あとがき(童心記念号2025年より)3年前に父、去年親友、今年母と、大切な人を亡くしました。この歳まで父母が居たというのは、むしろ感謝すべきことなのかもしれませんが、実際亡くなると淋しいです。亡くなった親友も、心あたたかな優しい人で、私達にかけがえのない思い出と句作品を遺してくれました。そして、それが今の自分につながっている。私が「今あること」の中に、あなた方がいる。大切にしたいです。宇宙の旅夢さめました蓮ひらく金澤ひろあき蓮ひらく
きっとまた花満ちる空の下に会い金澤ひろあき(天紫)※私は明日より年末年始の準備です。今年お世話になりました皆様、ありがとうございます。良いお年をお迎えられますように。写真は京都、二条公園の冬空と桜。きっとまた
フリー句(自由連句)「正月」の巻き正月ありの人からお裾分け青島巡紅*タクシー運転手ですから裏金の大盤振る舞いパーティ券金澤ひろあき歩行者目瞑るほど枯葉舞い上がる巡紅埃に混じる尻ふる綿虫ひろあき綺麗な雪も目に見えぬ死骸で一杯巡紅シベリアマンモス復活計画ひろあき青春は二度と戻らないからこそ巡紅六十代中ばの同窓会幹事ひろあき共有出来る人がいると思い出弾む巡紅解きほぐしてゆく縦糸横糸ひろあき熱泉と冷泉交互に疲労取る巡紅今日からおでん始めましたよひろあき甘酒に生姜を入れて俳句練る巡紅仕事着を脱いでひとまず座り込むひろあきイカ刺しの吸い付く力に舌を巻く巡紅ふる里が磯の香りとともに来るひろあき車待つ半身沈むオリオン座巡紅駅員もいない谷間の待合室ひろあき右翼の宣伝カー静かなクリスマスソング流して去る巡紅つい先日は「六甲降...フリー句(自由連句)「正月」の巻
冬の蝶灰色の街火をともす金澤ひろあき植木鉢のシクラメンと日向ぼっこする新居※知人の新居にて冬の蝶
2023年12月京都童心の会通信句会作品この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1マフラー膨らむ風の色彩2寝息聴くすとうぶの形3眩暈のあと柿の木の空4海の言い訳伝える鯛焼5ねこねころぶあまつぶあかちゃん6片付けを後回しする悪いクセこれを報告句会に出そうか7昼食後薬がわりのコーヒーブレイクメタボに効いてよ8目が見えぬ友が見抜くは私のずるさ9じいさんや右はキラキラ左は苦労どっちを選ぶ10高倉健さんに私は学ぶ「不器用ですから」11交差点会った女性スマホでウ・フ・フ今日は晴天12足悪く会社に向かう背から見えたよ強力(ごうりき)が家族にあふれる笑み運ぶ13白梅は月に輝き鼻腔突く14東山見え隠れする月の舌15よく響く旅客機の音夜寒かな16晩秋や下宿先...2023年12月京都童心の会通信句会作品
フリー句(自由連句)「新居に」の巻新居に遺影菊のかげだった金澤ひろあき※知り合いの新居にて野に咲くのがいいんだ花はいらない、今でも約束は守っている青島巡紅向こうからバス絵になる枯れ芒ひろあき斑鳩を旅する一人下弦の月巡紅絶え間ない争い見守っていたか仏の笑みひろあきまだ上弦の月だと酒盛り盛り上がる出雲巡紅たまの里帰り善人ぶってみるひろあき急に甘党になった友人は辛味が判らない巡紅旨いけど月並み饅頭安上がりひろあきCoCo壱辛味勝負で彼女に負ける巡紅脇役が大事なテレビのドラマひろあき天から雨池には花蝙蝠傘開く巡紅昭和の遊園地跡公園にひろあき今日も走る蒸気機関車大井川鐵道巡紅*年間300日走っている。現役を続ける顔が黒光りひろあき※メンテナンスが大変らしいです。アトヤマがいてのサキヤマの酒煙草巡紅*サキヤマ(夫)が...フリー句(自由連句)「新居に」の巻
「さんしょ」NO、183を読んで○金澤ひろあき十一月に御地を訪れ、田中陽さんと鈴木さんの元気なお姿を拝見し、心なごみました。秋晴れの蓬莱橋のたもとの波月句碑。私達の心のふるさとのような気がしました。その先がふるさと風のかたちが見える橋ひろあきまた、その時の写真をお送り下さり、ありがとうございました。私も含めお互い、長い時を経ました。「老いてどう生きる」というのが、少子高齢化を迎えている日本のテーマになっている。「さんしょ」NO、183の中でも、大きなテーマになっているような気がします。看取りて三年得た自由と侘しさ石神君子七十代レンジ使用のうま料理上田美穂子四世代コスモスも仲間暮らしてます鈴木和枝妻と俺二人で覚える仕舞い場所山川遊狐老いに向かいつつある私も、自分の衣食住、生活や未来がしだいにこうなるのだろう...「さんしょ」NO、183より
