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  • 道南地域で考える、住まいの『余白』と『密度』壁のデザインが暮らしを変える

    記憶を編み込むギャラリーリビングに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは天井まで届く書棚それは単なる収納ではなく、住み手の人生を表現する「家族の地層」そこには、これまでに感銘を受けた書籍や、旅先で手に入れた古い置物、そして家族の歩みを刻んだ写真たちが、それぞれの居場所を持って静かに佇んでいます。ソファに深く腰をかけ、ふと視線を上げれば、いつでも自分の原点や大切な思い出に触れることができる。窓の外に見える穏やかな街並みと、室内の落ち着いた木質感が調和し、まるで静かな私立図書館の一角にいるような贅沢な時間が流れます。ここは、知的好奇心を満たしながら、ゆっくり休日を静かに過ごすための空間なのです。光と影が描く現代の静寂もう一つは、力強いテクスチャーを持つ白い壁が現れた瞬間に始まります。装飾を削ぎ落としたことで主役となったのは、窓から差し込む自然光と、それが生み出す繊細な陰影です。凹凸のある壁面は、太陽の動きに合わせて刻一刻と表情を変えていきます。朝の澄んだ光は鋭いコントラストを刻み、夕暮れ時の柔らかな光は壁全体を優しく包み込む。何も置かない贅沢、そして「余白」があるからこそ感じられる心

  • 函館の住宅街で、“外から見られない光”をつくる

    カーテンを閉めなくても美しい家という選択「大きな窓が欲しい」家づくりを考えると、多くの人が要望する。光を取り込みたい開放感が欲しい空とつながりたいでも、実際に住宅街で暮らし始めると、いろいろ気になる、、、隣家の視線道路からの目線夜になると室内が丸見えになる不安結果として、一日中カーテンを閉めて暮らすことにそれは本当に、“開放的な家”なのか?今回の空間では、ただ窓を大きくするのではなく、「外から見られずに、美しい光だけを取り込む」ことをテーマに設計を考えた。床から1.5mの高さから始まるハイサイドの大開口視線は遮りながら、空の光だけを室内へ落とす吹き抜けを通して入る強い自然光は、時間によって表情を変え、壁に掛けたモノクロアートや濃色ラワンの壁面に陰影をつくる。窓は単なる“穴”ではなく、光を切り取るための装置だと思っている。だからこそ、窓枠の細さや黒の輪郭、光の入り方、壁とのバランスまで丁寧に整える。北海道・函館の住宅街は、冬の日射や雪、隣家との距離感も含め、本州とはまた違う難しさがある。その中で、「閉じながら開く」そんな空間のつくり方が、これからますます重要になる気がしている。カーテンを

  • 北の大地に、時を刻む「面」と「庇」

    今回は、私自身がこだわってる「建築の外観デザイン」について長らく箱型のシンプルモダンなデザインシーンが続いてますよねー これらは、無駄を削ぎ落とした美しさがあり、多くの建築家やビルダーが差別化を意識して追求しています。そんな中で、唯一無二のデザインを見つけるのは容易ではありません。 しかし、私自身は、流行を追いかけるのではなく、「クライアントと考える北崎らしさ」というものが、ほんのりと滲み出るような建築を目指したいと考えています。その「自分らしさ」を形にするために、私がこだわっているのは、以下の3つの要素です。 • 「面」で見せる重厚感 • 「庇(ひさし)」をしっかりと出すこと • 「庇の厚み」を見せることなぜこれらにこだわるのか? それは、建築が単なる「形」ではなく、その土地の風土を受け止め、長い年月をかけて生活を支えるものであるべきだからです。特に北海道のような地域では、厳しい冬の雪や、梅雨のない爽やかさの反面、強い雨に見舞われることもあります。 そんな環境において、木造住宅を雨水から守り、外壁を長持ちさせるためには、庇は基本的な機能として不可欠です。しかし、庇をただ「機能」として

  • 函館近郊の雪景色に映える『白』コストを抑えて豊かに暮らす、30坪の機能美住宅

    家づくりにおいて、「コストを抑えること」と「個性を表現すること」は、時に相反するように感じられますよね、、、、今回、僕が考案したのは、シンプルな30坪の箱型住宅をベースにしながら、圧倒的な存在感を放つ住まい。その名も『とうふ』■ 「木綿豆腐」のような、柔らかで親しみ深い質感この建築の主役は、外壁の表情単なる「白い箱」ではなく、木綿豆腐の表面のような質感を持った「塗り壁」を採用一見するとミニマルですが、光の当たり方によって繊細な陰影が生まれ、街並みに対して柔らかく、どこか懐かしさや親しみやすさを感じさせるデザインを目指しました。足元を引き締める濃いグレーの基礎と、軒下の道南杉のコントラストが、その白さをより一層引き立てます。■ コストを抑えつつ、構造で「光」をデザインする予算を大きく左右する凹凸を避け、基本はシンプルな箱型ですしかし、そこに一つの大きな仕掛けを施しました。それが、1階から2階へと突き抜ける巨大な窓 一見、大胆すぎるようにも思えますが、緻密な構造計算を行うことで、この「建物の顔」を実現しました。単なる開口部ではなく、家全体に光を充満させる「光の装置」として機能します。■ 「

  • 「小上がり」をヘッドボードに。空間を豊かに変える小上がりのある寝室

    以前、設計した『黒箱』の寝室小上がりがあり、空間に変化と多様な使い方の考案してもらおうと設計。家具の配置されていない完成時の写真にCG合成で家具配置して、インテリアコーディネートしました。奥の小上がりをベッドヘッドとして活用し、ダブルベッドを中央に配置段差が生む適度な「おこもり感」が、眠り以外の活用方法を生み出します。

  • 函館・北斗で叶える「カーテンのいらない家」|視線と光をデザインする

    朝、カーテンを開けたら夜までそのまま、、、、ただ、そこに光がある。テーブルに差し込む柔らかな朝日コーヒーの湯気がゆっくりと立ちのぼり、その向こうに広がるのは、色づいた木々の風景窓の前に立つだけで、季節がそのまま室内に入り込んでくる。カーテンのいらない暮らしは、単に「開放的で気持ちいい」という話ではありません。それは、“外とどう向き合うか”を丁寧に設計した結果視線の抜け方隣地との距離感敷地の高低差植栽の配置それらを積み重ねていくことで、「閉じなくても安心できる環境」がつくられていきます。特に北海道・函館近郊のような環境では、都市部とは違い、自然との距離が近い。だからこそ、無理に遮るのではなく、取り込む設計が成立します。冬は低い太陽の光を奥まで引き込み、夏は深い軒や窓の配置でやわらかく制御する。そうしてできた空間は、カーテンに頼らなくても快適で、そして美しい。カーテンを閉める暮らしは、安心を与えてくれます。でも同時に、外との関係を断ってしまう側面もある。一方で、カーテンのない暮らしは、外部環境とゆるやかにつながり続ける暮らしです。風の気配光の変化季節の移ろいそれらが、日常の中に自然と入り込

