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  • テラスが“無駄スペース”にならないために必要な広さとは?

    「屋外テラス、広さが足りないと使われなくなる話」自邸を建てた当初、テラスにはちょっとした椅子でも置いて、外の空気を楽しみたいと思っていました。朝のコーヒー、夕暮れ時の読書、たまに家族と食事を……そんなイメージを描いていたのです。でも実際には、椅子をひとつ置いて満足して終わり正直なところ……あまり活用できていません。理由は明確テラスの広さが足りなかったのです。たった3畳のスペースでは、気軽に動けない。複数人で過ごすのも窮屈結果として「使わない場所」になってしまいました。ゼッケイテラス.MOV今ならはっきり言えます。上記動画くらい余白のあるテラスが良いという事屋外テラスは、最低でも6畳できれば10畳以上の広さがほしいさらに、屋内とのスムーズなつながりや、風・視線・日射のコントロールも意識すると、使われ方がまるで違ってきます。小さな後悔ですが、これから住まいを計画する方には、ぜひ計画段階で「屋外の余白」も丁寧に考えてほしいなと思います。

  • 【連載:建築家が答える家づくりQ&A #05】

    「坪単価」のワナにご注意。比較の前に“中身”を知ろう家づくりを検討していると、気になるワードのひとつが「坪単価」でもこの言葉、実はとても曖昧、、、、金額だけを比較しても意味がないのでは、、、と僕は秘かに思ってます。■ 建築家の答え:「坪単価」は“中身”によって全く違うたとえば、同じ「坪120万円」と書かれていても、その中に含まれている内容がまったく違えば、結果としての総額も違います。▼よくある違いの例つまり、「坪単価だけでは、家づくりの全体像は見えてこない」のです。■ キタザキアーキテクツの場合私たちは「総額ベースで安心できる予算計画」を大切にしています。僕の設計による工務店へ見積をお願いする場合『カーテン工事』以外は全て建設費に含まれた内容で工事契約して頂いていますので、追加工事は建主の都合以外で発生致しません。そのため、お打ち合わせでは最初に「この予算で、何がどこまでできるか?」を明確にします。また、キタザキアーキテクツは建築家自らが意匠設計・構造計算・省エネ計算を一貫して行うため、設計料の中に構造計算や省エネ計算なども含まれています。こうした“見えにくい設計の質”も、実は重要なコ

  • 庭の異変に気づいた初夏の昼

    庭のライラックが満開で、初夏の光の中に優しく揺れていました。ふと隣にある白樺に寄りかかろうとしたら、太い幹が異様にぐらつく、、あれ?と思ってよく見ると、新緑の季節なのに葉が一枚も出ていない。近づいてみると、幹の根本から腐ってる!!嫌な予感がして、思いきって幹を押してみたところ、驚くほどあっけなく倒れてしまいました。高さは4メートル以上それなりに重量のある木で、引っ張って移動させようとしたけど重い!もしこれが強風の夜だったら、、、(汗)もし、庭で遊ぶご家族に倒れていたら、、、もし、隣家の壁に激突してたら、、、そう考えると、背筋がすっと冷たくなるような思いがしました。ちなみに、その隣家は僕が設計した住宅「クリハウス」建て主さんとは良い関係で、お子さんたちが庭で元気に遊ぶ様子を見るのが楽しみでもあります。だからこそ、もし何かあったらと思うと、胸がざわつきました。幸い、自分の手で静かに倒すことができ、大事には至らずに済みました。驚きと同時に、大きな安堵を感じています。命が芽吹く季節でも、自然の中には静かに衰えていくものもあるのだと、あらためて気づかされましたし、初夏の新緑を楽しむだけでなく、庭

  • 【連載:建築家が答える家づくりQ&A #04】

    土地が決まっていなくても、大歓迎です。「まだ土地が決まっていないんですが、相談してもいいですか?」これは、最初のご相談でとても多くいただく質問です。答えは、もちろんOKむしろ、土地探しの前にご相談いただけると、より良い住まいづくりにつながります。■ 建築家の答え:「土地ありき」ではなく「暮らしありき」で考える土地がないと話が進まないと思われがちですが、私たち建築家は「土地に合わせた家」を考えるだけではなく、「暮らしに合った土地」を一緒に探すこともできます。たとえば―― • 将来の暮らしを考えると、どんな場所がいいのか? • 日当たりや風通し、雪の溜まり方、雪の落ち方・堆雪場所確保など環境条件は? • 建築コストが膨らみにくい土地の形や条件は? こうした視点を設計者としての目線で一緒に整理することで、土地選びに「軸」が生まれます。■ 土地購入後では“遅い”こともある土地を先に購入し、その後で「建てたい家が入らない」「希望する性能が出せない」などの問題が出るケースも少なくありません。せっかくの土地でも、形状や法規制、隣地との関係などで思うように設計できないことがあるのです。だから

