とか・・・ みんななんともないけど、 私だけ苦痛 とか・・・ そういうことが多すぎました。 「みんな苦痛なのに私だけ楽しい」という状況はあまりないかも? でも、数えればあるかもしれません。 この図を描いたのは2年前なので、今は少し状況が変わっていて、相手を理解しようと心に深く分け入れば、もう少し入り込めると思います。 ただ…

  • 楽しいってなんだ? 変化を楽しむ者と常同環境を突き抜ける者

    「楽しい」は今生まれ、消える 楽しいことがあった日、忘れないよう小説に書いた。 小説を読み返すと思い出して、心が温まるが、視覚的な手がかりがない状態だと、記憶がぼやけていく。 私の場合、目に見える手がかりがなければ、楽しいことであっても、忘れやすいかもしれない。 楽しいことは「今この瞬間」生まれ、消えるものであって、あまり残るものではない。 アルボムッレ・スマナサーラ氏がいうとおり、感覚は苦であり、それが生命を覆っている。 十代の頃、苦を駆逐する楽を見出し得ないのを発見した。 どんな「楽しみ」も、「苦しみ」にはかなわない。 「安らぎ」であれば、「苦しみ」を多少打ち消すことができる。 しかし、「…

  • 聴覚過敏にホワイトノイズサウンドマシンは効くか?

    ついに、聴覚過敏者にとって憧れのグッズを購入しました。 その名も、ホワイトノイズサウンドマシン。 Dreamegg 【2019年最新版・バッテリー内蔵】 ホワイトノイズ マシン 快眠 24種癒しサウンド USB充電 イヤホン対応 無段階音量調節可 赤ちゃん 集中力向上 睡眠負債解消 睡眠誘導 安眠グッズ (ホワイト) 出版社/メーカー: Dreamegg メディア: ホーム&キッチン この商品を含むブログを見る 1週間使った感想を述べます。 …ムヒ? いいなあと思ったところ 一つ一つの音を検証 今使っている音と感触 まとめ そばにある安心感 …ムヒ? 以前から、ピンクノイズ(あらゆる可聴周波数…

  • ヒキコモルートアドベンチャー 6(終) 赤い俊足ついに現る

    ようやく巻き上げた先は、赤い俊足の家の近所であった。彼がいつも通り三時一〇分に家を出るのなら、ここらではち合う可能性が高い。しかし、気配がないところをみると、やはり先ほど堤防で出くわした赤い影は本物か? ここにとどまっていては危険だ。僕はくるりを背を向けて、堤防沿いの小径を引き返した。 もうしばらく春は続きますよ、と散った桜は語っているのに、すでに夏のような熱気が漂っている。暑さのためか、先ほどの熾烈な攻防のためか、頭の奥がじんじん痛む。 もしかしたら、赤い俊足はいつも通り三時一〇分に家を出て、今頃背後を歩いているのだろうか? あの赤い人影は、全部僕の妄想だったのだろうか? 再び小学校の運動場…

  • ヒキコモルートアドベンチャー 5 ユスリカ蚊柱の死闘

    すると今度は、ユスリカの大群が待ち構えていた。 春のユスリカときたら、一匹一匹は三ミリほどの昆虫でありながら、何百何千と隙なく白煙のごとき蚊柱を巻き上げる壮観は、じつに威圧的でおぞましい。コイツらは、そのか細く透明な図体で、一体何を食して生きているのだろうか? 文字通り霞でも食っているのだろうか? ユスリカの白煙に突っ込むと、双方泣きを見るのは必至である。突っ込みたくはないが、狭い散歩道を陣取られているものだから、通過しないわけにはいかない。 一匹が目の中にダイブしてくる。小昆虫にとって眼液は毒らしく、即死である。即死とはいえ、死ぬまでに十数秒の間がある。そいつは息絶えるまで虚しく四肢をばたつ…

