交通事故処理ならお任せ? 自賠責保険、弁護士、被害者請求?休業損害!架空の保険共済会社「じこたん交通共済」の部長と見習いが様々な案件について解説!
先週から出張が続いて少し滞ったことをお詫びしたい。今日は先だっての勉強会で出た話題で、訪日観光客の関与する交通事故について確認したい。 事故担当者の集まりでみんな言っていたやつですね。 うむ。保険請求の際にいろいろと面倒なことになるケースが多いからよく確認しておきたい。 訪日客による事故で多いのは断トツで歩行者(訪日客)×車輛のケースで、日本の道路交通のルールを無視した動きをする訪日観光客歩行者の動きに対応しきれずに事故が発生するケースが多くなっています。 問題点はいくつもあるが、まず第一に、留学やビジネスと異なり、彼らの滞在は基本的には短期間の観光だ。事故がよほど大きければ別だが、基本的には…
今回は同意書に基づく医療情報の照会についてだ。 同意書をなかなか送ってもらえないケースはかなり困ります。 届かないと何も出来ないからな・・・。少し、同意書について説明しよう。 はい。同意書、というのは要するに個人情報にアクセスすることについての同意なんですが、我々がお願いするのは診断書や診療報酬明細書を取り付けますよ、それをもって治療費用を支払いますよ、という内容です。 加害者側保険会社や我々共済の加盟会社なんかが治療費を負傷者に代わって支払う場合、病院は診断書、診療報酬明細書をもって、どのような治療を施したためにいくら請求する、という形式をもって請求を立てる。ところがどのような治療を施したの…
週末おなじみの安全講習の時間だ。今回は最近の車輛によくとりつけられている様々な安全装備について触れたい。これらは事故防止において重要な役割を果たすものであると同時に、新たな事故を生みかねない危険もはらんでいる。今回はメリット・デメリット双方の観点から車輛の安全装備について取り上げようと思う。 センサーで自動でブレーキがかかるものやレーン維持、自動車庫入れ、スマートライトなど最近では様々な運転支援技術が車輛に導入されています。 こういった安全装備や車輛運転を支援する装備の話題になると決まって出てくるのがそもそも論、すなわち、そもそも本当にそういった装備が必要なのかどうか、ということだ。結論からに…
今日は休業損害の三回目ということでアルバイトや家事従事者、いわゆる主婦休損というあたりに触れます。 簡単な主婦の休業損害から行こう。条件はそんなに多くない。 ・基本は実治療日数で1日5700円。怪我の状態によって実日数の二倍を上限とすることが出来る。 ・代替労力を利用した際には看護費用に準じて妥当・必要な実費 ・一人暮らしの人は対象外。あくまでも同居人のことも含めて家庭内の家事をもっぱら行っている必要がある ・同一住居内で家事を行っている証明として、世帯全員の記載されている住民票提出を要する 弁護士の場合は主婦であっても賃金センサスを使いますね。 賃金センサスというのは、要するに国民みんなを調…
今日は休業損害の続きですね。 うむ。特に問題が複雑になりがちな自営業者のパターンを今回取り上げる。自営業の場合、当然ながら休業損害の証明書は意味をなさない。自分で自分のことを立証するわけだからな。従って、実際の休業期間を採用するかどうかは怪我の状況にもよることになる。入院していれば当然その全ての期間について仕事をすることは出来ないし、通院治療であっても、骨折など、明確に就労不能と見なせるものや医師の判断で就労を制限したほうが良い状況であることが診断書等で明らかである場合などについては実際に休業した(と負傷者が主張する期間)を認めても良いだろう。 実務的には全期間については認めないケースも結構あ…
