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  • 勝虫図小柄 古金工 Kokinko Kozuka

    勝虫図小柄古金工勝虫図小柄古金工夏を少しでも涼やかに過ごそうと考え、自然の風景として魚を探しているうちに、魚の図の多くが自然そのものではなく自然から採取された魚、天からの恵みのものであることに気付いた。今年はまだまだ暑い。夏と言えば虫。まずは勝虫とも呼ばれて武将に好まれたトンボ。この小柄は大胆な構成である。勝虫だけを描いている。拵に備えられていればかなり目立つだろう。それが狙いであろう。桃山頃の作とみてよいだろう。戦国武将の意識が窺いとれる。赤銅魚子地高彫金色絵。目玉がすり減って何となく透明感があるように感じられ、時を経た結果ながら面白いところでもある。勝虫図小柄古金工KokinkoKozuka

  • 魚図小柄 古金工 Kokinkou Kozuka

    魚図小柄古金工魚図小柄古金工少なくとも桃山時代、ちょっと遡れば室町末期に、既にこのような漁の結果を示すような図柄が描かれている。自然風景ではなく、このような構成とされるのはなぜだろう、興味深いところである。クシコと呼ばれる乾燥したナマコの図柄も頗る多い。海鼠の図柄は見たこともないのだが、クシコが多い。クシコは将軍家にも献上されたり、中国にも輸出された産物である。魚が産業を成すものとして捉えられたのであろうか。魚図小柄古金工KokinkouKozuka

  • 魚尽し図縁頭 七宝象嵌 Sippou Fuchigashira

    魚尽し図縁頭七宝象嵌魚尽し図縁頭七宝象嵌海野生き物を題に得た作品を紹介しているつもりであったが、自然が対象とは言えそうもなく、ちょっと方向性が違っているような気もする。この縁頭は、七宝技術を用いた魚。鯛やゆであがった蛸などは赤色系の七宝。うまいことやるなあといった印象。鯛の背後には笹であろうか植物が敷かれており、自然世界の景色ではない。魚の図柄というと、魚屋の店先、或いは獲物といった表現とされるのが面白い。魚尽し図縁頭七宝象嵌SippouFuchigashira

  • エイに河豚図目貫 文雄 Fumio Menuki

    エイに河豚図目貫文雄エイに河豚図目貫文雄桂野文雄の作。エイをそのまま捉えているのも面白いのだが、河豚もまた赤文一門らしい彫口で個性的。やはり皮質感に特徴がある。鑚の切り込み方が見どころで、これによる微妙な凹凸が生じ、皮質感となっている。エイに河豚図目貫文雄FumioMenuki

  • 河豚図小柄 春明(三窓印) Haruaki Kozuka

    河豚図小柄春明(三窓印)河豚図小柄春明(三窓印)見事な河豚だ。季節の梅花を添えており、どう見ても料理に出される魚という視点。しかし、デザインがいい。彫口がいい。まだパクパクと口をあけている様子を見事に捉えており、目玉も光沢が強く、今にも動き出しそうだ。河豚図小柄春明(三窓印)HaruakiKozuka

  • 魚尽し図揃金具 Soroikanagu

    魚尽し図揃金具先に紹介した天野義随に彫口が良く似ている。特に皮質感を生み出す鏨遣いが見どころ。魚尽し図揃金具Soroikanagu

  • 魚尽し図縁頭 新井辰成 Tatsunari Fuchigashira

    魚尽し図縁頭新井辰成魚尽し図縁頭新井辰成魚尽し図金具を探してみたところ、意外と作品が多いので驚いている。魚尽し図縁頭新井辰成TatsunariFuchigashira

  • 魚尽し図縁頭 東嶽子政常 Masatsune Fuchigashira

    魚尽し図縁頭東嶽子政常魚尽し図縁頭東嶽子政常石黒政常の作。石黒というと花鳥図を正確な描写で表現するを得意としたが、この縁頭を見ると、魚類も見事な彫口で特徴を捉えている。高彫の彫り際がくっきりと立っているように量感がある。烏賊の銀を活かした表現、フグの丸みのある様子、手長エビであろうか、躍るような身体の様子も見事。皮質感、色絵の処方も感動的。魚尽し図縁頭東嶽子政常MasatsuneFuchigashira