  • ヒキコモルートアドベンチャー 4 異種間戦争

    その時だった。 「うおっ、なんだこれ!?」 細長くてクネクネした灰色の何かが光っていた。体調五十センチ以上あろうかというガタイの立派な蛇が、頭だけを草むらに突っ込んで、胴体の三分の二を堤防道に晒していた。 僕は冷や汗をかいて硬直したまま片膝をついた。 ――待てよ……。これはまたとないチャンスだ。 僕は恐竜という古代の神秘を骨から皮膚までこよなく愛していた。常日頃から爬虫類の形態に関心があり、鱗の形を調査するべく図鑑を眺めていたのである。 蛇の腹にそおっと顔を近づけた。鱗の一枚一枚は尻尾へ向かう先端が四角く尖っている。粘液を含んだ皮膚は、陽光を受けて鋭く反射している。 三竦みならぬ二竦みというの…

  •  みんなでワイワイ食事をする難しさ

    みんなでワイワイ食事をする。鉄板のランチをつついて。 ふつうの人にはなんでもないその光景が、私には、サーカスで曲芸をしているような難しさを感じさせました。 苦手な雑談。共感できない話題。理解できない話しことば。 自分を操りながら、みんなに「合わせる」曲芸に、全意識を集中して――。 一瞬のバランスに、心の中で、冷や汗を流していたのです。 以下の詩は、その時に詠んだものです。(七、五と韻を踏んでいます。) * * * 【鉄板上のアクロバティック】 鉄板踊る食器たち 小皿に溶けたチョコの海 フォークの行く手吸い上げた さざめく口の揺れ笑い 熱せる鉄の上満ちる いともたやすき午後の劇 ひとり冷や汗滴り…

  • ドナ・ウィリアムズ『自閉症という体験』との対話 1 死者だからコミュニケーションできる

    私は20年前、『自閉症だったわたしへ』という本 ↓ 自閉症だったわたしへ (新潮文庫) 作者: ドナウィリアムズ,Donna Williams,河野万里子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2000/06/28 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 153回 この商品を含むブログ (47件) を見る を読んで、この人は自分のようだと感じました。実際、違ったところは多々あるのですが。それからずっと、ドナに特別な親近感を抱いてきました。 最近になってようやく『自閉症という体験』を読みました。それは、人生観を変える衝撃の内容でした。 自閉症という体験 作者: ドナ・ウィリアムズ,川手鷹彦 …

  • 理解――存在の血液

    「あなたのことは理解できない」 「理解することはできませんからね?」 「よくわからない」 「……?」 愛があればいい? それ以前の問題 水のように 思念の通路を通って 存在の始原にまで至り 架け橋を潤す 私とあなたを通して 水路橋に流れる 存在の血液! 理解をください 理解をください

  • はてなのハテナ、はてなよサラバ(多分)

    はてなのハテナ fc2ブログのような拍手もないし、ホームに戻るの表示もないし、カスタマイズのやりすぎでヘロヘロになって、 もうはてなのことがわかんないッ!! はてなのハテナ!! ……と思っていた矢先。 『踏まないで!』第11章 ブラックホールの秘密 ↑↑↑で登場したクマさん宅に遊びに行った時、ブログの感想を教えていただきました。 「あんたんとこね、コメント入れたくてもできんよ?」 「えーーッ!? どういうことですか!?」 すぐに頭の中に浮かんだのは、(はてなやめようか)という、小さな声。 reCAPTCHAの画像認証 「だってねぇ、コメント入れようとしたら、アカウント登録してくださいって出るん…

  • 中村文則さんがバージョンアップしたらしい

    現在、執筆中の聴覚過敏体験記『踏まないで!』の添削をしてくださっているクマさん。↓↓↓で登場。 『踏まないで!』第11章 ブラックホールの秘密 作家中村文則さんの大ファンです。 ワタクシも気にかけてはおり、新聞で関係記事を見つけると、切り抜きをつくります。 が、クマさんほどの入れ込みようではありません。 中村文則さんは、最近までクマさんが購読している中日新聞で小説「逃亡者」を連載していたそうですが、今度は私が購読している朝日新聞で「カード師」を連載することに。 「クマさんこれ見てください!! 今度は朝日新聞で連載するんですよ!」 私は切り抜いた新聞記事をクマさんに見せます。 少し首を傾げ、クマ…

