一人で担任する学級も少なくなってきていると聞きます。 学年をチームで交代で指導するとか、高学年では専科担任が増えるなかで、集団の存在価値が薄れてきているように思われます。 職場においても仕事のしやすい所もあれば、そうでない所もあります。 先生方がお互いに自分の実践を好感しあ...
教育随想 836回 自分の骨格を理解することは自分の命を守ること 4年理科「 ヒトの体のつくりと運動」から
「ヒトや他の動物の体の動きを観察したり資料を活用したりして、骨や筋肉の動きを調べ、ヒトの体のつくりと運動のかかわりについての考えをもつことができる。」(指導要領 理科 4年) 子どもたちは自分の体について、どれだけのことを知っているか。 特に、自分の形を整えている「骨格」に...
前回に続いて、先生の人間性についてお話します。 IT教育が導入されることによって、教材と指導者としての先生が切り離されるようになった。 だれが教えても同じことが教えられるものが多く使われるようになった。 教材ごとに指導の仕方がパターン化されている。 そこには、授業者と子ども...
教育随想834回 子どもへの言葉かけではなく、先生から染み出る人間性
ある先生が一人の子どもとのやりとりが苦手であると言われた。 ことごとく先生の指示に反抗的であるらしい。 言葉かけがうまくいかない。 どのような接し方をしていいのかわからない。 その先生は、言葉を使っての働きかけばかりに気持ちが傾いている。 言葉かけは大切だか、それは、子ども...
教育随想 833回 2年国語「お手紙」 学習指導 音楽劇に向けて
教材解釈 本単元は、ちょっぴりわがままながまくんと、友達を想い一生懸命にやさしい言葉をかけるかえるくんなど、ユーモラスなキャラクターで構成されている。二人の掛け合いがおもしろく、楽しく読むことのできる資料である。 地の文が少なく、会話文を中心として展開していく作品の特徴を生...
教育随想 832回 「ごんぎつね」発展的な学習 二つの立場に立つと
前回の学習の仕方は、ごく普遍的なものである。 しかし、子どもたちの学習能力によっては、次のようなことも考えられる。 その立場とは次の通りである。 ① ごんの立場(おれがくりなどを持って行ったことをわかってくれ)で二人の会話を読む。 ② 客観的な立場で二人の会話を読む。 その...
教育随想 831回 4年国語「ごんぎつね」 クライマックス「ひきあわない」
ごんぎつねについては、教材解釈と指導過程について176回から183回の 計8回に分けて詳しく書いている。 今回は、その補足をしたい。 この物語のクライマックスは5場面である。 最後のごんが兵十にうたれる場面は、読者サイドの問題になる。 ごんの死を子どもたちがどのように受け止...
命の教育については、いろいろな取り組みがある。 動植物の継続的な世話、命のつながりを辿ること、自分の命の大切さの理解。 いたましい事件、自殺の時に命の大切さを指導することもある。 しかし、命をどのようにとらえるかによって、指導の方向が変わる。 命は自分のものだとするならば、...
に育随想 829回 先生の口ぐせ「きちんと」の意味するものは
ある先生が掃除の指導に力を入れていると言われた。 子どもたちが掃除をしたあと、必ず点検をしているという。 そして、汚れていたら「きちんと掃除をしなさい」「もっときれいに掃除しなさい」 と指導するとのこと。 私はその先生に尋ねた。 「たとえば、教室の掃除について、きちんと掃除...
勉強会に来ておられる先生がなかよし学級を担任している。 私は、「なかよし学級のA君はどんな子ですか」と聞いた。 すると、先生は 情緒的障害のある子です。 自分のしたいことしかしません。 書くことが嫌で指示すると怒ります。 なかよしの勉強を速く終わらせて遊具であそぼうとします...
教育随想 3年道徳「長なわ大会の新記録」(光村図書)学習指導
この教材は、難しい。 道徳は、頭で割り切れても心では割り切れないものが多い。 人間の真実は、揺れ動く心にあるから。 指導目標 新記録が出そうなことに夢中で,ストップウォッチのボタンを押し忘れてしまったことに悩む守の姿を通して,明るい心で生活するためには,どんなことが大切...
教育随想 826回 先生の口ぐせ 言いたくなるのが「はやくしなさい」
先生自身が自分の口ぐせに気付いていないことが多いものである。 いや、いや、自分の口ぐせぐらいわかっているよと言われるかもしれない。 しかし、意外に気づいていな言葉がある。 試しに、子どもたちにアンケートをとってみるとよい。 「先生の口ぐせべスト5」ぐらいの言葉を聞いてみる。...
