ネタバレします。 【第96回 玄奘 玉門を望みて河を渡り 通臂 革袋に入りて讐を報う】 玄奘、石槃陀、八戒の一行は玉門関を遠くに望みながら気取られぬように瓠蘆河に切った木を渡しゆっくりと馬を引いて渡った。 ついに玄奘は密出国を犯したのである。 羅刹女は退屈していた。 阮馮河だけでは満足できなかったのだ。 そこに通りかかったのは恵岸行者であった。 恵岸は物思いにふけっていた。 玄奘そして悟空が気にかかってはいたものの国境まで追いかけるとは思ってもいなかったのだ。 ふと落ちている革袋が奇妙に膨れているのが気になり錫杖を突き刺した。 空気がはいっているだけだ、と恵岸は自分を安心させる。 そして未練が…