  • ヒキコモルートアドベンチャー 3 川辺のカモフラージュ

    【前回までのあらすじ】 僕は散歩の途中、赤いランニングシャツを着た男が近づいてくるのを見た。 そいつは、僕にやたらかまってくる近所のニガテな老人だった。 僕はとっさに金木犀の茂みに身を隠し、堤防に出た。 赤い俊足が散歩に出る時間は三時一〇分。調査済みである。現在、二時三〇分。彼はまだ家の中で待機しているはずだ。 ――なのになんで、こんな時間に奴がうろついているんだ!? 僕は堤防から茂みの向こうを窺った。 金木犀の並木は、何気なく見ても裏手に人が隠れていると気づかないが、意識的に奥を透かして凝視すれば、人影を発見できないこともない。僕の姿を探されてはまずい。 僕は川遊びに心を誘われるフリをして、…

  • ブログを10日続けてすでに燃え尽き感が…

    ……まだ10日? ……えっ? まだ10日? 気分的には1ヵ月ぐらい続けて燃え尽きた感じです(早ぇーよ)。 ホームページ(ブログ)を6つ持っていると息切れが……! 息切れするほど運営してないですが。 アクセス0の日もけっこうあるのに(とくに詩サイト)、自分はいったいなんのためにガムバッテいるのかと徒労感が……(苦笑) なんかこれ、一つにまとめたほうがよくない?(心の声) 自己表現の場が限られていますから、つい無駄に凝りまくってしまいます。 アイキャッチ画像なるもの 昔はなかったと思うのですが、最近よく見かけるようになりました。 コレ、あったほうがいいんでしょうか。よくわかりません。 ブログ運営サ…

  • 【作品一覧】ブログ内作品へのリンク

    作品一覧 「踏まないで!」 ジャンル:手記 読みやすさ:★★ わかりやすさ★★★★ 聴覚過敏★★★★★ リアリズム★★★★★ 現在執筆中の聴覚過敏手記です。 600頁にわたる聴覚過敏手記始まりの章。 詩「落日」収録。 痛いです……。 聴覚過敏手記最終章から。 書き上げた10章までを文学会のメンバーに見せた反応を小説化。 自分のもっている感覚がマイノリティ・センスであることを自覚したエピソード。 聴覚過敏手記最終章から。 書き上げた10章までを ハローワークの職員に見せた反応を小説化。 聴覚過敏手記最終章から。 書き上げた10章までを 文学会のメンバーに見せた反応を小説化。 聴覚過敏手記最終章か…

  • ヒキコモルートアドベンチャー 2 赤い俊足

    その男は散歩の途上で毎日すれ違う、背丈の低い近所の老人である。いつも赤や青の派手な原色のランニングシャツを着て早足で歩くか、走っている。赤いシャツを着用している確率が高いので「赤シャツ」と命名したいところだが、某名作のネーミング盗用になってはいけないので、「赤い俊足」と呼んでおく。 赤い俊足と僕は二年ほどの知り合いになる。最初の一年は、すれ違ってもお互い知らぬ者同士で、会釈すらしなかった。ところが顔見知りになるにつれ、彼は僕の姿を認めるや大きく手を広げて、 「あんたがおらんと寂しいわぁ」 と言ってポンと背中を叩き、やたらとかまってくるようになった。 僕は哲学者のように、歩きながら一人静かに考え…

