カナダの作家マーがレッド・アトウッドの『侍女の物語』『誓願』は、アメリカが神聖国家ギレアデ共和国となったディストピア小説です。女性の人権が剥奪された全体主義国家、「女性たちの1984年」。この記事では、アメリカ合衆国からギレアデ崩壊までを、政治学の知見で考察していきます。
本や映画を中心に哲学的に語っていきます。 ギリシア哲学と政治哲学を専攻したので、ややそちらに片寄るかも(笑) プラトンから神林長平まで! ソビエト映画からシン・ゴジラまで! 大人の社会科見学や、ゾイド、夜のキャバレーまで!
劇場版「機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-」~傑作は寝たまま起こすこと勿れ
監督 佐藤竜雄 1998年公開 目次 1 テレビ版の思い出2 全てが詰まった80分3 どっちも好きな人はいない?4 呪いになったアニメ テレビ版の思い出 実は、テレビアニメ版「機動戦艦ナデシコ」は、あまり好きではありませんでした。 通して
田中文雄『邪神たちの2・26』~続『インスマスの影』in Japan(クトゥルフ神話)
戦前の、226事件直前の昭和日本を舞台にした、クトゥルフ神話のアナザーストーリーです。 北一輝は、皇居の上に「黒き雲」を幻視する。 そして、昭和10年。陸軍少尉・海江田清一は、故郷で父の不可解な死に様と、そして謎の米国人「ハワード」からの手
「読書」が終わるとき、「歴史」が後退するとき~レイ・ブラッドべリ『華氏451度』最終回(NHK100分de名著」)【考察・感想】
NHKのEテレ(教育テレビ)の人気番組「100分de名著」。 100分間(25分番組×4週)で、1冊の名著を紹介してしまおうという番組で、同局の人気番組のひとつのようです。 2021年6月の本は、レイ・ブラッドベリィのSF小説『華氏451度
いわゆる古典や名著・名作と言われる本を読むには、時間もかかりますし、読解力や知的忍耐力も求められます。 そこで、出てきた打開策として、「漫画化すれば、もっと手軽に読める!理解できる!」 しかし、それは本当でしょうか? 目次 1 「手軽に読め
オノ・ナツメ『COPPERS』(カッパーズ)~ニューヨーク市警51分署物語【名作紹介】
「「立派な警官」にもいろいろある。誰に好かれるかによってな。」 オノ・ナツメ『COPPERS①』講談社、2008年、85頁。 タイトルは「警察官」を意味するスラング(警察官に対して使わないように!)。 ニューヨーク市のブロンクスにあるNYP
「政治」をテーマにしたアニメ作品3選(銀英伝、ガサラキ、パトレイバー2)
今回、「政治」がテーマのアニメを取り上げようとしたのですが、意外と挙げることができませんでした。 作品のリアリティを出す為(演出)とか、サブテーマとしてなら幾らでもあるのですが、「政治」そのものがメインテーマになってくるアニメーション作品と
勝谷誠彦『ディアスポラ』~「日本沈没」のその後で(ポスト3.11)
よその国に滅ぼされたのならば、よほど別の感情を持ちえて、いっそ救われたであろう。 しかし、私たち日本人が憎むとすれば日本人しかないのである。 勝谷誠彦『ディアスポラ』文藝春秋、2011年、20頁。 いまは亡き、あの(・・)コラムニストの勝谷
檜山良昭『スターリン暗殺計画』~一体どこまで史実なのか?【名作紹介】
第十八班がモスクワ放送から流れてくるスターリン演説を傍受して録音盤に収録していたのです。斯波さんは担当者ではなかったですが、居残って、放送を眼をつむったまま聞いていましたが、最後に「リュシコフは失敗したか」とポツリひとり言を言って部屋から出
NHK「100分de名著」のジレンマ~レイ・ブラッドべリ『華氏451度』回を追いながら (第3回放送を観て)
NHKのEテレ(教育テレビ)の人気番組「100分de名著」。 100分間(25分番組×4週)で、1冊の名著を紹介してしまおうという番組で、同局の人気番組のひとつのようです。 2021年6月の本は、レイ・ブラッドベリィのSF小説『華氏451度
哲学対話・哲学カフェの関連記事まとめ~懐疑派からの視点(哲学プラクティス、P4C、哲学相談)
昨今、「哲学対話」や「哲学カフェ」といった、大学のようなアカデミアの場ではない、市井の場で、「哲学」を実践する試みが盛んになってきているようです。 元々、フランスのパリで始まった試みですが、それが日本にも輸入されました。 現状、一種の「哲学
H・J・マッキンダー『デモクラシーの理想と現実』読後雑感~アメリカの世界戦略は、ここに全て書かれている
東欧を支配する者はハートランドを制し、 ハートランドを支配する者は世界島を制し、 世界島を支配する者は世界を制する。 H・J・マッキンダー『デモクラシーの理想と現実』原書房、1985年、177頁。 その学問において、およそ避けて通れない古典
映画「ブックセラーズ」感想・雑感~本の「死」を巡っての悲観論と楽観論
売って後悔している本はない。後悔しているのは買えなかった本だけです。 (本編より) ちょうど、NHKの教養番組『100分de名著』でレイ・ブラッドベリィの『華氏451度』が取り上げられているのですが、だからという訳ではありませんが、ドキュメ