休業損害の続きをやる予定だったが、先に弁護士対応についてひとつ記事をあげる。 ついさっきまで弁護士からの請求書を見てめっちゃ怒ってましたもんね。初の一日2回投稿ですね。 うむ。まあ、請求書はあまりにも杜撰だったからな。今回の記事についてはその件よりも改めて「弁護士基準」とは何かを考えたい。 弁護士基準とは裁判基準 言うまでもないことだが、弁護士基準とは裁判の基準だ。実際に裁判で判例として認められる慰謝料額を一つの目安としているわけだが、アンドウ、どうして弁護士基準と任意保険の基準はこんなにも金額が違うと思う? 弁護士が法的に許されたボッタクリ装置だからでは? 弁護士関連の案件で私以上にやさぐれ…
事故で負傷し仕事を休む。この場合に休業損害が保険会社から支払われることは多くの人が知っていると思う。しかしながら、休業損害が「認められる」「認められない」や金額の多寡はいつもついてまわる争いの種になっている。今回はその根元にある認定の基準について少し掘り下げて考える。 休業損害でモメるのは個人的に、本当に嫌だなと感じます。はっきり言って不当な請求としか思えないような請求も頻繁にありますし、結果的に自賠責保険の枠を圧迫するだけのものですから、慰謝料の先取りのような扱いに、もう法的にそういうことにしてしまっても良いと思います。 実際、自賠責でも普通の勤め人の給料損は埋まるからな。その上に更に慰謝料…
土日だけのつもりだったのですが、緊急更新です。まあ、祝日だしいいでしょう。 この間の土曜日の分、報告書回ってきたからよ。デカい自損やらかしたみたいだな。 二件あがってきてますね。どちらも自損で、橋梁上でのスリップ、側壁への接触です。 後続車がいなかったからまだ良かったがな・・・ちょっとお粗末だよなあこれは。 滑り始めたらもうどうしようもないですし、着雪していたのが溶けたあとでしたから、リスクは高い状態でした。 事故った当人からすりゃ反論もあるだろうがな、なんというか。やはり俺の立場からするとだらしねぇと感じるし、これは叱責されて然るべき事故だ。あぶねぇって分かっててなおこういう事故を起こすんじ…
毎度、マニアックな話が続いております。これからは土日の更新時は交通安全・事故防止の記事とさせていただきます。改めまして、交通安全推進本部のヤスと申します。 あいつらはどっちかっていうと愚痴記事に近いからな。安全推進の本部長としては、やはり事故はないほうがいい。これは当たり前だ。そして、事故防止の一歩目は原因分析をおいて他にない。 たしかに。同じような事故を繰り返し起こす人、いるんですよねぇ・・・やっぱり、そこにも何かしらの原因があってこそなのでしょうが。 当然そうだろうな。原因があって事故が起きるし、なぜその原因となる状況が生み出されたのかも含めて、掘り下げて分析する必要がある。 最初は精神的…
じこたん⑧ 人身にしないんだからさ……物損での駆け引き(実話)
昨日の予告通りですが、今日は物損賠償の少し特殊なケースを紹介します。前提として、物損の賠償がどういうものかを分かっていないとちょっととっつきづらいと思うので簡単に最初、触れておきます。 うむ。物損は、壊したものの価値の分を賠償する、というのが大前提だ。人身と異なり「慰謝料」という概念は基本的には存在しない。百万円の車を全損にしたら百万円の賠償をもって解決とされる。これが基本だ。物の価値が年を経るごとに下がってくる点や全損・分損・経済全損などはまた稿を改めて紹介する。 また、車同士の事故で問題になる「代車」ですが、保険実務上「100:0」でないと認めない、という処理がなされることが多くなっていま…
前回に引き続き、今回は自賠責保険の認定がなされたケースを紹介する。とは言っても、前回記事でも触れたとおりだが、自賠責保険認定がウルトラC的に認められるということはまずあり得ない。なので、あまりレアな案件を紹介することは難しいことを了承願いたい。 この間のTさんの件なんかどうですか? 事故証明不備の…… ちょうどいいかもしれないね。それにしよう。 甲車輛は、信号待ちで停車していた個人タクシー乙車に追突。単純な漫然運転によるもので時速も10km未満と比較的軽微な形態だ。個人タクシー乗務員に怪我はなかったが、個人タクシー乗客が首の違和感を主張し、通院を希望した。本件事故の加盟会社は通常に警察が事故処…