  • ヒキコモルートアドベンチャー 1

    僕はいい年をしたひきこもりだ。ひきこもったいきさつは、面倒だから言いたくない。どうしてもそうせずにはやっていられない、やむにやまれぬ差し迫った絶対的必要があるからそうしているだけのことだ。 僕はかねがねひきこもりの冒険譚が読みたいと思っていた。ひきこもりは自室を脱出し、どこか遠くへ旅して、何か大事をやらかして、誰かとハートウォーミングな触れ合いをしなければ、冒険譚は成立しないのだろうか。こうした疑問からこの物語は生まれた。 ひきこもりの冒険は家の中に、もしくは家の周辺にあるのだ。 春たけなわの平日午後二時半。僕は籠城の体力を維持するべく、散歩するために自宅を出た。いきなり部屋から出てしまったこ…

  • 開通―コミュニケーションの封鎖が解かれるまで― 5まとめ

    私のinput回路は、チューナー(受信機で同調操作を行う部分)を微調整するだけでなく、情報の発信源と媒介者に助けられることで、開通しやすくなる。私の思考・感覚には、〈アンテナ〉の立ちやすい位置や角度、情報を受けとる特定の周波数がある。ラジオのチューニングをするように、〈アンテナ〉を適切な角度で立て、受信しやすい周波に合わせてやれば、世界を解読するチャンネルは開通する。ここでいう〈アンテナ〉とは、興味関心に導かれた触手のような意志であり、〈チューニング〉とは、同調回路を取得する姿勢の微調整のことである。 以下の条件が、切断されたコミュニケーションを回復した。 第一に、〈アンテナ〉が拾い、解読しよ…

  • 辛苦を負う者

    もし人間がなんらかの病、――ことに人格や知能の病のために、またはらいの神経痛のような、いてもたってもたまらないような苦痛のために、ふつうの精神機能をうばわれ、単なる「あえぐ生命の一単位」になってしまったとしたらどうであろうか。そういうひとは愛生園にもたくさんみられる。「熱こぶ」で呻吟しているひと、精神の病のために絶望や虚無のなかにおちこんでいるひと、高齢のためにあたまが働かなくなり、ただ食欲だけになってしまったようなひとなど。こういうひとには、もはや生きがいを求める心も、それを感じる能力も残されていないのではないか。こういうひとにもなお生きる意味というものがありうるのであろうか。 これこそ生き…

  • ブログとホームページ歴

    初めてつくったホームページはゲーム(ドラゴンクエスト)のファンサイトでした。 ドラゴンクエスト7 ……こんなイラストをいっぱい描いていました。 それから、クラシック音楽の批評・感想サイトを。ラフマニノフやフォーレが好きでした。アルヴォ・ペルトの「ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌」を大絶賛していました。 さらに、イラストのサイトをつくりました。 自分が多くの人と違っていること、ことばが不自由であることに不安をもっていたとき、「異端者の砦」というメンタル系のサイトをつくり、内面を吐き出しました。 それからアスペルガー症候群を診断されました。 2011年から2013年、STIGMA FREEという自…

  • 開通―コミュニケーションの封鎖が解かれるまで― 4

    それから間もなくして、不思議な出来事が起きた。 私はある文学会で、詩や体験記などの文章を発表していた。 ある日、横光利一の『花園の思想』を朗読した。それは、テキストの文字を目で追うと、映像が鮮やかに浮かび上がる迫真の描写だった。 保険証の一件以来、コミュニケーションできない無力感に打ちのめされていたが、鬱状態でグッタリしていた心はムクムク起き上がり、目の前の世界を掴まえようと目を凝らし始めた。だが、何を意図してこの作品が書かれたのか、作者の美学を理解するには、しばし時間を要した。 「何が言いたいんだろうねえ、この小説は……」Sが私の考えを汲みとるように言った。 「ですよね。今…同じことを…考え…

  • 開通―コミュニケーションの封鎖が解かれるまで― 3

    それから数日後、近所の歯科クリニックに出かけた。 歯科衛生士から歯の磨き方を教わりながら、ことばを逐一ノートに書きとった。衛生士の舌は素早く回転して、台本がないのによくこんなにしゃべれるなと感心した。母国語であっても、ノート筆記しながらでなければ、即座に理解することはできなかった。それでも、うん、うんと頷いたり、「そうなんですかー」と適当に相づちを打ったりして、分かったフリをしているうちに、始めは空疎な演技だった会話の応酬に意味が流れ、その中に同化するような気がした。すると、断片化されたvoice(音声)はつながっていき、立体的な像をもって立ち上がってくるのだった。 さらに二週間後、印象的な出…

