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SpideyのK-POP小説ブログ https://spidey0622.net

主に「このタイミングで聴くと最高シリーズ」というK-POP小説を書いています! 人気曲からマイナー曲まで、様々な曲にストーリーがありますので、新たなk-popの楽しみ方を一緒に共有しましょう!

スパイディー
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2019/03/18

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  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~Block B “yesterday” 編~

    「はぁ、一睡もできなかった…」 朝の4時。 鳥が活発に動き始め、新聞配達のバイクの音が聞こえだした。 美咲は誰とご飯を食べて、何時に家に帰ったんだ? そもそも家に帰ったのか? 「はぁ~イライラする…」 スマホをひらく。 ―11時4分 いま友達とご飯食べてるから、また連絡するね! 既読― ―11時10分 今誰とご飯食べてるの?- 結局、いまだに既読はついていない。 その代わりにLINEのプロフィール画像は美咲がワインをもってきれいに写っている画像に変わっていた。 化粧も、やけに美しくしているし、背景はオシャレなバーである。 「これ、絶対、写真撮ったの男だろ…」 つい独り言がもれる。 美咲にはいったい何人の男がいるんだ? 美咲と一緒にいるときは、常にスマホの画面を下向きに置いてあるし、スマホは休むことなく震えていた。 本当にとんでもない女を好きになってしまったな、と思う。 ふと、美咲に出会った頃のことを思い出した。 大学1年のはじめての授業のとき、たまたま隣の席に座ったのが美咲だった。 何を学ぶための授業だったかはもう忘れたが「隣の人に自己紹介してみましょう!」と先生が言い出した。 こういうのはすごく苦手で、「俺、こういうの苦手なんだよね(笑)」と素直に言うと、美咲は「私もなの(笑)」と顔を赤らめて笑った。 美咲には、"自分はすごく美人なのに、自分ではそれに気づいていない"という感じの魅力があった。 簡単に言えば、純粋そうな子だ。 男性と付き合ったことなんて1度もないんだろうな、とすら思ったほどだ。 それが、すべて美咲の計算だったかは知らないけど、実際は俺のイメージとはかけ離れた女だった。 美咲の顔をSランクだとすると、俺はAだと思う。 自分でこんな事思うのは気持ち悪いかもしれないが、実際に、顔はそんなに悪くない。 きっとそのおかげで俺は美咲と仲良くなれた。 今でも俺は美咲のなかでの1番だと思っている。 いや、信じている、なのかもしれない… ふと、時計を見た。 もう7時を回っている。 急いで大学に行く準備をしないと。 * ヴーーー スマホが鳴った。

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~NU’EST “ヨボセヨ(HELLO)” 編~

    そろそろ仕事が終わったころだろうか。 時計を見ると、午後10時を過ぎていた。 いきなり電話をすると、自分勝手な奴に思われるかもしれない。 LINEをひらいた。 ―もう仕事終わった?- 送信 温かいコーヒーを飲みながら、美咲が会社から出てくるのを待った。 2か月前ならすぐに来ていた返信も、今では既読のマークすらつかない。 少し怖いがTwitterをひらいてみる。 やっぱりtwitterはしているようだ。 好きなアイドルの投稿にいいねを押していた。 でももう慣れた。 俺が1番じゃないことなんて初めからだ。 * 美咲とは3か月前に出会った。 友達に誘われて行った合コンに、1人真面目そうな子がいて、それが美咲だった。 とても合コンに来るような子には見えなくて、理由を聞いてみたら、「元彼のことを忘れたくて(笑)」と言った。 寂しそうに笑う美咲をどうしても放っておけなかった。 「俺が美咲の寂しさを埋めてあげるよ」 その言葉を聞き、複雑そうに微笑んだ美咲の顔は忘れられない。 あの時、俺の恋は地獄へと向かうんだろうなと悟った。 * ふと顔を見上げると、会社の門が開くところだった。 門から出てくる美咲をみても、もう驚くことはなかった。 なんとなく気づいていた。 美咲は仲良く男と腕を組みながら出てきた。 俺には見せたことない笑顔をしている。 胸が苦しく、はちきれそうだ。 美咲の寂しさを埋めたのは俺なのに… そんな思いがふつふつと込み上げてくる。 スマホを取り出し電話をかけた。 プルルル プルルル 美咲が慌てているのが見える。 こんなことをしても何にもならないことは分かっていた。 美咲があの男のことを嫌いになるわけではない。 美咲が俺のことを好きになるわけでもない。 それでも、嫌がらせしたくて仕方なかった。 美咲がはスマホを少し見た後すぐに電話を切った。 男は笑いながら「出ればいいじゃん」と、美咲にうながしているように見える。 この状況で笑ってそんなことができるのは、おそらく、心が広く、俺の存在についても知っている人だろう。

