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2019/03/12

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  • ■ 年末だけど普通の日

    「こんなところで会うとはな」 やはりこれも死を目前にした気まぐれか。 いつもなら気が付いてもとくに絡むこともなくスルーするところだが、 今日はなぜだか少し話してみたい気分になった。 「・・・赤い花の王」 相手も会議中から文明の存在には気が付いていたのだろう。 声をかけられ、相手も足を止めた。 そして、自分よりもほんのわずかに身長が高い文明のことを、 特徴的なダ…

  • ■ 2020作品を振り返る

    驚いて明成を見ると、いつもと変わらない表情でこちらを見ている。 まな板の上には明成が飾り切りしていた二十日大根・・・。 「おい・・・、食べ物をむやみにパイライト化するのはやめろ」 現代が低く抑えた声で言う。 大体、当たったらどうするつもりだ。 こんなものがこめかみや首の血管にでも刺さったら即死だ。 「私がそんなミスをすると思うか」 「人の心を勝手に読むな、・・…

  • ■ もっと他にあるだろう!

    「なるほど、最近『藤のや』で現代を見かけなくなった理由がようやくわかりましたよ。 こういうことだったんですね」 「・・・そういうことだ」 ふーふーとグロッギにそっと息を吹きかけて冷ましながら、 現代がどこか気まずそうに視線を逸らしつつ答える。 やはり猫舌というのも事実らしい。 「ちなみに、近衛さんのごはんで一番好きなメニューって何です?」 「それは私も今後の…

  • ■ 息抜きにゲームを語る

    「ち・・・違うんだ、これは・・・てか、なんでおまえら勝手に人の部屋に・・・」 この状況はあまりにも分が悪い。 祐季也が三悠と二人を交互に見ながらしどろもどろになって言うと、 ジュンが何かを思い付いた顔をした。 「・・・あ、そうだった。 ユキちゃんにこれを返そうと思って来たんだった。 はい、ありがとう」 「へ?」 とことこと歩いてきたジュンに渡されたものを反射…

  • ■ 重症なストック魔

    年配の店主の声に、一史は「こんばんは」とにこやかに会釈しつつ、 ベンチに腰かけて左隣の先客のほうを見た。 だが、相手のほうは一史の視線になど全く気が付かない様子で、 ぼんやりと目の前のおでんの具材を見つめている。 そういえば、この男にはまだ一史がこの土地で新たな生活を始めていることを 知らせていなかったことを思い出す。 「寂しいなあ。 僕の声と空気感忘れちゃいました…

  • ■ 音楽データと手帳の話

    −−− やあ、火を貰えるかな。 バーの裏の囲われたスペースで煙草を吸う細いデニムに白シャツの美少女・・・ いや、美少年だろうか。 ステージ上にいた格好よりずっと小さく華奢に見えるが、 素体の美しさが際立つこちらの服装のほうが好ましいと明成は思った。 相手は明成の声に驚いたように一瞬びくっと肩を震わせたが、 こちらの顔をちらりと横目で見ると、無言でライターの火を差し…

  • ■ シャッフルしよーよ

    「きみの買ってきてくれたほうれん草、ベシャメルソースとの相性が抜群だ」 優雅な動作でダイニングに料理を運ぶ明成が嬉しそうな顔で言った。 目の前には、美味そうなクリームシチューとグリーンサラダ、白ワインが美しく並ぶ。 まるで高級レストランだ。 「ベシャメル・・・?」 「クリームシチューを作る際に使用したソースだ」 「それも自分で作るのか?」 「今日は時間があった…

  • ■ 関節は動いてほしい派

    だだっ広いリビングに戻り、カップの蓋を開ける。 その際に、アイスクリームと一緒に受け取っていたスプーンをわざと床に落とした。 カラーンという派手な音とともにスプーンが床に転がった。 「・・・おっと、手が滑った。 基村、拾って新しいものと替えてきてくれ」 「はい」 静かに返事をした基村はそっと床に落ちたスプーンを拾い上げるとキッチンまで行き、 別のスプーンを持ってき…

  • ■ 今日から毎日ホリデーw

    「クク、苦しそうだな。 久しぶりに味わう私の薬の効果はどうだ、ムルジム?」 「・・・そういえば、あなたが付けた名前だったな」 ふと先週の電話を思い出す。 −−− ムルジム。 二度目のそれはまたべつの未登録番号だった。 開口一番、その怪しい笑いを含んだ声にはあまり聞き覚えはなかったが、 先の電話と同じ国番号で、そのコードネームで現代を呼ぶ人間がいるとすれば答えはひ…

  • ■ 相変わらずの元上司w

    「・・・それで?」 食後に二人分の茶を淹れてきた近衛は再び椅子に着席し、正面から智の顔をじっと見た。 久しぶりに美味い飯を食べ、心身ともに満たされて少し夢心地になっていた智は、 近衛の穏やかながらも真面目な声に、 改めて自分が何のためにここに来たのかを思い出し、慌てて姿勢を正した。 「はい?」 「どうして住宅の営業をしていたきみが、 夜の街で心寂しいおじさん…

  • ■ カスタマイズ欲求

    文明にはまだ玲良が必要なのか。 その質問の答えを一番知りたがっているのは、ほかでもない玲良本人だというのに。 「・・・あいつがたまにあんたのことを考えているところを見ると、いたたまれない気分になる」 「きみも案外しつこい性格だな。 いつまでもくだらないことを気に病むな。 大体、あれはきみのためにやったことじゃない」 文明の��戒め�≠�解き、スーパーノヴァを止め…

  • ■ やっと本編に入れそう♪

    気が付くと男は広間の中心的な存在になっていた。 この会合恒例のダンスタイムが始まるころには、 女性たちの熾烈なバトルが水面下ですでに勃発していた。 男性たちもそれに嫉妬するどころか、我先にと自分の組織をアピールしようと牽制しあっている。 すでに男女関係なく、その場の誰もが男の視線を自分に向けてもらおうと必死だった。 男は退屈そうな瞳とは裏腹に、その口元にはどことな…

  • ■ 欲望だけで生きてる!w

    「そうだ、たぶんあんたは孫娘を救いたかったんだろう。 病魔に巣食われた母が余命数日と聞いて、祖母も毎晩泣き腫らしていたという話だからな」 その話は知らない。 男は、現代が時郎の母に種を飲ませたという事実のみを語り、 その理由についてまでは教えなかったからだ。 「石屋は俺に、自己保存欲のない人間だと言った。 それが黄金の花の特性だ、とも。 あのときはまだ、石…

  • ■ 出張と旅行からの帰還

    「・・・きみはもう少し信じることを覚えなさい」 「えっと・・・ちゃんと信じて、ますよ・・・?」 ちろりと明成を見て答えると、明成はゆるく首を横に振った。 「私じゃない。 きみ自身のことだ」 「・・・僕、自身・・・?」 「研究所や整った設備の中にいなくても、その優秀な頭脳や技術を十分に発揮していなくても、 そうして何も持たず、何も着ていなかったとしても、 きみ…

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雪混じりの雨の夜、突然目の前に三日月が落ちてきた。
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