  • 開通―コミュニケーションの封鎖が解かれるまで― 2

    何かがinput(入力現象)を阻害している。 inputが滞るのは、ふだんから絵や文章で表現している自分の内面世界に、独特のoutput回路が回っているのかもしれない。このoutput回線は、心の地底から渦巻き、上昇し、ある地点を出口にして放出されている。inputはoutput回線の一部に穴を穿つようにチャンネルをつくり、そこから流入してくる。output回線が先に出たがっていて、input回線が入る場所を決めかねている。そんなイメージを思い描く。(図1) 図1 input input回線が入る特定の場所がある。ここを通過する情報はすんなり入るが、位置がズレるととたんに理解できなくなり、コミ…

  • 開通―コミュニケーションの封鎖が解かれるまで― 1

    「○月×日に診察した分が、資格取得日に入っているかどうか……」 病院の事務員が難しい顔で呟いた。 ○月×日の三週間前、ある事情によって保険証の資格を喪失した。継続して使えるようにしなければならないが、今は手元にない。病院で診察を受けた後、その事情を伝えると、このように説明されたのだった。 spoken language――話しことばがクルクル空中を舞っている。人間のvoice(音声)を意味とともに同期(シンクロ)しながら受けとるヒアリングは、私の場合、時々使いものにならなくなる。つまり、会話できなくなる。 「……えっ?」 「○月□日からだとダメ」 「○月□日???」 事務員のことばをオウム返し…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏14 まとめ

    ほかの聴覚過敏の原理に当てはまるかどうかわかりませんが、私の聴覚過敏においては、まず定常位置の転覆を驚愕する心があり、みずからの定常位置へ同化/異化する選別作業としての摩擦と刺激が多くなっている様子をみてきました。その選択の前段階としての対応に追われるために、本来的な選択的注意ができにくく、能動か受動か構えを決めかねて、姿勢が不安定になっていました。 「火に油を注ぐ」原始的不安や正体不明の音が一切ない「安定しきった」状態においては、地震が起こる前段階を思わせる動揺にとどまりやすいですが、とりわけ音の意味が不明瞭である場合、理解しうる意味を求めて想像力と幻想の過剰補完が起こっていました。 定常位…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏12 刺激に意味を求めるか否か

    「音の意味」がわからないとはどういうことでしょうか。意味とは、価値・重要性・意義という意味を除けば、「記号(特に言葉)の表す内容」「ある表現や行為によって示される内容、特にそこに含み隠されている内容」(明鏡国語事典)です。つまり、表現や行為や物事などに含まれる理解可能/不能な内容です。「音の意味」がわからないとは、音刺激に含まれる、しばしば自分に関係づけられるはずの意味内容が理解できないということです。 聴覚以外の感覚刺激に、私たちは意味を求めるでしょうか。 嗅覚は主に、対象が食物や化学物質として体内に摂取可能かどうかを判断していると気づきます。その際、快(いい匂い)/不快(臭い)もしくは危険…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏11 火に油を注ぐもの(2) 音の意味

    「気分」とともに「音の意味」もまた聴覚を過敏にさせる要因になります。「音の意味」がわからなければ「不安な気分」になるし、「不安な気分」が高じれば「音の意味」がますます聞きとれなくなるという悪循環が生じます。こうした不安が音の聞こえ方を変化させ、刺激を増幅させる様子を体感的に表現している映像があります。 「サイレントヒル2」というホラーゲームでは、主人公の潜在意識が具現化された世界が舞台になっており、濃霧や暗闇に包まれて数メートル先が見えない局限された視界で、殺人を犯した罪悪感など主人公の心が生みだした異形の怪物が近づくと、携帯用の小型ラジオのノイズが鳴り出すという演出があります。自分に迫ってく…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏10 火に油を注ぐもの(1) 不安

