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  • 『蒼天航路』漫画:王欣太/原作:李學仁 その4

    7巻です。 ネタバレです。 この呂布はどうなんだろう。 横山版呂布は面白くて好きだったけどこちらの呂布は強すぎるだけになんか気の毒でかわいそうな気がしてくる。 つまり脳筋で考えがない、ということなのだろう。 横山版では呂布の頭脳明晰でしかも最強の男だが「忠心」がない、それがこんなに惨めなものか、という悲劇が謳われていたがこちらでは「いくら強くても頭脳がないとなにもできない」的な表現になっていて哀れだ。 惨めなのは同じといえばそうだけど自分としては触れてはいけない部分の気がする。 董卓のろうそくエピソードは本作では実行されたがあんまり脂みはなさそうな気がする。 董卓描写は好きではないが(あたりま…

  • 『蒼天航路』漫画:王欣太/原作:李學仁 その3

    正直に言っていいでしょうか。 横山版では玄徳より曹操が好きだったけど『蒼天航路』では曹操より玄徳が好きな気がします。 ・・・アマノジャクか。 5・6巻の内容です。 ネタバレします。 こちらの劉備玄徳。かわいい。 「おいら」っていうのがまたあの偉い人みたいで。とにかく好き。 夏侯惇は横山版だなあ。やっぱ。 そして荀彧は劉姓というだけで大義名分になる、と考えている玄徳に心が動く。 こっちの玄徳は割り切ってるなあ。 そして『蒼天航路』は描写世界が広い。そこはすごい魅力だ。 呂伯奢。 横山版では曹操の悪行の中でも特に彼の傲慢不遜を思わせる逸話の人物だがこちらでは有能な商人として曹操の徴兵に尽力すること…

  • 『蒼天航路』漫画:王欣太/原作:李學仁 その2

    なにかまだ不思議な世界を覗き込んでいる気がしています。 ネタバレします。 宦官は男性器を失った者なので性交は不可能なもののその性欲が失われるものではない。そのために女性をいたぶることで満足を得る者がいる、というのは中国後宮ドラマ『如懿伝』でも描写されたエピソードだ。 本作はドラマ『如懿伝』よりずっと以前に創作されたものである。 曹操は妻にしようとした水晶をすれ違いで宦官張譲に先を越されてしまうが単身取り戻しに張譲邸へ赴く。 が、曹操に「アモーレ」と呼びかけられた水晶は自ら死を招くのだった。 水晶を殺されてしまった曹操は怒りで張譲の顔を傷つけた。 張譲は曹操を捕え裁きを司法官橋玄に託すが曹操の言…

  • 『蒼天航路』漫画:王欣太/原作:李學仁 その1

    とうとう読み始めました『蒼天航路』 ずっと読まねばと思ってはいたのですが横山『三国志』が好きすぎてどうしても続けて読むことができなかったのです。 先日再読も完了してどうやら吹っ切れたようです。 曹操を主人公とした本作(横山『三国志』もほとんど曹操が主人公みたいなもんですが)楽しみです。 ネタバレします。 どうしても横山『三国志』との違いを書きたくなるのは仕方ない。 静かに黄河を眺め漢民族の歴史に思いをはせていた劉備玄徳から始まる横山氏とはまったく違う鳴り物入り(銅鑼や鐘太鼓の音が聞こえてくる)のド派手な冒頭。 王(キング)『三国志』世界へ参る。 曹操の少年期。 横山版では登場しなかった宦官の祖…

  • 『ケルン市警オド』青池保子 6

    現在の最新刊であるようです。以前「浦沢直樹の漫勉」で紹介された巻ですね。 ネタバレします。 今回の鍵は「赤い橋」 ほう、ドイツの民話か民謡か、と思ったらどうやら浅川マキ「赤い橋」から着想を得たということらしい。(明言はされてないけどたぶん) そして今回気になるゲストはやはり「鳥刺し」ヤン君だろう。 ちょい役かと思ってたら重要人物だった。 さらに鶏冠石。「宝石並みに高価」と言う説明がなされるがこれも重要な鍵となる。赤の顔料となるのだがヒ素を含んでいる硫化鉱物なのだ。 ベルンベック家という貴族一族の終焉とそれに殉じた忠実な家令の物語だった。 最後に作者青池保子氏のこぼれ話が記してある。 自宅マンシ…