  • 北海道移住で失敗しないために|“眺望と広さ、安さ”で土地を選ぶ人へ

    独立して20年昔からよくある、移住の相談北海道の大自然、抜けのいい眺望、広い敷地、そして価格!その魅力に惹かれて、土地を買ってしまう人がいる気持ちはよくわかるでも、そのあとに待っている現実まで、想像できている人は少ない例えば——最寄りのコンビニまで車で10分人里から少し離れ、裏手の山には、流行りの熊の気配大雨のたびに敷地へ流れ込んできそうな雨水、、、だって排水溝の整備などないでしょ?人里離れた場所なんだから、、、そもそもその道路、行政は除雪してくれるのか??冬の交通は本当に成立するのか?4WDのSUVじゃないと踏破できそうもない道、、、僕のロードスターじゃあー ムリ景色はいいでも、それだけで日常は成立しない。地元の人が見向きもしない土地を、外から来た人が「魅力的だ」と感じることはある。ただ、そのズレには理由がある。やはり、長く暮らしている人たちが選ばない敷地には、それなりの理由があることが多い一方で、地元の人からも一目置かれるような土地は、確かに存在する。眺望がよく、敷地にもゆとりがありながら、車で5分圏内にコンビニや郵便局、金融機関、クリニックがある。徒歩で少し歩けば、カフェやパン屋

  • 北海道・函館の家づくり|見積もりが信用できないと感じたときに考えること

    連休中に読むじっくり型ブログです(興味ない人はスルーしてね!)予算の不安を乗り越える家づくり:信頼できる工務店と建築家の見極め方家づくりを進める中で、多くの人が直面するのが「見積もりの信頼性」に関する不安です。工務店によって見積もりの詳細度は大きく異なり、不信感しかない1枚だけの見積もりから、細かい内訳が100ページ近く並ぶこともあります。それらの見積書からさて検討!という段階で、判断基準が分からないからネット検索、、しかし、ネットで得られる情報から本質的な建設金額の情報はまず出てこない。資材費の高騰や世界情勢の変動による価格のブレを正確に反映することは難しいです。建設価格はブラックボックスと言われる所以ですねそしてAI時代になっても建設価格の不透明感は明瞭になることはないでしょう。だって、現場進行における様々な不測の事態に対応するには、経験値が必要でそれらを加味した上で建設価格は決める事があるからですね。だからこそ、信頼できる工務店や建築家を見極めることが重要になります。過去の施工例や実績、丁寧な対応、そして口コミや紹介を通してリアルな声を聞くことが大切です。一つひとつの金額に根拠を

  • 函館の建築家が考える、AI時代のCGパースと創造力の本質

    現代のCGパースはAIによってさらに精密に作られるようになりました。しかし、かつて手書きでパースを描いていた人たちがCGに手抜き感を感じたように、今度はCGパースを制作していた僕が、AIによる精度向上に対して同じように手抜き感を抱くことがあります。こうした手抜き感のイメージは時代が変わっても根強く残り、CGパースを作る人たちの意識にも影響を与え続けています。ですが、最も重要なのは、これらのツールがあくまで手段に過ぎない建築家やクリエイターの発想力、創造力こそが本質であるということは、これからも変わらないはず!と思いたい

  • 【函館・五稜郭】光の箱が浮かび上がる、静謐なヘアサロン「オッジヘアー」のデザイン

    函館市内、五稜郭公園からもほど近い場所に、夜の帳が下りる頃、ひっそりと、しかし確かな存在感を放つ場所があります。今回ご紹介するのは、建築的な美しさと、ゲストへの細やかな配慮が融合したヘアサロン「オッジヘアー」のファサードデザインです。1. 空間を定義する「白い箱」の意図オッジヘアーのデザインの核となるのは、ガラス越しに浮かび上がる「白い箱」のカットスペースです。 あえて室内に独立した構造体として配置することで、サロンという機能的な場所を「舞台」のように演出しています。ミニマルな白いフレームは、そこで行われるカットという創造的な行為を象徴し、空間全体に清潔感と心地よい緊張感を与えています。2. 木目天井を彩る「光のレイヤー」白い箱の上部から溢れ出す間接照明は、天井の美しい木目をドラマチックに照らし • 温もりと開放感: 直線的な白い箱とは対照的な、有機的な木の質感。このコントラストが、都会的なクールさの中に「寛ぎ」を添えています。 • 光の奥行き: 天井に反射した光がガラスにも柔らかく映り込み、現実の空間と虚像の光が重なり合うことで、実際の面積以上の奥行きを感じさせています。3.

  • 暮らしのシーンから設計する

    家づくりを考えるとき、普通は「何LDKにするか」「収納は何帖必要か」「子ども部屋は何部屋必要か」と、部屋を“数”として捉え設定しましよね。けど本当に大切なのは、そこでどんな時間を過ごしたいか?どんな景色を見て、どんな気持ちで朝を迎え、どんな未来を育てていくのか?住まいは、単なる箱ではなく、これからの人生を詰め込む箱として捉え、ワクワクする空間を考えたいものです。たとえば寝室ただ眠るための部屋ではなく、お気に入りの服に囲まれながら朝の身支度を整える場所ギャラリーのように写真やアートを飾り、自分らしさを感じられる空間。 テルライクでありながら、どこか木の温もりがある。そんな上質な日常が生まれます。子ども部屋も同じです。ベッドを置くだけの小さな個室ではなく、兄妹それぞれの個性を育みながら、ゆるやかにつながる空間。本棚で仕切る机を並べて学ぶ時には一緒に遊び、時には一人になれる成長に合わせて変化できる余白こそ、これからの子ども部屋に必要な価値だと考えます。そして玄関靴を脱ぐだけの場所ではなく、趣味のロードバイクを置いたり、アートを飾ったり、友人を迎えたりする“第二のリビング”にもなります。帰宅し

  • 「好き」を設計する。——仕事と趣味が溶け合う、自分だけの拠点

    家を建てるということは、単に生活の場を作るだけではありません。それは、自分の「好き」という感情をどう配置し、日々の時間をどう豊かに彩るかという、人生の設計そのものだと感じています。例えば、没頭するためのクリエイティブな空間壁一面に並んだお気に入りの音源や、インスピレーションを刺激するアートに囲まれ、デュアルモニターの前で思考を深める時間は、何物にも代えがたい贅沢です。好きな道具が手の届く場所にあるだけで、アウトプットの質も自然と高まっていく気がします。一方で、アクティブな動線も欠かせません。土間続きのガレージのような空間に、愛車やロードバイクをディスプレイするように配置外遊びから帰ってきたときの高揚感をそのまま家の中へ持ち込み、メンテナンスをしながら次回の計画を練る。そんな「遊び」の拠点があることで、暮らしにリズムが生まれます。そして一日の終わりには、火の揺らぎを感じながら静かにリセットする場所へ薪ストーブの温もりの中でコーヒーを片手に、ラウンジチェアで何もせず過ごす時間機能的な動線と、五感を満たす素材感。その両立が、心地よい暮らしの輪郭を描き出す仕事も、遊びも、休息も すべてが自分ら

  • 【施工事例】街並みに美しく映える、究極の「黒箱」

    こんにちは!いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。突然ですが、みなさんは「家を建てるなら何色が良いですか?」と聞かれたら、何色を思い浮かべますか?白、ベージュ、グレー… 様々な選択肢がありますが、近年、圧倒的な存在感と洗練された印象で人気を集めているのが「黒」です。今回は、閑静な住宅街の一角に建つ、まさに「究極のモダン」を体現するスタイリッシュな黒い家をご紹介します。街のアイコニックな存在に。計算されたモノトーンのデザイン青空の下、ひと際目を引くこちらの外観。 周囲の住宅が白やベージュ基調の中、黒一色で統一されたスクエアなフォルムは、圧倒的な存在感を放っています。この家の最大の特徴は、外壁に使用されている黒の縦ラインのガルバリウム鋼板光の当たり方によって、深くマットな質感に見えたり、シャープな金属光沢を放ったりと、時間帯や天気によって様々な表情を見せてくれます。縦のラインが強調されることで、建物全体がスマートで高く、洗練された印象ですまた、窓の配置も計算し尽くされており、外からの視線を遮りつつ、内部への採光を確保無駄な装飾を削ぎ落としたミニマルなデザインは、まさに「大人の

