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化学徒の備忘録 https://www.syero-chem.com/

化学に関することを記事にしています。大学レベルの内容が多いですが、高校や中学レベルの内容もあります。また化学であれば、無機化学、有機化学、生物化学、分析化学、物理化学、量子化学、電気化学など幅広い分野の内容の記事を書いています。

化学徒
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2019/06/05

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  • 立体異性体(エナンチオマー・ジアステレオマー)とは

    立体異性体とは 化合物の物理的な性質や反応性は、分子の立体的な形によって決まるものも多い。この記事では、この立体化学の概要について説明をする。 同じ分子式をもつ2つの構造があるときに、その2つの構造を重ね合わせることができる場合と、重ね合わせることができない場合がある。この重ね合わせができるものは同一物であるが、重ね合わせができないものは異性体といわれる。 重ね合わせることができない場合にもいくつかの種類がある。まず原子の繋がり方が違う場合である。例えば分子式がC2H6Oである分子としてエタノールとジメチルエーテルがある。 こういったエタノールとジメチルエーテルのように原子の繋がり方が違うもの…

  • 「勉強と研究の違いを山登りに例えると」という話

    この記事は、勉強と研究の違いを山登りに例えてみるという話です。特に、まだ研究活動に取り組んだ経験の無い人や、研究の経験が少ない人は、勉強と研究の違いのイメージが湧いていないのではないかと思います。そういった方の参考になれば幸いです。 まずは勉強を山登りに例えてみましょう。勉強は、学習する内容が決まっており、到達目標に向かって進んでいきます。このとき、学習する内容は学問の世界では、すでにわかっている内容になります。これは、山頂というゴールに向かって、道が整備されている登山道に例えることができると思います。到達目標までに学習する内容は、多くの人が経験し、どんどん理解しやすい解説などが増えていきます…

  • 低速電子顕微鏡(LEEM)の解説

    低速電子顕微鏡とは 低速電子顕微鏡はLEEM (Low Energy Electron Microscopy)ともいわれる。 透過型電子顕微鏡(TEM)は高速の電子を用いて観測する試料を透過して像を得る。一方で低速電子顕微鏡は、表面試料に数~数十 eV程度の低エネルギーの電子を照射する。このとき、弾性散乱された電子を光学系を用いてマイクロチャンネルプレート (MCP)に拡大投影することで、局所的表面構造の違いにより、散乱強度に差が生じるため、回折、干渉コントラスト像が得られる。低速の電子を用いるため、再表面のステップや欠陥、粒界、転位が線や点となって確認することができる。 さらに、像の局所的な…

  • 低速電子回折法(LEED)の解説

    低速電子回折法とは 低速電子回折法はLEED (Low-Energy Electron Diffraction)ともいわれる。 この手法ではまず、10~200 eV程度の低速の電子線を試料に照射する。このとき、表面原子によって後方散乱を起こした電子を蛍光板に叩きつけることで、発光をカメラで撮影する。 得られた回折像は、表面原子の周期構造を表す回折スポットをもっていることになる。この回折像を回折理論に基づいて、解析すると金属表面や半導体再構成表面の周期構造を推測することができる。 特徴として、電子の侵入深さは3~10Å程度であり、表面感度が非常に高い。一方で、超高真空が必要となる。

  • 【学振申請書】令和5年度(2023年度)DC1・DC2記入例

    博士課程に進学を予定している学生であれば、日本学術振興会 特別研究員(DC1・DC2)(通称 学振、がくしん)の申請書を申請すると思います。 学振に絶対採択される方法は存在しませんが、採択される可能性を上げる方法はあります。それは、早めに申請書を書いて、周りの人(友達、先輩、ポスドク、指導教員)にコメントをもらい、推敲を繰り返すことです。 そこで、とにかく早いうちに申請書の草稿を作り上げられるかが重要になります。この記事では、令和5年度(2023年度)の草稿の記入例を執筆できた部分から順次公開していきます。誰かの参考になればと思います。なるべく、最後まで執筆する予定です。 草稿なので、反面教師…

  • 他大学・他分野から大学院に入学を考えている人に参考になる情報

    他大学・他分野から大学院に入学を考えている人に向けて 理系の場合、大学で進級していくと4年次に研究室に配属されて、卒業研究を行い、卒業論文の提出や卒論発表を行って、学部を卒業する人が多いと思っています。その後の進路として、卒業研究を行った研究室と同じ研究室ではなく、他大学の大学院の研究室に進学するという人もいると思います。 筆者自身は他大学に進学した経験はないですが、他大学から研究室に進学してきた人を何人も見てきたので、その経験をもとに、今、他大学に進学しようと検討している人に参考になりそうな情報をこの記事に書いていきます。 大学院・研究室選び 学生が今後進学する研究室を選ぶ方法は大きく2通り…

