あとがき(童心記念号2025年より)3年前に父、去年親友、今年母と、大切な人を亡くしました。この歳まで父母が居たというのは、むしろ感謝すべきことなのかもしれませんが、実際亡くなると淋しいです。亡くなった親友も、心あたたかな優しい人で、私達にかけがえのない思い出と句作品を遺してくれました。そして、それが今の自分につながっている。私が「今あること」の中に、あなた方がいる。大切にしたいです。宇宙の旅夢さめました蓮ひらく金澤ひろあき蓮ひらく
羽根休め金澤ひろあきゆっくり羽根休め長い旅路の渡り鳥戦争している国からしない国へ渡り鳥来た戦争している国からしない国へ子供達も来たい羽根休め
フリー句(自由連句)「霧の山」の巻霧の山生命のあれば灯りあり金澤ひろあき地球、宇宙、生命の素は交換される巡紅万物の流転信じたギリシャ人ひろあき心を伝える距離を時間を伸ばす巡紅銀杏も楓もいっしょに荘厳しひろあき仏壇に行って来ますと手を合わせ巡紅追いつかなかった親孝行はひろあき男には銀が足りず女には年季が残る巡紅道行きの舞台に雪の降り始めひろあき田の水に三日月浮かび雲の行く巡紅霜光る案山子の顔が泣きそうだひろあき稲の間を泳ぐ朝日の帯伸びる巡紅にわとりよりも早い鐘の音ひろあき暁鐘前に犬離して後駆ける巡紅紅の大空に風を起こせひろあき海原には勝てぬ萬の艦隊巡紅灼けただれた終戦記念日の舞鶴港ひろあき運動会の二人三脚のように行かないか地球の国々巡紅世界のどこでもゆらりマンボウの昼寝ひろあき御宿の海岸から生まれた「月の砂...フリー句(自由連句)「霧の山」の巻
日記より十一月三日2金澤ひろあき小牧の用事がすみ、名鉄で平安通へ。その後、地下鉄で名古屋駅へ。地下鉄は通勤電車のように混んでいて大変だった。名古屋からの新幹線も人でいっぱい。浜松で在来線に乗り換え、やっとほっとする。午後5時30分に島田に着いた。島田駅から大井神社の前を通り、今日の宿のゲストハウスへ。客は何と私一人。宿の人と一対一というのも緊張する。静かでゆったりなんだけど。ゲストハウスの主人は一人で切り盛り。親切に対応してくれる。長いこと話をした。実家は浜松で、東京で会社勤めをしていたが、ゲストハウスをやりたくて島田に来たと。旧街道沿いで、旧街道を歩く趣味の人などが泊まるそうだ。明日、大井神社で鈴木和枝さんと会い、田中陽さんのお宅に連れて行って頂くことになった。客は一人タオル乾かす島田の宿ひろあきあした...日記より十一月三日2
田中陽様へ拝復念願かなってお目にかかれて嬉しかったです。秋晴れの蓬莱橋句碑の景、今も心に刻まれています。大切な歳月を刻んでいるのですね。田中陽さんが指でなぞり読んだ一文字一文字が響いています。お昼の時、実はあれだけ飲んだのは久しぶりだったのですが、お話は心に残っています。「ナマの声を俳句史にぶちこむ」。本当に「ナマの声」を、私は出せているのだろうか。偽っていないか。飾り立てて安心しているのではないか。ありのままの人間の声を芸術にする。難しい道だが、それを引き受けるのが、自分の運命ではないかと自問していたのです。あの日は鈴木様にも大変お世話になりました。ありがとうございました。句碑囲む三人とも霜の白髪ひろあき握手して別れた暑い秋の午後またいつか必ず、三人してお会いしたいです。本当にいつまでもお元気で。十一月...田中陽様へ
フリー句(自由連句)「晩秋や」の巻晩秋や下宿先巡ある親子連れ青島巡紅ふるさと稲刈り終わりひといき金澤ひろあき肩叩き膝枕子供の頃に戻ってた巡紅お月見団子皆で分けあうひろあき夏ハイドパーク手に手に缶ビール巡紅新たな友ができる旅先ひろあき半日だけのネッシー捜索隊またいつか巡紅特番がUFO怪奇から紅葉へとひろあき七時半外国人の長蛇進々堂巡紅神社にはひっきりなしの七五三ひろあきいいカモにされるのはいつも当事国巡紅お祭りが終われば沖に流す雛ひろあき夕日沈んでもいい湯加減にならない海巡紅十一月なのに三十度近くとはひろあき五つの突起に目と口をつけないといけないパトリック・スター巡紅*遺伝子マーカーによってヒトデの腕は5つに分かれた頭だと判明。首切りしても再生する鬼退治ひろあき※「鬼滅の刃」を思い出しました。白粉の毒に侵さ...フリー句(自由連句)「晩秋や」
渡り鳥少し離れてはぐれ鳥ひろあき渡り鳥
宝探しだ土のにおいの芋ひろあき宝探しだ