  • 抹茶色と道南杉が描く、函館山麓の休日。〜ある夫婦が交わす、ととのいの会話〜

    ※この記事は、建築家が手がけた「理想の過ごし方」をイメージしていただくための架空の物語(ストーリー)です。「ねえ、見て。この抹茶色の壁、珍しいチョイスね」函館山の麓に佇む、一軒の建築家設計ヴィラ宿泊先のその場所へ到着したとき、妻が最初に目を止めたのは、独特な色彩でした。「本当だね。地元の道南杉をあえてこの色で仕上げるなんて、心憎い演出だよ。敷地を彩る植栽とも相まって、まるで以前からここにあったみたいだ」荷物を置いて二人が向かったのは、この宿自慢のサウナ扉を開けると、杉の香りがふわりと鼻をくすぐります。「うわあ……見て、この景色!サウナの中から函館の街が全部見えるよ」「……言葉が出ないな。火照った体に、窓の外に広がるパノラマが贅沢すぎる。夜になったら、あの街の灯が宝石みたいに見えるんだろうね」「水風呂のあとの外気浴は、あの雑木林からの風を感じながらかな。明日の朝は、市内を一望しながらゆっくりコーヒーを淹れましょうよ」「そうだね。建築家のこだわりが詰まったこの場所なら、ただそこにいるだけで、新しい物語が始まりそうだ」

  • 【北海道・函館エリアの家づくり】広い玄関が暮らしを変える!機能性と遊び心を両立する「土間+α」の活用術

    家づくりを考えるとき、リビングやキッチン、外観デザインには多くの時間をかけても、玄関は「出入りするだけの場所」として最小限に考えられることが少なくありません。広い玄関は、単なる通過点ではなく、暮らしを支える“余白の空間”になります。1. 「魅せる」ギャラリー・サロンとして広い壁面やスペースを活かして、自分の世界観を表現する場所に • 季節のアートギャラリー: 大きめの絵画やポスター、季節ごとの生け花をダイナミックに飾る。広さがあれば、少し大きめのオブジェやアンティークのトルソーなどを置いても圧迫感がありません。 • フレグランス・バー: お気に入りの香水やディフューザーをトレイに並べて。外出前や帰宅時に、その日の気分で香りを選ぶ「儀式」を楽しめます。2. インナーテラスやリラックス空間に土間のような感覚で、外と中の中間領域を楽しむスタイル • 玄関カフェ・読書スペース: 小さな一人掛けのチェアやサイドテーブルを置いて、あえて玄関でコーヒーを飲んだり読書をしたり。少しひんやりとした静かな空気感が、意外と集中力を高めてくれます。 • グリーンの温室化: 日当たりの良い玄関なら、観葉植

  • ひとつの建築から、小さな村をつくる。田園風景見渡す高台に描くヴィレッジ構想

    家づくりと聞くと、多くの人は一棟の住宅を思い浮かべると思います。間取りを考え、外観を決め、駐車場を配置し、庭を少し整える。それはこれまでの住宅計画として、ごく自然な流れです。けれど、もし土地に余白があり、風景があり、時間の流れまで設計できる場所なら家を一棟建てるだけでは、少しもったいないかも、、、小さな集落をつくる今回考えているのは、田園風景を見渡す高台に建つ「ヴィレッジ」数棟の建物がゆるやかに配置され、その間には菜園、庭、小径、駐車スペース、広場がある。住宅地に建つ家ではなく、風景の中に住まいが点在するイメージです。遠くまで広がる畑や田んぼ季節によって変わる田畑の色朝霧、夕焼け、雪景色そのすべてを、日常として受け取れる場所一棟ではなく、役割ごとに建物を分けるヴィレッジ構想の面白さは、暮らしを一棟の中に無理に押し込めないことです。例えば、 • 家族が暮らす母屋 • 趣味や仕事に集中できる離れ • 車や道具を収めるガレージ棟 • 来客を迎えるゲスト棟 • 将来親世帯が使える住戸そんなふうに、建物ごとに役割を持たせることができます。家の中で全てを解決するのではなく、敷地全体で暮らしを設計す

  • 道南の風土に溶け込む、これからの建築を求めて|北斗市・函館近郊での新たなデザインの出発点

    My video.mp4北海道、函館市から北斗市へと広がる、道南の豊かな風景この地に根を下ろし、独立して20年という月日が流れました。日々、建築家としてこの地域の厳しい冬や美しい光と向き合っていますが、最近「自分自身のデザインを、もう一度まっさらな視点で見つめ直したい」という強い衝動に駆られました。ここ一週間、私は自分の中にある「理想の建築」を徹底的に言語化し、視覚化しました。それは、ただ新しい形を探すのではなく、この道南という土地に真に相応しい「これからの住まい」のあり方を再定義するためのプロセスです。雪山で感じる静寂や、ロードバイクで駆け抜ける時に感じる空気の密度そんな日常の断片から汲み上げたインスピレーションを、一つひとつのイメージに落とし込みました。今回制作したスライドショーは、私のこれからの設計活動における「羅針盤」のようなものです。 • 北海道地域の街並みに、どう調和するか • 北斗市、函館市近郊の独特な景観の中で、いかに個性を放つか • 道南の暮らしを、より豊かに、より楽しく変えていけるかそんな問いへの答えを、言葉ではなくビジュアルで表現しています。一人で黙々と進めてきた

  • アシスタント優秀

    まずはBIMを用いて現実的に可能な(予算・構造・省エネ性能)空間デザインを設計したら、CG制作。CGについては作りこまず、ラフ制作ロフトには日本人小学生男子 手前には中学生男子 バスケ好きな兄弟をイメージして天井高いから おもちゃみたいなバスケットゴールあっても良い 窓にはウォルナット系の木製ブラインド デザインイメージはかっこいいカフェみたいなデザイン天井が高く勾配があるのでそれを生かしたデザインで生成して指示を出してAIで制作AI制作した画像を基に自分でCGを作り直しても良いし、デザインを再検討しても良いし、なんならこのままでも十分プレゼンに使えるアシスタント雇った気分AIのおかげでデザインアイデアの幅が広がったね。全て自分で設計デザインする時代は終わったのかもAI活用しながら新たな視点で設計デザインを捉える時代だな

  • 子供部屋デザインは年齢で変わる

    住宅のリビングや外観デザインは、20年、30年と長く住み続けられる普遍的なデザインが望ましいですよね。シンプルで飽きがこず、無垢材や自然素材を使い、時間とともに味わいが増していく空間そうした考え方は、住まい全体においてとても大切です。しかし一方で、子ども部屋は少し視点が変わってきますね子どもが小さい時期に家を建てるなら、可愛らしさや安心感を重視した空間づくりになることが多いでしょう。そこには親の価値観も自然と反映されます。けれど、もし家づくりのタイミングが、中学生や高校生の子どもがいる時期だったら?カフェや書店、商業施設など、日常の中で洗練されたインテリアに触れていきますよね。スタイリッシュな空間、落ち着く照明、かっこいい家具配置、、、そうした感覚を自然に身につけています。つまり、子ども部屋にも一定のデザイン感度が求められる時代になっているのです。小さい頃には似合っていた可愛らしい部屋が、成長すると「友達を呼ぶのが少し恥ずかしい空間」になることもあります。だからこそ、子ども部屋は過度に作り込みすぎず、 • 白を基調としたシンプルな壁 • 無垢材など質感のある床 • ポスターやアートで変