  • このタイミングで聴くと最悪シリーズ~CNBLUE “イロケイェッポンナ” 編~

    「このタイミングで聴くと最高シリーズ~CNBLUE "イロケイェッポンナ" 編~」の続きです! ↓↓↓ e3%81%93%e3%81%ae%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%81%a7%e8%81%b4%e3%81%8f%e3%81%a8%e6%9c%80%e9%ab%98%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%ba%ef%bd%9ecnblue-%e3%82%a4%e3%83%ad/ 髪が短くなっていても、少し年をとり大人びていても、俺にはわかる。 あれは美咲だ。 俺たちが高校3年生の頃、4か月ほど付き合っていたあの美咲だ。 当時から美人のお前は、いろんな男から言い寄られていたけど、俺を選んでくれた。 今思うと、あの当時が俺の幸せの絶頂期かもしれない。 結局、勉強に集中しなきゃいけないという理由で別れたが、俺はお前を忘れたことなんて1度もなかった。 そんなお前がこのカフェで、満面の笑みで男と会っている。 いろんな感情が沸いてきた。 美咲に久しぶりに会えたうれしさ、すでに違う男と幸せになっている悔しさ、今の感覚では悲しさが一番大きい気がする。 そのくらい自分でも訳が分からなかった。 美咲と話したい、もっと見ていたい気持ちをぐっとこらえて、美咲から見えないように背を向け、帽子を深くかぶった。 それでも、会話は聞こえてくる。 「お待たせ!」 きっととても明るい笑顔なんだろうな、そう思いながら、もう水滴のまとわりついたアイスコーヒーを一口すすった。 「髪切ったんだ!すごく似合ってる!」 相手の男はきっと今幸せの絶頂なんだろうな。 声だけを聞いていてもそう感じられる。 それに当時の俺もそうだった。 「そう?ありがと(笑)。一番に、たいちに見せたくて(笑)」 美咲にこんな事言ってもらえて、この男、本当に幸せ者だ。 痛むこころを慰めるように、また一口アイスコーヒーを飲んだ。

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~BOL4(頬赤い思春期) “好きだと言って” 編~

    朝8時15分、急いで家を出た。 バス停に着くと、もうバスは来ていて、急いで飛び乗った。 息が整うより先に、乱れた髪の毛を整えて、いつもの席に向かった。 後ろから2番目、窓側の席。 今日もあいつがいる。 「たいち君、おはよ」 明るく、可愛らしくを心がけて声をかけた。 すると、ちらっとこっちを見て、また窓の外に顔をそらした。 私はそのすぐ後ろの席に座った。 こんなに愛想のない奴なのだが、残念ながら女子にモテる。 かくいう私も、その一人だった。 イケメンで、勉強ができて、運動ができて、学校ではいつも女子に囲まれていた。 しかし、こんな完璧超人を見ていたら、他の男子に目がいかなくなるのも、仕方のないことだろう。 でも、たいち君も忘れたわけじゃないよね? * 体育祭の打ち上げで、私たちはクラスのみんなで焼き肉を食べた。 2時間の食べ飲み放題でおなかも完全に膨れた後、クラス委員がみんなに尋ねた。 「この後、カラオケ行く人~?」 クラスの上位層ともいえる人たちは一斉に手を挙げた。 「美咲は行かないの?」 私と一番仲のいい友達が、小さな声で私に聞いた。 「うん、私、そういうの苦手だから(笑)」 「そっか、残念。じゃ、わたしは行ってくるね!」 「うん(笑)」 たいち君は、お決まりのごとく、女子たちに言い寄られていた。 「ねえ、たいち君も行こうよ~」 「そうだよ~たいち君いないとつまんないじゃん」 そんな学生の色気なんか効かないといった感じでそっけなくたいち君は答えた。 「おれはいいや」 こういうところがかっこいいんだよな。 改めて思う。 まわりの女子たちは残念そうな顔をして、カラオケに向かう準備をしていた。 結局カラオケにはほとんどの人が行くことになって、行かないのはクラスでも地味なメンバーとたいち君と私ということになった。 このメンバーを見て、私って地味なのかも、と思ったことを思い出す。 その場で解散となり、それぞれが家に帰っていく中、私とたいち君は帰り道が同じだった。 なんとなくの流れで一緒に帰ることになった。