フリー句(自由連句)「翌朝に」の巻翌朝にはじめて気づくひっつき虫金澤ひろあきUFO構えない時に時に現れる青島巡紅記憶から消えるツチノコ紅葉山ひろあき戦死して五十年仲間を覚えていた巡紅※硫黄島で日本軍に撃墜されたパイロットの記憶を持って生まれた米国の男の子は、当時の空母の戦友会に出席し、戦友を一人も間違えなかった。小学校に入るまでにその記憶は無くなった。実話です。生まれ変われたらの夢本閉じたひろあき影伸びる亀の甲より年の功巡紅人生の時計の針が晩秋へひろあき倒れ込む渡した襷遠ざかる巡紅箱根越え胸に大学受験してひろあき場所取り朝一で来て出来上がる巡紅花盛り歌って踊って日が落ちてひろあきごめんなさい日本の神は酒好きです巡紅口実をこしらえいつも会う算段ひろあき本開く果てない夢は死の彼方巡紅人生お先に卒業さらりと落ち...フリー句(自由連句)「翌朝に」
陽の恵み短冊陽の恵み揺れる稲穂の黄金色ひろあき陽の恵み短冊
日記より小牧へ金澤ひろあき十一月三日、小牧へ。冠句作品入賞のため。新幹線で名古屋まで。滋賀から岐阜にかけて霧。ふと句が出る。霧の街命のあれば灯りありひろあき霧の山灯りが呼吸しているよ名古屋駅も京都駅と同じように混んでいる。地下鉄は通勤電車状態なので、名鉄で大回りして犬山へ。田園風景を楽しみながら、小牧へ。小牧で地下鉄となる。駅前のラピオという施設で表彰式。その一階で昼食。名古屋圏なので、赤味噌の味噌カツを食べると、のどが渇いて困った。一時より四階で表彰式。私の句は中日賞(6位)。陽の恵み揺れる稲穂の黄金色ひろあき叙景で大人しめ。ちなみに1位市長賞は、子ら歌うトトロの世界夢の森で岩越弘子確かに、行ってみたい世界を詠んでいる。短冊に墨書して下さっている。立派に見えるな。式後、小牧の冠句会の吉田好美さんと挨拶。...日記より小牧へ
2023年10月京都童心の会通信句会結果【選評】後半○青島巡紅選特選79月見て映す自分の欠けたとこ子育て出来ず己れも育たず遠藤修司「人のふり見て我がふり直せ」という格言もありますが、内省としてはこちらの方が深いのかもしれない。後半部分からすると女性視点とも受け取れるが、男性視点としても苦しくない。僕など結婚もせず子供の成長に至ってはどこ吹く風。まるで自分の半生を反省させてもらっているような作品です。さて、雛人形の頭師によると、「頭には(作りたい物の)理想があって現実では満足がいかず歳を重ねて近づいたと思ったら70歳、今度は体がついていかない。」方向性は違いますが、異口同音だと思います。ご苦労様です、と言いたいですね。3ちらし寿司とざるうどんセットウィークデイの定職に目を細める白松いちろう「目を細める」が生...2023年10月京都童心の会通信句会結果後半
2023年10月京都童心の会通信句会結果【選評】前半○中野硯池特選49ずいき祭芋もかぼちゃも芸術家金澤ひろあき久しぶりに上京の北野神社のずいき祭を見学した。神輿の屋根や輿の廻りがずいきで見事にあしらわれている。芸術の塊である。上七軒の芸者も出て軽々とかつがれてワッショワッショと境内を巡るあでやかなお祭りである。○野谷真治特選27ブラウスの背中膨らむ自転車青島巡紅「背中膨らむ」が、なにげない日常の一コマ。気づいて句作することが貴重なことと、思った。○野原加代子19背伸びして歩いた道の蝉時雨青島巡紅夏の終わりに夕方でも蝉が一斉に鳴くのを心地よく、聞きほれながら歩く事が今年はできました。背伸びして歩く様子が自分も重なるなと思いました。○蔭山辰子特選51見上げて中秋名月まん丸い野原加代子残暑はいつまでも続きました...2023年10月京都童心の会通信句会結果前半
2023年10月京都童心の会通信句会結果春夏冬二升大阪城金澤ひろあき野球のクライマックスシリーズが終わり、日本シリーズは阪神とオリックス。けっこう上機嫌な人が多い大阪です。その大阪のお店の看板に「春夏冬二升大阪城」という文字があるのですが、最初は読めませんでした。以下はお店の人の謎解きです。「春夏冬」は「秋がない」ので「あきない(商い)」。「二升」は、一升枡が二つ重なっているので「ますます」。「大阪城」は音読みして「だいはんじょう(大繁盛)」。「商いますます大繁盛」という縁起のいい文句だそうで。「万葉集」にもこんな風な謎解きのようなよみがあるのですが、これも言葉の文化ですね。ハロウィン春夏冬二升大阪城ひろあき皆さんの選です。選者真・・野谷真治白・・白松いちろう康・・暉峻康瑞修・・遠藤修司辰・・蔭山辰子ひ・...2023年10月京都童心の会通信句会結果