  • 【研究発表】質疑応答のチェックリスト・よくある質問

    研究発表の質疑応答 大学で研究室に配属され、研究成果がまとまると、卒論発表(卒業論文発表)や修論発表(修士論文発表)、学会発表、就活の技術プレゼンテーションなどで研究発表を行うことになるケースが多いです。そして研究発表は発表の後に、質疑応答の時間が設けられている場合が多いです。ただ、その質問はある程度想定することができます。 この記事では、研究発表に対して、よくある質問について挙げていきます。ただし、分野や研究内容、研究発表の場によって、当てはまらない質問、重箱の隅をつつくような質問もあると思います。一部重複する質問もありますが、自分のスライドのブラッシュアップのための自問自答や、質疑応答の対…

  • 【研究発表】わかりやすい発表を行うために押さえるべきポイント(卒論発表・学会発表向け)

    わかりやすい研究発表 大学で研究室に配属され、研究を進めると、卒業論文発表や修士論文発表会、学会発表、就活の技術プレゼンテーションなどのスライド資料を使った研究発表のプレゼンテーションを行う場合がよくあります。このとき、研究発表がわかりやすいか、わかりにくいかによって聴衆からの評価が変わります。そして誰しもがわかりやすい研究発表をしたいと思っているのではないでしょうか? この記事では、わかりやすい研究発表のスライドを作るうえで、押さえておきたいポイントについて解説します。 そのポイントとは「発表の"聴衆"と"場"を把握する」ことです。 わかりやすい研究発表の要素 そもそもわかりやすいとは、どう…

  • 【科学基礎】数値の有効数字と誤差の計算方法

    数値の取り扱いについて 科学実験において有効数字と誤差ほ非常に重要です。学生実験などでは、数値の正しい扱い方ができるかどうかは、大きく評価される部分です。測定によって得られた数字から計算し、表記するということは研究者の理解度が表れているといえます。 数値において、最終的に示す必要があるものは「最確値」と「信頼度」です。 例えば1.632×102 ±0.006×102と記入する場合、1.632×102が最確値であり、±0.006×102が誤差です。 有効数字について レポートや論文を書くためには、この数値の有効数字と誤差の取り扱いからが重要になります。 まずは、有効数字から説明していきます。 有…

  • 【化学系】論文のジャーナル(雑誌)名の略号の調べ方

    科学技術分野において、さまざまな論文を掲載している雑誌は非常に多く存在する。分野によって、名前が似たような雑誌もあり、論文の引用文献欄から、引用した論文に正確にたどり着けるように、する必要がある。 論文などを投稿する際には、論文を掲載している雑誌名略号で表す場合がある。 化学系でこの論文の雑誌名の略号を調べることのできるサービスの一つがCAS Source Indexである。 このサイトの検索窓から検索をすると雑誌名とその略号などの情報が得られる。 必要に応じて、活用していただきたい。 cassi.cas.org

  • 【理系】投稿論文の構成と査読について解説

    投稿論文とは 研究を行い、新たな発見をしたときには、論文を投稿し、論文雑誌に論文を掲載できる可能性があります。 この記事では、投稿論文の構成と、投稿後の審査である査読について解説します。 投稿論文は、表現に曖昧さがなく、簡潔に、論理的に事実と考察を記述していく必要があります。投稿論文の形式は各雑誌社、雑誌によって異なります。また各項目を書く順番も異なります。webページなどに論文投稿者向けのページがありますので、webページを確認しましょう。 以下に論文の一般的な構成を紹介していきます。また多くの論文は、主論文以外に主論文には掲載しきれない図などを掲載する補足資料(Supporting Inf…

  • 【理系】学会発表の準備方法とポイントについて丁寧に解説

    学会とは 学会とは、ある共通の研究分野について研究を行っている研究者や、興味関心を抱いている会員によって構成されている組織です。そして、その研究分野の発展や会員同士の交流を図るために、年に1度など定期的に大会を開催しています。「学会で発表した」と言われた時の学会はこの春季年会といった学会の主催した大会のことを指しています。大会では研究者である会員が研究成果を発表し、その成果についての意見の交換が行われます。 卒業研究や高校生の研究だとしても、学会発表に値する内容であれば、その成果を学会で発表する機会を得ることができます。 学会発表の主な目的は、同じ研究分野の研究者に自分の研究成果を発表し、その…

  • 【理系研究発表】スライドのポイントとKISSの法則(具体例を紹介)

    研究発表(卒論発表・学会発表・就活技術プレゼン) 理系の学生は、卒業研究や修士課程の研究が終わると卒論発表や修論発表などの研究発表を行うことが一般的です。また理系は学会での発表や、就活中に自身の研究発表を行うことも多いです。 この記事では、研究発表プレゼンテーションのスライドを作るときのポイントを紹介します。 研究発表プレゼンテーションのスライドの原則 プレゼンテーションは「スライド1枚につき、1分間の説明」が目安になります。 ただし、あくまで原則というだけで、写真を一目見せるだけなら10秒程度で十分な場合もあります。スライド1枚につき1分間で作り始め、最後は伝えたい内容が伝わるようにページを…