  • このタイミングで聴くと最悪シリーズ~BLACK PINK “STAY” 編~

     これは「このタイムミングで聴くと最高シリーズ~BLACK PINK "STAY" 編~」とつながった内容になっています! こっちから読んでみてください! ↡↓ e3%81%93%e3%81%ae%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%81%a7%e8%81%b4%e3%81%8f%e3%81%a8%e6%9c%80%e9%ab%98%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%ba%ef%bd%9eblack-pink-stay/ 午後の10時になった。 いつものように集合場所に向かう。 玄関を出る瞬間、一瞬後ろを見てみたら、美咲はなにげなくスマホを見ていた。 いつもと変わらない日常だ。 「じゃ、行ってくるね」 「…うん」 家を出ると、途端に肌を刺すような寒さが押し寄せてきた。 急いでマンションのエレベーターに乗って1階の駐車場に降りると、くたびれた革ジャンを着たたくやが待っていた。 「おせーぞ!」 まだたくやの車までは遠いのに大きな声で俺に怒鳴りつけてきた。 「わるいわるい」 車に乗り込むとすぐに出発した。 「いつものバーでいいんだよな?」 もう向かっているにもかかわらず目的地を確認してくる。 最初から俺の意見など聞かないスタンスのたくやは、今日も強引にスピードを上げた。 「ところでさ、お前の彼女ってお前の夜遊びのこと、どう思ってんの?」 「どうって、そんなのなんとも思ってないでしょ」 「なんでそう思うの?」 「だって別に何も言ってこないし、なんなら家に帰ると家事全部してくれてるんだぜ」 「神彼女だな」 「まじでな」 車がスピードを落とした。 行きつけのバーが近づいてきたみたいだ。 いつもの駐車場に車を止め、バーに向かった。 カランカラン♪ 「いらっしゃい」 ひげをそらないマスターがいつもの笑顔で出迎えてくれた。 「やっほー。ジントニック2つで」 たくやは30になってもバカみたいな挨拶でマスターに注文をする。 フレンドリーというべきか。

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~SEVENTEEN “泣きたくない” 編~

    スマホの画像フォルダを見てみると、美咲と撮った写真であふれかえっていた。 2人でカフェに行った時の写真、ボーリングに行った時の写真、ふざけ合ったときの動画…。 機種変更してより高画質になった分、2年前に撮った写真も昨日撮ったかのように新鮮に思えた。 姿勢を変え、ソファに寝転がりながら、時間をかけて画像フォルダを見ているのは、きっと美咲からのLINEを待っているからだろう。 連絡が来なくなって2週間経った。 襲われたのか?みたいな心配は日本にいる限り、重たい男でしかない。 一通り、画像を見終わり、LINEが来ないことを受け止めると、スマホを放り投げ、手で顔を覆った。 「帰ってきてくれ…」 もういない美咲に向けて弱々しい独り言をつぶやいた。 ヴッ スマホが鳴った。 俺の声が届いたのかも知れない。 スマホをキャッチしたクッションの布がうっすらと光り、うつ伏せになったスマホに連絡が入ったことを確信させた。 すぐに手を伸ばし確認してみる。 ―今日飲みに行かね? ゆうた ― 美咲じゃない… 美咲だと期待していた分、悲しみも大きい。 くそ! またスマホを投げつけた。 涙が溢れそうになる。 泣きたくない… 泣いたらもう帰ってこないと認めているみたいだ。 こんなに美咲を大切にしてきたのに俺をおいてどこに行ったんだ? 俺が嫌いになって遠くに行ったのか? いくら自問自答しても、答えなんかわからない。 いつも手の届くところにおいてあるリモコンをとり、テレビをつけた。 これで少しは気がまぎれるはずだ。 有料チャンネルのK-POP PV特集が放送している。 K-POPは美咲の趣味だった。 俺に韓国アイドルについていろいろ語っていた頃はすごく鬱陶しかったが、今となってはそのすべてが恋しい…。 気を紛らわすために付けたテレビも、結局は美咲を思い出すだけだった。 あるグループのPVが紹介されている。 「seventeenの"泣きたくない"…」 簡単な紹介がおわり、曲がはじまったとたん、衝撃が走った。 泣きたくないという歌詞なのに、涙があふれだしてしまう。

  • このタイミングで聴くと最悪シリーズ~防弾少年団(BTS) “FIRE” 編~

    今回の話は、「このタイミングで聴くと最高シリーズ~防弾少年団(BTS) "FIRE" 編~」の続きです! つづきというか、ゾウ目線です(笑) ですのでまず「最高シリーズ」から読むことをオススメします!↓ e3%81%93%e3%81%ae%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%81%a7%e8%81%b4%e3%81%8f%e3%81%a8%e6%9c%80%e9%ab%98%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%ba%ef%bd%9e%e9%98%b2%e5%bc%be%e5%b0%91%e5%b9%b4/ 久々の新入りはライオンか。 故郷サバンナだと見つけたら逃げなきゃいけない危険な奴だが、ここでは屁でもない。 それに群れでもないならなおさらだ。 「お前さん、新入りか?」 グルルルルと音をたてながらこちらを振り向いた。 「おい、ここはどこなんだ?」 ライオンが今にも飛びかかりそうな姿勢をしながら話しかけてきた。 態度のでかいやつだ。 こいつはまだ自分のことを百獣の王だと思ってやがる。 「ここはサーカス場だよ」 「サーカス?」 「そんなのも知らないのか。サーカスっていうのは人間たちに面白いショーを見せるところさ」 「なぜそんなところに俺はいるんだ?」 あぁ、質問が多い。 いくら百獣の王といえど、急にこんなところに連れてこられたら落ち着かないようだ。 「きっと麻酔銃で撃たれてここに連れてこられたんだろう。俺もそうだったからな」 「まあいい、早くここから出してくれ」 「できるわけないだろ。それができりゃとっくにそうしてるさ」 「おい!なら俺はこれからどうなるんだ!」 「そうだな…きっとお前は火の輪くぐりをさせられるだろうな」 「火の輪くぐりだと? 火は嫌だ!失敗したら死ぬじゃないか!」 「せいぜい失敗しないことだな。はっはっは」 するとライオンのもとに肉を持った人間がやってきた。 ライオンが喜んで食べているのが見える。 けっ