教育随想824 教育随想825回 3年道徳「よわむし太郎」視点を変えて考える 学習指導のポイント
主題 善悪の判断 自律 ねらい 心やさしいよわむし太郎が、殿様から白い鳥を守る姿を通して、よいと思ったことを行うときに大切なことについて考えさせる。 正しいと信じることを行い、正しくないと判断したことを止めようとする心情を育てる。 指導にあたって 教科書の問いかけは3つ...
教育随想824回 3年 道徳「やめられない」学習指導(光村図書)
1.指導目標 ゲームに依存し、やめられなくなっているまりさの姿を通して、節度ある生活をするために大切なことについて考えさせ、度を超すことなく生活していこうとする判断力を育てる。 ※「度をこすことなく」は、度を超えてみて初めて、その問題点がわかるものである。 さらに、わかっ...
高学年の子どもが自分より下位の学年と遊んでいるのを見ると、リーダ―格を努めていることが多い。 委員会やクラブ活動の様子を見ると、委員長や部長という役職(与えられた役職)でまわりを動かしている。 それとは反対に、子どもは「おにいさん・おねえさん」的な感覚で周囲の子らに接してい...
中学年は、パワーもあり活動的な子どもたちである。 徒党集団を組む傾向が強い。 普通は同性集団で異性を排除する。(性意識の芽生え) 徒党は男女ともに見られるが特に男子が目立つ。 これは男子の行動範囲が広くかつ活動的だからである。 そこで留意すべきことをあげる。(あくまで私の実...
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一人で担任する学級も少なくなってきていると聞きます。 学年をチームで交代で指導するとか、高学年では専科担任が増えるなかで、集団の存在価値が薄れてきているように思われます。 職場においても仕事のしやすい所もあれば、そうでない所もあります。 先生方がお互いに自分の実践を好感しあ...
教育は、学校教育目標を原点として、学年目標、さらには学級目標に わかれています。 個人の塾ではないわけですから、学校教育目標具現化のための教育です。 ところが、授業参観しても、授業のなかに学年・学級目標が具現化されていません。 教科目標だけが追い求められて、それによって子供...
実際、子供たちが本気で学び始めると、先生の意図とは違った方向にいくものです。 それを喜びと感じるか、失敗と嘆くかの問題です。 自分の立てた指導案が計画どおり進みましたと得意満面の授業者もいます。 その時に、どれだけの子供の問題意識、学びを無視してきたのでしょうか。 私は、自...
導案の話をします。 指導案はマニュアルです。 指導の手順を書きます。 教科の論理でつくりあげます。 これをタテ糸と考えます。 それに従って、授業を展開します。 ところが相手は多くの子供です。 こちらの発問や助言で思いどおりに導くことはできません。 子供はロボットではありませ...
いくら教室を飾り立てても、子供に生き生き、元気、健気、 さわやか、ぴちぴちした感覚が見えない学級てはどうしょうもありません。 このような子供たちの実現は、授業を通して可能です。 学校の役割で核になるのは学力保障です。 子供たちが学習を通して、学ぶ意欲を膨らませることです。 ...
教育の現場にはいろいろなスローガンがあふれています。 「大きな夢をもち、かなえるための努力をしよう」 「夢に向かってはばたこう」 「何事にも誇りをもって行動しよう」 「明るく元気な学級」 「何事にもがんばる学級」 「助け合える学級」 「最後までねばり強くやりとげる子」 「仲...
学級づくりも6月の半ばになろうとしている。 担任制が多く実施されるようになってきている。 一人の先生が学級を育てるのではなく、複数の先生が子どもたちを見守り育てる組織がくまれている。 そのことの是非はここでは問わない。 学級づくり、子ども集団づくりとは、学級集団に望む先生と...
学級集団を育てるためには3つの段階があります。 これは私の実践経験として感じ取ったものなので、どこでもあてはまることではありません。 三つの段階とは ①学級集団の構造を解体する。 ②解体した学級集団を再構成する。 ③非公式集団による学習指導(授業)の展開に至る。 4月に最初...
学級集団において お互いに挨拶を交わしあう。 一緒に校庭で元気に遊ぶ。 休憩時間に友だちと会話する。 給食を友だちと仲良く食べる。 友だちと協力して清掃活動を実施する。 しかし、 認め合い、励ましあい、支えあえる集団を育てるためには、 生活集団ではダメなのです。 認め合うと...
愛媛県教員採用試験 小論文テーマを取り上げます。 令和4年12月に文部科学省から出された生徒指導提要には、 「学級経営、ホームルーム経営の焦点は、教職員と児童生徒、 児童生徒同士の選択できない出会いから始まる生活集団を、 どのようにして認め合い、励ましあい、支えあえる学習集...