山色清浄身金澤ひろあき中学の頃、九州にいたのに、奈良に憧れました。入江泰吉さんの仏像や奈良の写真に心奪われたのです。写真の持つ美に時を忘れました。撮影した入江さんの感動が、そのまま伝わって来ました。後日、関西に住み「実物」を見て回ったのも、その影響でしょう。東大寺二月堂裏参道の美など、今でもドキッとします。秋の良い気候の夕暮れ、東大寺のお膝元にある入江泰吉旧居を訪ねた時、少年時代の憧れを思い出していました。ここで、あの美しい写真が現像されたのです。もとはお寺のようなたたずまい。庭は森で、紅葉の頃は赤く染まるとか。10月で庭は紅葉に至っていませんが、静かです。小川も流れています。この時間の流れ、写真の中の写真の流れとよく似ているのです。床の間には「山色清浄身」の掛軸。入江さんの直筆です。良弁杉の折れた枝から...山色清浄身
僕を知る人がまた減る秋の暮ひろあき※ある方の訃報を知る。僕を知る
立て花金澤ひろあき六角堂池坊の、旧七夕会の華道展へ行きました。美しい立花、生花を見ました。花を足し算している作品より、引き算で余白が生きている作品に心引かれます。俳句をやっているせいでしょうか。年齢のせいでしょうか。池坊は六角堂の住職で、仏に花をお供えする「立て花」が華道のもとになりました。立て花の道具は灯明、香炉、花器の三点セットです。池坊家元道場の座敷に、実際の立て花が飾られていてしばらく見とれていました。立て花は色変えぬ松永遠(とわ)願うひろあきまた、いけばな資料館では、元禄の立花師、藤掛似水の特集展示がされています。似水は元禄五年(1692)、東大寺大仏開眼供養の時、大仏の前で立て花を作ったそうです。大仏に合わせ、9メートルの松を立てたそうな。花器は今も大仏の前にあるそうです。今度東大寺へ行く時に...立て花
友の生きられなかった分を生きる晩秋の散歩道ひろあき共の
フリー句(自由連)「千年も」の巻千年も百年も同じ紅葉舞う青島巡紅歌の絵巻に描かれる古都金澤ひろあき僕だけが覚えている君への歌巡紅あきらめない夢をダンスするひろあき色づけばオリオン座呼ぶ柿の実や巡紅池に落ちた名月拾えとせがんだ子ひろあき後ろ歩きの眼楽しむ紅葉の乱舞巡紅人の波避けて早朝東福寺ひろあき朝焼けの竹林の道動画にす巡紅着物姿のミスかぐや姫ひろあき男の子やったらUターンせーへんで巡紅ヤンキーやけどおかんはこわいんやひろあき水鉄砲か千円か禁煙区域の子供パトロール巡紅熊注意の看板通り熊が出るひろあきこの人の笑顔守れる人になる巡紅伝説の外科医神の手と呼ばれひろあき金星の輝く坂道駆け上がる巡紅タイパばかり気にする世には背を向けてひろあき肩揉んで面相描きの筆に墨巡紅素顔に直接描くハロウィンひろあき帰宅後の虚しさ羽...フリー句(自由連句)「千年も」の巻
おもしろい本森谷明子「春や春」光文社金澤ひろあき今、高校の文化系部活で、「甲子園」がつく大会がある。「甲子園」と言えば本来は野球だが、書道の「書の甲子園」や「まんが甲子園」、「俳句甲子園」など。この本は「俳句甲子園」にチャレンジする東京の藤ヶ丘女子高校の女子高生6人と、対戦することになるもう一校の芳賀高校の男子生徒たちを描いている。私自身俳句をやっているが、俳句甲子園に参加しないまま定年を迎えたので、この本の世界は新鮮だった。「甲子園」とあるが、全国大会は松山で行う。正岡子規以来の俳人の聖地であるからであろう。メンバーは1チーム5人。題が出され、一人一句詠む。そしてチーム戦で、自分たちの句や相手チームの句を一句ずつ、ディベート形式で対戦・鑑賞する。俳句の作品点と鑑賞点を合計して勝敗を決め、先に3勝したほう...おもしろい本森谷明子「春や春」光文社
神泉苑夕景紅葉の中の切り絵の空騒ぐ金澤ひろあき神泉苑夕景
神泉苑夕景紅葉の中の切り絵の空騒ぐ金澤ひろあき新鮮円夕景
秋風のくすぐっている石の臍天紫秋風の
日向ぼっこ金澤ひろあき日向ぼっこ僕の時間の伸び縮み金澤ひろあき※少し冷えだして、朝方、日向ぼっこ。日向ぼっこの平和な感じが大好きで、趣味の一つです。神泉苑でもつがいのアヒルさんが気持ちよさげに。日向ぼっこ
神泉苑秋深水澄んで空澄んで彼岸に架かる橋金澤ひろあき神泉苑秋深
金木犀金澤ひろあきこれは夢金木犀が薫ったの口喧嘩休戦ふっと金木犀度忘れが戻る金木犀の薫る中金木犀