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~FTISLAND“パレ(I HOPE)”編

    1日が過ぎて、1か月が経った。 まだ連絡がこない。 突然シネは出て行ってしまった。 ―ねえホンギ、私、もう無理…― その文章が最後だった。 * 「おい、ホンギ!いつまでその仕事に時間かかってんだよ!」 椅子に座ったまま、みんなに聞こえるほど大きな声で俺を怒鳴り上げた。 自分の心臓が速度を上げていくのが分かる。 「すみません。すぐ終わらせます」 「お前、最近全然集中できてないじゃないか」 「すみません…」 「今日ちょっと時間あるか?」 突然の質問にまったく意図が読めず、返答に時間がかかった。 しかし、先輩の怒りを鎮めるためには、NOという回答はあり得ない。 それに時間はあった。 「えっあ、はい。大丈夫です」 「退勤したあとメシに行くから準備しとけよ」 「はい…わかりました」 なんだろう急に? 最近ミスばかりする俺に嫌気がさしたのか? まあ別にいいや。 怒られるのなんてどうでもよかった。 * 「じゃあ生ビール2つで」 にぎやかで安っぽい居酒屋だ。 ここに来た時点で、すでに先輩の怒りは静まったようにみえた。 「先輩、突然僕になんの用でしょうか?」 「まあ待て。酒を飲みながら話そう」 待っている間、ぎこちない時間が流れる。 安さが売りの居酒屋で、客もそこそこ入っていた。 ビール2つにどれほど待たせるんだと思いつつも待つしかなかい。 「すみませんお待たせしました。生ビール2つです」 アルバイトらしき店員が急ぎ気味でビールを持ってきてくれた。 忙しい時間帯なのだろう。 すぐに他の仕事をしに向かった。 「じゃ、それじゃ乾杯!」 なんだか先輩は仕事しているときとは雰囲気が違って見えた。 少し明るく、とっつきやすく感じる。 「先輩。さっきの話のつづきです。なんで今日ぼくを誘ってくれたんですか?やっぱり最近ミスばかりするからなんでしょうか?」 「そうだよ。なにかあったんだろ?」 思い当たることは1つある。 シネ… でも先輩に言うような話ではない。 「そんな特には…ないです」

  • このタイミングで聴くと最悪シリーズ~TWICE “Like a fool”編~

    これは大人気だった「このタイミングで聴くと最高シリーズ~TWICE "like a fool" 編~」の続きです! まだ読んでない方はまずはこちらから読んでみてください!↓ e3%81%93%e3%81%ae%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%81%a7%e8%81%b4%e3%81%8f%e3%81%a8%e6%9c%80%e9%ab%98%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%ba%ef%bd%9etwice-like-a-fool/ 結局逃げてしまった。 肝心なところで俺はいつもそうや… ぼろぼろの橋を渡りきり、後ろを振り返ると、もうそこにモモの姿はなかった。 もう帰ったか。 この橋がとり壊されると俺の帰り道は反対方向からぐるっと回ることになる。 つまりモモと一緒に帰れなくなる。 俺にとって、橋での思い出なんかどうでもよかった。 モモと一緒に帰れない、それが嫌だった。 橋が取り壊されるのはもう決まったことだ。 俺にはどうすることもできない。 今俺にできることは、この橋が壊れる前にモモに想いを伝えること、それだけだ。 [次の日] キーンコーンカーンコーン♪ 下校のチャイムが鳴る。 いつものように教室を出て、校門前でモモの姿を待った。 「たいち。おまたせ」 なんだかモモの雰囲気がいつもと違うような気がした。 昨日あんな風に分かれたせいだろうか… 「おせーよ、早く行くぞ」 「ちょっと待ってや」 こんな風に一緒に帰れるのもあとわずかしかない。 早く想いを伝えないと。 「たいち、昨日何言おうとしてん?」 モモは少し顔を赤らめ、靴の先の方を見つめていた。 「なんのこと?覚えてへんわ」 正直になれない自分が情けなかった。 「あっそ。ならええわ」 足がすごく重たい。 時間がいつもよりもゆっくりと進んでいるように感じた。 何か話さなきゃ! でも何も思い浮かばない。