  • 白魚図目貫 景政 Kagemasa Menuki

    白魚図目貫景政白魚図目貫景政銀の色合いを活かした作品。本来の透明感のある白魚を、金属で見事に再現している。もちろん透明な身体の再現などできるはずもないのだが、透明感という風合いを見事に再現しているのだ。景政は東龍斎派の金工。白魚図鐔正甫武藤正甫は岩本昆寛の門人。白魚図目貫景政KagemasaMenuki

  • 魚尽し揃金具 天野義随 Gizui Tsuba

    魚尽し揃金具天野義随魚尽し揃金具天野義随鐔、縁頭、鐺の揃い物。魚の背景は笹の葉であるところなどは、どう見ても魚屋の店先であろう。あるいは釣り上げられた獲物といったところ。でもこの描写はすごい。彫口が鋭く鏨の痕跡が強く起っているように感じられ、身体に施された微細な点刻なども生命感の源。なんといっても、目の描写に個性がある。目玉の周りから目玉の色絵、青貝を使っているところも見逃せない。本作は、海老図目貫と蟹図小柄を採り合わせ、脇差拵とされている。□魚尽し揃金具天野義随GizuiTsuba

  • 魚尽し図鐔 如竹 Jochiku Tsuba

    魚尽し図鐔如竹魚尽し図鐔如竹村上如竹は魚を題材とした作品を多く遺している。だが、先に紹介した政随の蛸壺図や安親の蟹図縁頭とは異なり、魚屋の店先に並んでいる魚、といった風情だ。装剣小道具では、自然界の様子の他にも、四季の食卓を彩る魚としての題材も多い。如竹に特徴的なのは、目玉に青貝を象嵌する手法を採り入れているところで、その風合いは生命感の描写にもつながっており、他の金工にも影響を与えたようだ。この鐔のように縦に刻んだ地模様も如竹に特徴的な手法。魚尽し図鐔如竹JochikuTsuba

  • 蟹図縁頭 安親 Yasuchika Fuchigashira

    蟹図縁頭安親蟹図縁頭安親真鍮地や素銅地を石目地に仕上げ、高彫色絵で水辺の生き物を彫り描いた作。何でもない風景だが、安親の心情が表されている。安親は、こうした小さな生き物を得意としていた。庄内在住の頃に製作した蟻図縁は、精巧で見事な出来と言われている。蟹図縁頭安親YasuchikaFuchigashira

  • 蛸壺図縁頭 政随 Shozui Fuchigashira

    蛸壺図縁頭政随蛸壺図縁頭政随縁頭の縁に磯の波を、頭そのものを蛸壺として表現し、その割れ目から這い出す蛸の様子を彫り描いた、面白い図柄。頭を蛸壺としてしまうところなどユニークであり、表面に付着するフジツボなどの生き物の痕跡もいい感じだ。手足を出す蛸だが、頭の一部を覗かせているのも巧みな構成。自然界の生き物をちょこっと覗いてみた景色。鉄地高彫象嵌。蛸壺図縁頭政随ShozuiFuchigashira

  • 足長図小柄 春則 Harunori Kozuka

    足長図小柄春則足長図小柄春則「ああどうしたらいいんだろう」悪魔にとりつかれて身動きできず、天を仰いで神の助けを待っているといったところか。表情がいい。同じ図でも政随の驚いたような顔とは異なっている。南蛮人は蛸を食わない、だったかと思う。そのような知識は作者にもあったのだろう、あんな恐ろしい生き物を口にするなど考えられなかった、と作者は見ているようだ。まだ見ぬ世界の人々への興味が主題だ。蛸の描写が生々しくていい。春則は浜野派の金工。足長図小柄春則HarunoriKozuka

  • 足長図小柄 政随 Shozui Tsuba

    足長図小柄政随足長図小柄政随異国趣味の漂う作品を紹介している。「手長足長」という想像の世界の人があった。足の長い人が手の長い人を背負い、海辺で漁をする図である。古い伝説にあるのだが、装剣小道具には度々見る機会がある。異国への憧れがこのような伝説の背景にあることは間違いない。この小柄では足長のみが描かれている。足長の足に絡みついた蛸。足が長い分、手が短いため、手長の助けがなくては蛸を獲ることができない。何とも滑稽な雰囲気の、面白い図柄である。足長図小柄政随ShozuiTsuba