  • 光と気配を映すタイル|艶のある素材で設計に奥行きを

    艶やかなタイルは、ただの仕上げ材ではありません光を受けてきらめき、角度によって表情を変え、時には窓の外の風景を映し込み、またある時は、そこに佇む人の姿までもやわらかく描き出すその表面には、日常のうつろいが刻まれ、小さな時間の流れが可視化されていきます。何気ない壁面や床が、タイルという「鏡」のような存在によって、空間の奥行きを増し、風景とのつながりを生みますね。設計の中でそんな場所が一か所あるだけで、空間はふと、呼吸を始めたよう、、、建築において「反射」は時に、光を導くための計算にもなり、心理的な広がりを生むための仕掛けにもなります。しかしそれ以上に、艶やかなタイルがもたらすのは、目に見えない“気配”や“余白”のようなものかもしれません。素材は、機能や性能だけで選ぶものではなく、そこに生まれる時間や空気感をどう引き出すか。そんなことを考えながら、艶やかなタイルの表情を見つめています。

  • クラウドで共有する3D設計|家づくりを“見える化”する新しい方法

    クラウドに「未来の暮らし」があるという体験「これが、私たちの家なんですね」あるクライアントがそう言って、スマホの画面をじっと見つめていました。画面の中には、まだ建っていない自分たちの住まいの3Dモデルが映っています。窓から差し込む光、リビングの広がり、外観のたたずまい——そのどれもが、まるで現実のように感じられる瞬間です。キタザキアーキテクツでは、設計中の建物を3Dモデル化し、クラウド上にアップロードして、クライアントとリアルタイムで共有しています。スマートフォン、タブレット、パソコンどんなデバイスからでもアクセスできるこのモデルを通じて、クライアントは自分の家の「今」と「これから」を、好きな時間に、好きな場所で確認することができます。図面だけでは見えない「暮らしの質感」3Dモデルは、ただ形や大きさを見るためのツールではありません。時間帯を変えて、朝の光がどこから差し込むかを確認したり、季節を切り替えて、冬の低い陽射しがどこまで届くのかを体感したり、、、春には桜の影が落ち、夏は深い庇が日差しを遮り、秋には優しい夕暮れがリビングを包む。冬にはぬくもりを届ける朝日が室内を照らす。そんな四季

  • 【連載:建築家が答える家づくりQ&A #03】

    「相談=契約」じゃありません。まずは“話してみる”だけで大丈夫です建築家に相談してみたい!でも、ちょっとハードルが高い、、、そんなふうに感じる方はとても多いです。よくあるのが「相談したら契約しなきゃいけないのでは?」という不安でも、ご安心ください。相談=契約ではありません。■ 建築家の答え:「無料相談=見極めの場」だと思ってください家づくりは、建てて終わりではなく、住みながら育てていく“長い時間のプロジェクト”です。だからこそ、どんな建築家と一緒に進めていくかはとても大切な選択です。キタザキアーキテクツでは、最初のご相談(ヒアリングや土地や要望の確認)は無料でお受けしています。相談は“契約前提”ではなく、お互いに「相性を確かめる場」でもあるのです。■ 「合わなかったら断ってもいい」安心感たとえば、話してみて感覚が合わなかったり、他の方が合っていると感じたなら、それで大丈夫です。逆に、私たちのほうから「この内容なら別の選択肢の方が良いかもしれません」と率直にお伝えすることもあります。大事なのは、無理に進めないこと!建築家と住まい手、どちらにとっても気持ちよくプロジェクトをスタートできるこ