  • 『ケルン市警オド』青池保子 5

    最初に特別番外編があってその後三話にわたって一つの物語が成されます。 ネタバレします。 いやもうほんとにすばらしい。 ケルンが古代ローマ時代から続くという事柄を使って犯罪作品を作っていく手法に痺れる。 そしてなにかにつけて知識豊富なカイ修道士。 彼は『薔薇の名前』のウィリアムをイメージしたキャラクターなのではないかと思われる。 一応容貌もその映画でウィリアムを演じたショーン・コネリーに似せたのではないだろうか。 キリスト教修道士にもかかわらず古代ローマの知識も豊富なカイ修道士から教えられる大地母神キュベレの物語が面白い。 特別番外編、と銘打たれているが本編と同じくらいの重厚な事件話である。 な…

  • 『ケルン市警オド』青池保子 3・4

    これまで一巻で一話となっていましたが第三話目で3・4巻と続きます。 ネタバレします。 2巻で一話だとそれまでと違って内容が薄まるのかと思うなかれ。より複雑になっていく。 とはいえ「事件の犯人」というのは普通に読んでいくと初見ですぐわかってしまうし作者も早めにばらしてしまうのだが「コロンボ方式」とでもいうのだろうか、犯人を知りつつも知ってるからこそ物語が面白く思える見せ方となっている。 これも前に言った「もっと派手な種明かし演出」より「じわっと地味な語り口」を作者が好んでいると思えるし私もそちらの方が居心地がいい。 が、複雑ゆえに読み手も混乱してしまうのだがこの話、破綻しているようだ。 実直な市…

  • 『ケルン市警オド』青池保子 2

    本作第一巻絶賛したのですが第二巻は如何に、と不安もあったのですがすみません。 一巻以上に面白かったです。御見それしました。 青池保子とんでもなかったです。 ネタバレします。 今回のミステリーは養蜂と毒草が題材となる。 これもまた心惹かれる選択で養蜂はドイル。毒草はクリスティを思わせる。 ある非番の日にオドは後輩のフリートに呼び出され事件現場に赴く。 被害者は8歳の少年だった。レンガ工の息子で死因は食中毒と医師は判断したらしい。 が、オドは何か不自然なものを感じていた。 という出だしである。 貧しい少年が殺された事件(もしくは事故死)がケルンで最も富裕な貴族の事件に結びついていく。 しかしなんと…

  • 『ケルン市警オド』青池保子 1

    『三国志』再読を終えて次は・・・と映画やドラマ鑑賞したくなるものを探しまわったのですが何も見つけきれず結局マンガ読書を続けることに。 本作『ケルン市警オド』は初読書になります。 少し前に購入していたのですが横山光輝作品読書にはまっていたために御預け。やっとページを開くことになりました。 ネタバレしますのでご注意を。 予想以上期待以上におもしろく一巻目を読む。 『エロイカより愛をこめて』エーベルバッハ少佐を彷彿とさせる市警オドである。 といってもそのままではなくもっと繊細で体力には乏しく経験値もまだまだという感じなのが楽しい。 生真面目な先輩にちょっとズルっこい後輩といういつもの青池作品らしいコ…

  • 『三国志』再び 横山光輝 六十巻 完結

    ネタバレします。 三国志英雄たちがいなくなりここからわずかに姜維ひとりが魏と蜀両方を相手にもがき続ける煉獄のような状況となっていく。 もう事細かに記すことはせずに残りの時間を見て行こう。 楊儀は出世できずに不満を噴出し魏に走ろうかと口走ったために庶民に落とされ田舎へ追放されたことを恥じ自害して果てた。 魏帝曹叡は孔明の死に安堵したのか贅沢な宮殿造りに懲り怨みの声が充満した。 司馬懿はこれを悲嘆したが重臣たちには意見して命を失くすなと説いた。しかし心中では魏の運命が尽きたと感じていた。 公孫淵が謀叛を起こしたが孔明と戦ってきた司馬懿にとって公孫淵の軍勢などは何の脅威でもなかった。 そして曹叡の急…