2023年11月京都童心の会通信句会結果【選評】後半○暉峻康瑞特選94お香の香コスモスの香も般若寺中野硯池小生の母はもうすぐ十三回忌がやってくる。広島の浄土真宗のお寺より十九歳で薩摩・鹿児島のお寺へ嫁にこられ、五人の子宝にめぐまれ、戦争にまき込まれ大変な苦労をされたのであった。母の母は広島の原爆で即死。祖父(母の父)はアメリカへ開教師としてロサンゼルスでがんばっていた。母は百歳にて浄土へ還って行った。よく二人でお寺の本堂で香をたいては読経していた。合掌○三村須美子特選92百歳に手の届く歳文化の日中野硯池人生50年と歌われた昔と違って、食事内容、趣味等の生きがい、介護、医療、生活環境どれをとっても飛躍的に進歩しています。現代の私たちはその恩恵を受けています。百歳に手の届くまで生かされている、ありがたいことだ...2023年11月京都童心の会通信句会結果後半
2023年11月京都童心の会通信句会結果【選評】前半○中野硯池特選54日向ぼっこ僕の時間の伸び縮み金澤ひろあき僕という若い?人の日向ぼこである。小春日の晴れた日の日向ぼこは背に暖かく思考の世界に導いてくれるし、又肉体的にも健康にしてくれるものである。太陽の恵みを存分に受けるのも日向ぼこである。○野谷真治特選54日向ぼっこ僕の時間の伸び縮み金澤ひろあき伸び縮みする時間を、どう考えるか。気になった句です。なんか、楽しい。たまには、日向ぼっこに、時間を忘れたいと思いました。○蔭山辰子特選32電線にたわわに実る雀かな青島巡紅熊、猪、蝉、野の鳥。人間は物価高。生きとし生くる者みな、つらい夏でした。「たわわに実る」の表現に曳かれました。○野原加代子特選82愛犬の最後の遠吠え十三夜三村須美子7、8年前に小型犬を老衰で亡...2023年11月京都童心の会通信句会結果前半
2023年11月京都童心の会通信句会結果日記より十一月四日島田にて金澤ひろあき島田にて。朝9時に大井神社に行く。七五三のお参りの親子連れでいっぱい。七五三島田の髷の発祥地ひろあき鈴木和枝さんと会えた。鈴木さん運転の車で田中陽さんのお宅へ。何年ぶりだろう。近く九十歳になられるという。元気に珠算教室をされている。人生の大半を「主流」という人間主義俳句、口語俳句に注がれた人。心の師である。世界一の木造の橋、大井川に架かる蓬莱橋のたもとに田中陽さんの父、田中波月の句碑がある。大きな柳の下に石庭形式で立っている。大井川や牧之原台地を借景にしている。九十の師と柳の下の句碑囲むひろあき田中波月の句は、「銃を担いでとおったかこの橋の板のぶ厚さ」。今年は学徒出陣八十年。もうそんな時代が来ないことを願う。しかし、世界では戦火...2023年11月京都童心の会通信句会結果
フリー句(自由連句)「冷めた粥」の巻き冷めた粥タッパから食うシンク前青島巡紅仕事入った売れない芸人金澤ひろあき名の売れたものより公園の紅葉巡紅退職者仲間のゆとり時間にはひろあき夜明け前顔見知りになる老夫婦巡紅茶飲み友達句会友達ひろあき石投げる川面に映る満月に巡紅ウサギの次の龍がゆらゆらひろあき逃げ水を追いかけ走る選手たち巡紅永遠にゴールするのが夢だったひろあき流転する生物見守る地球の溜息巡紅雲に穴僕の胸ひろあきエネルギー充填発射巡紅宇宙の独り言拾い集めますひろあき世界樹復活させる手立てなし巡紅神々の黄昏へ飛ぶワーキューレーひろあき※ワグナーのイメージです。天使は右手悪魔は左手人間は両手巡紅祝杯を声を合わせて挙げているひろあきジェイムズウエッブ宇宙望遠鏡の観測結果に日々お祭り騒ぎ巡紅光より早く届いているのは...フリー句(自由連句)「冷めた粥」の巻
『闘牛』的世界の中にいて金澤ひろあき舞台は大阪。見込みのないお祭り騒ぎに金と労力をつぎ込んでゆくニヒリズム。今、話題の大阪万博のことではない。昭和の中頃に書かれた井上靖の小説『闘牛』である。敗戦後の山積みの問題を避けるかのように、刹那的お祭り=闘牛の企画に熱中してゆく。コロナ流行下で強行した東京オリンピックは、正直不発だった。しかもその裏で、利潤がらみの不正があったことが明らかになっている。巨額の税金(払っているのは私達だ)が注ぎこまれ、利潤は一部の人間に集中する。大半の人には還元されない。それを「経済効果」という数値で取り繕う。小説の中の「闘牛」は結果的に失敗するのだが、日本は「闘牛」的な道を令和になっても選び続けているようだ。国民の大半は気づいているにも関わらず。「主流」NO、653より家のまえ歩道が...『闘牛』的世界の中にいて