  • 天球儀に波図鐔 政随 Shozui Tsuba

    天球儀に波図鐔政随天球儀に波図鐔政随異国への憧れは、大海に乗り出す勇気を持つことにより、憧れでなく現実のものとなる。まだ見ぬ世界は、危険の彼方にあった。航海術の進歩もその現実の連続する上にある。装剣小道具に羅針盤や天球儀が描かれることは、大海の彼方への憧れに通じているように思われる。天球儀に羅針盤図鐔埋忠無銘で埋忠と極められている作。政随の鐔によく似ており、作意は全く同じである。鉄地高彫金布目象嵌。円形を組み合わせることによって球体を良く表現している。天球儀に波図鐔政随ShozuiTsuba

  • 韃靼人図目貫 水戸金工 Mito Menuki

    韃靼人図目貫水戸金工韃靼人図目貫水戸金工この目貫の作者は、韃靼人が連れている動物を明確にしている。猟犬と虎。虎はアジア大陸の北部から南部にかけて生息する猛獣。これを手なずけている猟師だ。次第に韃靼人に対するイメージが定まってきたようだが、それで正しいのか。現代の我々からすると、面白いと感じるところでもある。韃靼人図目貫水戸金工MitoMenuki

  • 韃靼人図鐔 鉄元堂正楽 Shoraku Tsuba

    韃靼人図鐔鉄元堂正楽韃靼人図鐔鉄元堂正楽正楽はいくつかの韃靼人図鐔を遺している。そもそも韃靼人についての知識はどの程度のものであったのだろう。韃靼人と題する何らかの絵画があり、それを手本に韃靼人に対してのイメージが広がり伝わったに違いない。桃山時代に盛んに描かれた障壁画にみられる韃靼狩図などを江戸時代の金工が手本としたのであろう。西洋人との混同もあったのではないだろうか。これも、弓を肩にしているところを見ると韃靼人のようだ。ラッパのようなものを吹いている。興味深いのは、必ず犬を連れている点。狩犬に違いない。ところが、上の鐔も、前に紹介した目貫も獅子に見える。不明確なところは想像で描いたのだろう。とにかく面白いことは間違いない。韃靼人図鐔鉄元堂正楽ShorakuTsuba

  • 獅子引韃靼人図目貫 蝦夷 Ezo Menuki

    獅子引韃靼人図目貫蝦夷獅子引韃靼人図目貫蝦夷江戸の数奇者の視点から考える蝦夷好みは、まだ見ぬ国、知られていない世界、即ち異国情緒を漂わせているところにあるようだ。蝦夷では金工芸術は栄えておらず、多くは江戸や京など我が国内で短刀拵などとして製作されたものが蝦夷地へと運ばれた。この目貫に描かれているのは韃靼人。弓矢を巧みとする狩猟民である。それが獅子を引く図。なんと面白いことであろうか、獅子は明らかに我が国で発展した獅子であり、牡丹の中にいる。蝦夷人が韃靼人と直接のかかわりはなかったであろうが、樺太など北のルートを通じて蝦夷へと文化が伝わり来たことも関連させて眺めると、頗る興味深い図であることが判る。□獅子引韃靼人図目貫蝦夷EzoMenuki

  • 秋草に兎図目貫 蝦夷 Ezo Menuki

    秋草に兎図目貫蝦夷秋草に兎図目貫蝦夷蝦夷金具と分類される作がある。古くは古金工の作で、写真のような古式の彫口になるものを蝦夷の人が好んで用いたことからこのように呼ばれ、後に蝦夷地へと輸出された歴史がある。さらに江戸後期、蝦夷好みの作として異風なところが好まれ、逆に江戸の好事家のもとへと持ち込まれたのである。擦り剥がしによって不鮮明になった景色。金色絵が明瞭な、鮮やかな出来よりはるかに面白い。ぼかしに通じる技法のひとつである。下の、海に生きる人々を描いた目貫も蝦夷と極められている。先に紹介した牡丹図目貫も、蝦夷好みと言い得る。このような作風が蝦夷人に好まれたようだ。秋草に兎図目貫蝦夷EzoMenuki

  • 波龍図小柄 政随 Shozui bKozuka

    波龍図小柄政随波龍図小柄政随金工では難しいぼかしを用いた作品を紹介している。朧銀地高彫に金色絵を施し、その一部を擦り剥がしの手法で金を叢にし、霞んだ空気感を演出している作。古金工の手になる作が時代を経て自然にすり減り、色絵が叢になっている例がある(下写真牡丹図目貫)。これを手本に意図的に擦り剥がしを施した例。古びて見えることから江戸時代に流行している。牡丹図目貫古金工波龍図小柄政随ShozuibKozuka

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