教室の周りを見渡してみてください。 そこにはられている掲示物、ひとつひとつが子どもたちを刺激していますか。 たかが時間割の掲示ですが、見て楽しくなる、やる気がでてくるようなものを目指します。 春夏秋冬に応じて、季節感のある時間割を作成します。 係活動の掲示物、子どもたちには...
教室は学びの部屋です。 だから、学習環境を整えることが教室環境づくりの基本です。 子どもたちが毎日登校してきます。 遊びに来るわけではありません。 給食を食べに来るわけではありません。 友だちと遊びに来るわけではありません。 勉強するために教室に入ってきます。 子どもたちが...
子どもたちが学級に求めているのは、解放感です。 自分を少しでも素直にだせる学級を求めています。 素直に、「わからない」「ありがとう」「ごめんね」と言える集団であってほしいと願っています。 解放感、この学級なら自分を表現できるという希望を抱かせることです。 まず、大切なことは...
集団が一人ひとりの子どもたちの行動や価値観に影響を与えるように育てる事が大切になります。 学級集団は、それぞれの価値観が異なった子どもたちの集まりです。 子どもたちが自分の所属している学級に愛着をもち、所属していてよかったと思える一年間にしていきます。 そのためには、授業等...
授業のねらいは、個人が学習内容を習得することだけではありません。 学習集団を形成することも授業の目的です。 子どもが自分の考えを広げたり深めたりするためには、友だちが必要です。 友だちと考えを合わせたり、話し合ったり、時には厳しい討論をすることを通して、自分の考えを確立でき...
こでは三つのことをあげます。 一つ目は 「絶えざる研究心と学習意欲を養う」 学習が楽しいという雰囲気を醸し出すために、教材に子どもたぢが働きかけやすいようにします。 これは、教材の加工であり学びの入口を考えることです。 動物の像を捉えさせるのに、大きな胴体か、長い鼻か、太い...
子どもたちにどのような態度、技能を身につけさせるかを考えてみます。 子どもに求める態度・技能をあげます。 1. 授業を広げる子 「もうすこし他のことも考えましよう」 「資料をさがしませんか」 「こんな考え、見方もあるのでは」 学習が行き詰ると、学びのルートの見直しを図り、新...
子どもたちと出会う新学期、不安でもあり喜びでもあります。 子どもたちとの間にはなんのつながりもありません。 赤の他人なのです。 ただ、先生という肩書をもらっていることで、子どもたちは先生と見ています。 新学期、最初は、子どもたちの先生ではありません。 子どもたちが「ぼくの先...
検証方法として、先生が導き、時には子どもに任せるようにします。 ここが大切ですが、 先生が指導しすぎてもよくないし、子どもだけに任せるのもよくないです。 先生が指導すぎると、子どもたちの主体性が喪失したような感じを与えます。 子どもたちだけに任せると、その解決に手間取り、や...
問題解決学習は ①子どもたちが問題を構成する段階 ②問題解決の方法を検討する段階 ③問題解決の段階 ④検証➡まとめ➡応用の段階 ⑤反省の段階 以上の五段階ですが、三段階として ①問題把握 ②問題解決 ③まとめ にする場合もあります。 重要なこ...
「先生、勉強したくないよ」 「教科書忘れました、どうしたらいいですか」 「宿題、忘れた、どうしたらいい」 授業中に椅子や机を動かして音をだす。 授業中、先生が話しているときにわざと横を向く。 子どもたちは、先生が注意したり怒ったりすることを待っています。 どうしたら先生が困...
「人生の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく、全部幼稚園にあった。」(ロバート・フルガム)アメリカの作家 近くに幼稚園があります。 毎日、園内からは元気な声が聞こえてきます。 みんなで楽しく歌っている姿を見かけます。 買い物に行くスーパーの横に、こじんまりした保育...
業は、子どもの自ら学ぶ能力を全面的に信頼していることが根底にあります。 教えることを通して、子どもたちが意欲をもって学びの世界に進むことが授業者としての願いです。 子どもが自然に学べるのなら教えることは必要ありません。 指導者が、子どもに対して「動機付け」「やる気」「学ぶ意...
前回は「授業を進行する自分」についてお話ししました。 今回は、「子どもたちの動向を見守る自分」です。 授業は指導者の計画・実行によって進められます。 放送による授業もそれな近いものです。 また、指導書に沿って行われる授業も指導者サイドからの指導てす。 先生の意図した学習の道...