  • 『三国志』再び 横山光輝 五十九巻

    ねたばれします。 魏延は怒っていた。葫蘆谷に司馬懿を追い詰めろと命じられその結果司馬懿もろとも焼き殺される計画だったことを魏延は見抜いていたのだ。 それが事実である以上孔明に正当な弁明はできなかった。 魏延に問い詰められた孔明は馬岱が手違いを犯したとして魏延の目の前で𠮟りつけ「階級をはぎ五十杖の刑」を与えた。 「魏延将軍、こういうことでござった。怒りは静められい」 夜分、打ち据えられた痛みと屈辱を受けそして階級を剥奪された馬岱に孔明の使者が訪れた。 孔明が「魏延を除こうとして失敗に終わった。が今、魏延将軍に叛かれては蜀軍が崩壊する。馬岱にこれも蜀のためと堪えてもらいたい。他日この功を第一として…

  • 『三国志』再び 横山光輝 五十八巻

    ねたばれします。 ここで登場するのが木牛流馬。 以前火を吐く木獣がすでに活躍したから驚くことはないだろうがこの時代にこうしたからくり道具が登場するのが三国志の面白さのひとつでもある。 いっこうに動かない司馬懿率いる魏軍相手に孔明は動き出す。 上方谷もしくは葫蘆谷と呼ばれる場所を見つけた孔明はそこを秘密の作業場として木牛流馬の作製にとりかかり馬岱をその見張りとした。 折しも蜀本国から運輸されてきた兵糧は剣閣で山と積まれているのに道が悪く牛馬も倒れ車も壊れ輸送が捗らないという事態に担当者は困り果てていた。 これを訴えられた孔明は「ふふふ」と笑い葫蘆谷へと彼を導いたのである。 何度読んでも笑ってしま…

  • 『三国志』再び 横山光輝 五十七巻

    ねたばれします。 剣閣に郭淮孫礼の魏軍が現れ、孔明の居場所に上邽の魏軍が押し寄せてきた。 これが先日楊儀と孔明が決めた兵士交代日と重なってしまう。 しかし孔明は兵士たちの信義を無下にすることはできないと楊儀に申し付けた。 兵士たちは孔明の思いやりに心を打たれ残って戦うと言い出す。孔明もその心を嬉しく受け取った。 こうして孔明の徳を感じて奮い立った蜀軍は襲ってきた魏軍を完膚なきまでに叩いたのである。 大勝に喜ぶ孔明に兵糧担当の李厳から手紙が届く。 なんと呉が魏と和睦して蜀を討とうとしている、というのだ。孔明が出兵している今、呉に攻め込まれてしまっては蜀を防げる者はいない。 孔明は総退却を命じるこ…

  • 『三国志』再び 横山光輝 五十六巻

    ネタバレします。 司馬懿との賭けを楽しみにしていた曹真だが結果は司馬懿の勝ち。 孔明は蜀軍を司馬懿のいる箕谷だけでなく曹真が陣取る斜谷にも気取られぬように近寄っており曹真はもう少しで捕獲される寸前で司馬懿軍に保護された。 だが曹真は矢傷を負って寝込むこととなる。 一方孔明は命令に背いた魏延・陳式への罪状について思い悩んでいた。 蜀はすでに良将が乏しくひとりの将を失うのも痛手となっていた。 ましてや魏延ほどの有能な猛将を失っては今後の北伐にとって損失でしかない。 とはいえ孔明は最愛の馬謖ですら軍律として処刑したのをここにきて甘くすれば各将が功に焦り勝手に動き出してしまうだろう。 孔明の出した答え…