    聴覚を過敏にさせる3つの要素「調整」「気分」「音の意味」のうち、「気分」「音の意味」といった心理的な問題が聞こえ方に与える影響ははかりしれず大きいものがあり、無視することはできません。選択的注意ができないというだけで、「火に油を注ぐもの」がまったくなければ、症状は甚だしく悪化することなく、「深刻な」聴覚過敏として燃え上がるには至りません。逆に言えば、「気分」を安定させ、「音の意味」を把握することができれば、過敏の程度をコントロールしやすくなります。 さまざまな気分がありますが、「火に油を注ぐもの」となるのは、怯え、不安、恐怖、怒りなど原始的な感情です。原始的な感情は、瞬時に神経系をピリピリ興奮…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏9 こだわる固体の固着とこだわらない気体の流動

    なぜこれほど刺激に反応しなければならないのでしょうか。 感覚過敏のイメージをはっきりさせるために、逆に感覚の鈍い人を描出してみます。自分の生命の流れがほかの生命の流れと同期(シンクロ)する振幅が広い。変化についていける。流動している。臨機応変に対応できる。こだわりがない。固着しない。多勢に合わせることができる。ざっとこんなイメージが浮かびます。 感覚過敏の人は、特定の刺激に愛着することもありますが、違和感を覚えて排除しようとする強烈な心のしくみをもっています。刺激を同化させるか、異化させるかの核心をもっているのです。感覚受容の布陣の本丸の中心に、自分の座布団があって、そこにドッカリ座っているよ…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏8 選択的に注意するものは何か

    自閉症スペクトラムの人は、ほんとうに音を選択して拾っていない(拾わされている)のでしょうか。何を基準にして、何を重要な手がかりにして、音を選択しているのでしょうか。ほかの自閉症スペクトラムの人の聴覚過敏については詳しく把握していないので、ここでも自分の体験をもとに考えたいと思います。 図1(A)は、選択的注意ができる人の聞こえ方のイメージです。性格によって細かい違いはあるでしょうが、大まかにはこういう感じではないかと想像します。布陣する壁が厚くて、そうそう雑音が四方八方から乱入することはなさそうです。壁の一部は、世界をつかもうとする意識の方向に向かってひらかれています。その受け口に集約されるよ…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏7 〈第一陣〉に穴があく

    とはいえ、音を「受け止めて反応(レシーブ)」できるときがないわけではないのです。目の前の重要な音や心地よい音に集中して、自然にフォーカスできる時間はあります。とりわけ好きなこと、ワクワクすること、興味のあることに一心に没入しているときは、対象に効率的に反応(レシーブ)しやすいです。この防御的な集中力を<夢中ガード>と名づけています。<夢中ガード>がはたらくときは、一般人の聴覚反応と同じように、まわりの余分な雑音はカットされています。けれども、夢中になれる対象が目の前になく、<夢中ガード>が機能しないときは、騒音を防御する壁が崩れやすいのです。 戦において、拠点となる本丸のまわりに防御陣営を敷い…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏6 音を受け止めてレシーブする選択的注意

    なぜ聴覚過敏になるのでしょうか。過敏に影響を及ぼすものは、「調整」「気分」「音の意味」という3つの要素がからんでいると、さきに引用した著者は述べています1)。思い当たる体験から、詳しく描写してみたいと思います。 まずは「調整(あるいは調節)」。聞こえの調整がうまくいかないから聴覚過敏になります。自閉症スペクトラムでは、選択的注意ができないという現象が知られていますが、選択的注意の「できる」人が、当事者の体験の記述から「そういう聞こえのしくみがあるらしい」と推察しただけで、そのメカニズムが何に由来しているのかまでは解明されていないようです。 私の場合は、すでに述べたように、好き/嫌い、心地良い/…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏5 中枢利得と内圧