遺句集「青倉人士句集」を読んで金澤ひろあき拝復遺句集「青倉人士句集」を賜り、ありがとうございました。編集の伊藤哲英様、出版のご子息、青倉一人様、本当に良い仕事をされました。句作品に加え、丁寧な年表、ご本人が俳句人生を回顧された文章、そして俳句人連盟の方々の青倉人士論、目配りが行き届いていて、作品と人生をトータルに回顧するものになっています。個人的な話になりますが、私が青倉さんを知ったのが、昭和が終わり、平成になった頃だというのも、この句集からわかります。句会で、手錠が光っているだけの昭和だった人士侵略者がまだいた地球儀を廻している(以下、引用句は青倉さん作)に出会ったことを覚えているのです。当時は青倉さんの過去をあまり知らず、またこういう句を出されるのだから、反権力で闘った過去があるのだろうなという感想を...遺句集「青蔵人士集」を読んで
会いたかったな日記余話天紫京都国立博物館・東福寺展。色々な人が来ていた。お母さんに付き合わされ、ぐずる子供もいる。一際目立っていたのは、白衣の男性。背中に「南無阿弥陀仏」と墨書していた。僧侶とも見えず、何か個人的に宗教を始めたのであろうか。スマホで写真も撮っている。少し怖い雰囲気もあった。国立博物館を出て、七条近くのコンビニの二階にある酒屋が旧知なので、久しぶりに行ってみる。聞けば、ご主人は高齢になったので、時折見に来る位だという。今日は来ていないらしく、会えなかった。五百円で日本酒三種試飲をやっている。中年女性が一人でやって来て、試飲を楽しんでいる。お昼の試飲の空間会いたかったな天紫会いたかったな
日記より東福寺展へ金澤ひろあき十一月二十六日。京都国立博物館・東福寺展へ。寒ゆるむ博物館に寺宝見に天紫今頃、東福寺は紅葉の客でいっぱいだろう。寒さもゆるみ、外出日和でもある。東福寺の寺宝が京都国立博物館に出ている。こちらはそれほど混んでいない。銀杏落ち葉の博物館時折混じる外国語天紫東福寺は聖一国師が開かれたお寺。聖一国師は鎌倉時代、静岡出身の禅僧。宋の国に渡り、禅を修行。帰国後、博多にお寺を開かれたりした。関白九条家の帰依で東福寺の住持となる。そんな関係から、当時の中国文化を多く移入し、海外交流を行っていた。従って文書は全て漢文。現代日本人にはハードルが高いかも知れない。(文字は美しいのだが)。寺宝の中に、聖一国師の遺偈がある。遺偈とは亡くなる時に、心境を述べた詩句。亡くなる際に一筆書かなければならないと...日記より東福寺展へ
フリー句(自由連句)「戦争ない町」の巻戦争ない町プレゼントしたい今年のクリスマス金澤ひろあき膝をつき皆祈り出す大きな虹青島巡紅冬の蝶灰色の街火をともすひろあき新年の鐘が鳴る時銃も止む巡紅御来光世界の人の目を集めひろあき夜明け前金星の左下にはもうアークトゥルス巡紅*アークトゥルスは春の星ですが、出番を待ちきれない様子。南国の梅の莟の膨らんでひろあき大原の梅の樹疎に咲いている巡紅*三千院に行く途中で見かけました。日向ぼっここのまま天まで昇れそうひろあき降り積もるマリンスノーをいつまでも見ている巡紅深海のこんな所までプラのゴミひろあき夢のない宇宙飛行士デブリ回収巡紅話し相手に星の王子様来ないかなひろあきカーペット(宇宙船)から外に押し出された弟に巡紅息継ぎせずに泳ぎ抜くコツひろあき白梅は月に輝き鼻腔突く巡紅闇の...フリー句(自由連句)「戦争ない町」の巻
おもしろい本 重里徹也 助川幸逸郎 「教養としての芥川賞」(青弓社)
おもしろい本重里徹也助川幸逸郎「教養としての芥川賞」(青弓社)金澤ひろあき私より年下で小説家希望の男がいる。自分の苦しみや不運を題材に、同人誌に書き続けている。同人誌の人間関係も大変らしく、所属を何度も変えている。本人が言うには、「僕は文は上手だが、内容が一般人には面白くない」そうだ。ところで、一般人って何でしょう?そして、毎年2回、芥川賞の発表の時期になると、最高に不機嫌になっていた。2015年上半期に、又吉直樹さんの『火花』が受賞した時(第153回)には、これまで以上に不機嫌だった。「なぜ僕の小説が注目されず、漫才師の人が受賞するのですか」と私にくってかかってきた。なぜと言われても、国語教材か面白いと思う小説しか読まない私は、芥川賞の仕組みも知らなかったし、賞の選考にもかかわっていないし、(小説を書い...おもしろい本重里徹也助川幸逸郎「教養としての芥川賞」(青弓社)
フリー句(自由連句)「秋の夜長」の巻秋の夜長は翌朝ツケが来る青島巡紅はしゃぎはじめる届いた新酒金澤ひろあき朝風呂で目を覚まし行く仕事かな巡紅湯冷め気にして一枚重ね着ひろあきよく響く旅客機の音夜寒かな巡紅雪雲の間に月が顔出すひろあき死が始まりとなる翅なきナナフシ巡紅食われた鳥や動物の排泄物に卵が残り孵化、生息域が拡大。いたずらな神様くれた生きる智恵ひろあき酒盛りは神々の交流縄文の知恵巡紅*神々=新しい文化をもたらした集団鼓動が伝わる渦巻く火のかたちひろあき雨の朝マッチ棒似る我が心巡紅一人グルメの鍋を用意しひろあき若い日の一人前友二人呼ぶ巡紅花見れて生きてるだけで儲けものひろあきオリオン座瀬音に揺れる飛機の音巡紅流刑の哀織り込んでいる黄八丈ひろあき※黄八丈は染物の一種今宵はベテルギウスがやけに紅い巡紅*オリオ...フリー句(自由連句)「秋の夜長」の巻