  • 【連載:建築家が答える家づくりQ&A #02】

    「建築家」と「工務店・ハウスメーカー」、どう違う?家づくりを考え始めると、まず迷うのが「どこに相談すればいいのか?」ということ。工務店? ハウスメーカー? それとも建築家?似ているようで大きく違うこの選択は、家の出来栄えにも、住み心地にも、予算配分にも深く関わってきます。■ 建築家の答え:「誰が設計し、誰がつくるか」が違いますハウスメーカーや多くの工務店では、「設計」と「施工」をセットで請け負うことが一般的です。一方で建築家(設計事務所)は「設計と監理」を担い、実際の施工は別の施工会社(工務店など)とチームを組んで進めていきます。この違い、例えるならこうです: • ハウスメーカー・工務店:設計から施工までを同じ会社が内製する“定食屋” • 建築家:設計は専門家が行い、施工は料理人に任せる“プロデューサー付きのレストラン”建築家は、あなたの希望や敷地の特性に応じて、完全にカスタムした設計をゼロから行います。■ 「自由設計」の本当の意味ハウスメーカーでも「自由設計」という言葉を使いますが、実際は仕様や間取りに制限があることが多いです。一方、建築家は「土地、予算、暮らし方」に合わせて、構造・

  • 建築家に相談する前に知っておきたいQ&A|家づくりのよくある質問

    キタザキアーキテクツでは、建築設計に関するよくあるご質問とその回答をまとめています。 「設計途中でイメージが変わった場合の対応は?」「工務店や施工会社の選定方法は?」「設計段階での不安や疑問への対応は?」など、家づくりに関する疑問を解消する情報を掲載しています。 お客様の不安や疑問に寄り添い、性能・デザイン・コストのバランスを考慮した設計提案を行っています。 初めて建築家に相談される方も安心してご覧いただける内容となっております。

  • 【連載:建築家が答える家づくりQ&A #01】

    「土地が決まっていないと相談できない」と思っていませんか?家づくりを始めようと考えた時、多くの方が「まず土地を見つけてから建築家に相談しよう」と思いがちです。でも、実はその順番、変えてみませんか?■ 建築家の答え:土地探しの前にこそ相談するのはアリ土地が決まる前の段階こそが一番大切です。なぜなら、土地には「価格」や「広さ」だけでは分からない要素がたくさんあるからです。・日当たりや風通し・周辺環境(隣家との距離、騒音、景観)・法的な条件(建ぺい率・容積率・高さ制限)・そして、その土地でどんな建物が建てられるか?・既存樹木があるならそれらの再活用(これ意外と重要)不動産屋さんではなく建築家の視点は参考になるはずです。キタザキアーキテクツでは「この土地、どう思いますか?」という段階のご相談も歓迎しています。■ よくある失敗例:土地が合わず、理想の家が建たない「急いで買った土地に理想の家が入らなかった」「土地代がかさみ、建物の予算を削ることに…」「地盤が悪く杭工事が追加費用に…」こうしたケースは、先に土地を決めてしまったことで起きがちです。建築家と一緒に土地を見れば、「この条件なら、こんな家が

  • 「『こもれヴィラ』ということばからはじまる、光のある暮らし

    『こもれヴィラ』という名の、私たちの設計思想気づけば僕の設計には、“木漏れ日”が差し込むことを意識した設計が多くなりましたね。樹々の間をすり抜けた光が、静かな室内にリズムを刻み、季節や時間の移ろいをそっと伝えてくれるような住まい。単に光を取り入れるのではなく、住まい手の感情にそっと寄り添い、心に余白をつくるような、光の設計です。そうした住まいたちを、最近思いついた言葉『こもれヴィラ』と呼びたくなりました。ここでひとつ、言葉の説明をさせてください。「ヴィラ」と聞くと、多くの人はリゾートの別荘や、非日常の空間をイメージするかもしれません。しかし『こもれヴィラ』は、あくまで“普段着”の住宅毎日の生活が、木漏れ日のやわらかな光に包まれる、そんな日常を提案したいのです。特別に感じるかもしれませんよね?木漏れ日が差し込む空間って、、、でも、これからもたくさん設計したいですね『こもれヴィラ』■ 光にこもり、静けさにこもる■ 外界とのほどよい距離感を持ちながら、自然と調和する■ 四季を感じ、呼吸するように暮らすそんな住まいを、これからも「こもれヴィラ」と呼んでいきます。設計はかたちをつくる仕事ではある