    人の聴覚には利得を調整する能力があるとデービッド・M・バグリー/ゲルハルト・アンダーソンは述べています。利得とは、「中枢(神経)で増幅されて聴覚利得(auditory gain)が加わり、内部で意識される音の大きさが大きく感じられることを意味する。たとえば、無響室や防音室などに入ると、周囲の音が遮断されているために、急に音の聞こえが研ぎ澄まされて、今まで気にならなかったり無視されたりしていた音が急に意識されるようになる」現象です1)。入力音刺激の音圧に依存して聞こえが変化し、低レベルの入力に対しては神経の鋭い共振を示し、高レベルの入力に対しては共振が小さくなる2)、つまり物理的音量と同程度の音…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏4 聴覚の〈定位〉

    視覚と触覚は、聴覚の<定位>を構築する強力な助っ人です。けれども視覚単独では、視界に映じる物体表面の奥に関係の網を張っている、現実世界の「気配」までを把握するのはむずかしいです。また、触覚単独で空間の実在を捕捉することはできても、「気配」までは聞きとれません。 味覚と嗅覚は近視眼的な接触しかもたらさず、単独では<定位>を確立するには至りません。それらの感覚は、全方位に意識を拡張し、その反響を感知するには、接触面が局限されすぎていて、情報の質が単純であると感じます。 聴覚に、音を発する物体や生物との直接的な接触はありません。それでも聴覚には、触覚に近い、何かにさわる感じがあります。リラックスして…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏3 〈定位〉の発見(2) スルリとはまり、なじむ

    これは、ある日の<定位>の成功体験です。 そのころ私はひどい聴覚過敏で、静かな室内でも超音波はピリピリとがっているし、一歩外に出れば「音の壁」がジワジワ身体を締めつけ侵襲してきて、音圧そのものと化した空間が、十方から迫ってくるようでした。 そうした聴覚過敏の苦しさを、発達障害者に対応した経験のあるAさんに話したところ、炯眼のAさんは、私が多くを説明しないうちに、一発で症状のからくりを見抜きました。すると痛みと雑音がしずまり、身体が世界に調和して居場所を与えられ、抵抗なく音の海の上に浮かんでいられるのを発見しました。 私はその「変容した身体」で、これまで騒々しくて行けなかったあるスーパー内の店へ…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏 (2)〈定位〉の発見(1) この世界と私の身体の接地点

    聴覚過敏について解説された本1)を読んでいて、重要なキーワードになりうると思ったのが<定位>という概念でした。最初は訳(翻訳書だった)が悪いと思って、もっとわかる日本語に訳してほしいと文句を言っていたのですが、ふだんあまり聞かないこの言葉は何だろうと辞書で調べたところ、 一、事物の位置・姿勢などを定めること。また、その定められた位置・姿勢など。 二、生物が身体の空間的位置や姿勢を能動的に定めること(傍点は筆者による)。また、その位置や姿勢。 三、測定器などで、一定の大きさの入力が加えられたとき、または入力が一定の大きさだけ変化した場合、出力がそれに対応した状態に落ち着くこと。 とあって(大辞林…

  • 〈定位〉から考える聴覚過敏 (1)はじめに

    聴覚過敏は、たいていの人が意識せずにやり過ごせる音を、ときには我慢ならない苦痛をともなう過剰な刺激として受けとる体験です。聴覚過敏が発生し、その症状が変化するしくみは複雑で、全容を把握するのはたやすくありません。特定できる一つの原因がコウいうふうに確実に存在していて、だからコウいう結果に結びついていくとはっきり捉えるのはむずかしく、目に見える中枢神経系や感覚器官から目に見えない心理現象や社会関係に至るまで、さまざまな方面から聴覚過敏をかく乱する複雑な法則がからみあって、恒常性を保とうとする心身の均衡の縫い目が、もつれこんがらがって出現するように思われます。聴覚過敏のトリガーは、引き起こす人の内…