かりんのお茶会金澤ひろあき十一月二十三日は、岩城久治先生による出町柳吟行へ。紅葉や銀杏の中、下鴨神社へ。鴨川と高野川の合流している所から、下鴨神社の西側に新しく整備された公園があります。そこを通って家庭裁判所前へ。紅葉にも調停期している家裁ひろあきそこから下鴨神社参道へ。美人の社(河合の社)に皆で入って吟行。本殿前の舞い殿に、椅子と譜面をセッティングしています。北欧音楽の演奏があるそうです。神社で北欧音楽。神様もグローバルです。舞い殿に舞うもみじある音の杜ひろあき境内にかりんの木があり、かりん水を美人の水として売っています。ホットもあり、私もホッと一息。もみじ見ながらちょっとしたお茶会気分です。ホットにてホッと美人のかりん水ひろあきかりんのお茶会
戦争のない町をプレゼントしたい今年のクリスマスひろあき今年のクリスマス
日記より十一月十八日近松記念館金澤天紫空腹の空は寒いな天紫急に寒くなり、こんな句が出る。関西文化の日といって、美術館や博物館が無料になったりする日なのに出掛けにくい。しかし、出掛けにくいということは、人出が少なめだろうから、ゆっくり見ることができるかもしれない。以前から行きたかった所に、近松記念館がある。浄瑠璃の近松門左衛門生誕の地、尼崎にある。阪急で行くと塚口になる。塚口で降りるのは初めてだ。電車乗るなりビール開ける冬の鬱天紫電車の向かいの席に座ったおじさんが、座るなり飲みだした。飲んではいるが、楽しそうではない。酒で悩みの相手をするか。人間どうにもならないことがある。それに直面して悩み苦しむ。その姿を近松はしっかりと描いた。我がことのように描いた。事件が起こったのは江戸時代だが、時を越えて私達の倫理に...日記より十一月十八日近松記念館
もみじの手金澤ひろあきもみじの手未来を握るはずだったもみじの手祝福受けるはずだったもみじの手この世に繋ぐはずだったヘロデ王がエルサレムの赤ん坊を今ガザ乳と蜜が流れる地血となみだが流れる地赤ん坊に罪があったのか誰か答えてくれないかもみじの手
からっぽ冬空金澤ひろあき要らんもん片付けからっぽ冬空捨ててはいけない夢お墓まで持って行く落ち葉のお墓参り夢かなわなかった人のからっぽ冬空
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あとがき(童心記念号2025年より)3年前に父、去年親友、今年母と、大切な人を亡くしました。この歳まで父母が居たというのは、むしろ感謝すべきことなのかもしれませんが、実際亡くなると淋しいです。亡くなった親友も、心あたたかな優しい人で、私達にかけがえのない思い出と句作品を遺してくれました。そして、それが今の自分につながっている。私が「今あること」の中に、あなた方がいる。大切にしたいです。宇宙の旅夢さめました蓮ひらく金澤ひろあき蓮ひらく
友の命日近づく風の死んだ露地金澤ひろあき1光年進んだ時計友の命日風の死んだ
蚕が繭に金澤ひろあきいつ繭になろうか蚕相談中抜け駆けで繭になるのもおるかしら※7月になりましたね。蚕が繭になりました。蚕が繭に
看板の裏金澤ひろあきシャッター街になるもんか祭待つ商店街雨音も蚊も届かないタワマンの林ドローンで宅配梅雨空のタワマンタワマンや永遠に交らわない地平線タワマン次々に建つ地面陥没する国お買い得です一億のタワマンすすめにくる泣いている笑顔もあるんだね紫陽花梅雨なんかに負けへんカラスの朝餉の歌梅雨空に高く掲げる廃業の看板夫婦の年輪刻んだ廃業した店の看板看板の裏にも顔があるんだね看板の裏
天得院桔梗追加石も笑顔桔梗ひらいた金澤ひろあき※写真は天得院、井泉水句碑。天得院桔梗句追加
東福寺天得院金澤ひろあき東福寺天得院、桔梗の庭を拝観。自由律の井泉水さんゆかりの寺でもある。関東大震災で家族を亡くされた後、ここに隠棲されていた。風が桔梗に遊びに来た苔のみどりに桔梗の結界桔梗を借景に悟りあらわす石東福寺天得院
夫婦の年輪刻んだ廃業した店の看板金澤ひろあき夫婦の年輪
廃業の看板金澤ひろあき梅雨空に高く掲げる廃業の看板梅雨なんかに負けへんカラスゴミあさり梅雨なんかに負けへんカラスの朝餉の歌熱帯夜ペットボトルきしんでるよ廃業の看板