  • 0から1を生み出す。それが僕の仕事だ

    何もない敷地に、まだ存在しない建築を思い描くそこに住む人の暮らし、家族の未来周辺環境との関係光や風の流れ雪や寒さへの備えさらに、省エネ性能や耐震性能、コストバランスまで含めて、一つの答えにまとめていく。何もない場所に、意味ある形を立ち上げることゼロをイチに変えることそれが、僕の仕事だと思っています建築は、ただ図面を描くだけではありません敷地ごとに条件は違い、住む人ごとに価値観も違うだから毎回、同じ答えはありません。毎回ゼロから考え、毎回イチを生み出していく。そして、そのイチをより豊かに育てていくのは、クライアントとの対話です。会話の中で、本当に必要なものが見えてくる。暮らし方の輪郭が見えてくる。最近はさらに、AIという新しいアシスタントが登場!アイデアの可能性を広げ、表現の幅を増やし、思考を加速させてくれる存在けれど、最初のゼロイチだけは、僕の仕事その土地を読み、未来を想像し、責任を持って決断すること。そこに建築家の価値がある。僕はこれからも、ゼロからイチを考える仕事を続けていきたいと思います。

  • 30坪の平屋に住む。2枚の壁が「アート」と「静寂」を生む

    プロジェクト名:屹立『KITURITU』大地に屹立する、2枚の壁今回提案するのは、30坪という限られたサイズの中で、「建築そのものがアートであること」と「圧倒的な静寂」を両立させた平屋の住まい最大の特徴は、大地から空へと突き抜けるように屹立する2枚の巨大な壁この壁は、外部からの視線を遮るプライバシーの守り手であると同時に、内と外を劇的に分かつ「境界線」としての役割を果たします。壁の素材には重厚なチャコールグレーの焼き杉を採用し、時間の経過とともに深みを増す質感を大切にしました。境界の先に広がる、光と眺望の特等席一歩足を踏み入れれば、外観のクローズドな印象からは想像もつかない開放的な大開口が広がります。2枚の壁の裏側に隠されたリビングは、景色を切り取る額縁 内装は、足裏に心地よいナチュラルトーンの無垢床と、光を柔らかく拡散させる美しい白壁で構成。天井には、空間を貫く一本の細いライン照明を埋め込み、夜にはミニマルなバーのような表情を見せます。暮らしを彩る、北崎流のディテールインテリアにも「カッコよさ」への妥協はありません。 • 構造の美学: 窓辺には、デザインの一部として機能する黒塗装の木

  • 函館・北斗市の注文住宅設計|「面の重なり」で奥行きを作る建築実例

    【1】スカイラインが描くリズムこの家を設計する際、意識したのは「単なる箱」にしないこと • ボリュームの分節: 機能を分け、高さを変えることで、圧迫感を抑えたリズムのある外観 • 対比の妙: 背後の白い垂直ボックスと、手前に突き出すオレンジの片流れ屋根。 この鋭いラインが、北海道の広い空を彫刻的に切り取ります。【2】「面」で構成するテクスチャと色彩建築を「線」ではなく「面」の重なりとして捉えています。 • 素材のレイヤー: 職人の手仕事が生きた塗り壁、コンクリートの質感 • 風景に映える色: この赤茶は、新緑の季節はもちろん、冬の白銀の世界にも鮮やかに映えるよう意図したものです。 そして今、ここに「桜の淡いピンク」が加わろうとしている【3】プライバシーを編む「レイヤー構造」街に対して閉じつつ、豊かな表情を作る工夫 • 幾重もの壁: コンクリートの塀からガレージ、そして住居へ。視線を遮りながらも、深い陰影が建物に奥行きを与えます。 • 内守る静寂: 道路側の開口を絞ることで、内部には外からは想像できない静かな時間が流れています。【4】建築と植物の境界線無機質なコンクリートや

  • フラットルーフを再解釈した、コーヒーを淹れるために帰る家

    20代とか30代前半で思い切って家を建てるなら、、、どこまで欲望追及できるのか?ちょっとコストを脇に置いて考えてみた。それは、完成された暮らしを手に入れることではなく、これからの自分の時間をどう使うかを決める行為今回の計画では、いわゆる“今時の家”と呼ばれるフラットルーフの住宅を、あえて正面から捉え直してみた。単純なキューブ型の黒い箱ではなく、門型のフレームを前面に押し出し、奥行きと陰影をつくる。コーヒー色の壁は、単色でまとめるのではなく、ボリュームごとにリズムを持たせながら構成した。整えすぎない。しかしラフにもならない。そのバランスの中に、若者らしい少しの“やんちゃさ”を残している。内部に入ると、空間の中心には5.5メートルのキッチンカウンターが現れる。この家では、リビングでもダイニングでもなく、キッチンが主役エスプレッソマシンやコーヒー器具が並び、湯気と香りが日常の中に自然と溶け込んでいく。その風景は、カフェのようでもあり、同時にとても個人的な場所でもある。函館のように、季節の変化が大きく、室内で過ごす時間の質が問われる地域では、住宅の性能はもちろん、その中で何をするかが重要になる

  • 道南の四季を愉しむ。道南杉と薪ストーブのある『丁寧な暮らし』

    1階の深い軒下には、冬の備えである薪棚整然と積まれた薪は、それ自体が豊かな暮らしの象徴です。大人の「渋い男好み」な世界観あえて広大な一区画にするのではなく、モダンでシンプルな仕切り(レイズドベッド)を点在させる配置仕切りごとに異なる種類の野菜が育つ様子は、まるで地面に描かれたアートのようこの整然としたデザインが、アースカラーの外壁と見事に調和します。「レイズドベッド(Raised Bed)」地面よりも一段高く枠を組み、その中に土を入れて作る栽培スペースを指します。菜園を「モダンでシンプルな仕切り」として表現した部分の具体的な名称として使いました。「外」を愉しむ贅沢:広いウッドテラスリビングからフラットに繋がるテラスアウトドアソファを置き、家族や友人と焚き火を囲む時間は、何にも代えがたい贅沢軒天やルーバーに配した木目の温もりが、モダンなデザインに柔らかさを添える家庭菜園で外構デザインをモダンに構築して、建物デザインをより惹き立てます。

  • 函館の建築家が考える、生成AI時代の設計

    結局のところ、生成AIが生み出したイメージに対して、それを現実の建築として成立させるための裏付けを与えるのは、設計者の仕事である。ここでいうリアリティとは、単なる見た目の話ではない。その空間が、建設コストの中に収まるのか?現場で、大工の手によって組み上げることができるのか?断熱や省エネ性能は、求められる水準を満たしているのか?構造的に成立し、耐震性能を確保できるのか?そして、建築基準法をはじめとした法規に適合しているのか?生成AIは、あくまで「かたち」を提示する。しかしその「かたち」が現実に立ち上がるためには、無数の条件を一つひとつ解きほぐし、整理し、統合していく必要がある。それらを設計図面としてまとめ上げ、実際の建築として成立させる。その責任と判断は、最後まで設計者に委ねられている。

  • そのAI建築、函館で建てられますか?

