このタイミングで聴くと最高シリーズ~Block B “yesterday” 編~
「はぁ、一睡もできなかった…」 朝の4時。 鳥が活発に動き始め、新聞配達のバイクの音が聞こえだした。 美咲は誰とご飯を食べて、何時に家に帰ったんだ? そもそも家に帰ったのか? 「はぁ~イライラする…」 スマホをひらく。 ―11時4分 いま友達とご飯食べてるから、また連絡するね! 既読― ―11時10分 今誰とご飯食べてるの?- 結局、いまだに既読はついていない。 その代わりにLINEのプロフィール画像は美咲がワインをもってきれいに写っている画像に変わっていた。 化粧も、やけに美しくしているし、背景はオシャレなバーである。 「これ、絶対、写真撮ったの男だろ…」 つい独り言がもれる。 美咲にはいったい何人の男がいるんだ? 美咲と一緒にいるときは、常にスマホの画面を下向きに置いてあるし、スマホは休むことなく震えていた。 本当にとんでもない女を好きになってしまったな、と思う。 ふと、美咲に出会った頃のことを思い出した。 大学1年のはじめての授業のとき、たまたま隣の席に座ったのが美咲だった。 何を学ぶための授業だったかはもう忘れたが「隣の人に自己紹介してみましょう!」と先生が言い出した。 こういうのはすごく苦手で、「俺、こういうの苦手なんだよね(笑)」と素直に言うと、美咲は「私もなの(笑)」と顔を赤らめて笑った。 美咲には、"自分はすごく美人なのに、自分ではそれに気づいていない"という感じの魅力があった。 簡単に言えば、純粋そうな子だ。 男性と付き合ったことなんて1度もないんだろうな、とすら思ったほどだ。 それが、すべて美咲の計算だったかは知らないけど、実際は俺のイメージとはかけ離れた女だった。 美咲の顔をSランクだとすると、俺はAだと思う。 自分でこんな事思うのは気持ち悪いかもしれないが、実際に、顔はそんなに悪くない。 きっとそのおかげで俺は美咲と仲良くなれた。 今でも俺は美咲のなかでの1番だと思っている。 いや、信じている、なのかもしれない… ふと、時計を見た。 もう7時を回っている。 急いで大学に行く準備をしないと。 * ヴーーー スマホが鳴った。
2019/03/31 19:00