電車通勤、バス通勤の楽しみといえば、何と言っても読書ですよね。 ちょうどいい揺れと、匿名空間故の没入感に幸福を感じる読書好きの方は多いと思います。 ところが、これが、マイカーなどで自分が運転していると、そうはいかない。 まさか、読みながら読
電車通勤、バス通勤の楽しみといえば、何と言っても読書ですよね。 ちょうどいい揺れと、匿名空間故の没入感に幸福を感じる読書好きの方は多いと思います。 ところが、これが、マイカーなどで自分が運転していると、そうはいかない。 まさか、読みながら読
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カナダの作家マーがレッド・アトウッドの『侍女の物語』『誓願』は、アメリカが神聖国家ギレアデ共和国となったディストピア小説です。女性の人権が剥奪された全体主義国家、「女性たちの1984年」。この記事では、アメリカ合衆国からギレアデ崩壊までを、政治学の知見で考察していきます。
突然のローマ教皇の崩御で、首席枢機卿のローレンスは、教皇選挙(コンクラーベ)を取り仕切ることに。しかし、そこは、権謀術数渦巻く「戦場」だった…
「ウルトラマン」シリーズは、ほぼ見ないのですが、お付き合いで観ることになった、今回の「ウルトラマンアーク」は、いやはや面白かったですね。特に、第22話「白い仮面の男」には唸らされました。これ、子供に理解できるのか?という訳で、今回は、この22話の感想と考察をつらつらと。
2024年最大の問題作。現代アメリカの分断が臨界点に達して、内戦状態に突入したら?そんな衝撃作「シビル・ウォー」の背景を徹底解説します。
人類がキャッチした謎のパルスは、深宇宙から発信されたものだった!果たして、そこに書かれたメッセージは?驚愕の真実が明かされるファーストコンタクトSF
もし再びアメリカ連邦議会が襲撃されたら、一体どうなるのか?最悪の状況とは?米国で行われたシミュレーション・机上演習をドキュメンタリー化。その結末は、第二の南北戦争、内戦なのでしょうか?
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自衛隊批判で知られる3年B組金八先生スペシャル「贈る言葉」。政治学の見識から、この内容を解題しいく記事の2回目です。カール・シュミットや古代ギリシアを参考に考えていきます。
1980年代に放送された「3年B組金八先生」のスペシャル「贈る言葉」は、卒業生の自衛官任官を教師たちが全力で阻止しようとする異例の内容でした。今回は、この作品を政治学の知見を基に解題していきます。
児童文学の傑作、ミヒャエル・エンデ『モモ』。この物語には、古代ギリシアの哲学者プラトンの哲学との強い親和性があります。今回は、『モモ』の物語を、プラトン哲学で読み解いていきましょう。
2012年、米 バイオハザード・シリーズに出てくるアンブレラ社は、ゾンビの基本原則の中でも抜きん出た企業の無能さを晒している。この多国籍企業の政治力が明白なものである一方で、その組織 としての能力は非常に疑わしい。 D・ドレズナー『ゾンビ襲
新規開店やリニューアルする書店には、カフェテリアが付き物になりました。しかし、本当に、書店とカフェは相性が良いのでしょうか?
カルト的な人気を誇るオーストラリア映画のご紹介です。ピクニック先で、3人の美少女は、なぜ忽然と姿を消したのか?ミステリーと官能で彩られた傑作です。
「何人もによって書かれたものかね?」 「そうらしいです。―この、一番最初にのっているものは、一番筋が通っていて、内容は一番ショッキングです」 小松左京「お召し」より※1 目次 1 あらすじ2 最高傑作かもしれない3 伏線の巧みさ4 向こうの
埼玉を壮大にディスった映画「翔んで埼玉」。この作品を世辞額の視点から考察してやろうという無謀極まりない試みです。キーワードは「天皇制」(マジで?)
時代を色濃く反映する動画投稿サイトの世界。 従来の常識では考えられないような企画が次々生み出される世界ですが、最近、「私人逮捕系YouTuber」なるものが流行(?)しているようです。 これは、YouTuberが、痴漢をしていると思われる人
自衛隊に「統合司令部」を設置することになりましたが、これを「令和の大本営」と批判する声もあります。しかし、その批判は的を射ているのでしょうか?そもそも大本営とはどんな存在だったのでしょうか?
カルト的人気を誇った90年代のデンマークのテレビシリーズ「キングダム」が25年ぶりに帰ってきました!待望の完結篇を見届けに、いざ劇場へ!
津川雅彦=徳川家康の名演が光る、傑作NHK大河ドラマ「葵 徳川三代」(1995年)を、紹介します!
(2023年7月15日執筆) 無防備の国民には友しか存在しない、と考えるのは、馬鹿げたことであろうし、無抵抗ということによって敵が心を動かされるかもしれないと考えるのは、ずさんきわまる胸算用であろう。 カール・シュミット『政治的なものの概念
2012年、米 バイオハザード・シリーズに出てくるアンブレラ社は、ゾンビの基本原則の中でも抜きん出た企業の無能さを晒している。この多国籍企業の政治力が明白なものである一方で、その組織 としての能力は非常に疑わしい。 D・ドレズナー『ゾンビ襲
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