    かつて設計とは、手で線を引くことだった(僕は学生時代にしか経験してないけど)やがてCADが登場し、マウスで線を引くようになった。そのとき現場や事務所では、「コンピューターなら早いでしょう」「設計料は安くなるのでは?」そんな言葉が当たり前のように飛び交っていた。しかし実際には違った。道具が鉛筆からコンピューターに変わっただけで、設計そのものが軽くなったわけではない。むしろCADを使うことで、CGを覚え、パースを作り、動画を編集し、BIMへと移行すれば、3Dモデル、VR、構造計算ソフトの活用、BIM確認申請の始まりなど、設計者の仕事は拡張し続けていった。効率化されたはずの時間は、すべて「新しい表現」と「新しい業務」に置き換わっただけだった。そして今、生成AIが現れた。指示を与えるだけで、自分では思いつかなかった建築のパターンが、いくつも立ち上がる。この行為に対して、どこか「手抜きではないか」という感覚が残るそれはおそらく、“自分の手を動かしていない”ことへの違和感これまでバリエーションを作るには、自らCGを起こし、時間をかけて検討してきた。そのプロセスが一気に短縮されることで、「努力してい

  • 16坪、塗り壁の家。私をリセットしてくれる、大地のようなぬくもりに包まれて

    昨日のブログ『函館に、もう一つの居場所を』今回は明るくやわらかな色合いに包まれた空間デザインの提案です。僕は、『デザイン・省エネ性能・耐震性能』を自社で納得した設計性能を達成させた上で、ライフスタイルを提案する建築家を目指しています。16坪、塗り壁の家忙しい日々をリセットしてくれるのは、大地のようなぬくもりを宿した、塗り壁の外観朝、函館市のひんやりとした光が深い庇(ひさし)を通り抜け、室内に柔らかな影を落とす。淹れたてのコーヒーの湯気がゆらゆらと立ち上り、足元には温もりを求めて猫が寄ってくる。この「ちょうどいい」サイズ感の空間には、私の一挙手一投足が静かに響き、日常が丁寧な所作へと変わっていく。夜はまた別の表情を見せる。 壁一面に設けた本棚から、その時の気分に寄り添う一冊を手に取り、キャンドルの灯りで静かに更ける。大好きなマリメッコのファブリックが彩りを添え、イッタラのグラスに注いだ飲み物が、琥珀色の光を反射する。「16坪」という限られた空間に、私の「好き」をどう詰め込むか? 建築家と対話を幾重にも重ね、理想の暮らしを一つひとつ手繰り寄せていった。「もっと土着的な、力強い壁にしたい」

  • 函館に、もう一つの居場所を。16坪の平屋が、スキーとロードバイクの『ベースキャンプ』に変わる日

    先日ブログ『16坪のコンパクトな暮らし』 今回はライフスタイルを提案です。僕は、『デザイン・省エネ性能・耐震性能』を自社で納得した設計性能を達成させた上で、ライフスタイルを提案する建築家を目指しています。16坪という最小限の箱に、余計なものはいらない。必要なのは、自分の好きなものだけだ。無機質なタイルの床、ラフなコンクリート、眺望を楽しむ大きな窓その中に、スキーとロードバイク、そして自分が積み重ねてきた時間をディスプレイする。広さはいらない装飾もいらない壁に掛ける並べる。眺めるその行為はディスプレイではなく確認「自分は何が好きなのか」それを日々、空間の中で再認識する。本棚には洋書と写真集。革張りのヴィンテージソファに沈みながら、静かにページをめくる。外に開かれた大きな窓と対照的に、内側はどこまでも閉じている。音はほとんどないページをめくる指先と、わずかな呼吸だけが、この空間のリズムになる壁に掛けられた写真は、語りかけてくるわけじゃないただ、そこに在ることで、自分の輪郭を静かに浮かび上がらせる。何かを足す必要はないし、誰かを招く必要もない。閉じているからこそ、ぶれない削ぎ落としているから

  • 函館で暮らす20代へ|コーヒーを淹れるために帰る家

    先日のブログ『20代で家を建てるのはアリか?』 この記事に対して『じゃあ どんな家が可能か?』勝手に考えてみた!20代で家を建てるという選択は、少し早いようにも感じるかもしれない。将来の働き方や家族構成もまだ定まらない中で、「持つ」ことに不安を感じる人も多いと思う。それでも今、家を建てる意味があるとすれば、それは「自分の時間の質を高めるための拠点を持つこと」ではないだろうか。リビングに入ると、視線の先に5.5メートルのキッチンカウンターが現れる。この家では、その存在自体が空間の軸になっている。エスプレッソマシンから立ち上る湯気、ゆっくりとドリップされるコーヒーカウンター越しに交わされる何気ない会話ここは単なるキッチンではなく、「時間を過ごす場所」として設計されている。カウンターの足元には間接照明が仕込まれ、床から柔らかい光が立ち上がる。夕方から夜にかけては、その光が空間全体を静かに包み込み、昼とは異なる表情をつくり出す。背面の壁には、コーヒーにまつわる道具や器、そしてイメージ写真が並ぶ。それらは単なる装飾ではなく、この家に暮らす人の価値観を映し出す“背景”として存在している。天井は三角

  • AIとの対話で研ぎ澄ます。16坪の平屋に築く、究極の「自己満足」

    僕が描いた初期の構想から、AIアシスタントとの対話を幾重にも重ね、アイデアの振れ幅を広げていった。僕がAIに指示した生活スタイルのイメージ文誰にも理解されなくていい16坪の平屋に築く、究極の「自己満足」という聖域効率や一般論は外に置いておこう!扉を開ければ、そこにあるのは自分の好きなものだけロードバイク、スキー、そして選び抜いたミッドセンチュリーの椅子16坪という限られた空間だからこそ、濃密になる「個」の世界素材の対比: 粗いコンクリートと焼杉の壁が醸し出す、武骨な美学ディスプレイの哲学: 道具は使うだけではない。飾ることで、日常の景色を変えていく光の演出: 夜を支配する細いライン照明が、孤独を「贅沢」へと昇華させるこの内容で制作されたCG良いね!かっこいい!じゃあ、夜のイメージ欲しい細い間接照明で演出して以上の内容、再指示 うん!僕の考えるデザインとは違うイメージを出してくれたな 参考になるし、自分のデザインと融合させてみようちなみに、外観デザインと融合してみて新たな指示をする良いね!インテリアデザインと融合されたけど新たな場所に窓を設置してくれた自分の考えとは違う方向性でCG提案し

  • 函館エリアの平屋暮らし。16坪のコンパクトな住まいに、素材のぬくもりを凝縮させる

    16坪の平屋:大地に根ざす「素材」の再構築自分らしい暮らしを形にする16坪のコンパクトな平屋 初期デザインの「モダンでシャープな建築美」から、一歩踏み込んで「土着的な温かみ」と「ストイックな引き締め」を両立させるまでのプロセスを記録僕が初期から構想していたコンセプトは、『力強く屹立する厚い壁と深く伸びる厚い庇』この「建築の骨格」はそのままに、まずは無機質な質感から有機的な質感への変換を試みました。 • 素材の選択: 黒い面をコールテン鋼と再生木へと置き換え、自然の中に溶け込むような深みを与えました。でも、、、コールテン鋼は高価だよね! これでは予算を考慮してない無責任2. 「塗り」の質感がもたらすぬくもり建築コストとメンテナンス性を考慮し、高価な金属建材から「塗り壁」への方向転換 • こだわり: 単なる平滑な壁ではなく、砂や土の粒子を感じるラフな左官仕上げ • 手仕事の跡が残る壁は、光の当たり方で豊かな表情を見せてくれます3. コントラストによる「深化」塗り壁の温かみが少し「甘め」に感じられたため、背景となる板壁のトーンを再考 • カラーパレットの調整: • メイン: 土のぬくも