  • 進化する暮らしに応える新発想の30坪住宅

    建築費の高騰で、延べ床面積は30坪程度が今の主流ですよね。でも間取りはまだ3LDKを維持しようとするため、どうしても狭さを感じてしまうことが多いですね。昔ながらの、狭い廊下に並ぶ3つの小部屋がいまだに当たり前のように続いているのを見ると、少し時代に合っていない気もします。家族構成が変わってきているのに、間取りはあまり変わらず、空間の使い方に工夫が欲しいところです。例えば、家族みんなが使えるスタディスペースを中心に個室を配置して廊下をなくす設計や、各部屋にある収納を一カ所に集約した大きなファミリークローゼットと納戸を設けるアイデアなどを提案する事が多いですね。そして、思い切って1階はダイニング中心のリビングで広さを求めず、2階のスタディスペースを兼ねたセカンドリビングといったリビングの分散化、新たな生活の発想が生まれるような暮らしの工夫を考えてみたりしてます。意外とプライバシーや日当たりを考えると2階リビングも良さそうだけどなかなか踏み切れない、、、そんな方々には『リビング分散化』は『アリ』こうした変化をもっと広げて、建築費や暮らし方の変化に合わせて間取りも自由に、多様に変わっていってほ

  • 窓辺に椅子、暮らしを少し豊かに彩る余白時間

    窓辺という“余白”で過ごす時間本を手に取るでもなく、ただ光を感じている時間がある。そんな時、決まって身を預けているのは、家の中でも“窓辺”という場所建築家は、リビングやキッチン、寝室など“機能”に名前のある空間ばかりを設計しているように見えます。でも、その間にある「用途を決めてない余白」──例えば“窓辺”のような場所にこそ、静かで無限の時間が流れたりする場をこっそり設計に組み込みます。それを住まい手が発見する“楽しみ”を散りばめて、、、窓辺があるだけで、家は少しだけ豊かになる「何もしない」ことが許される空間は、今の時代とても貴重、、、あえて、そんな時間を持たないと自分をリセット出来ないような気もする。スマホからも仕事からも、少しだけ距離を置ける場所そんな場所を“窓辺”という最小単位で設計したいと思ってます。豪華な設備がなくても、豊かさはつくれる。ただ窓辺に、一脚の椅子と、一冊の本、もしかしたらポータブルスピーカーで音楽とか、、、、それだけで、窓辺は心のよりどころになると信じている。だから建築は面白い

  • 静けさが音になる朝|キャニオンエアロードで巡る水田の景色

    水田が映す、もうひとつの風景気温5度5月の朝としては肌寒いけれど、風がないだけで救われる。まだ人の気配がない田園地帯の農道を走る。路肩の水田は、朝日を受けて静かに光を返していた。空、山、新幹線の高架――あたりを囲むすべてが、水の上にもう一度現れる。それはまるで、反転したもうひとつの世界時速30キロを超えて走ると、カーボンフレームが路面と共鳴し、「コォォ…」という軽やかな音が足元から響いてくる。その瞬間、音とスピードと風景がひとつに溶け合って、身体ごと風景のなかに取り込まれていくような感覚になる。ただ走っているだけ、、、でも、こんな朝にしか味わえない時間があるだから今日も、早起きしてペダルを回す

  • 「もしもこの納屋がヴィラだったら」建築家の空想から始まる暮らし

    「水鏡の朝に、ヴィラという名の情景を」早朝、ペダルを漕ぐ足に心地よい冷気田んぼに水が入り、風景はまるで大きな水盤のように、空と山を映していました。ひとけのないあぜ道聞こえるのは鳥のさえずりと、自転車のタイヤが路面を踏む音だけそんな朝の静けさに包まれながら、ふと空想が広がります。——もし、あの納屋を手入れして、風景を楽しむ小さなヴィラにできたら——もし、この時間を誰かの暮らしの一部にできたら例えば、古い木の梁を残したまま、内側に断熱を施して冬も過ごせるように。開け放てる大きな木製サッシから、水田越しに朝日が射し込むリビング。無垢床には季節の草花を飾り、夏の夕暮れには風鈴の音が響く。そんな時間が、ここで静かに流れていく。「暮らしの“もしも”を、カタチに」建築家の想像は、空想と現実の間を自由に行き来します。そしていつか、それは誰かの人生を静かに支える居場所になるかもしれない。あの朝の、水鏡のような風景が、そんな想像のはじまりでした。

