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化学徒の備忘録 https://www.syero-chem.com/

化学に関することを記事にしています。大学レベルの内容が多いですが、高校や中学レベルの内容もあります。また化学であれば、無機化学、有機化学、生物化学、分析化学、物理化学、量子化学、電気化学など幅広い分野の内容の記事を書いています。

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2019/06/05

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  • 触媒毒:触媒反応を阻害する物質

    触媒毒とは 触媒毒は触媒の活性部位に触媒反応の反応分子より強く結合し、微量存在するだけで触媒作用を妨げる物質のことである。 触媒調製用原料や触媒反応原料中に含まれる場合には、あらかじめ触媒毒を除去しておくことが好ましい。また、反応の副生成物や生成物の分解などの化学変化によって、反応中に触媒毒が生成する場合もある。

  • SMSI効果:水素や一酸化炭素の吸着量の減少

    SMSI効果とは SMSI (strong metal support interaction) 効果とは、ある条件を満たした触媒の室温での水素や一酸化炭素 (CO) の吸着量が著しく減少する効果のことである。 このSMSI効果はTiO2、Nb2O5、V2O5、CeO2、ZrO2などの易還元性酸化物担体にPtやPd、Rhなどの貴金属を分散担持した触媒を500 ℃程度の高温で水素還元すると起こる。 高温水素処理によって、担体表面の一部が還元し、担体表面を移動して貴金属表面を覆う現象と考えられている。 SMSI効果は吸着はもちろんだが、種々の触媒反応にも著しい変化を起こす。

  • Fe-Mn-K触媒を用いた二酸化炭素(CO2)から炭化水素への変換の論文紹介

    Fe-Mn-K触媒を用いた二酸化炭素(CO2)から炭化水素への変換 二酸化炭素から炭化水素への合成方法 触媒の調製方法 触媒の活性 遷移金属(Mn、Cu、Zn)の効果 卑金属(K)の効果 触媒評価のまとめ 触媒の分析について XRDパターン XPSスペクトル SEM像・STEM像 二酸化炭素の水素化反応のスキーム この反応を活用した炭素循環サイクルについて あとがき 今回紹介した論文について Fe-Mn-K触媒を用いた二酸化炭素(CO2)から炭化水素への変換 二酸化炭素(CO2)の還元や二酸化炭素から炭化水素への変換反応に関する研究は、近年盛んに行われている研究のうちの一つだと思います。 今回…

  • カール・フィッシャー法:水分定量法

    カール・フィッシャー法とは カール・フィッシャー法 (Karl-Fischer method) とは、水分の定量法である。 ヨウ素、二酸化硫黄、ピリジンなどを無水メタノール溶液としたものをカール・フィッシャー試薬といい、このカール・フィッシャー試薬を水分と反応させる。 その反応式は次の通りになり、この反応をカール・フィッシャー反応という。 I2 + SO2 + 3C5H5N +H2O + CH3OH → 2C5H5NHI + C5H5NHSO4CH3 ピリジン以外の塩基(Base)も用いられることがあるため、塩基で式を書くと次のようになる。 I2 + SO2 + 3Base +H2O + CH…

  • フィッシャー・トロプシュ反応 (Fischer-Tropsch反応, FT法)

    フィッシャー・トロプシュ反応とは フィッシャー・トロプシュ反応 (Fischer-Tropsch反応, FT反応)とは一酸化炭素と水素から炭化水素混合物を得る反応である。 反応式を書くと以下のようになる。 他にフィッシャー・トロプシュ合成 (Fischer-Tropsch合成, FT合成)やフィッシャー・トロプシュ法 (Fischer-Tropsch法, FT法)ともいわれる。 この反応は1920年代初めドイツのF. FischerとH. Tropschが開発した反応である。工業的にはコバルトや鉄などの触媒を用いる。また高圧条件下で行われる。生成物の炭化水素は直鎖パラフィンあるいはオレフィンと…

  • 逆水性ガスシフト反応(RWGS反応)

    逆水性ガスシフト反応とは 逆水性ガスシフト反応 (reverse water gas shift (RWGS) reaction) とは二酸化炭素(CO2)を水素(H2)と反応させ、一酸化炭素(CO)に変換する反応である。 反応式は以下の通りである。 また単に逆シフト反応といわれることもある。

  • 酢酸のイオン解離と酸解離定数

    酢酸のイオン解離と酸解離定数 酢酸(CH3COOH)は水溶液中では次の式のようなイオン解離が起こる。 CH3COOH + H2O ⇄ CH3COO- + H3O+ この酢酸の酸解離定数は次の式で表すことができる。