青島巡紅氏遺作2024年分※2024年7月、心友青島巡紅(本名佐久間昭三)さんが亡くなりました。30年以上の長いおつきあいで、俳句・短詩文芸の同志でした。語りたいこと、大切な思い出はいっぱいあります。でも、遺された句以上が一番大切です。そう思い、遺句を読み返しました。ペダル漕ぐ青島巡紅(佐久間昭三)新年の鐘が鳴る時銃も止む膝をつき皆祈り出す大きな虹まだ翠残る銀杏のほっといて冬時雨笑顔濡れない傘となる逃げ水を追いかけ走る選手たち冷めた粥タッパから食うシンク前火の用心お巡りさんに舞妓さん斑鳩を旅する一人下弦の月藷を焼く皆んなの笑顔午後三時木枯らしや手にした札が飛んで行く車待つ半身沈むオリオン座蜜蝋の火に誘われて日記買う元旦や湯を抜き行くぞと頬叩く休みたしでもでもでもと手足動く橋揺らし川面を渡る月明かり木守柿雪...ペダル漕ぐ
泣いている笑顔もあるんだ紫陽花金澤ひろあき泣いている
星の声青島巡紅(佐久間昭三)氏遺作大欠伸天頂の星輝けり川沿いの並ぶ灯誘う朧星狼の遠吠えいずこ朧月四年ぶりはねず踊りの随心院春雷やワクチンの是非再浮上自堕落の夢に親出て春彼岸湯煙や星まで届け酒交わす班ごとにカレーを作る春暑し群青の刹那の直線雉翔る春の海着艦歓声米無人機徳川の日の出と入りを大広間逃げる子を笑い追う親樹々の間を地蔵堂の花活ける人黙々と剪定の街路樹の笑む小雨かな語り種余さず使い春火鉢灯に浮かぶ白花水月紅仄か思い出は葡萄の皮の酵母菌薫風や新郎新婦入場す円山の葉桜の下で夢を見る顔洗う笑うか泣くか夜の酒頭寄せ寝過ごすことも旅のうち日が昇る歩く足止め手を合わす水田と東の空に日が浮かぶ冬の月夫婦二人で屋台から木漏れ日や遊び疲れた子の寝顔雨上がり濁流に乗る縫いぐるみ黒鷺や羽を傘とし魚呼ぶ雨季終わる朽ちた戦車の...星の声
タワマンの林金澤ひろあきタワマン次々に建つ地面陥没する国※いつも安全は後回し。事故が起きてから慌てる。雨音も蚊も届かないタワマンの林ドローンで宅配梅雨空のタワマンタワマンの林
桔梗が招く白い石畳のお寺金澤ひろあき※京都七条、真言宗智積院。去年の今頃、友の病気回復を願ってお参りしたのです。同じように桔梗が咲いていました。白い参道に落ちる桔梗の影も、今年は同じように。ただ、友と一緒に来ることはかなわなくなりました。2025年6月21日。空海の縁日にて。桔梗が招く
祭待つ大安売りの商店街金澤ひろあきシャッター街になるもんか祭待つ商店街祭待つ
亡母みたいな子犬松村芳子奈良町に墓だけ残し梅供う紅白梅枝しなやかに争わず梅の実や人のうわさも転びづめ梅粥やバターの堅き二月果つ老いてこそ遊び心を雛かざる雛かざり背なにねんねこ幼な児としなやかに滋賀の湖より嫁ぎ来し舞う雪にゴルフボールの吸われゆく道たづね上ガル下ガルに京余寒話す役聞く児のありて日向ぼっこ鳥翔ちて桜の小枝弾みけり真理春風邪や亡母みたいな子犬いてつばめ舞う空は自在の初舞台髪染めし亡母に似て来し花鏡電線はシャープフラット初つばめうす緑草餅送る文添えて近道は山椒のみどり敵のごと緑陰や悲しき事は傘の中緑立つ力抜ければ飛ぶボール母の日や白カーネーション詫びの色母の日にさくらんぼ着き子の個性紫の法衣に休みし黄金虫カーネーション又一鉢着き笑い合う母の日や今なら出来る親孝行ばらの刺みどりの先はとんがり帽会えば...亡母のような子犬(童心会員作品)
川端康成記念館にて金澤ひろあき2025年6月20日、休みを利用して訪問した。「眠れる美女」の原稿を見ることができた。鎌倉にあった書斎が再現されている。そこで原稿を書くという、作家になったような体験をさせて頂いた。毛筆のタッチの万年筆で、文豪気分になる。打ち水の柄杓の先に作る虹ひろあき踊り子の文書き写す熱さかな川端康成記念館
ゆっくりほどけて塩見すず子雨傘に梅の花びら客迎え客の雨傘梅の花びら一つ二つしなやかな指揮者の梅の花ざかり書き終えて雛の細い目に膝まづく歩いた休んだ梅のひらく音聴いた桜ふぶきに守られ人のお世話になりたくないさくらのスケッチに色をさすさくらの道ふいにかけ出すランドセルさくらさくらスケッチに色を差す上から見おろす桜異人たち桜の帯です同世代の話題ですしばらくはじっとして桜と青空と花見スポットゆっくりほどけてゆく私緑の陰マスクはずせばきれいな汗エプロンのカラーの白さ深まる夏無口なサイフ並べ緑の手づくり市エプロンで手を拭く母の小さな癖母のぬくもり好きな黄色のカーネーション遠くの電車今朝も死者により添ってくちなしの花医師の無用の聴診器宅急便です頭陀袋に入れる赤ワイン死に装束下草あたりで飛ぶホタル糸の雨降る三途の川のど真...ゆっくりほどけて(童心会員作品)
梅雨にもう真夏日たまげている蚕金澤ひろあき※まだ6月18日だというのに、京都ではもう36度を越え真夏日。蚕もびっくりだろう。真夏日の蚕