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~EXO “Don’t go(나비소녀)”編~

    少し町から外れたところに、花屋さんができた。 いつもは横目で見て通り過ぎるのだが、今日は用があった。 カランカラン♪ 花の香りが俺を一気に包み込む。 「いらっしゃいませー」 奥の部屋から店員が出てきた。 天使だ… すごくきれいな店員さんだった。 「なんの花を探しに来たんですか?」 にこっと笑いながら俺に話しかける。 「え、えっと母が入院しているのでそのお見舞いに持っていく花を…」 「あぁそれでしたら!」 そう言って赤や白で光り輝く花束を持ってきた。 「これ、ダイヤモンドリリーっていう花なんですよー」 「ダイヤモンドリリー、、」 「はい!すごくきれいでしょ?日があたるとまるで宝石のように光り輝くからそういう名前が付いたんです!」 確かに輝いている。 まるで俺の心を表しているようだった。 店員はさらに説明を続ける。 「花言葉は『また会う日を楽しみにしています』です。遠回しに早く元気になってくださいって伝えているんです」 俺の心を見透かされたような花言葉だった。 この店員にまた会いたい… 「これ買います」 「はい!ありがとうございます!"また会う日を楽しみにしています"!」 そう言って、またにこっと笑っている。 こんな感情久しぶりだ。 店をでたあとも、あの店員さんのことが忘れられなかった。 ダイヤモンドリリーは今も光り輝いている。 浮いた心のまま母の病室に向かった。 ガラガラ 「母さん、具合はどう?」 「うん、大丈夫。順調に治ってるって。このままいけば1週間後には退院できますよーだって(笑)」 「よかったー。これ、ここに来る前にかったダイヤモンドリリーっていう花。ここに飾っとくね!」 日が差し込み、一番光り輝くところに飾った。 「あら、何かうれしいことでもあった?さっきからずっとにやけちゃって」 「母さんが順調に治ってるからだよ!」 「いーや、母さんにはわかるよ。恋でしょ?(笑)」 ずばりと言い当てられた。 母とはすごい。 一応否定する。 「違うよ!」 「ふーん。まあ恋したお前にとっておきの曲を聴かせてあげる」 「だからちがうってば」

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~WINNER “REALLY REALLY” 編~

    「非常に残念なお知らせがあります。今月の末で美咲さんは転校することになりました」 「えっ…」 時が止まったようだった。 下を向きうつむく奴、馬鹿みたいに大声をあげている奴、美咲と顔を合わせながら泣き出しそうな奴。 俺はそのどれにも入らず、ただ、茫然としていた。 頭の中が真っ白になり、現実を受け入れられなかった。 「そういうことなので、皆さん。最後まで仲良くして、いい思い出を作りましょう。さようなら」 美咲は暗い表情を浮かべながらも、「まだ先のことだよー」と言い、いつもの下校メンバーと教室を出て行った。 「おい、かける!美咲ちゃん、転校しちゃうってよ」 「うん…」 「何ボーっとしてんだよ!やばいじゃねえか!」 「やばいって何が?」 「はぁ?もう会えなくなっちゃうんだぞ!」 「しょうがねえだろ、転校なんだから」 「気持ち、伝えないつもりなのか?」 「伝えたって会えなくなるなら意味ねーじゃん!」 吐き捨てるように言い残し、教室を後にした。 美咲とは幼馴染で、昔はよく一緒に遊んだ。 小学5年生になってようやく同じクラスになったけど、お互い恥ずかしくて、特に何もないまま時間だけが過ぎていった。 これから一緒の中学に行って、高校に行って、その過程でいつか想いを伝えるんだと勝手にそう思っていた。 それなのにこんな風にお別れが来るなんて… 帰り道の足取りは重く、少し長い赤信号にもイライラする。 「ただいま」 「お帰り。あんた、美咲ちゃんのこと聞いた?」 「聞いたよ」 「北海道に行っちゃうんだって」 北海道… 「あっそ」 部屋に入ると、ベッドに体を投げ込んだ。 「美咲…もう会えないくなるんだ…」 美咲がいなくなるなんて考えたことがなかった。 そのくらい当たり前の存在で、好きでいられることがこんなに贅沢なことなんだと身に染みて実感した。 『気持ち、伝えないつもりなのか?』 ゆうきの言った言葉が、胸に突き刺さる。 どうすればいいんだ。 告白したところで美咲がずっといてくれるわけではない。 ただの自己満足。 それでも… すると突然、音楽が聴こえてきた。 K