  • 周期表の右上の原子(フッ素)ほど電気陰性度が大きい理由

    周期表の右上の原子(フッ素)ほど電気陰性度が大きい理由とは 電気陰性度とは分子中のある原子が自分のほうに電子を引き付ける能力の尺度である。より細かくいと、原子中の原子核が結合電子対を引き付ける強さの尺度といえる。 この原子核と結合電子対は距離が近いほど強く引き合う。また、原子核の正電荷(陽子の数)が多いほど原子核と結合電子対は強く引き合う。 よって、同じ周期(周期表の横の列)では、右にいくほど原子核の正電荷(陽子の数)が多いため結合電子対を強く引き付ける。つまり電気陰性度が大きくなる。 同じ族(周期表の縦の列)では、上にいくほど原子核と最外殻にある結合電子対との距離が短くなる。そのため、周期表…

  • 尿糖試験紙:グルコースの検出の話

    尿糖試験紙とは 尿糖試験紙とは、尿に含まれるグルコース(ブドウ糖)の濃度を簡便に測定できる試験紙である。通常は尿にはグルコースは含まれていない。しかし糖尿病になると尿にグルコースが含まれるようになる。そのため、この尿糖試験紙を用いることで、尿にグルコースが含まれているかどうかを調べることで、健康状態を知ることができる。 この尿糖試験紙には3つの物質が含まれている。3つの物質とは、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ο-トリジンである。 グルコースオキシダーゼはグルコースを基質とする酵素である。このグルコースオキシダーゼはグルコースを過酸化水素(H2O2)とグルコナラクトンにする。 ペルオ…

  • 水素イオン濃度からpHを計算する方法

    水素イオン濃度からpHを計算する方法 ここでは、ある水溶液の水素イオン濃度がであるとして、pHを求めます。 pHは水素イオン濃度の対数を表す値であり、次の式によって定義されます。 上の式に水素イオン濃度を代入します。 すると、 となりpHは4.0と求めることができます。 濃度の単位のMはモーラーと読み、mol/Lと同じです。

  • 水のイオン積を用いて水酸化物イオン濃度からpHを計算する

    水のイオン積を用いると、水酸化物イオン濃度が分かればpHを計算することができます。 ここでは25 ℃とします。このとき水のイオン積は次の通りになります。 水酸化物イオンの濃度をとします。 このとき水のイオン積の式に水酸化物イオンの濃度の値を代入すると次の式が得られます。 よって、水素イオンの濃度は次のように求めることができます。 pHは水素イオン濃度の対数であり次の式で定義されます。 よって、水素イオン濃度を上の式に代入すると次のようになります。 よって、この水溶液のpHは9.0と求めることができます。 濃度の単位のMはモーラーと読み、mol/Lと同じです。

  • 水のイオン解離と水のイオン積とpH

    水のイオン解離と水のイオン積 水溶液の溶媒としての水は、水自身が次の式の反応によって水素イオン(H+)もしくはオキソニウムイオン(H3O+)と水酸化物イオン(OH-)とにわずかに解離している。 H2O + H2O ⇄ H3O+ + OH- この反応は右方向と左方向の反応が同時に進み、見かけ上は反応が停止しているように見える動的平衡状態となっている。 すべての化学反応は原系から生成系に向かって起こっている場合、充分に時間がたつとその化学反応の進行が見かけ上停止する。この状態を化学平衡状態という。このとき化学反応式の右辺と左辺の量論関係を正しく記述し、その平衡定数を正しく記述するとその値は一定とな…

  • 水の水分子の濃度

    水の水分子の濃度 実験や分析、計算では水溶液を用いる場合が多くある。 このとき、水は溶媒であり、溶けている物質である溶質の濃度に着目することが多い。しかし、水もまた分子であるため、水の水分子の濃度も計算することができる。 ここでは計算を簡単にするため、水の密度を1000 g/L、水のモル質量を18 g/molとすると、 1000 (g/L) ÷ 18 (g/mol) = 55 (mol/L) = 55 M となる。 55 mol/Lという値は通常の溶液中の溶質の濃度や水素イオン濃度と比べて圧倒的に大きい。そのため、計算問題などでも水分子の濃度は不変であり、一定とみなして考えることができる。

  • 電気透析による塩の製造とイオン交換膜

    塩のつくりかたについて 日本では塩をつくるために、古くは塩田を使い海水を天日で濃縮し海水から塩を取り出していました。しかし技術の進歩などによって、塩田を使った塩の製造以外にイオン交換膜を使った塩の製造がおこなわれるようになりました。 この手法は陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に並べた装置に電場をかけて、海水を濃縮する電気透析報という技術で食塩をつくる手法です。 イオン交換膜を用いた海水の濃縮 しかし、イオン交換膜を用いた塩の製造が行われた初期のイオン交換膜では、Ca2+やMg2+などの二価金属イオンやSO42-など海水に微量に存在する塩も濃縮されました。その結果、溶解度の低いCaSO4とい…

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