フリー句(自由連句)「こむら返り」の巻こむら返り防止体操朝の冷え金澤ひろあき枯芙蓉手櫛淋しい頭の毛青島巡紅落語では大家が店子の親代わりひろあき傘の飛ぶ雲外蒼天走り出せ巡紅忍者ごっこの仲間有名スタントマンひろあき火だるまになりたいのねとライターの火巡紅禁煙の誓い破ってお仕置きをひろあき投光が爆撃の記憶浮かばせる巡紅これは夢金木犀が薫ったのひろあき三本のマッチ、顔見て、瞳見て、唇を巡紅仕上がって行くハロウィン仮装ひろあき懐かしい幽霊と飲む酒美味し巡紅法善寺横町にひょいと月が出てひろあき苔生す水掛不動尊に有り難う巡紅願掛けは恋の病も守備範囲ひろあきイチローのレーザービームは守備越え巡紅勝敗を分けているのは地味な技ひろあき花の咲く下で菜の花の投げキッス巡紅猫の子をもらって家族の数増やすひろあき遥かなる先祖の骨が宇...フリー句(自由連句)「こむら返り」の巻
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あとがき(童心記念号2025年より)3年前に父、去年親友、今年母と、大切な人を亡くしました。この歳まで父母が居たというのは、むしろ感謝すべきことなのかもしれませんが、実際亡くなると淋しいです。亡くなった親友も、心あたたかな優しい人で、私達にかけがえのない思い出と句作品を遺してくれました。そして、それが今の自分につながっている。私が「今あること」の中に、あなた方がいる。大切にしたいです。宇宙の旅夢さめました蓮ひらく金澤ひろあき蓮ひらく
友の命日近づく風の死んだ露地金澤ひろあき1光年進んだ時計友の命日風の死んだ
蚕が繭に金澤ひろあきいつ繭になろうか蚕相談中抜け駆けで繭になるのもおるかしら※7月になりましたね。蚕が繭になりました。蚕が繭に
看板の裏金澤ひろあきシャッター街になるもんか祭待つ商店街雨音も蚊も届かないタワマンの林ドローンで宅配梅雨空のタワマンタワマンや永遠に交らわない地平線タワマン次々に建つ地面陥没する国お買い得です一億のタワマンすすめにくる泣いている笑顔もあるんだね紫陽花梅雨なんかに負けへんカラスの朝餉の歌梅雨空に高く掲げる廃業の看板夫婦の年輪刻んだ廃業した店の看板看板の裏にも顔があるんだね看板の裏
天得院桔梗追加石も笑顔桔梗ひらいた金澤ひろあき※写真は天得院、井泉水句碑。天得院桔梗句追加
東福寺天得院金澤ひろあき東福寺天得院、桔梗の庭を拝観。自由律の井泉水さんゆかりの寺でもある。関東大震災で家族を亡くされた後、ここに隠棲されていた。風が桔梗に遊びに来た苔のみどりに桔梗の結界桔梗を借景に悟りあらわす石東福寺天得院
夫婦の年輪刻んだ廃業した店の看板金澤ひろあき夫婦の年輪
廃業の看板金澤ひろあき梅雨空に高く掲げる廃業の看板梅雨なんかに負けへんカラスゴミあさり梅雨なんかに負けへんカラスの朝餉の歌熱帯夜ペットボトルきしんでるよ廃業の看板
青島巡紅氏遺作2024年分※2024年7月、心友青島巡紅(本名佐久間昭三)さんが亡くなりました。30年以上の長いおつきあいで、俳句・短詩文芸の同志でした。語りたいこと、大切な思い出はいっぱいあります。でも、遺された句以上が一番大切です。そう思い、遺句を読み返しました。ペダル漕ぐ青島巡紅(佐久間昭三)新年の鐘が鳴る時銃も止む膝をつき皆祈り出す大きな虹まだ翠残る銀杏のほっといて冬時雨笑顔濡れない傘となる逃げ水を追いかけ走る選手たち冷めた粥タッパから食うシンク前火の用心お巡りさんに舞妓さん斑鳩を旅する一人下弦の月藷を焼く皆んなの笑顔午後三時木枯らしや手にした札が飛んで行く車待つ半身沈むオリオン座蜜蝋の火に誘われて日記買う元旦や湯を抜き行くぞと頬叩く休みたしでもでもでもと手足動く橋揺らし川面を渡る月明かり木守柿雪...ペダル漕ぐ
泣いている笑顔もあるんだ紫陽花金澤ひろあき泣いている
星の声青島巡紅(佐久間昭三)氏遺作大欠伸天頂の星輝けり川沿いの並ぶ灯誘う朧星狼の遠吠えいずこ朧月四年ぶりはねず踊りの随心院春雷やワクチンの是非再浮上自堕落の夢に親出て春彼岸湯煙や星まで届け酒交わす班ごとにカレーを作る春暑し群青の刹那の直線雉翔る春の海着艦歓声米無人機徳川の日の出と入りを大広間逃げる子を笑い追う親樹々の間を地蔵堂の花活ける人黙々と剪定の街路樹の笑む小雨かな語り種余さず使い春火鉢灯に浮かぶ白花水月紅仄か思い出は葡萄の皮の酵母菌薫風や新郎新婦入場す円山の葉桜の下で夢を見る顔洗う笑うか泣くか夜の酒頭寄せ寝過ごすことも旅のうち日が昇る歩く足止め手を合わす水田と東の空に日が浮かぶ冬の月夫婦二人で屋台から木漏れ日や遊び疲れた子の寝顔雨上がり濁流に乗る縫いぐるみ黒鷺や羽を傘とし魚呼ぶ雨季終わる朽ちた戦車の...星の声