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~TWICE “Like a fool” 編~

    「じゃあまた明日!」 「うん、バイバイ!また明日!」 学校が終わって毎日、この橋まで一緒に帰る。 この橋まで幸せな時間を過ごして、この橋でお別れの挨拶をする。 そんな境目がこの橋だ。 幸せの象徴でもあり、悲しみの象徴でもあるこの橋が、今回取り壊されることになった。 「あの橋、なくなっちゃうね」 「うん、そうだね。でもモモには関係ないやん?あの橋使わんし」 たしかにうちはあの橋を渡るたいちの後ろ姿を見るだけやった。 「関係なくないし!やっぱり、ほら…思い出やん」 「思い出?この橋で何か特別なことってあったっけ?」 「いや…やっぱ何でもない」 たいちは忘れたんやろな。 * うちちがまだ5歳くらいの頃… 親と一緒に連れられてこの橋にやってきた。 まだ背が小さかったから、橋がものすごく大きく見えて、お城に来たような感覚だった。 とてもロマンチックで、うちは今でも忘れることができひん。 「モモちゃん、おっきくなったらぼくとけっこんしてね!」 「うん!」 「やくそくだからね!」 「うん!」 * きっとうちは「うん」としか言ってないはずや(笑) あの頃から恥ずかしがり屋だったから。 そして、高校3年になった今でも気持ちを伝えれてない。 たいちが告白してくれたこの橋ももう壊されてしまうねんな… あの頃はお城に見えたこの橋も、今では老朽化の進んだぼろぼろの橋や。 「あ、いまこの橋をみて思い出した」 「え?」 「告白したよね?俺たちがまだ幼稚園のとき(笑)」 「うん!」 「あのときまさかモモの方から『けっこんしよう』なんて言い出すとは思わへんかったで(笑)」 「え!違うやん!『けっこんしよう』って言ってきたのはたいちの方やん!」 「いや絶対モモの方から言ったって!」 「いーや!たいちや!」 「じゃあわかった。いま改めて言うわ」 「えっ?」 「俺は、モモと…」 ドキドキ… 心臓が止まりそうや… 「じゃあね!(笑)」 「あっ!ちょっと!」 たいちはそのまま橋を渡って行ってしまった。 もう! なんやねん! うちは本気なのに!

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~CNBLUE “イロケイェッポンナ(yor’re So Fine)”編~

     \ 長いまつ毛に、白い肌 きれいな黒髪に、大きな目。 「うわ、ほんとにきれいだな!お前よくやったよ!」 「そうだろ!」 みゆきと一緒に撮った写真を見て友達たちが驚く。 この為に美咲と付き合ったわけではないが、こんな風に言われるとやっぱりうれしい。 つい自慢したくなる。 「ほかにもこんな写真もあるんだぜ!」 「うわ、ほんとにどれもきれいだな~。てかお前、なんでこんなに写真もってんだよ(笑)」 「お互いが忙しい時、自撮り写真で返事してくれるからな(笑)」 「なんだよそれ~羨ましすぎる!」 「ほら、これとかアプリで猫耳なんかつけてさ(笑)」 「うるさいな―、のろけ話はもういいって(笑)」 ピロン♪ 「あ、LINEがきた!」 「なんてなんて?」 ―今どこ? 会いたい!- 「だって(笑)」 「うわーーーー!!!羨ましすぎる!さっさと帰れ!(笑)」 「うん、じゃあね!」 ―今友達と別れていつものカフェに来てるよ!- 送信 ピロン♪ ―そうなんだ! すぐ行く!- 家からは少し離れたこのカフェは海が見えて、空が明るい。 俺のお気に入りの場所で、彼女と初めて出会った場所だ。 彼女と会うときはいつも決まってここだった。 「お待たせ!」 髪をショートに切って、明るく、可愛らしい雰囲気になった彼女がやってきた。 「髪切ったんだ!すごく似合ってる!」 「そう?ありがと(笑)。一番に、たいちに見せたくて(笑)」 キュン! 男たちはみんな一緒だ、最初だけ優しいって言葉を聞いたことがある。 君を見ていると、そんなこと言葉が嘘だということが分かる。 最初だけなんて無理だ! 毎日がこんなにも新しく新鮮なんだから! 「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」 「じゃあ俺はアイスコーヒーで。みさきは?」 「私は、レモンティーで」 「かしこまりました。」 美咲を見ていると、幸せに満ち溢れる。 俺をみて、クシャっと笑う笑顔は、天使そのものだった。 「なんでそんなに見つめるの?(笑)やっぱり髪の毛切ったの変だった?」 そう言って少し恥ずかしそうに笑う美咲。

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~IU “Rain drop”編~

    IUの"Rain drop"はIUの中でも特に好きな曲です! そんな僕にとって特別な曲でストーリーを作りました! MVと思って読んでみてください(笑)

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~IKON “APOLOGY” 編~

    もう4年ほど前の曲になりますが、未だに色あせないIKONの名曲"APOLOGY" 彼女と嫌な別れ方をしている人必見のストーリーです!