今回も前回に引き続き自賠責です。前回告知した通り、通らなかったり通ったりの実例紹介ですね。 うむ。冗談抜きに、我々の目から見ても認定されない理由が分からないようなものもある。しかし、どうして通ったのか理解できないという案件はあまりない印象だ。通るからには理由がある。 まず最初は、通らなかった事例です。 一月二十二日の事故です。甲車は、狭い一方通行の道から大通りへ左折で進入を試みた際、大通りで信号待ちをしていた乙車が進行を開始したのを見てその動作を開始したが乙車はすぐに停車してしまったため、甲車左前角部と乙車左後ろ角部が接触。乙車に乗車していた男女二名が負傷。 これはタチの悪い案件だった。まず結…
自動車損害賠償責任保険証明書 自動車損害賠償責任保険(じどうしゃそんがいばいしょうせきにんほけん)とは、自動車損害賠償保障法によって、自動車および原動機付自転車[1]を使用する際、全ての車の所有者に加入が義務づけられている損害保険である。略称自賠責保険(じばいせきほけん)。公道で走行する際に、加入が義務付けられていることから、俗に「強制保険」といわれる。 なお、農業協同組合・消費生活協同組合・中小企業等協同組合が共済として扱う[2]自動車損害賠償責任共済も存在するが、制度区分を除けば概ね同じ制度(後略) 自動車損害賠償責任保険 - Wikipedia より抜粋 というわけで、今回は自賠責保険で…
今更過ぎやしないか? 初回から部長が受任通知見て固まってたからいけないんですよ。まあとにかく、一回ぐらいは我々が何者か、何をしているのかについて触れましょう。 うむ。事故担当とは事故の発生から解決(示談)までを担当して取り扱う部署のことを指す場合が多い。うちの場合は契約先の会社から委任を受けた事故案件について、直接相手と交渉する当事者会社と相談したり、慰謝料を計算して提示したりする。 一般ユーザの損害保険と大きく異なる点は、委任状を受けた示談交渉を行わないことです。原則、事故の当事者となっている加盟会社が直接示談交渉や医療費の支払いを行い、自賠責の回収もします。我々はそれに対して保険回収可能か…
前回、整形外科と柔道整復師に関しての記事を作成、今回はその続きとなる。具体的には、「何故、受傷者は接骨院に行きたがるのか」だ。 そりゃ、痛みがとれるからでは? とタテマエを言っておきますね。 はっきり言って、この部分は昨今の人身事故の最も困った問題だし、この業界に少しでも携わっている人はみんな分かっているだろうから、まずは理由を列挙してしまおうと思う。アンドウくんから善良そうな、タテマエ的な理由を挙げてくれ。 はい。 ・診断だけでなく治療(手技等)があり、回復が見込める気がする。 ・夜遅くまで開いていて、仕事終わりなどで通院しやすい ・マッサージに近い部分があり、気持ちが良い ・手技中など、先…
部長、先週出た新規案件、×●さんなんですけど。 柔整併用してる件な。部位あってる? 大丈夫ですね、合ってます。 今回は事故治療のイロハのイ、病院や接骨院について触れるぞ。まず、事故にあって病院にかかる場合の大前提となる注意点とは何だったかな? 必ず「整形外科」を受診していただくことです。 街中にでかでかと「交通事故取り扱い」と掲示している接骨院が多いからな。ついそっちに行きたくなりがちだが、大前提として「必ず整形外科」。整形外科にいるのは医師。接骨院・整骨院にいるのは柔道整復師。症状について診断をすることが出来るのは医師のみで、接骨院、整骨院では診断は出来ない。 どこがどういう症状で痛んでいる…
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