授業者は、どの授業においても二人の自分でもって進行しています。 それは、「授業を進行する自分」と「子どもたちの動向を見守る自分」です。 さらに、三つ目が「中核を為す自分」です。 授業を進行する自分についてお話します。 あらかじめ作成した指導案に従って指導を実施します。 事前...
今の子どもたちを見ていると、独りであることに耐えられない子どもが多いです。 ゲームで遊び続けないと間が持たない友だち関係。 スマホメール等でお互いの存在を確かめあう子どもたち。 独りでじっくりと考えることができない子どもたち。 授業を例に取ります。 先生の問題提起で始まる学...
あくまで私の偏見ですのでご容赦ください。 子どもらしさが前面に出ている子が少なくなりました。 世の中のテレビを含めての情報の影響もあって、小さな大人が多いです。 雑誌も大人と子どもの区別がなくなりました。 かつては、子どものための雑誌がありましたが、今では、大人顔負けの内容...
ICTとは、「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略称。 ICT教育とは、教育現場において情報通信技術を活用した取り組みを指す。 デジタル教科書やデジタル黒板の利用 タブレット端末を活用したインターネットで...
新学期が始まって3か月に入ります。 各教室では、いくつかの問題が起こっているかもしれません。 不登校児童の出現。 急に登校を渋る子供がででくることがあります。 友だち関係、さらには、担任の先生とのトラブルが原因になっていることがあります。 最初は腹痛を訴えで欠席。 やがて、...
授業過程に定まった方式があれば便利です。 ポピュラーなところでは、「導入・展開・終末」という三段階法が定着しています。 歴史的に振り返ると ヘルバルトの五段階指導法 予備・提示・比較・概括・応用 デューイの五段階指導法 暗示・問題を感ずる・仮説・推理・検証 国語では、通読・...
形式に入れ込むことが必要なこともあります。 学校という建物に収容して、形式や原則にもとづいて学習を強要します。(すべてではないのですが) 自衛隊、消防隊、警察学校のように一定の基準を合格した者の集団であれば必要不可欠なことです。 義務教育でない高校でも、それなりの理想を持っ...
教育はサービス業です。 営利を目的とした仕事ではありません。 どこまでも学ぶ子供たちを育てるために、いろいろなサポートをする仕事です。 だから、子供たちに学ぶことを拒否されたら万事休すです。 学習拒否、登校拒否をされたら、先生は仕事を失います。 先生が先生として仕事ができる...
教えることが目的ではない。 教材内容を教える。 文化を伝える上で大切な仕事である。 しかし、その先がある。 教えることを通して、子供たちに新たな能力を求める。 教えることが手段になる。 教えることを通して(手段)どんなことを狙うのか。 どのような子供を育てるのか。 子供たち...
先生は、仕事の忙しさにかまけて周りを見渡すゆとりを失っていることがあります。 人間を雨が降り続く時、なんとなく湿気が多く不快感を伴います。 そんなとき、木々の葉っぱが雨を喜ぶように受け止めています。 山全体に霧がかかり幻想的な雰囲気を醸し出しています。 校内の学習園の植物は...
勉強ができて真面目な子供は、怠けないように成績があがるようにと努力します。 保護者からも先生からも大きく期待されています。 そして、彼らは「良い子」としての評判を大人からもらっています。 彼らは、日々緊張しています。 自分の生活スタイルを乱すまいとしています。 時によっては...
前回、「わからない」と「できない」の間にある境界についてお話しました。 今回は、「わからなくなった時」に、「わからない内容」を取り上げいくつかの選択肢を 先生が提示してみます。 二者択一 三者択一・・できるように、選択肢を示します。 これは、指導案を立てる時、発問研究として...
最初にすべきことは、「わからない」のか「できない」のかを分類できる子供です。 子供たちは、「わかりません」とは発言するが、「できません」と発言する子は少ないです。 「できません」とは、結果として自分には無理であると宣言するようなものです。(能力がないということ) 一方、「わ...
親は子供に語りかけます。 「そんなこと、気にしなくていいんだよ」 「失敗してしまったんだね、次にかんばればいいよ」 「うまくいかなかったんだね。でも、あなたは努力していたよ」 これらは、子供にとっての安全基地です。 どんなにうまくいかなくても、あるがままを受け入れてくれる人...
も今も先生の子供に対する指導は、初めに論理ありきの指導になりがちです。 参考書や指導手引書などを通して、子供に対する指導方針をたてます。 市販の教育図書をみると、ほとんどはハウツーものです。 「発言しない子には」「暴力的な子には」「落ち着かない子には」等に対する指導の手だて...