  • 夢と現実のあいだで|予算と向き合いながら建築をつくるということ

    僕は、建築プランの比較で選ばれる、いわゆる「コンペ」には参加していない。同様に、建築費を複数社で比較する“相見積もり”の進め方も基本的には行っていない。もちろん、クライアントに指定の工務店がある場合や、比較したいという要望があれば、僕が信頼している工務店とクライアントが指名する工務店(ここ重要)での、見積もりを取ることは可能だ。ただし、それはあくまで「より良い建築を実現するための手段」であって、「価格だけで選ぶためのもの」ではないと考えている。例えば、最初に「予算4,000万円」と提示された場合、私はその範囲の中で現実的に実現可能なプランを提示する。 もしかするとそれは、クライアントにとって“夢が削ぎ落とされた案”に見えるかもしれない。けれども、最初から実現不可能な夢を並べたプランを提示し、選ばれたあとに予算オーバーで苦しむ――その先にあるのは、決して幸せな建築ではない。だからこそ私は、現実に即した提案からスタートする。そしてそこから、対話を重ねながら、理想や夢を少しずつ現実へと引き寄せていく。建築とは、最初の一案で決まるものではない。むしろ、そこからのプロセスこそが本質だと思っている

  • 雪解けの先にある祝祭|函館の新緑と木漏れ日がつくる建築のかたち

    長い冬を越え、雪がゆっくりとほどけていく。白に覆われていた景色が、少しずつ地の色を取り戻し、やがて芽吹きの気配が広がっていく。函館の春は、静かでいて、どこか劇的だ。冷たく張り詰めていた空気が緩み、木々は一斉に新芽をひらく。淡く透き通るような新緑が、街と風景をやさしく包み込んでいく。その隙間からこぼれる光揺れる葉がつくり出す影木漏れ日は、ただの明るさではなく、時間と風、そして季節の移ろいそのものだと思う。その下に立つと、自然と呼吸が深くなる。強すぎない光、閉じすぎない影。木陰の快適さは、人の身体感覚に素直に寄り添ってくる。冬の厳しさを知っているからこそ、この柔らかさが際立つ。北海道の春は、ただの季節の変わり目ではなく、どこか祝祭のように感じられる。建築は、この一瞬とどう向き合うのか。光を遮るのではなく、受け止める。自然を排除するのではなく、関係を編み込む。美しい木立と木漏れ日があることで、建築は単体では完結しない。光と影、風と緑が重なり合うことで、空間は“完成されたもの”から“育っていくもの”へと変わっていく。雪解けの先にある、この短くも鮮やかな季節。その一瞬をすくい取るように、建築が静

  • AIは建築家の「右腕」になれる?デザインを最速で磨き上げるAIと対話

    設計検討段階でBIM制作したCGをよりプロポーション良く、デザインに統一感を持たせるために自分で考えるだけでなくAIと検討を重ねることで時短を狙います。デザイン検討しながら設計作業や構造計算を進めることはとても重労働なので、AIをアシスタントとしてデザインに活用してみる。僕が作ったCGをベースに、AIをデザインパートナーとして迎えて、どこまでデザインが化けるか試してみたプロセスです。1. 「今時のデザイン」って何?僕:『今時のデザイン』の趣旨がわかりたい、具体的にどんなのがあるかな?」 AI:「それなら、無機質でクールなモノトーンなんてどうでしょう。ガルバリウムとコンクリートで引き締めると今っぽくなりますよ。」2. 「骨格」が悪いのか?プロポーションの再検討僕:「素材はいいけど、洗練させたいな。プロポーション調整して』AI:「悪いというより、視線がバラけてるかも。水平ラインをピシッと揃えて、1階の屋根の形を2階と合わせてみませんか?」 僕:「じゃあ、1階屋根を2階屋根と同じ勾配にすることで、形を揃えて。さらに1階をグッと低く抑えてみて。」3. 最後はやっぱり「地元の素材」でいきたい僕:

  • 20代で家を建てるのはアリか?建築家が考える「早く持つ」という選択

    建設費の高騰、住宅ローン金利の上昇、、、これから家を建てる人にとって、状況は決して楽観的できないですねだからこそ、ひとつの考え方として「20代のうちに一戸建てを持つ」という選択は、現実的な戦略になり得るかももちろん、20代は多くの場合独身であり、将来の家族構成やライフスタイルは不確定結婚するかもしれないし、しないかもしれない子供ができるかもしれないし、趣味に生きるかもしれない。30代、40代になれば、興味の幅も広がり、それに伴って「必要な空間」も変化していく。だからこそ重要なのは、変化に対応できる“余白のある住宅”を最初からつくることだと思う。例えば、30坪前後、4,000万円(税込)程度太陽光パネルは、もはや必須条件エネルギー価格の変動に左右されず、自家消費や将来的な電力活用(EVなど)にも対応蓄電池まで備えれば理想だが、まずは「電気をつくる仕組み」を持つことが重要だ。そして空間構成新築時点で細かく間仕切るのではなく、構造計算(許容応力度計算)によって耐震等級3を確保した“ワンルーム的構造”とする。その上で、将来の変化に応じて間仕切り壁を「後から足す」家族が増えれば区切る。独身なら広

  • 特に意味のない記録(4月4日)

    ボンネットを開けて、興味がなくなったと気づいた日車に対する興味がなくなっていた。アクセルペダルをひと踏みすれば加速する。それだけで成立してしまう感覚に、どこか物足りなさを感じるようになった。誰でもできる操作の中に、自分が入り込む余地があまりない。それに比べて、スキーは違う思い切り姿勢を低く外脚を伸ばしてスキーのエッジを立て、雪面を捉え、スピードに乗る。ハンドドラッグを決める瞬間の、あの独特の緊張感と達成感少しでもバランスを崩せば破綻する、そのギリギリが楽しいロードバイクも同じだ。風と向き合いながら進む感覚スピードを維持するための体力ただまっすぐ走るだけでも、意外と繊細なコントロールが必要になる。どちらも、自分の思い通りにはならない。だからこそ面白い。フィジカルが問われるもの、自分の身体がそのまま結果に出るものそういうものに、今は強く惹かれている。ふと、久しぶりにロードスターのボンネットを開けた。半年で走行距離は1000キロその内側には、落ち葉が静かに堆積していた。運転して楽しいロードスターのはずが、『ああ、もう興味がなくなったんだな、』と感じた妙に納得してしまった。4月5日スキーシーズ

  • Probably Not Worth Reading

    The Day I Opened the Hood and Realized I’d Lost InterestSomewhere along the way, I lost my interest in cars.You press the accelerator, and the car speeds up.That alone is enough to make it work.But lately, that simplicity has started to feel… unsatisfying.There’s very little room left for me to truly engage with it.Ski carving, on the other hand, is different.You set the edge, grip the snow, and build speed.That moment of dragging your hand along the surface—the tension, the precision, the rewar

  • ただ自分のために残す雪の記憶

    あ!自分用の日記ブログなので読まなくて良いです!僕があとで(夏のひと時とかに)読み返すために残すブログだから、、、ただ印象に残ったスキーの日々を綴っただけ12月15日シーズンの始まりとともに最新の板『ライン ブレード』試す今シーズン最初の一本『ライン ブレード』の鋭い切れ味と、鋭いカービング性能、板のたわみが引き出す反発力による無重力感覚に、ただ純粋に驚く!「ああスゲー、今年はこの板で滑るんだな!!!」そんな実感が身体の奥から立ち上がってきた初日だった。2026年1月毎日のようにファーストトラックを滑った。丁寧に圧雪された、まだ誰も刻んでいない雪面にカービングラインを削るその後、ゴンドラに乗り込み、毎日一緒になる先輩スキーヤーと、滑った一本について、雪質について、圧雪状態について、、、話す。他愛もない会話だったけれど、その時間が心地いい先輩スキーヤーから教えて頂く事柄はどれも参考になる。2月13日雪は静かに、そして絶え間なく降り続いていた。午後のコースは、ほぼ貸し切り滑っても滑ってもリセットされるゲレンデコース誰にも荒らされていないパウダーに何度も入り続ける。滑りながら、静かに感動!3