タワマンの林金澤ひろあきタワマン次々に建つ地面陥没する国※いつも安全は後回し。事故が起きてから慌てる。雨音も蚊も届かないタワマンの林ドローンで宅配梅雨空のタワマンタワマンの林
桔梗が招く白い石畳のお寺金澤ひろあき※京都七条、真言宗智積院。去年の今頃、友の病気回復を願ってお参りしたのです。同じように桔梗が咲いていました。白い参道に落ちる桔梗の影も、今年は同じように。ただ、友と一緒に来ることはかなわなくなりました。2025年6月21日。空海の縁日にて。桔梗が招く
祭待つ大安売りの商店街金澤ひろあきシャッター街になるもんか祭待つ商店街祭待つ
亡母みたいな子犬松村芳子奈良町に墓だけ残し梅供う紅白梅枝しなやかに争わず梅の実や人のうわさも転びづめ梅粥やバターの堅き二月果つ老いてこそ遊び心を雛かざる雛かざり背なにねんねこ幼な児としなやかに滋賀の湖より嫁ぎ来し舞う雪にゴルフボールの吸われゆく道たづね上ガル下ガルに京余寒話す役聞く児のありて日向ぼっこ鳥翔ちて桜の小枝弾みけり真理春風邪や亡母みたいな子犬いてつばめ舞う空は自在の初舞台髪染めし亡母に似て来し花鏡電線はシャープフラット初つばめうす緑草餅送る文添えて近道は山椒のみどり敵のごと緑陰や悲しき事は傘の中緑立つ力抜ければ飛ぶボール母の日や白カーネーション詫びの色母の日にさくらんぼ着き子の個性紫の法衣に休みし黄金虫カーネーション又一鉢着き笑い合う母の日や今なら出来る親孝行ばらの刺みどりの先はとんがり帽会えば...亡母のような子犬(童心会員作品)
川端康成記念館にて金澤ひろあき2025年6月20日、休みを利用して訪問した。「眠れる美女」の原稿を見ることができた。鎌倉にあった書斎が再現されている。そこで原稿を書くという、作家になったような体験をさせて頂いた。毛筆のタッチの万年筆で、文豪気分になる。打ち水の柄杓の先に作る虹ひろあき踊り子の文書き写す熱さかな川端康成記念館
ゆっくりほどけて塩見すず子雨傘に梅の花びら客迎え客の雨傘梅の花びら一つ二つしなやかな指揮者の梅の花ざかり書き終えて雛の細い目に膝まづく歩いた休んだ梅のひらく音聴いた桜ふぶきに守られ人のお世話になりたくないさくらのスケッチに色をさすさくらの道ふいにかけ出すランドセルさくらさくらスケッチに色を差す上から見おろす桜異人たち桜の帯です同世代の話題ですしばらくはじっとして桜と青空と花見スポットゆっくりほどけてゆく私緑の陰マスクはずせばきれいな汗エプロンのカラーの白さ深まる夏無口なサイフ並べ緑の手づくり市エプロンで手を拭く母の小さな癖母のぬくもり好きな黄色のカーネーション遠くの電車今朝も死者により添ってくちなしの花医師の無用の聴診器宅急便です頭陀袋に入れる赤ワイン死に装束下草あたりで飛ぶホタル糸の雨降る三途の川のど真...ゆっくりほどけて(童心会員作品)
梅雨にもう真夏日たまげている蚕金澤ひろあき※まだ6月18日だというのに、京都ではもう36度を越え真夏日。蚕もびっくりだろう。真夏日の蚕
不器用ですから遠藤修司片付けを後回しする悪いクセこれを報告句会に出そうか昼食後薬がわりのコーヒーブレイクメタボに効いてよ目が見えぬ友が見抜くは私のずるさじいさんや右はキラキラ左は苦労どっちを選ぶ高倉健さんに私は学ぶ「不器用ですから」交差点会った女性スマホでウ・フ・フ今日は晴天足悪く会社に向かう背から見えたよ強力(ごうりき)が家族にあふれる笑み運ぶおっはようー交わすあいさつルーティーン元気よびこむファンファーレ酒に飲まれ記憶が飛んで約束忘れ信用失ふおもちゃを渡した御礼「電池が無いって」それを言わないで今の私「電池切れ」アサイチ自転車ギーコギーコ生きてくメロディー一声をかけ忘れ見事にケンカバクダンと生命をハカリにかける戦争なんてクソ食らえだカギかけてキーを無くして自転車のれず心のカギが外れてる朝日さす雪やなぎ...不器用ですから(童心の会会員作品)
花菖蒲水辺無数の銀河系金澤ひろあき花菖蒲
祗園提灯増えて市場の活気かな金澤輝※三条大宮商店街、提灯増えました。打ち水や商店街に朝を呼ぶ祇園提灯
