脾臓摘出・生検の結果、判明した病型は標準治療も定まっていないマントル細胞リンパ腫(MCL)だった…。MCLと闘う50代オバさんの記録。
1回の表、チーム R-Hi-CHOP の攻撃。 バッター 1番 リツキサン。バッチ来いやー! リツキサン(一般名:リツキシマブ)は 分子標的薬。B細胞性リンパ腫細胞に発現しているCD20抗原というタンパク質に結合し、結合した細胞を破壊(溶解)することでこれらの細胞の増殖を抑える薬である。 リツキサンはマウス由来成分を含んだ抗体医薬品で、皮膚のかゆみ、蕁麻疹(じんましん)、息苦しさなどのアナフィラキシー症状が出ることがあるらしい。 もうひとつ心配なのが腫瘍崩壊症候群。腫瘍が急速に死滅(崩壊)するときに起きるらしい。尿酸が増える、カリウム・カルシウム・リンなどの電解質のバランスが崩れる、血液が酸性…
2015年7月27日(月)。明日からいよいよ1コース目の抗がん剤治療が始まる。 本日の予定はひとつだけ。薬物を注入するために、中心静脈という心臓に近い太い静脈にCVカテーテル(略してCV)を挿入する。入れる場所は鎖骨下だ。これを入れておけば、点滴のたびに血管に針を刺さずに済む。治療中に頻繁に行う検査のための採血もカテーテルから簡単に行える。 中心静脈穿刺は動脈誤穿刺などのリスクがあるが、担当医のO先生は説明時に 「専門医がいるから心配いりませんよ」と笑顔で言っていた。 この病院にはIVRセンターがある。 O先生の言う専門医とは、CVの専門ではなく、エコーなどで体の中を透かして見ながら細い医療器…
治療を成功させるためには何が必要か。自分にできることは何か。 窓の外にひろがる景色を眺め、お気に入りの音楽を聴き、心底リラックスしつつ考えた。 まず、自分の病気を知ること。「知らない、わからない、こわい」は一番の敵だ。 つぎに、治療や検査を嫌がったり不安がったりしないこと。 どんなことにもリスクはあるが、調べたり、ドクターに聞いたりして理屈がわかれば、むやみに不安がることもないだろう。 そして、もっとも大事なのは、治療に専念することだ。 長期にわたる入院生活。いろいろ考えたが、お見舞いは夫と姉夫婦のみとさせてもらうことにした。白血球が0に近くなるような強い抗がん剤を使う無菌室での治療で、感染症…
金曜夕方一時帰宅となり、夫と大型量販店へ。買ったのはノートPCだ。あのすばらしい環境に唯一足りないものはPCだけ。用途は医療サイトで調べものをしたり、ニュースを見たりなので、高スペックなものはいらない。タブレットでも良いか、と思ったが、細かい調べものをするときにはやはりキーボードが欲しい。体調が悪くて横になってるときにはiPhoneがあるし。 というわけで、アジア系メーカーの格安ノートPCをポケットWi-Fiとセットでゲットした(現在院内はフリーWi-Fiになっているが、当時はまだポケットWi-Fiが必要だった)。家に帰り、メーラーの設定などは技術系の夫が頼まなくても全部やってくれた。 日曜夕…
2015年7月23日(木)。Kがん病院に入院。夫と姉が付き添ってくれた。 手続きが終わり、病棟へ。治療が始まったら無菌室(個室)とのことだったが、とりあえずこの日は4人部屋へ案内された。看護師さんに採血、担当医のO先生に全身状態のチェックをしてもらう。 驚いたのは、医療スタッフ全員が「よくお調べだそうですね」「お詳しいそうですね」と笑顔で声をかけてくることだ。主治医のM先生からの情報だろう。患者が病気について知ろうとすることに対して医療スタッフが好意的なのは、わたしにとって何よりありがたい。 4人部屋の他の患者さんは全員穏やかで話しやすい人たちだった。たまたま魚好きな人が揃っていたので、魚談義…
友人が電話の向こうで泣いている。「死んだらいかん」と言ってしゃくりあげた。 Kがん病院への入院を明後日に控えた夜だった。酔っぱらって電話してきて、最初は笑いながら話していた。しかし、しばらくすると酔いも手伝ったのか、それとも手伝ってもらったのか。あんまり泣くので、当事者のわたしが言うのもおかしな話ではあるが、友人が気の毒になった。 この友人はわたしに何かあると、いつもわたしより先に泣く。わたしがたいていのことで泣かずにいられるのは、彼女のおかげかもしれない。 半年も家を空けるとなると、いろいろと準備も必要になる。うちでは家事分担はあまりやっていなかったので、夫が困らないようにゴミだしルールを表…
最後に更新してから2年以上が経過した。 その間リンパ腫は寛解を続けているものの、いろんなことがあった。そのいろいろに対応しつつ過去を振り返って闘病記を書くのは意外と難しく、すっかり時間が経ってしまった。 もし更新をお待ちくださった方がいらしたら、申し訳ありません。 本編はここから。ここから面白くなるんですよ! …と、公言して自分にはっぱをかけるのであった。 さて、続編のはじまり、はじまり。
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