  • 【化学基礎】水和のシンプルな解説

    水和 物質が水に溶ける場合、その物質の周りには水の分子(H2O)が存在します。この時、水よりも量が少ない方の物質は溶質といいます。溶質と水分子が静電的に引き合って、その溶質分子を取り囲むように水分子が結合する現象を水和といいます。 水は分子全体で見ると電気的に中性ですが、部分的に見ると電荷の偏りがあります。具体的には水分子の酸素は陰性、水素は陽性になっています。そのために、電気的に陽性の物質には水分子の酸素が、陰性の物質には水素が引き付けられます。 陽イオンの水和は水分子の酸素の非結合電子対が金属イオンと配位結合を作る現象です。逆に陰イオンの水和は、陰イオンが水分子の水素原子に配位する現象です…

  • 【理系】研究発表(卒論発表・学会発表)の準備とポイント

    研究発表 大学で研究室に配属された学生は、卒業研究を行った後に、卒業論文の内容について口頭発表を行うようになっている大学などが多くあります。この記事では、研究発表(卒論発表)の準備から当日までのポイントを説明していきます。 発表形式 数年前まではpowerpointなどのプレゼンテーションソフトを用いて、スライド資料を作成し、講義室などでプロジェクターで投影して発表を行うことが一般的でした。 しかし、新型コロナウイルスの流行以降はZoomなどのオンライン上での発表や、オンラインと現地発表のハイブリッド形式での発表も多くなっています。 そのため、事前に発表形式は調べておきましょう。 しかし、基本…

  • 【理系】卒業論文(卒論)の書き方とポイント

    卒業論文とは 大学の3年次や4年次に研究課題に取り組み、その研究結果を論文の形にまとめたものが卒業論文である。多くの大学では、研究室に配属され、指導教員から提案された研究課題に取り組む。 授業である学生実験との大きな違いは、実際に行う実験や測定、反応は既知のものではなく、未知のものでありという点である。ほとんどの場合、世界で初めての実験に取り組むことになるため、その学問の最先端の研究に取り組むことになる。 そのため、卒業論文と授業課題での実験レポートとの違いは以下のような点がある。 最先端の未知の事象について実験を行う 研究内容が学術的に高度な内容である 長期間に行われた実験結果についてまとめ…

  • 【理系】論文を書く際の各項目を書く順番の話

    論文の構成 研究論文は 諸元(イントロダクション) 実験方法・条件 実験結果 考察 結論 参考文献 謝辞 の順番で記述することが一般的である。ただし、論文を投稿する際には、その雑誌によって、特に実験方法の記述の位置などが決められており、この順番とは異なる順番が指定されていることもある。 実際に論文を書いてみようとしたときに、この順番どおりに1から順番に書く必要はないというテクニックは覚えておくとよい。ここも研究者によって、個性が出る部分でもある。 例えば、研究を行ってその実験内容をまとめて、今から論文を書くという場合を考える。その際の執筆していく順番の一例を以下に示す。 実験方法 まず確実にか…

  • 【化学学生向け】実験レポートの書き方と注意するポイント

    実験レポートとは 実験レポートは学生実験を通して学ぶべきことを十分に習得したかを示すものである。そのため、実験レポートの作成は実験前と実験中に学び経験した知識や技術を身に着ける機会ととらえておくと良い。さらに学生実験のレポートは反省点の抽出だけでなく、改善点の提案など、考察を深くし、創造的なレポートを作れるとよい。 実験レポートの体裁 基本的に指導教員の指示に従って準備するとよい。体裁が整っていないために、実験レポートが受理されないこともあり得るため、確認は怠らないようにしたい。 用紙サイズ 大きさや紙質などが指定されていないか確認する。 作成方法 現在は、wordなどのドキュメントソフトを用…

  • 【化学基礎】疎水性と親水性疎水性相互作用のシンプルな解説

    極性分子とは 正電荷と負電荷が偏った分子は極性分子とよばれる。水分子は極性分子の代表例である。極性分子が集合した場合、プラスとマイナスを帯びた部分が引き合うことによって、一定の構造を形成する。特に水分子の場合は、水素と酸素が互い違いに水素結合を形成する。 疎水性相互作用 このような極性分子の集合体の中に、極性の小さい炭化水素などの分子を加えると、非極性分子は拡散しないで集合する。これは極性分子間の安定な静電相互作用の間に、非極性分子が割り込んで静電相互作用を切断することが難しいからである。 この現象は疎水性相互作用によって非極性分子が集合した状態である表現される。 身近な例では、ラーメンのスー…

  • 【化学演習】滑らかな物質はなぜ接着剤でくっつくのか?

    化学演習問題 滑らかな金属やプラスチックでも接着剤を使用することによって、つなぎ合わせることができます。この接着剤による接着の科学的原理を説明しなさい。 答え 固まる前の接着剤は低分子モノマーや溶媒和したポリマーなどによる流動性のある状態である。そのため、接着したい物質の分子の隙間に入り込む。そして、物質と接着剤が近づくと、分子間の静電的引力は急激に大きくなる。つまり、接着力は固まった接着剤と物質の分子間引力によって、接着している。 他にも、接着剤と分子が共有結合を形成し吸着する場合もある。 接着剤だけでなく、水に濡らした二枚の下敷きを重ね合わせるとくっつく現象も、同様に物質と水間の静電的引力…

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