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~BLACK PINK “STAY”編~

    「じゃ、行ってくるね」 「…うん」 毎日午後10時、彼が友達と遊びに行く時間だ。 それ以上は何も知らない。 誰と、何をしているのか、なにも知らない。 なにも聞かない私をどう思っているのだろう。 心の広い人だと思っているのだろうか。 鈍感でだましやすい人だと思っているのだろうか。 彼がどう思っているかなんて関係ない。 私は彼が好きだから。 彼が出かけたら、まず、部屋を片付ける。 脱ぎっぱなしの靴下とジーパンを洗濯機に放り込み、飲みかけの缶コーヒーを捨てる。 読み途中の漫画を本棚に戻し、ぐちゃぐちゃな寝具を整える。 いつ帰ってきてもいいように、ご飯を作る。 いつ帰ってくるか分からないから、温めたらおいしく食べられるようなものを作る。 カレーとか、野菜炒めとかで、麺類は伸びるから作らない。 彼にとっては当たり前のことだし、私ももう習慣になった。 それでも、許せるのは彼のことが好きだから。 1度こう聞かれたことがある。 「どうして俺なの?」 私にもわからなかった。 彼じゃなきゃいけない理由はわからないけど、彼にそばにいてほしかった。 「あなたが好きだからだよ」と答えると、「ばかだね」とかえってきた。 ばか… 鋭く、冷たく、痛い言葉だ。 嫌いな言葉だ。 彼は相変わらず無表情だから、私もつい無表情になってしまう。 もっと痛みを表現しなきゃいけないのに… 彼につらいと伝えたい でも伝えてしまうと、彼は私のそばから離れて行ってしまうだろう。 私は我慢という猛毒を耐えるしか、幸せを感じることができない。 ふと、目の前にある鏡を見上げた。 そこには、やつれて、無様で、どうしようもない女がいる。 こんな女嫌だ。 私はもっときれいになって、彼に愛されたい。 すぐに思い浮かんだのが、BLACK PINKのジェニーだ。 彼女のように美しく、強くなりたい。 スマートフォンを取り出し、曲を流した。 BLACK PINKの"STAY" BLACK PINKの中でも、最も切なくて、最も感情的な曲。 聴いているうちに涙があふれてきた。

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~ITZY “DALLA DALLA”編~

    化粧は完璧 髪の毛も整えた 久しぶりに会うのだから、馬鹿にされたくない。 それがたとえ昔仲の良かった友達だったとしても。 連絡があったのは1か月前のこと 「ユナ、久々にうちらで会わない?大学卒業するタイミングだし」 久しぶりの連絡に既読するのをためらってしまう。 「いいね!久々にみんなで集まりたい!」 「やった!なら1か月後の3月10日はあいてる?」 「うん!大丈夫!」 「よかった!久しぶりにみんなの近況とか、将来とか語り合おう(笑)」 やっぱりそうだ。 私のツイッターを見たんだ。 あんなこと書くべきじゃなかったのかもしれない。 「うん!」 高校の近くの居酒屋さんで私たち仲良し3人組は集まった。 当時はお酒が飲めずにソフトドリンクを注文していたのも懐かしい。 「ユナ!久しぶり!」 もう2人とも集まっていた 「久しぶり!待った?」 「いや!ぜんぜん!さ、座って座って!」 久しぶりに会った2人は少し大人びていた。 もうそこに昔のやんちゃな面影はない。 レモン酎ハイと枝豆を食べながら昔話に花を咲かせた。 「花子先生、いつも怒ってたよね(笑)」 「あの教室でいつも恋バナしたよね」 「今、たかし君何してるかな」 これは本題ではないことは分かってる タイミングを計っているのだろう。 「恵子は就職決まったの?」 「うん、決まったよ!JAL!」 「へー!そうなんだ!すごいね!」 「ありがとう!みさきは?」 「私は、銀行員!」 「へぇー、みんな頑張ってるんだね!」 「ユナは?」 やっと聞きたかったことが自然に聞けた、というような安心した表情をしている。 知っているくせに。 「私は、アイドルになる為に韓国に行くの」 興味心がふつふつ沸いているのが分かる。 新しいおもちゃを見つけたときのような顔だ。 「アイドル?ユナってそんなのに興味あったの?(笑)」 ばかにされることにはもう慣れている。 「うん、小さい頃からの夢だったんだー」 「ふーん、やめた方がいいんじゃない?」 「なんで?」 「私たちもう大人じゃん。もっとちゃんと将来を考えないと」

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~TWICE “Do it again(タシヘジョ)”編~

    サナが主役の小説です! 「このタイミングで聴くと最高シリーズ~GOT7 "A"編~」の続きでもあります!

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~GOT7“A”編~

    GOT7の"Aは"歌詞が大好きな曲です! それにMVに出てくるtwiceサナもかわいすぎ! ということで、ヒロインはサナです(笑)

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~IZ*ONE“La Vie en Rose”編~

    私の夢…それは女優になること 今日の結果次第ではその夢はかなう 「行ってきます!」 玄関を出るとたちまち緊張に襲われた。 これは最後のチャンスだ。 私はもう24歳 この歳になってくるとやってみたい役もできなくなってくる 会場には私くらいの年齢の人たちが山ほどいた こういう時、みんな素人のはずなのに、プロの女優さんに見える 「すみません、応募していたユリです」 「ユリさんですね、受付番号89番になります。呼ばれたらオーディション会場にお入りください」 「はい、わかりました」 よりいっそう緊張してきた 私の番号は89番で私の後ろにも列は続いていた。 いったい何人が合格するのだろうか ヒロイン役の倍率は、いったいどれほどのものだろうか… 「では、オーディションを開始します。1番から5番の方、オーディション会場に入ってください」 はじまった みんな同じように緊張しているはずなのに、堂々としている。 中にはすごく美人の人や、大手事務所に所属している新人女優なんかもいて、私、ここに何しにきたんだろうとすら思えてくる。 こんなんじゃだめだ。 私は夢をかなえるためにここまでやってきたんだ! 「では85番から90番の方、お入りください」 私の出番がきた。 会場にはいると、作品の監督、主役である菅田将暉、あとよくわからない偉そうな人が3人いた。 「それではオーディションを始めていきます。まず、この菅田くん相手に告白してもらいます」 うわ… 告白なんてやったことすらないのに… 「では85番の方から順番にお願いします」 「はい!菅田君…私ね、最初に会ったときから菅田君のことが好きだったんだ…付き合ってくれない?」 「ええで、俺も好きやったからな」