フリー句(自由連句)「病癒えたら」の巻病癒えたら御礼参りの巡礼に金澤輝桜愛で紅葉愛で行く闇の間を佐久間照三月光を頼りに読んだ道しるべ輝風邪一つ二週間延期入院は照三仕切り直しで草を抜いてる梅雨晴れ間輝なるようになるしかないさ蝌蚪の旅照三力みを抜けば涼風起こる足元に輝冷え症の男は寒いと日向へと照三蝸牛殻の中へととじこもる輝寝るのに軍手靴下着替の山照三暑がりの犬がべろんと板張りに輝笹の舟流れのままに海に行け照三七夕を迎える前に雨が来て輝子供らのブーイングが届いた夜空照三流れ星見間違える人工衛星輝帰られぬ場所から帰る人もいる照三だまされて戦地に行かされた異邦人の訴え輝生と死の狭間に見える彼岸花照三六根清浄唱えて登る高野山輝御来光霊峰の息吹胸に沁む照三何事もなかったように去る嵐輝友には友の生活ありてまた会おう照三※...フリー句(自由連句)「病癒えたら」の巻
6月長岡天神にて金澤輝石段の一段一段増す暑さいつもいる一人が居らず青葉道青葉の社友の回復祈るため我がためにあらず病持つ身の祈り本殿よりいただく涼しき風一陣※祈念届きますように。6月長岡天神にて
水無月や祇園の祭動き初む金澤輝※大宮三条商店街に、祇園祭の提灯登場。京都の西のほうですが、祇園社の御旅所があるのです。水無月や祇園の
横になるああ極楽の四畳半ひろあき※写真は京町家。横になる
桔梗のお寺金澤輝季節的に美しい紫陽花の紹介が多いですが、桔梗も良いものです。京都で桔梗というと、東福寺の天得院や紫式部ゆかりの盧山寺が有名ですが、東山七条にある智積院も良いものです。白い参道沿いに沢山見ることができます。お寺の紋も桔梗です。参道の白きに桔梗の影落とす輝桔梗のお寺
木屋町高瀬川金澤ひろあき木屋町高瀬川というと、三条から四条間の繁華街のイメージが強いです。しかし、四条を下がり五条近くになると、ずいぶん景色が変わります。飛び石で渡れる所も設けてあり、生活の匂いもします。せせらぎを踏む飛び石を踏む半ズボンひろあき紫陽花の王国繁華街横目木屋町高瀬川
【日記より】6月12日童心記念号発行金澤ひろあき6月12日、朝から晴れ。気温は30度を越える。四条河原町へ出る。完成した童心2024年記念号を受け取りに行く。寺町四条を下がった所、石之不動町にある田中プリントさんへ。町名の石不動は、空海が彫った石不動をお祀りするお堂があるため。例年、お詣りしてから受け取っている。今年一年の皆様の無事と健筆を祈願する。一年に一冊出しているが、その年々、いろんなことがあったなと感慨深い。支払いを終え、近くの郵便局より、遠方の会員の皆さんに郵送するのも、恒例。持ち帰って、改めて読み直す。こんな時にこんな句が出たなどと振り返り思い出す。参加の皆様の句より逝きし犬柚子の根元の黄の中に三村須美子蜜蠟の火に誘われて日記買う青島巡紅(佐久間照三)まっすぐな瞳が言った戦争のない国に行きたい...【日記より】6月12日童心記念号発行
フリー句(自由連句)「戦場は」の巻戦場はここかしこにあり頻尿佐久間照三予定表には未定の空白金澤輝ハローワーク経由病院で点滴照三長い雨期友回復の知らせ待つ輝友からのお守り握り頑張るぞ照三また共に紅葉を見ること信じて待つ輝生きるから生かされている心臓よ照三息に合わせて光放っている蛍輝合唱のアベマリアが涙腺緩める照三聖堂の扉開けば百合香る輝マリア様世界の子らに祝福を照三ミレー描く落ち穂拾いの農婦の祈り輝ゴッホが黒人農家に見た馬鈴薯照三驚きがあった無数のまなざしの向こう輝呆然と膝崩す間も無く小便糞漏れる照三悩み苦しみ書いてみると小さくなる輝同行二人と唱えて山谷行く老僧照三奥に歩めばブッポウソウが唱和して輝行く先に安らぎあること虹に願う照三日の入り月と一番星と輝月夜に浮かぶ海月浪任せ照三大きな力に流れて行く先皆同じ...フリー句(自由連句)「戦場は」の巻
蝶々の円舞門を開けようよ金澤ひろあき※つがいで飛んでいる蝶を撮ってみました。難しいですね。蝶々の円舞
5月句会選追加○松村芳子特選36葉桜や神籤の結び増えている佐久間照三神籤も神様からの賜物と思っても凶は嫌です。吉神籤がいただきたいです。並選28夕日落ち薄暗がりに蝶々とび蔭山辰子29黄砂イヤ花粉イヤイヤ風邪でした同33花の舞う遍路の境内握り飯佐久間照三38微風に柳と桜のデュエット同40背伸びする肩凝りほぐす朝日かな同42若者も負ける短パン老夫婦同45月見草夜輝きて道端に野原加代子54曇りなの黄砂なのかな頭なの三村須美子56芽出し良し年越しダリヤ掘り起こす同58筍や甘み歯応えうまし音同60隼人瓜初挑戦の畝作る同61玉ねぎよ伸びよ丸まれ球児たち同62草刈りの草の香りに身を浸す同71寝そべり人生もいいさ口下手な蛙金澤ひろあき72風船も迷子になりそう黄砂の空同73団地と花知人が去ってあいた穴同78青い目も担ぐ神輿...京都童心の会5月句会選追加
