モーツァルト:クラリネット五重奏曲【3枚の名盤解説と感想】第1楽章のやさしさに惹かれる名曲
静かで、あたたかい クラリネットの響き 日ごろの喧騒から少し離れたい時に聴きたい 【楽曲を解説】モーツァルト:クラリネット五重奏曲 瞑想的で、全体的に静けさをともなう、モーツァルト:クラリネット五重奏曲。 そんな雰囲気を、あますところなく表現した、このような解説があります。 内的なモーツァルト芸術の、完成美を示している。(中略) 構成の最初から終わりまで、ひとつの矛盾も、ひとつの欠陥も、ひとつの余計な装飾もない。(中略) それぞれ個性的で、自由な4つのパート(ヴァイオリンを2挺使用)が互いに調和し合い、しかも自然そのものでる。 それぞれ(の楽器)が、気がねしたり、故意に沈黙したりせず、気らくに語っている。(中略) そして、管(クラリネット)が休むときでも、弦は他に、抜(ぬ)きんでるようなことをしない。 それは、泉から流れているように思える…(中略) 出典:アンリ・ゲオン 著 高橋英郎 訳「モーツァルトとの散歩」P296より 解説にあるように、それぞれの楽器が、「気らくに語って」いますね。 まさしく調和の極みといえそうです。 モーツァルト特有の、メロディの泉がこんこんと湧き出るようなイメージです。 そして、それは、押し付けてくるような圧迫感は、まったくないのに、どこまでも自然なつくりで、モーツァルトの音楽そのもの。 そのあたりに、モーツァルト:クラリネット五重奏曲 の魅力が、つまっていますよね。 モーツァルト在世当時、クラリネットという楽器は、出始めたばかり。 当時、シュタードラーというクラリネット奏者がいましたが、使用していたのは、「バセットクラリネット」と言います。