  • 『三国志』再び 横山光輝 五十五巻

    9ページのこの月、なぜ模様があるんだろう?横山先生の月いつも真っ白なのに? 流行りだったのかな。 ネタバレします。 孔明が守りを固めて動こうとしなかったのは司馬懿軍の目を引き付けておいて武都・陰平の両郡を攻めるためだった。 それに気づいた司馬懿は郭淮・孫礼を向かわせる。 しかしそこには孔明が待っており両将は道中で襲われてしまう。 蜀軍の猛攻に引き揚げようとする郭淮・孫礼を深追いしたのが張苞であった。 山道を逃げゆく魏軍を追いかける張苞の馬が岩に足を取られ張苞は馬もろとも崖下に落下し大怪我を負ってしまったのだ。 やむなく張苞は帰国することとなる。 司馬懿はあらたに張郃・戴陵の両将を祁山の裏側へと…

  • 『三国志』再び 横山光輝 五十四巻

    ねたばれします。 魏の将費耀は姜維の寝返りを疑っていたものの事の成り行きで姜維を信じて進むとそこに姜維が現れ「曹真と思っていたら費耀か。鶴の罠に鴉がかかってしまったか」と言い放つ。 ここでやっと費耀はやはり姜維の寝返りの手紙は罠だったと知る。 費耀軍は狭い山道に追い込まれ岩石で行く手を塞がれそこへ火のついた柴を盛った車を落とされ兵士たちは焼かれていく。 「もはやこれまでか」費耀は自害した。 ここで蜀軍は崖の上から縄を降ろし生き残った半数の魏兵を救った。 度重なる曹真の対孔明戦の敗北に魏の重臣の間にも曹真への非難の声が高まっていた。 曹一族である魏帝は司馬懿に相談する。 司馬懿の目算では「どんな…

  • 『三国志』再び 横山光輝 五十三巻

    ネタバレします。 趙雲が殿を務めたと聞きその帰りが遅いのを案じていた孔明は到着の報を受けて喜び迎えた。 黄金と絹を贈ると言う孔明に趙雲は「やがて冬ともなればなにかと物不自由になりまする。諸軍勢に少しずつでも分かち与えてほしい」という。これを聞いて孔明は今は亡き玄徳が趙雲を厚く重用していたことを今あらたに思い出した。 そして同時に馬謖の罪もおだやかにはすまされないと感じたのである。 司馬懿は「孔明はその高い智謀に対して人を観る目がない」と言った。人を観る目、とまでは言えないかもだが(そうなのだろうか。たとえば荊州を関羽に任せたのは孔明だった。趙雲だったらとよく思う)今回の北伐で最も重要だったはず…

  • 『三国志』再び 横山光輝 五十二巻

    が、街亭の戦いです。『三国志』辛い話の一、二を争うのではないでしょうか。 ねたばれします。 一は「関羽の最期」ですがこの「街亭の戦い」はなあ。 横山版は細かい描写がないのでなぜ孔明があれほど馬謖に惚れ込んでしまいなぜそれほど惚れ込まれた馬謖があのような増上慢になってしまったのか、と思いあぐねてしまうのだ。 さてまずは孟達だけど彼の場合はそもそも関羽の件でむかむかするしそもそも馬鹿だし死んでしまえと思うから彼が死んでしまうのは致し方ない。 というか孔明が孟達を信用するのが不思議だ。位置的に役に立つから猫の手も借りようということかもしれないが結局何の役にも立たない人間だった。 関羽を見殺しにしたこ…

  • 『三国志』再び 横山光輝 五十一巻

    ネタバレします。 孔明は姜維そっくりの兵士を使って天水城に潜む夏侯楙はじめ太守たちをも信じさせ姜維が蜀軍に降り自分たちを攻撃してきた、と思い込ませてしまう。 そして本当の姜維が立てこもっている冀城を取り囲む。 突然籠城した姜維軍は食糧が乏しい。 そこへ食糧部隊をこれ見よがしに移動させれば姜維は襲わずにはいられないだろう。 簡単に食糧を奪わせてその間に魏延が冀城を乗っ取ってしまう。 姜維軍は激しい攻撃を受けてちりぢりばらばらに逃げ惑った。 ひとりきりになった姜維はやむなく天水城へと戻る決意をするが太守や夏侯楙らは姜維が寝返ったと思い込んでいる。激しく矢を射かけられた姜維は弁明する間もない。 逃げ…