2024年6月京都童心の会通信句会作品この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1緑の陰マスクはずせばきれいな汗2エプロンのカラーの白さ深まる夏3無口なサイフ並べ緑の手づくり市4エプロンで手を拭く母の小さな癖5母のぬくもり好きな黄色のカーネーション6うす緑草餅送る文添えて7近道は山椒のみどり敵のごと8緑陰や悲しき事は傘の中9緑立つ力抜ければ飛ぶボール10母の日や白カーネーション詫びの色11母の日にさくらんぼ着き子の個性12紫の法衣に休みし黄金虫13カーネーション又一鉢着き笑い合う14母の日や今なら出来る親孝行15ばらの刺みどりの先はとんがり帽16孤独ではない菜の花の天ぷら17夏隣食べたくなる雲ひとつ18漆黒の紅テント羽撃く唐十郎19いつもふ...2024年6月京都童心の会通信句会作品
2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】後半〇佐久間照三選特選77卯の花腐し原子炉腐りませんか金澤ひろあきオカラを炊いたもの(卯の花とも言う)は間を置けば当然腐臭を発する。原子炉がそうでないと言えるのか。言えませんね。人為的操作ミス、自然災害がいつそのトリガーになるか判らないのに、ありえませんと押し切れるのだろうか。電力需要とか事情とか言う観点からは必要悪。だからこそもっと建設運転には現実的で万が一の基準が低くてはいけないのです。この句は、理屈でなく感性に訴えているところがミソです。団欒の食卓という場面から一気に飛躍するのに不自然でないところが、いいですね。「卯の花」への着眼点がいいですね。並選5花見スポットゆっくりほどけてゆく私塩見すず子一番綺麗に見える場所に来て感動し、見ている自分が解体されて行...2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】後半
2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】前半○金澤ひろあき選特選天61玉ねぎよ伸びよ丸まれ球児たち三村須美子「玉ねぎ」の様子から「球児たち」への連想、とても楽しいです。何かに打ち込む人を見ると、応援したくなりますね。「伸びよ丸まれ」の声による応援も、句の雰囲気を生き生きとさせています。地3桜の帯です同世代の話題です塩見すず子花を見に行って始まった会話。同世代に通じる話題は盛り上がりますね。時代や苦楽を共にしたからでしょうか。人44野球帽とペットボトルの忘れ物佐久間照三休日の翌日なのでしょうか。野球で遊んだ後の忘れ物から、前日の楽しさが余韻のように伝わって来ます。他、心に届く句です。8あと何回61段登り下り朝の出発足たたく遠藤修司マンションの階段なのか、駅の階段なのか。毎日通勤で通っている道。「あと何...2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】前半
2024年5月京都童心の会通信句会結果日記より4月9日ほどほど金澤ひろあき二条城のお堀の桜もそろそろ散り初め。散る姿も美しいのが、桜なのかな。散る桜を見て、いつも買っている丸太町通りのお弁当屋さんへ。行って驚いた。長い行列。三十人ぐらい。車も路上駐車。いつもはこんなに混んでいないのに。並んでいる人に聞くと、TVで紹介されたのでやってきたという。通りがかりの外国人が「famousrestaurant?」と訊いてきた。年輩のご夫婦がやっている店で、ご主人は以前、体調を崩して店を休みにしたことがある。お客さんが沢山になったのはいいが、こんなに忙しくなると、お体大丈夫だろうかと心配になる。いつもなら少しお話もできるのに、そんなゆとりもなかった。ほどほどがいいかも花も散りそめるひろあき皆さんの選です。選者真・・野谷...2024年5月京都童心の会通信句会結果