不器用ですから遠藤修司片付けを後回しする悪いクセこれを報告句会に出そうか昼食後薬がわりのコーヒーブレイクメタボに効いてよ目が見えぬ友が見抜くは私のずるさじいさんや右はキラキラ左は苦労どっちを選ぶ高倉健さんに私は学ぶ「不器用ですから」交差点会った女性スマホでウ・フ・フ今日は晴天足悪く会社に向かう背から見えたよ強力(ごうりき)が家族にあふれる笑み運ぶおっはようー交わすあいさつルーティーン元気よびこむファンファーレ酒に飲まれ記憶が飛んで約束忘れ信用失ふおもちゃを渡した御礼「電池が無いって」それを言わないで今の私「電池切れ」アサイチ自転車ギーコギーコ生きてくメロディー一声をかけ忘れ見事にケンカバクダンと生命をハカリにかける戦争なんてクソ食らえだカギかけてキーを無くして自転車のれず心のカギが外れてる朝日さす雪やなぎ...不器用ですから(童心の会会員作品)
花菖蒲水辺無数の銀河系金澤ひろあき花菖蒲
フリー句(自由連句)「病癒えたら」の巻病癒えたら御礼参りの巡礼に金澤輝桜愛で紅葉愛で行く闇の間を佐久間照三月光を頼りに読んだ道しるべ輝風邪一つ二週間延期入院は照三仕切り直しで草を抜いてる梅雨晴れ間輝なるようになるしかないさ蝌蚪の旅照三力みを抜けば涼風起こる足元に輝冷え症の男は寒いと日向へと照三蝸牛殻の中へととじこもる輝寝るのに軍手靴下着替の山照三暑がりの犬がべろんと板張りに輝笹の舟流れのままに海に行け照三七夕を迎える前に雨が来て輝子供らのブーイングが届いた夜空照三流れ星見間違える人工衛星輝帰られぬ場所から帰る人もいる照三だまされて戦地に行かされた異邦人の訴え輝生と死の狭間に見える彼岸花照三六根清浄唱えて登る高野山輝御来光霊峰の息吹胸に沁む照三何事もなかったように去る嵐輝友には友の生活ありてまた会おう照三※...フリー句(自由連句)「病癒えたら」の巻
6月長岡天神にて金澤輝石段の一段一段増す暑さいつもいる一人が居らず青葉道青葉の社友の回復祈るため我がためにあらず病持つ身の祈り本殿よりいただく涼しき風一陣※祈念届きますように。6月長岡天神にて
水無月や祇園の祭動き初む金澤輝※大宮三条商店街に、祇園祭の提灯登場。京都の西のほうですが、祇園社の御旅所があるのです。水無月や祇園の
横になるああ極楽の四畳半ひろあき※写真は京町家。横になる
桔梗のお寺金澤輝季節的に美しい紫陽花の紹介が多いですが、桔梗も良いものです。京都で桔梗というと、東福寺の天得院や紫式部ゆかりの盧山寺が有名ですが、東山七条にある智積院も良いものです。白い参道沿いに沢山見ることができます。お寺の紋も桔梗です。参道の白きに桔梗の影落とす輝桔梗のお寺
木屋町高瀬川金澤ひろあき木屋町高瀬川というと、三条から四条間の繁華街のイメージが強いです。しかし、四条を下がり五条近くになると、ずいぶん景色が変わります。飛び石で渡れる所も設けてあり、生活の匂いもします。せせらぎを踏む飛び石を踏む半ズボンひろあき紫陽花の王国繁華街横目木屋町高瀬川
【日記より】6月12日童心記念号発行金澤ひろあき6月12日、朝から晴れ。気温は30度を越える。四条河原町へ出る。完成した童心2024年記念号を受け取りに行く。寺町四条を下がった所、石之不動町にある田中プリントさんへ。町名の石不動は、空海が彫った石不動をお祀りするお堂があるため。例年、お詣りしてから受け取っている。今年一年の皆様の無事と健筆を祈願する。一年に一冊出しているが、その年々、いろんなことがあったなと感慨深い。支払いを終え、近くの郵便局より、遠方の会員の皆さんに郵送するのも、恒例。持ち帰って、改めて読み直す。こんな時にこんな句が出たなどと振り返り思い出す。参加の皆様の句より逝きし犬柚子の根元の黄の中に三村須美子蜜蠟の火に誘われて日記買う青島巡紅(佐久間照三)まっすぐな瞳が言った戦争のない国に行きたい...【日記より】6月12日童心記念号発行
フリー句(自由連句)「戦場は」の巻戦場はここかしこにあり頻尿佐久間照三予定表には未定の空白金澤輝ハローワーク経由病院で点滴照三長い雨期友回復の知らせ待つ輝友からのお守り握り頑張るぞ照三また共に紅葉を見ること信じて待つ輝生きるから生かされている心臓よ照三息に合わせて光放っている蛍輝合唱のアベマリアが涙腺緩める照三聖堂の扉開けば百合香る輝マリア様世界の子らに祝福を照三ミレー描く落ち穂拾いの農婦の祈り輝ゴッホが黒人農家に見た馬鈴薯照三驚きがあった無数のまなざしの向こう輝呆然と膝崩す間も無く小便糞漏れる照三悩み苦しみ書いてみると小さくなる輝同行二人と唱えて山谷行く老僧照三奥に歩めばブッポウソウが唱和して輝行く先に安らぎあること虹に願う照三日の入り月と一番星と輝月夜に浮かぶ海月浪任せ照三大きな力に流れて行く先皆同じ...フリー句(自由連句)「戦場は」の巻
蝶々の円舞門を開けようよ金澤ひろあき※つがいで飛んでいる蝶を撮ってみました。難しいですね。蝶々の円舞