  • 『三国志』再び 横山光輝 五十巻

    姜維が好きです。 ネタバレしますので注意を。 孔明の北伐は新魏帝・曹叡の知るところとなり大いに怯える。 夏侯楙が名乗りをあげ長安へと向かった。 一方の孔明軍では趙雲がまたも孔明に年寄扱いされてしまったことに苛立ち過剰な奮戦を行う。 趙雲の強さは破格であるがあまりに深追いしすぎ疲弊したところを魏軍に襲われた。 「もはやこれまで」と思った趙雲の前に関興・張苞のふたりが現れ武者ぶりを見せる。 趙雲も若き武将の勢いを見て「時代が変わったのだ」と思いをはせた。 夏侯楙は張苞・関興さらに軍勢を立て直した趙雲まで追撃に加わり南安郡へと逃げ込むしかなかった。 南安城は堅固で簡単に落ちない。 そこに登場したのが…

  • 『三国志』再び 横山光輝 四十九巻

    心から孔明お疲れ様です。 ネタバレしますのでご注意を。 孟獲は烏戈国の兀突骨に身を寄せる。 兀突骨は藤甲軍という山藤を使った強靭な鎧甲を身に着けており矢や刀も通さない。 兀突骨大王は孟獲ら一行に野趣あふれるご馳走をふるまい助力を惜しまなかった。 孔明軍は藤甲軍に苦しめられる。が、孔明は彼らを盤蛇谷におびき寄せ火薬を使用して焼き尽くすという手段を取った。 藤甲軍三万が丸焼けとなる情景を見て孔明は思わず涙を流す。 しかし趙雲はこれを見て厳しく諫めたが孔明にとってその言葉は心を癒すものであった。 一方孟獲も兀突骨大王が孔明を追い詰めたという虚偽の情報を得て大喜びで駆け付けたところを捕獲されてしまう。…

  • 『三国志』再び 横山光輝 四十八巻

    ネタバレしますのでご注意を。 孟獲・孟優兄弟は次に禿竜洞の朶思王に助力を頼む。 禿竜洞は西洱河より南数百里の奥地の山岳地帯にあった。朶思王は自分の国でなら蜀軍を打ち倒せると伝えてきた。 孟獲孟優を招きいれた朶思王は通り道を塞ぎもう一つの道を蜀軍が通れば毒煙、毒水によって全滅するであろうと説き勝利の乾杯をするのだった。 禿竜洞は呂凱の指掌図にも記されていない。孔明は未知の国へ入り込む決意をする。 そして先陣は毒煙毒水に苦しむこととなる。 だがそれを聞いても孔明の決意は揺るがなかった。 南蛮を平定せずして蜀の安泰はないとあえて未曾有の難所に兵を進めていった。 孔明は万安渓という谷間に住む男に大勢の…

  • 『三国志』再び 横山光輝 四十七巻

    ネタバレしますのでご注意を。 馬岱登場。 なんか嬉しい。 薬と食糧を運んできた馬岱はそのまま孔明の指示で蛮軍の補給路を断つ。 向かった河は恐ろしい毒河だったが地元民からの情報で夜になり水が冷えれば船か筏で渡ることができると知る。 馬岱軍は情報通りに毒河を渡り食糧部隊を襲撃した。 孟獲は副将忙牙長を送り込むが馬岱の一太刀で討ちとられてしまう。 次に出陣してきたのは董荼那。しかし馬岱に「蛮族と言えど丞相の恩をわきまえぬのか」と突きつけられ答えに窮して戻っていく。 戻ってきた董荼那に孟獲は激怒する。百杖の罰を命じた。 百杖を受けて寝込む董荼那に各頭目が申し出る。彼らは中国に反抗する意志はないのに孟獲…