  • 桜の季節に考える家づくり|建設費高騰の時代に、建築家と向き合うという選択

    春、桜の季節が近づいてますね。自邸「サクラハウス」では設計相談会を開催中これから家づくりを考えている方、計画を進めている方、あるいは、まだ何も決まっていない方でも構いません。この場所で、実際の空間を体感しながらゆっくりとお話しできればと思っています。いま、建設費の高騰や先の見えない世界情勢の中で、「家を建てていいのか」「今、動くべきなのか」そんな迷いを感じている方も多いと思います。実際、簡単に決断できる時代ではなくなりました。だからこそ、焦って結論を出すのではなく一度立ち止まり、ひとつずつ整理しながら考える時間がとても大切だと感じています。サクラハウスは30坪というコンパクトな中に、高断熱・高気密の性能、ピアノアトリエやラウンジのような空間、そして雑木林や桜へと開かれた風景を持つ住まいです。数字やスペックだけでは伝わらない「空間の質」や「温度感」を実際に感じていただける場所です。設計とは、ただ図面を描くことではなくその人のこれからの暮らしや時間を一緒に考えていくことだと思っています。こんな時代だからこそ、一つひとつ丁寧に、じっくりと向き合う。そのための時間として、この相談会をひらいてい

  • 去りがたい、という感情の正体

    去りがたい、という言葉がこれほどしっくりくる日ホームゲレンデの営業最終日それに合わせるように、僕の今シーズンのスキーも終了振り返れば、今年の冬は本当に濃かった。ただ滑るだけじゃなくて、雪の質、斜面の変化、自分の身体の使い方、その全部と向き合っていた気がする。スピードに乗ったカービング、雪面を噛むエッジ、あの感覚はもう完全に身体の中に刻み込まれた。そして、ラインブレード正直ここまでハマるとは思っていなかった。どんなコンディションでも足元に感じる安心感と、外脚荷重にしっかり応えてくれる懐の深さ、、、あの板があったからこそ、今年の滑りは一段上に行けた気がする。一つひとつの滑走、一つひとつの景色。その瞬間は当たり前のように過ぎていくのに、こうしてシーズンの終わりに立つと、全部が特別だったと気づく。たぶん、何年か後人生を振り返ったときに、ふとこの冬を思い出すんだと思う。「あの時、よく滑ってたな」って、、、来年もまた滑れるのか?同じように雪の上に立てるのか?それは分からない函館七飯スノーパーク、、、バイバイ!ありがとう

  • スキーシーズン90日目。集大成の一日

    とうとうスキーシーズン90日目気温は自宅でも早朝10度まで上がり、春の空気を感じる暖かさ。スキー場も5度ほどで、正直、朝一のバーンにはあまり期待していなかった。明日3/31、今シーズンもラストだからだ。けれど、いざ滑り出してみると、その予想は良い意味で裏切られた。エッジはしっかりと雪を捉え、外足に荷重をかけても雪は崩れない。体をどんどん内側に倒していける安心感があり、ハンドドラッグ(ターン中に手が雪面に触れるほど深く体を倒す動き)まで持ち込める!これ以上ないほど気持ちのいい雪質の中で、理想的なターンの練習ができた。おそらく、今シーズンの集大成。総仕上げと言える一日だったと思う。振り返れば、本当によくここまで毎日スキーを楽しめたものだと思う。こうした時間をつくることができる自分の仕事に、あらためて感謝そして明日はいよいよラストそれにしても、ラインブレードやはりこの板は、安心して体を預けられる素晴らしい板今日もまた、印象に残る3月30日だった。

  • ワクワクする家づくりに必要なこと。“予算”と正しく向き合うという話

    ワクワクする建築をつくりたい。これは、設計者として常に思っていることだし、住宅でも店舗でも、その想いは変わらない。ただ、ここでひとつ大切な前提がある。それは、「ワクワクは予算の中でしか実現できない」ということどれだけ魅力的な提案でも、それが予算を大きく超えてしまえば、現実にはならない。当然のことだけれど、意外とこの前提は見落とされがちだと思う。設計者は魔法使いではない。限られた条件の中で、空間の質をどう高めるかどこに価値を集中させるかそういった取捨選択の積み重ねによって、「最大限のワクワク」をつくり出している。だからこそ、予算と向き合うことは、とても重要になる。あれもやりたいこれもやりたいその気持ちはよく分かる!でも、すべてを叶えようとすれば、それはそのままコストの上昇につながる。であれば、どうするか?本当に大切にしたいことは何か?どこに一番ワクワクするのか?そこを一緒に見つけていくことが、家づくりの本質だと思う。すべてを満たすのではなく、「何を残して、何を削るか」その判断を、クライアントと設計者が共有できたとき、空間の質は一気に高まる。設計者の仕事は、ただ図面を描くことではない。予算

  • “いい家”とは何か?建築家が考える、住み続けたくなる空間の条件

    「いい家って、どんな家ですか?」よく聞かれる質問だけれど、これは意外と答えが難しい。広い家でも、高性能な家でも、デザインが整っている家でもない。それだけでは、長く住み続けたいとは思えないからだ。では、何が必要なのか。ひとつは、「時間とともに変化を感じられること」だと思う。朝と夜で表情が変わる季節によって光や風が変わる住む人の使い方によって、空間の意味が変わるそういった“変化”があることで、人はその空間に飽きなくなる。もうひとつは、「自分の居場所があること」リビングの一角でもいいし、窓際でもいいふと一人になれる場所、落ち着ける場所があるかどうか。それが、日々の安心感につながっていく。そして最後に、「少しの余白があること」すべてが整いすぎている空間は、最初は良くても、だんだん息苦しくなる。少し未完成な部分や、使い方を委ねる余地があることで、暮らしは自然と豊かになっていく。建築は、完成した瞬間がゴールではない。そこから人が住み、時間を重ねることで、少しずつ完成していくものだと思う。だからこそ、最初から完璧を目指しすぎない。住む人とともに育っていく余白を持つこと。それが、結果として「住み続けた

  • なぜ“性能が高い家”なのに満足できないのか?建築に足りない“体験”の話

    最近は、住宅の性能がどんどん上がっている。断熱性能、気密性能、省エネ性能数値で見れば、どの住宅も一定以上の水準にあります。それでも、なぜか満足できない家がある。暖かい涼しい確かに快適ですよねでも、それだけでは「心は満たされない」その理由はシンプルで、そこに“体験”がないからだと思う。例えば、朝起きてカーテンを開けたとき、光がどう入ってくるのか昼間、リビングで過ごす時間に、どんな風景が広がっているのか夕方、少し陰影が強くなったときに、空間がどんな表情を見せるのかそういった時間の変化や、空間の移ろいを感じられるかどうかそれが、日々の満足感に大きく影響してくる。性能は「前提条件」であって、それだけで建築の価値は決まらない。むしろ重要なのは、その性能の上に、どんな体験を積み重ねているか。ただ均一に明るい空間ではなく、あえて陰影をつくることただ便利な動線ではなく、少しだけ余白を持たせることただの窓ではなく、「風景を切り取る装置」として設計することそういった積み重ねが、日常の中に小さなワクワクを生み出す建築は、スペック競争ではない。人がその空間でどう感じるかどんな時間を過ごすかその“質”をどこまで

  • ワクワクする建築とは何か?住宅・店舗づくりで本当に大切な“感情の設計”