5月句会選追加○松村芳子特選36葉桜や神籤の結び増えている佐久間照三神籤も神様からの賜物と思っても凶は嫌です。吉神籤がいただきたいです。並選28夕日落ち薄暗がりに蝶々とび蔭山辰子29黄砂イヤ花粉イヤイヤ風邪でした同33花の舞う遍路の境内握り飯佐久間照三38微風に柳と桜のデュエット同40背伸びする肩凝りほぐす朝日かな同42若者も負ける短パン老夫婦同45月見草夜輝きて道端に野原加代子54曇りなの黄砂なのかな頭なの三村須美子56芽出し良し年越しダリヤ掘り起こす同58筍や甘み歯応えうまし音同60隼人瓜初挑戦の畝作る同61玉ねぎよ伸びよ丸まれ球児たち同62草刈りの草の香りに身を浸す同71寝そべり人生もいいさ口下手な蛙金澤ひろあき72風船も迷子になりそう黄砂の空同73団地と花知人が去ってあいた穴同78青い目も担ぐ神輿...京都童心の会5月句会選追加
2024年6月京都童心の会通信句会作品この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1緑の陰マスクはずせばきれいな汗2エプロンのカラーの白さ深まる夏3無口なサイフ並べ緑の手づくり市4エプロンで手を拭く母の小さな癖5母のぬくもり好きな黄色のカーネーション6うす緑草餅送る文添えて7近道は山椒のみどり敵のごと8緑陰や悲しき事は傘の中9緑立つ力抜ければ飛ぶボール10母の日や白カーネーション詫びの色11母の日にさくらんぼ着き子の個性12紫の法衣に休みし黄金虫13カーネーション又一鉢着き笑い合う14母の日や今なら出来る親孝行15ばらの刺みどりの先はとんがり帽16孤独ではない菜の花の天ぷら17夏隣食べたくなる雲ひとつ18漆黒の紅テント羽撃く唐十郎19いつもふ...2024年6月京都童心の会通信句会作品
2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】後半〇佐久間照三選特選77卯の花腐し原子炉腐りませんか金澤ひろあきオカラを炊いたもの(卯の花とも言う)は間を置けば当然腐臭を発する。原子炉がそうでないと言えるのか。言えませんね。人為的操作ミス、自然災害がいつそのトリガーになるか判らないのに、ありえませんと押し切れるのだろうか。電力需要とか事情とか言う観点からは必要悪。だからこそもっと建設運転には現実的で万が一の基準が低くてはいけないのです。この句は、理屈でなく感性に訴えているところがミソです。団欒の食卓という場面から一気に飛躍するのに不自然でないところが、いいですね。「卯の花」への着眼点がいいですね。並選5花見スポットゆっくりほどけてゆく私塩見すず子一番綺麗に見える場所に来て感動し、見ている自分が解体されて行...2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】後半
2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】前半○金澤ひろあき選特選天61玉ねぎよ伸びよ丸まれ球児たち三村須美子「玉ねぎ」の様子から「球児たち」への連想、とても楽しいです。何かに打ち込む人を見ると、応援したくなりますね。「伸びよ丸まれ」の声による応援も、句の雰囲気を生き生きとさせています。地3桜の帯です同世代の話題です塩見すず子花を見に行って始まった会話。同世代に通じる話題は盛り上がりますね。時代や苦楽を共にしたからでしょうか。人44野球帽とペットボトルの忘れ物佐久間照三休日の翌日なのでしょうか。野球で遊んだ後の忘れ物から、前日の楽しさが余韻のように伝わって来ます。他、心に届く句です。8あと何回61段登り下り朝の出発足たたく遠藤修司マンションの階段なのか、駅の階段なのか。毎日通勤で通っている道。「あと何...2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】前半
2024年5月京都童心の会通信句会結果日記より4月9日ほどほど金澤ひろあき二条城のお堀の桜もそろそろ散り初め。散る姿も美しいのが、桜なのかな。散る桜を見て、いつも買っている丸太町通りのお弁当屋さんへ。行って驚いた。長い行列。三十人ぐらい。車も路上駐車。いつもはこんなに混んでいないのに。並んでいる人に聞くと、TVで紹介されたのでやってきたという。通りがかりの外国人が「famousrestaurant?」と訊いてきた。年輩のご夫婦がやっている店で、ご主人は以前、体調を崩して店を休みにしたことがある。お客さんが沢山になったのはいいが、こんなに忙しくなると、お体大丈夫だろうかと心配になる。いつもなら少しお話もできるのに、そんなゆとりもなかった。ほどほどがいいかも花も散りそめるひろあき皆さんの選です。選者真・・野谷...2024年5月京都童心の会通信句会結果