  • 『三国志』再び 横山光輝 四十六巻

    ネタバレしますのでご注意を。 この「孔明南蛮行き」 事実がどうなのかまったくわからないけど差別的意識が強いのではないかと考えてしまう。 差別的といっても仕方ないことではあるのだろう。 何しろ日本ではほぼ卑弥呼の時代なわけで卑弥呼時代の日本文化と三国志文化で戦争したらどうなることか想像するだに恐ろしい。さすがにこの時に差別されてしまったとしてもしょうがない気もする。 同じように中国文化から少し外れた南方方面の人々が様々な面で遅れているという感覚があったとしても当然かもしれない。 とにかく孔明は南蛮の人々を攻撃するのではなく仁徳によって心底から敬意を持たれるのを目標に子どもじみた南蛮武将たちに接し…

  • 『三国志』再び 横山光輝 四十五巻

    ネタバレしますのでご注意を。 冒頭、呉の重要な城・濡須城を守る朱桓について語られる。27歳の若き武将が自信満々に魏軍からの防御攻略を論じる。 あまりにも尊大なので失敗談かなと思っていたら計画通りに魏の曹仁軍をやっつけてしまったので驚きだった。 朱桓さん、史実思い上がったところはあるが立派な人物だったらしい。 さらに曹丕率いる魏軍は苦戦していく。 炎天下疫病が流行りだし、南郡に攻め入った曹真軍は陸遜・諸葛瑾の軍で大敗。曹休軍も呂範軍に撃滅。呉軍は蜀軍との戦いで疲弊しているはずと思い込んでいた曹丕の予想は外れ帰り道も危くなる。 やむなく曹丕は全軍に引き揚げを命じた。 これより呉と魏は不和となった。…

  • 『三国志』再び 横山光輝 四十四巻

    この巻っていわゆる「クライマックス」と呼ばれるはずの箇所なのだけれどなあ。 ネタバレしますのでご注意を。 上のもネタバレではある。 玄徳も言ってるけど桃園で誓い遭った義兄弟のふたりの弟を亡くし仇討に燃える玄徳が皇帝となって七十五万の兵力を持って呉を討ちに行く。 しかも関羽・張飛の息子も加わり若者の熱い闘志によって連戦連勝の快進撃、という出だしで呉の運命も風前の灯、というところまで玄徳率いる蜀軍は成し得たのだが。 あの甘寧も蜀軍によって討たれ呉軍は圧倒的な蜀軍の力に容赦なく叩きのめされる。 関羽の息子関興は仇の潘璋を自ら探し出して討ちとり、糜芳・傅士仁に至っては呉から蜀へ逃げ帰ってきたのを関興に…

  • 『三国志』再び 横山光輝 四十三巻

    張飛・・・つらいなあ ネタバレしますのでご注意を。 怪しまれ逃げ出した彭義の使者を止めたのは馬超であった。 その男は孟達へ危険を知らせる手紙を所持していた。 男を投獄し馬超は自ら彭義邸へ赴き酒を飲みながら本心を引き出したのである。 翌朝馬超は漢中王に彭義の謀叛を知らせた。 上庸では孟達が彭義の処刑を聞き及び城を抜け出し魏王の元へ降ったのだった。 玄徳は孟達の逃走を聞き劉封に孟達討伐を命じたが劉封は返り討ちに会い血路を開いて逃げ延びたが上庸の城はすでに徐晃に奪われやむなく成都に戻るしかなかった。 成都では義父玄徳が劉封の敗北の報を受け私情を捨てて処置せねばならない状況になっていた。 関羽の危機に…