フリー句(自由連句)「みどり児へ」の巻みどり児へ燕がくるり風を切る金澤輝開けた手から逃げた希望追いかける佐久間照三豪雨が過ぎた街はまだ冷えたまま輝冷めた珈琲チンブランデー入れる照三朝焼けに輝いているゆで卵輝お祖父ちゃんの頭と同じだ照三くつろいだ五百羅漢が「よう来たな」輝地球に生かされている僕たちの日々照三東山滴る友の居る窓辺輝元気が一番青い空照三日帰りの温泉集合藤の棚輝風呂後のビール最高乾杯照三初優勝果たす若き小結が輝粘り腰僕にも欲しいそのパワー照三厄落とし今日の朝日によみがえる輝朝起きて心臓に触れるありがとう照三花の宴生きてるだけで儲けもの輝水田に映える山並み燕飛ぶ照三ローカル線旧街道と並走し輝昔から明日も見守る五重塔照三フリー句(自由連句)「みどり児へ」の巻
「さんしょ」186号を読んで金澤ひろあき拝復御句集『離農』拝受。ありがとうございます。前回の『蛙の主張』に続き、人生の節目ごとに句集を出される。句と人生がリンクしています。だから、句を振り返ると人生を振り返るようになっています。あの頃こんな出来事があり、こんな心情で暮らしたなと思い出せるよすがにもなり、句が生活のインデックスにもなりますね。(鑑賞は後日になりますが)また、「さんしょ」186号にも、生活に即した心情があらわれ、口語俳句は「生活詩」ということを実感します。〇筍やそこまで厚着しなくても石神君子〇聖護院大根やっぱりお日さま独り占め鈴木和枝「筍」や「聖護院大根」は食べ物ですが、これらの句では、私が同じ目線で呼び掛けています。食べる者と食べられるものというよりも、同じ世界に生きている仲間という感じです...「さんしょ」186号を読んで
「さんしょ」186号を読んで金澤ひろあき拝復御句集『離農』拝受。ありがとうございます。前回の『蛙の主張』に続き、人生の節目ごとに句集を出される。句と人生がリンクしています。だから、句を振り返ると人生を振り返るようになっています。あの頃こんな出来事があり、こんな心情で暮らしたなと思い出せるよすがにもなり、句が生活のインデックスにもなりますね。(鑑賞は後日になりますが)また、「さんしょ」186号にも、生活に即した心情があらわれ、口語俳句は「生活詩」ということを実感します。〇筍やそこまで厚着しなくても石神君子〇聖護院大根やっぱりお日さま独り占め鈴木和枝「筍」や「聖護院大根」は食べ物ですが、これらの句では、私が同じ目線で呼び掛けています。食べる者と食べられるものというよりも、同じ世界に生きている仲間という感じです...「さんしょ」186号を読んで
巡りあえた本金澤ひろあき金子兜太著『あの夏、兵士だった私』96歳、戦争体験者からの警鐘清流出版生きているうちに私達はいろいろな体験をする。他者の体験を伝えられることもある。辛い体験もある。辛い体験から学んだことは、私達の内面を強く揺さぶる。誤りを正す力にもなる。生きる力になる。瀬戸内寂聴さんと金子兜太さん。お二人とも、「戦争は悪」「戦争に向かう動きも悪」という立場を貫かれた。お二人とも戦争を体験されている。体験から出た言葉は重い。金子兜太さんのこの体験記には、戦場の体験もだが、日本全体が戦争に向かう中で体験したこともしっかり伝えようとされている。よく「戦前」と言われるが、対中国戦争ははじまっており、「戦中」が正確なのかもしれない昭和初期。表現の自由を奪い、1940年から特高による新興俳句弾圧事件が起こって...巡りあえた本金子兜太著『あの夏、兵士だった私』96歳、戦争体験者からの警鐘清流出版
フリー句(自由連句)「梅雨寒や」の巻梅雨寒や何処にあるのか我が心佐久間照三ミニスカートの子ロングブーツで金澤輝子供達フェンス登って駆け抜ける照三ヒーロー達の握手会場輝往年のヒーローに親も歓声あげる照三同じ世代の懐メロ主題歌輝満月やススキたなびき仮面ライダー照三音なく台風近づく予感輝人には怖い台風も地球には欠かせない照三琵琶湖干上がり坂本城見え輝考古学者大喜びで駆け回る照三遺跡調査でみのる恋愛輝海底神殿でウエディング照三龍宮へ続く井戸湧く花の陰輝微風に紅の帯萌ゆ姫檜扇照三バックパーカー寄り道醍醐味輝川中島鴨の嘴揃って後ろ照三古戦場を照らす月影輝松風や酵母と麹のハーモニー照三*亀屋陸奥発祥。西本願寺の御用菓子。南蛮渡来の芥子の香りよ輝若い二人の笑顔が揺れる照三いないいないばあする入道雲輝フリー句(自由連句)「梅雨寒や」の巻