フリー句(自由連句)「みどり児へ」の巻みどり児へ燕がくるり風を切る金澤輝開けた手から逃げた希望追いかける佐久間照三豪雨が過ぎた街はまだ冷えたまま輝冷めた珈琲チンブランデー入れる照三朝焼けに輝いているゆで卵輝お祖父ちゃんの頭と同じだ照三くつろいだ五百羅漢が「よう来たな」輝地球に生かされている僕たちの日々照三東山滴る友の居る窓辺輝元気が一番青い空照三日帰りの温泉集合藤の棚輝風呂後のビール最高乾杯照三初優勝果たす若き小結が輝粘り腰僕にも欲しいそのパワー照三厄落とし今日の朝日によみがえる輝朝起きて心臓に触れるありがとう照三花の宴生きてるだけで儲けもの輝水田に映える山並み燕飛ぶ照三ローカル線旧街道と並走し輝昔から明日も見守る五重塔照三フリー句(自由連句)「みどり児へ」の巻
「さんしょ」186号を読んで金澤ひろあき拝復御句集『離農』拝受。ありがとうございます。前回の『蛙の主張』に続き、人生の節目ごとに句集を出される。句と人生がリンクしています。だから、句を振り返ると人生を振り返るようになっています。あの頃こんな出来事があり、こんな心情で暮らしたなと思い出せるよすがにもなり、句が生活のインデックスにもなりますね。(鑑賞は後日になりますが)また、「さんしょ」186号にも、生活に即した心情があらわれ、口語俳句は「生活詩」ということを実感します。〇筍やそこまで厚着しなくても石神君子〇聖護院大根やっぱりお日さま独り占め鈴木和枝「筍」や「聖護院大根」は食べ物ですが、これらの句では、私が同じ目線で呼び掛けています。食べる者と食べられるものというよりも、同じ世界に生きている仲間という感じです...「さんしょ」186号を読んで
「さんしょ」186号を読んで金澤ひろあき拝復御句集『離農』拝受。ありがとうございます。前回の『蛙の主張』に続き、人生の節目ごとに句集を出される。句と人生がリンクしています。だから、句を振り返ると人生を振り返るようになっています。あの頃こんな出来事があり、こんな心情で暮らしたなと思い出せるよすがにもなり、句が生活のインデックスにもなりますね。(鑑賞は後日になりますが)また、「さんしょ」186号にも、生活に即した心情があらわれ、口語俳句は「生活詩」ということを実感します。〇筍やそこまで厚着しなくても石神君子〇聖護院大根やっぱりお日さま独り占め鈴木和枝「筍」や「聖護院大根」は食べ物ですが、これらの句では、私が同じ目線で呼び掛けています。食べる者と食べられるものというよりも、同じ世界に生きている仲間という感じです...「さんしょ」186号を読んで
巡りあえた本金澤ひろあき金子兜太著『あの夏、兵士だった私』96歳、戦争体験者からの警鐘清流出版生きているうちに私達はいろいろな体験をする。他者の体験を伝えられることもある。辛い体験もある。辛い体験から学んだことは、私達の内面を強く揺さぶる。誤りを正す力にもなる。生きる力になる。瀬戸内寂聴さんと金子兜太さん。お二人とも、「戦争は悪」「戦争に向かう動きも悪」という立場を貫かれた。お二人とも戦争を体験されている。体験から出た言葉は重い。金子兜太さんのこの体験記には、戦場の体験もだが、日本全体が戦争に向かう中で体験したこともしっかり伝えようとされている。よく「戦前」と言われるが、対中国戦争ははじまっており、「戦中」が正確なのかもしれない昭和初期。表現の自由を奪い、1940年から特高による新興俳句弾圧事件が起こって...巡りあえた本金子兜太著『あの夏、兵士だった私』96歳、戦争体験者からの警鐘清流出版
フリー句(自由連句)「梅雨寒や」の巻梅雨寒や何処にあるのか我が心佐久間照三ミニスカートの子ロングブーツで金澤輝子供達フェンス登って駆け抜ける照三ヒーロー達の握手会場輝往年のヒーローに親も歓声あげる照三同じ世代の懐メロ主題歌輝満月やススキたなびき仮面ライダー照三音なく台風近づく予感輝人には怖い台風も地球には欠かせない照三琵琶湖干上がり坂本城見え輝考古学者大喜びで駆け回る照三遺跡調査でみのる恋愛輝海底神殿でウエディング照三龍宮へ続く井戸湧く花の陰輝微風に紅の帯萌ゆ姫檜扇照三バックパーカー寄り道醍醐味輝川中島鴨の嘴揃って後ろ照三古戦場を照らす月影輝松風や酵母と麹のハーモニー照三*亀屋陸奥発祥。西本願寺の御用菓子。南蛮渡来の芥子の香りよ輝若い二人の笑顔が揺れる照三いないいないばあする入道雲輝フリー句(自由連句)「梅雨寒や」の巻
お米つやつや乗っている七福神輝※古い京町屋などにある七福神です。皆様に幸ありますように。お米つやつや