  • 『三国志』再び 横山光輝 四十二巻 新魏王

    ネタバレしますのでご注意を。 曹操には四人の息子がおり長男曹丕は平凡な人物であり次男の曹彰は勇猛だが世を治める才能がなく三男曹植は曹操が一番かわいがった子であったがあまりにも文化的な繊細さを持ちすぎていた。四男曹熊は病弱であった。 すでに長男曹丕が正式に王位につく儀式を終えたものの曹丕は王位継承に対しての不安があった。 次男曹彰が十万の兵を率いてきた時は賈逵が曹彰を出迎えた。曹彰は兄・曹丕と手を取り合って父の死を悼み率いてきた十万の兵を曹丕に引き渡して帰っていった。 三男四男は父の葬儀にも新王の即位の儀式にも姿を現さず疑念を持たれた。 四男曹熊は病気のためだったのだが気弱になっていたために自害…

  • 『三国志』再び 横山光輝 四十二巻

    ここを読んでいると玄徳の思想がいかに大切だったかということがわかる。 三義兄弟は三人でいたからこそ強くあり得たのだと思わされる。 ネタバレしますのでご注意を。 留守中に奪われた荊州を取り戻そうと突き進む関羽だったが「荊州領民」の旗を掲げた集団に取り囲まれてしまう。 「おーい息子はいるか」「おとういるか」と家族に呼びかけられた関羽軍の兵士たちはまたも心が揺らぐ。 これに関羽は「どうした、かかれ!」と命じるが兵士たちは「父や弟と戦うのはいやじゃ」と槍を投げ捨て家族のもとへ逃げ出してしまった。 これには関羽と言えどどうするすべもなかった。 関平は「この近くに無人の麦城がございます」と父に呼びかけ関羽…

  • 『三国志』再び 横山光輝 四十一巻

    関平くんは「父上はお年を召された」的なことを言ってるけど絵的にはまったく年取っていない関羽。 せめて兄者に会わせてあげたかったなあ。 ネタバレしますのでご注意を。 関羽は自然の力を利用した策略を講じていた。 連日の雨で水かさを増した蘘江上流の堰を切って落としたのだ。 濁流は川沿いに陣取っていた魏軍を押し流し溺れさせてしまう。 その後命乞いをする者は救け歯向かう者だけを殺害したがその中にあの龐徳もいた。 抵抗した龐徳は関羽の側近で水練達者の周倉によって捕らえられ関羽の手でその首を刎ねられた。 豪快な大勝で関羽の威名は天下に鳴り響いたが関羽の陣は重苦しい空気が漂っていた。 以前龐徳から受けた矢傷が…

  • 『三国志』再び 横山光輝 四十巻

    私は壮年期曹操も大好きです。 ネタバレしますのでご注意を。 冒頭は表紙の曹操どおりの絶体絶命曹操が描かれる。どこへ逃げても蜀軍が迫ってくる。ついに五万の大群が見えた時に「余の運命もこれまでか」となった曹操だったがそれが次男坊曹彰だと気づき安堵した。 だがその曹彰の登場が却って蜀軍に火をつけ曹操はいっそう危機に陥っていく。 そこで描かれるのが「鶏肋」事件である。 曹操の夕食に「鶏肋」=鳥のあばら骨が入っていた。鶏肋には食べようとしても肉はない。しかし捨てるには味がある。これを見つけた曹操は「まさに今の余の心境じゃ」とつぶやく。今回の戦は進んでも勝ち目がなく引けば他人が笑うであろうという曹操の気持…

  • 『三国志』再び 横山光輝 三十九巻

    趙雲の巻ですね。 ネタバレしますのでご注意を。 食糧庫であった天蕩山を奪われたとあって曹操はついに自ら四十万の兵を率いて出陣した。 この報を聞き夏侯尚は喜び勇んで黄忠を捕えようと打って出た。 張郃がいくら諫めようと聞く耳は持たない。 しかしここで黄忠側の将・陳式が捕らえられてしまう。 黄忠は法正からの指示を仰ぎ陣を一歩一歩進めることで夏侯淵の焦りを引き出した。 夏侯淵は甥である夏侯尚を黄忠陣へ差し向けるが今度は夏侯尚が捕らえられてしまい両軍は人質交換をすることとなった。 三つ数えて人質を放しふたりがすれ違ったところで両軍から矢が放たれた。 陳式は逃げおおせたが夏侯尚の背中には弓の名人である黄忠…

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