  • ぐるぐる巡る建築家の頭の中から生まれる建築アイデア

    頭の中で二人の自分が思考をめぐらす持続可能な建築とは、、さとしとサトシの対話北海道で可能性追求!太陽光パネルとパッシブデザインでエネルギー効率の高い建築さとし: 北海道のような厳しい環境で、太陽光パネルってうまく使える?発電量が限られるし、冬は日照時間も短いから不利な気がするけど。サトシ: そうだね、北海道では冬の雪や曇りが多くて、太陽光パネルの発電効率は低いこともあるけど、うまく設計すれば十分活用できるよ。発電量が少なくても、他の部分で効率を上げられるから。さとし: なるほど、たとえば、『静光居』のように5.76kWの太陽光パネルを載せると、年間で7,400kWhぐらいの発電ができる。でも、冬は発電量が少なくなるのは分かってる。でも、これでも家の中ではかなり助かってるよね。サトシ: その通り!発電量が少なくても、太陽光パネルだけに頼るわけじゃない。大事なのは、家の断熱性能だよ。しっかりとした断熱と気密工事、トリプルガラスを使うことで、少ない日射でも快適に過ごせるようになる。さとし: なるほど、冬の日射を効率よく取り込むために、日射角度や窓の配置にも気をつけるべきだね。トリプルガラスの

  • “分譲地=整列”じゃなくてもいい|街並みを再設計する建築家の試み

    街並みから設計する建築家としての挑戦——『ムカイノビレッジ』という分譲計画から考えたこと建築だけでなく、暮らしの風景ごとデザインしたい私たちキタザキアーキテクツは、住宅の設計だけでなく、分譲計画や街並みのデザインそのものにも関わる可能性を探っています。その一環として手がけたのが、かつての分譲地プロジェクト『ムカイノビレッジ』です。パッシブデザインが導いた“ばらばら”な街並みこの計画の中心に据えたのはパッシブデザインと隣家との調和と配慮です。南からの自然光をたっぷりと取り込むため、一棟一棟の配置を細かく調整しながら、隣の家に影を落とさないように設計しました。その結果、建物の向きや配置が整然とはならず、一見ばらばらに見える街並みとなりました。しかし、これは**自然と調和するための必然の“ばらつき”**なのです。雑木林のような共有空間と、つながりすぎない安心感区画と区画の間には雑木や樹木を植え、自然の中で過ごすような空間構成を目指しました。リビングからは隣の家が直接見えないけれど、木々の間からほんのりと人の気配と隣家の板壁が雑木林と馴染んで雰囲気を感じる。そんな「つながりすぎない安心感」を大

  • 北海道函館のサクラひろば|建築と自然が調和する空間

    サクラひろば:自然と建築が交わる静かな広場サクラハウスの傍らに広がる「サクラひろば」は、自然と建築が調和した特別な空間です。四季の移ろいを身近に感じながら、隣家である「クリハウス」とも優しく繋がり、暮らしと風景の間に穏やかな“間”を生み出します。この広場は、ただの庭ではなく、建築と自然が一体となる場所。春には桜が色づき、夏には深い緑が広がり、秋には落ち葉が舞い、冬には雪に包まれます。その美しい変化を、サクラハウスの住まい手は毎日感じることができます。また、この広場は隣家「クリハウス」との関係を静かに繋ぐ役割も果たしています。二棟の建築は、森を挟んで向き合うように設計され、それぞれの家族の暮らしを尊重しながら、共に自然を楽しむことができます。広場は両者を隔てる壁ではなく、適度な距離を保ちながらも、風景の中で共に在るための緩衝地帯です。「サクラひろば」の設計は、建築と自然、そして人と人との関係を大切にした空間作りを目指しました。ここで過ごす静かなひとときが、日々の生活に新たなエネルギーをもたらします。もし函館や北海道で、自然と調和した家づくりを考えている方がいれば、ぜひ「サクラハウス」とそ

  • AIと検討・計算した、冬の函館で500kWhの暖房

    「厳冬期函館の一月をエアコン暖房電気使用量が500kWhしか使っていない家」の冬の秘密函館市の日射取得データとパッシブデザインを活用した、南面トリプルガラスの効果を含めた計算を通じて、AIと対話しながら未来の建築設計を考える以下内容は本気の家づくり、店舗でも医療施設でも本気の省エネに取り組みたい方の参考になると幸いです。可能なら設計依頼お願い致します😊― 高性能住宅と日射取得のチカラ ―『静光居』の建設地、北海道・函館は冬が厳しい地域1月は外気温が氷点下8℃まで下がる日もあります。そんな中、電気使用量は、1月でもたったの500kWh「え?本当に暖かいの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。けれど、これはしっかりと根拠のある性能と設計によって実現された数字です。🔧 設計のベース性能 • 延床面積:37坪(122.3㎡) • Q値:0.97(熱損失係数) • UA値:0.27(断熱等級6) • C値:0.15(超高気密) • BEI:0.69(ZEH+ 基準達成) • 南面窓:12㎡(日射取得型トリプルガラス η=0.6)☀️ 日射取得でどれだけ暖かくなるの?1月、函館の南面垂直日射