  • SNS不安 (7)まとめ

    私のSNS不安は、広場恐怖、社交不安、緘黙に近いと自覚している。最も恐れているのは、「直接的で粗暴なつながり」である。 図4は、これまで述べてきたSNS不安の全体像を描いたものだ。 図4 SNS不安 SNSのネットワークには、すでに述べたように、脊髄反射的な感情判断が溢れている。ツイッターのタイムラインを「上空飛行」してツイートを見下ろすと、その情報の見かけは極めて平板で、濃淡や深みがないノイズに見える。そこに漂っているのは、群衆の「集合意識の束」である。 私が誰かをフォローし、フォローされると、SNSの全体網から自己の境界内に、関係の糸がつながる。私の自我には核があり、自己と他者を隔てる境界…

  • SNS不安 (6)雪崩(なだ)れ込む〈思念〉と〈感情〉

    発信者の細部を捉えると、「上空飛行」のときはノイズだったそのツイートに、「あ、そうなのか」「へーぇ」「面白い」「すごい」「きれい」などと私のハートが立ち上がる。つまり共感して、いいねを押したくなることもある。しかし、この動機は挫かれることが多い。 細部が見えるタイムラインの「低空」では、先に述べたユーザー一人ひとりの〈魂の型〉と〈社交表層・外殻〉が、私の心に一気に押し寄せる。〈魂の型〉がやけに生々しくて鮮やかなのに、〈社交表層・外殻〉がぶよぶよ膨らんでいて不気味なのだ。このギャップに「ウッ!」と気圧されて、気持ち悪くなってしまう。 何千何万といいね・リツイートされた人々の反応からは、「集合意識…

  • SNS不安 (5)低空飛行

    ツイートの一つひとつを確認するために、エイッと気力を振り絞って、タイムラインを鳥瞰している意識の上空から「低空飛行」させることにする。 高度を落とすと、離れ家に、友人という建前のよく知らない人が押しかけて、主人不在のホームパーティーをしている。あちこちから物や人を引っぱり込んで、好き勝手に騒いでいる。そんな光景を思い浮かべる。 もっと「低空飛行」して意識を地上に近づけ、細部を拡大してみる。すると、一人ひとりの人間像が浮かび上がる。プロフィール画像の色や形、名づけの音感、投稿画像や映像の切り取り方、とくにツイートのことば遣いや絵文字の選び方、いいねやリツイートをしたという反応の仕方から、その人の…

  • SNS不安 (4)ノイズの大海

    タイムラインを「鳥瞰」すると、視界を覆っているのは、取得したい情報ではないノイズが多い。 まず、おすすめユーザーとか、「眠い」「○○したい」などのドウデモイイつぶやきとか、目をチカチカさせる広告は、煩わしいノイズだ。 不特定多数の人に共感を求めるリツイートは、たいていノイズだ。多数者の関心と自分の関心は重なり合わないことが多い。感情移入すれば共感できないこともないが、そのときはスイッチが切れている。一対一で「ねぇねぇ、聞いて」と共感を求められると、目の前の人を理解しようという思いからスイッチが入るが、タイムラインという「広場」で求められる共感は、自己意識への侵食になってしまう。それに、リツイー…

  • SNS不安 (3)思いきってタイムラインへ……

    そんな「通知」の赤丸が浴びせかける、能面のように不気味な情念ビームを押し切って、ついにツイッターのアイコンをタッチする。Now loadingの画面に切り替わり、目の前に飛び込んでくるのは……。 ツイート、ツイート、ツイートの嵐。投稿者のプロフィール画像とともに、ユーザー名(その横には、「○○中」など、ユーザーがいまどういう状況か示す補足情報が表示されることも)、投稿日時、つぶやき文面、画像や動画、投稿に対するいいね・リツイート・コメント数が表示される。こうしたツイートが、画面をスクロールすると怒濤の如く、つぎからつぎへと流れてきて、終わることがない。ここは「タイムライン」と呼ばれる、自分がフ…

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