  • このタイミングで聴くと最高シリーズ~防弾少年団(BTS)“FIRE”編~

    目をあけると、そこには別世界が広がっていた。 大きな玉、一輪車に、空中ブランコ 変なメイクをした人間に、大きな人間、小さな人間、さらにヒュージャックマン… いったいここはどこなんだ? 「お前さん、新入りか?」 振り向くとそこには、オシャレで大きなゾウがいた。 こいつを襲えば何日分の食料になるだろうか 「おい、ここはどこなんだ?」 「今回の新入りは口が悪いな。ここはサーカス場だよ。」 「サーカス?」 「そんなのも知らないのか。サーカスっていうのは人間たちに面白いショーを見せるところさ」 「なぜそんなところに俺はいるんだ…?」 「きっと麻酔銃で撃たれてここに連れてこられたんだろう。俺もそうだったからな」 「まあいい、早くここから出してくれ」 「できるわけないだろ。それができりゃとっくにそうしてるさ」 「おい!なら俺はこれからどうなるんだ!」 「そうだな…きっとお前は火の輪くぐりをさせられるだろうな」 「火の輪くぐりだと? 火は嫌だ!失敗したら死ぬじゃないか!」 「せいぜい失敗しないことだな。はっはっは」 そんな… 火は絶対に無理だ。 母さんから、火を見たらすぐに逃げろと教わったんだ。 「おいライオン!」 ムチをもった人間が俺に話しかけてくる 何様のつもりだ、食ってやるぞ 「いきなりこんなところに連れてきて悪かったな」 ん?この人間、俺にあやまっているのか? 「まずは飯だ、ほら、食え」 うわ!肉だ! それも食べやすいサイズじゃないか! いつもなら群れで行動するから、めんどくさいライオン関係を気にしなきゃいけないし、何日も食べ物にありつけないこともある。 こいつ…いい奴だ。 「飯くったら、火の輪くぐりの練習をするぞ」 火…それだけはむりだ。 俺、火は世界一苦手なんだ… 「最初は火のついていない輪をくぐる練習から始めよう」 これなら大丈夫 火がないと楽勝だ。 「よし、さすがだな」 この程度でほめてくれるのか やっぱこいつ、やさしいな。 「じゃあ火をつけてやってみるぞ。明日はお客さんの前で披露するんだ。今日中にできるようにならなくちゃいけない」 なに!

  • このタイミングで聴くと最悪シリーズ~(G)I-DLE“Senorita”編~

    今回は「このタイミングで聴くと最高シリーズ~(G)I-DLE "Senorita"編~」が人気だったため、最悪バージョンを書きました! 最高シリーズを読んだあとで、こちらの最悪シリーズを読むと面白さ倍増すると思います! e3%81%93%e3%81%ae%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%81%a7%e8%81%b4%e3%81%8f%e3%81%a8%e6%9c%80%e9%ab%98%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%ba%ef%bd%9e%ef%bc%88g%ef%bc%89i-dlesenor/ では、ご覧ください! 図書館で働く人なんて、だいたい同じような人だ。 本ばかり読んできた人生で、人間関係も得意ではない 眼鏡だし、髪はぼさぼさだ。 太っているわけではないけど、服装には無頓着。 5年前に新しく入ってきた、明子さんもそんな人だった。 私はそんな明子さんを見て仲間ができた気分だった。 自分と同じような人は、他にもいるのだと安心した。 それに話してみるとすごく気が合った。 面白い本を紹介しあったり、感想を言いあったり。 明子さんと会うのが楽しみになった。 そんなある日、明子さんがいつもと様子が違うことに気付いた。 なんだか色めきだっているような、テンションが高い感じだった。 私はてっきり、面白い本を見つけたんだと思った。 「明子さん、どうしたの?やけにうれしそうだけど(笑)」 「いま、わたし、恋したかもしれません…」 明子さんの口から「恋」なんてワードが出ることなんて想像すらしていなかった。 いや、これは本に恋をしたという意味にちがいない。 この時の私は本気でそう思った。 でも1週間後、再び明子さんに会ったとき、私は驚愕した。 眼鏡で髪はぼさぼさだったはずの明子さんが、別人になってしまっていたのだ。 茶色に染まった髪、化粧、ミニスカでコンタクト… 「ねえ、その服装…どういうこと?」

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