  • 【建築家自邸の見学会|今週の風景】

    窓いっぱいに広がる、新緑の景色。函館近郊の自然と建築が溶け合う空間で、家づくりのご相談を承っています。設計のこと、性能のこと、予算のこと。実際の暮らしを体感しながら話せる場として、建築家自邸を開放しています。詳しくはリンクから

  • 北海道の光と風を感じる──建築家が考える“開放リビング”の魅力とは

    建物の周囲をすべて壁で囲えば、プライバシーを確保しつつ、開放的なリビングを実現できますよね。でも、そのためには相当な外構費用が必要になるのが現実…。特に最近は建設費の高騰もあり、「外構にまで十分な予算をかけられない」という声をよく聞きます。けれども、やっぱり夏は、開放的なリビングとテラスでのびのび過ごしたい!そこで今、建物と一体となった屋根付きテラスという選択肢を検討中です。屋外でありながら、視線を遮り、雨も防ぐ。そしてなにより、外構に頼らず、設計の工夫だけで“内と外がつながる空間”をつくれるのは魅力です。現在、主に設計している住宅は、設計料別・土地別で4,000〜4,500万円台の建築費が中心。このコスト帯でも実現できそうな「階放系リビングの家」を、引き続きデザインしていきます。

  • 実際の暖房データから学ぶ、Q値とUA値を活かした効率的な住宅設計

    UA値だけで断熱性能を検討するのはバランスを欠くかな、、、 Q値(熱損失係数)も加味したい。Q値は換気熱損失を含んでいて、実際の暖房負荷をより正確に把握できますよね。 UA値には日射取得や熱交換換気の熱回収が反映されていないので、これらを考慮した『パッシブデザイン的な観点』で暖房計画と断熱性能を決めたい。Q値とUA値を組み合わせることで、より効率的な暖房と省エネを両立したいもの!設計した住宅訪問で実際の暖房使用量データを活用できる幸せを実感

  • 暖房時の電気使用量が自邸の半分。未来の家づくりが見えた一年点検

    一年点検に立ち会った春の初め、少し寒い午後。室内に一歩入った瞬間、ふわりと包まれるような暖かさを感じた。クライアントに一年間のエアコン電気使用量モニターには、「暖房時期の電気使用量:自邸の50%」という事実。驚きとともに、確かな手応えを感じた。設計から工事まで、クライアントと共に試行錯誤を重ねた高性能住宅。暖房にかかるエネルギーを、これだけ削減できた。しかも、住み心地は豊かさを失うどころか、むしろ増している。一年を通して暮らした住まい手の声を聞き、現場を見て思った。これからの家づくりは、ただの「省エネ」ではない。「デザイン」と「高性能」を両立可能だということ。その道筋を、確かにつかんだ気がした。さぁ!これから僕が提案する建築デザインは飛躍しますよ!

  • 構造からつくる空間デザイン──構造計算できる建築家の視点

    2025年4月、建築基準法が改正され、建築確認申請において構造計算や省エネ計算が求められるようになりました。これまで標準設計業務として構造・省エネ計算を行ってきた当事務所としては、大きな混乱もなく対応できそうです。一方で、最近では構造計算のみを依頼されるケースが増えてきています。しかし、初期設計段階で構造の検討を行わず、間取りを優先して進めた建築案には、構造的に無理がある部分がしばしば見受けられます。キタザキアーキテクツでは、初期段階から許容応力度計算による「耐震等級3」を前提に設計を進めており、空間デザインと構造の両立を大切にしています。「構造デザインは空間デザインの可能性を拡張する」という考えのもと、クリエイティブな空間づくりを心がけています。住宅や医療施設、店舗など、木造建築を中心に、構造的な安心とデザイン性の両立を目指す──そんな建築を北海道、特に函館および近郊地域でご提案しています。構造から空間をデザインする。そんなアプローチにご興味のある方は、お気軽にご相談ください。建築相談会

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函館の建築家『北崎 賢』日々のブログ
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