    建築も、住宅も、店舗も、結局のところ「ワクワクしてなんぼ」その場所に行ったとき、どれだけ気分が上がるのかどれだけ心が動くのかそして、その空間にいる自分自身を、好きになれるのか店舗であれば、その空間にいる時間そのものが体験になること扉を開けた瞬間の空気、光の入り方、素材の質感、音の響きそれらすべてが重なって、「また来たい」と思えるかどうかが決まる。住宅も同じだと思う。その空間に身を置いたとき、どれだけ心がほどけるのかどれだけ満たされるのか窓の向こうに広がる風景を眺める時間やわらかく差し込む光季節とともに変わる空気の流れそういった自然との関係性を、五感で受け取れるかどうかさらに言えば、暮らしやすさの中にある小さな発見も大切だ家族が自然と集まり、会話が増えることただ階段を上り下りするだけでも、空間の変化を感じられること時間帯によって変わる光の落ち方に、ふと気づくこと建築は「モノ」ではなく、「体験」をつくるものだと思う。そしてその体験は、図面や数値だけでは決して語れない。もちろん性能は大事快適性や省エネは前提として必要になる。でも、その上で人の感情を動かす空間になっているかどうか。そこにワクワ

  • オリジナルではなく、“必然”をつくる場所と対話が生む建築

    建築に限らず、「完全なオリジナルデザイン」というものは、実はほとんど存在しないのかも、、、どんな表現も、過去の積み重ねや時代の流れ、技術の延長線上にあるし、模倣ではないにしても、必ず何かしらの影響を受けている。経験を重ねるほどに、「独自性」というものは、あるようでないものだと感じるようになりましたねーそれでも、建築には確かな唯一性がある。ひとつは、「建てる場所」建築は、必ず特定の敷地に建つ。地形、周囲の環境、光や風、眺望、そこに流れる空気それらを受け止めたとき、その場所にしか成立しない条件が立ち上がる。特に函館や北海道のように、寒さや雪、限られた日射といった厳しい自然条件を持つ地域では、その読み取りがそのまま住まいの質を左右する。もうひとつは、「対話」クライアントとの会話の積み重ね何を求めているのか、どんな時間を過ごしたいのか、何に心地よさを感じるのか、、言葉になっているものだけでなく、言葉にならない感覚や価値観を丁寧にすくい上げていく。同じ敷地であっても、クライアントが違えば建築はまったく別のものになるので、対話の深さによって、その建築の質もまた大きく変わる。つまり、建築の独自性とは

  • 厚みを隠さない|北海道の平屋における断熱と構造のデザイン

    地面から立ち上がる厚い壁について考える。現代の住宅デザインにおいて、「軽やかさ」や「薄さ」は一つの価値として定着してる細い柱、薄い屋根、シャープな納まり、、、それらは確かに洗練されて見えるし、多くの人に受け入れられやすい。ただ、その価値観をそのまま北海道に持ち込むと、どこか無理が生じる。冬は長く、寒さは厳しい。断熱は必然的に厚くなり、気密性能も両立して求められる。さらに木造である以上、構造体を雨から守るための配慮も必要になる。可能なら軒は深くしたいし、断熱性能向上を目指し外皮は厚くしたい。それらはすべて「仕方なく生まれる厚み」とも言える。けれども、その厚みを隠そうとすると、建築は途端に不自然になる。薄く見せようとする工夫は、どこかで無理を孕み、結果として嘘っぽさが残る。であれば、その厚みをそのまま受け入れ、むしろ積極的に建築の表現へと転換できないか?今回考えているのは、厚い地面からそのまま立ち上がるような壁を持つ平屋その壁は単なる仕切りではなく、構造を支え、環境を受け止める存在としての厚みを持つ。1.8メートルの深い庇を支え、雨や雪、強い日差しから内部を守る。庇の下には、自然とアプロー

  • 北海道で後悔しない家づくりを。設計前に建築家住宅に「泊まる」べき3つの理由

    図面だけで決めていませんか?家づくりを考え始めた時、まず目にするのはカタログやモデルハウスです。しかし、本当に知りたいのは「その家で家族がどう過ごすか」ではないでしょうか。特に、厳しい冬があり、美しい景観に恵まれた北海道・函館での家づくりは、数値や写真だけでは語れない「感覚」が重要になります。01. なぜ「見学」ではなく「宿泊」なのかモデルハウスの数時間の見学では分からないことが、一晩泊まることで見えてきます。 • 光の移ろい: 朝の清々しい光、夕暮れの柔らかな光がどう室内に入り込むか。 • 音と静寂: 遮音性や、家の中を流れる空気の音。 • 生活動線: 朝起きてから寝るまでの、リアルな使い勝手。 これらを設計前に体感することで、「自分たちが本当に大切にしたいこと」が明確になります。02. 函館の風景を「設計」に取り込む『ゼッケイヴィラ』の最大の特徴は、函館の街を一望できるロケーションとの調和です。 ただ窓を大きくするのではなく、「どこから、どう景色を切り取るか」建築家の設計手法を実際に体験することで、自然と一体化して暮らす豊かさを実感していただけます。03. 北海道の気候と、心地よい

  • スキー80日目 コンディションが悪い日もあるさ

    今シーズンのスキーは、今日で80日目空はどんよりとした曇り空バーンは固め週末にはとてもコンディションの良かったコースも、今日は圧雪の幅が狭く、雪も締まっていて少し滑りづらい。しかもスキー場はガラガラで、人が少ない。本来なら空いているのは良いことなのに、今日はなぜか少し寂しい雰囲気に感じてしまうそんなこともあって、今日はテンションがあまり上がらない3本だけ滑って、帰ることにまあ、こんな日もあるさ80日も滑っていれば、驚くほどコンディションのいい日もあれば、今日みたいにいまひとつ気分が乗らない日もある。スポーツは、スキーに限らずそういうものだと思う。調子が良くて夢中になれる日もあれば、なぜか楽しく感じない日もある。でも、それも含めて続けていくことなんだろう。まあ、贅沢な悩みかもしれない。

  • 構造・省エネ・意匠を一体で考える設計 — 設計料改定のお知らせ

    設計料改定のお知らせ― 建築の品質を守るために大切にしていること ―キタザキアーキテクツでは、これまで建築に対して「構造・省エネ・意匠」の三位一体の設計クオリティを大切にしてきました。デザインだけではなく安全性や性能を含めて総合的に設計することが、建築には必要だと考えているからです。そのため、私たちは次のような設計プロセスを日々積み重ねています。■ 構造計画プランを提案するたびに許容力度計算を実施し、耐震等級3を満たす構造計画になるように構造を組み直します。間取りと構造は本来切り離せるものではありません。プランの段階から構造を同時に検討することで、安全性と合理性の両方を成立させています。■ 設計図面の精度設計ではBIMによる3D設計を行い、施工時の不具合が起きないレベルの図面精度を目指しています。また、図面だけではなく • 3Dモデル • 動画 • ビジュアル資料 などを用いて、クライアントと**“見える形”で情報共有**することを大切にしています。■ 現場での設計監理現場が近郊の場合、平日はほぼ毎日現場へ足を運び、 • 材料の確認 • 納まりの整合 • 写真記録 • 職人との打ち

  • 滑走70日目。世界中のスキーヤーとファーストトラック|トドマツコースのふかふかな雪

    今日のゴンドラ一番乗りは、昨日ゴンドラで一緒になったシンガポール人、アメリカ人、オーストラリア人のスキーヤーたち改めて思う世界中のスキーヤーが、北海道の雪を求めてここに集まっている。彼らの狙いも、もちろんパウダー今日は久しぶりにトドマツコースがオープン!ゴンドラを降りて、そのままファーストトラックへ昨日の降雪と今朝の雪が重なり、雪質は少し重めのパウダーそれでも十分にふかふかで、板が沈み込みながら浮き上がる感覚が心地いい一本目でラインを刻み、続けて二本目もトドマツへ誰もいない斜面に、自分のターン弧だけが残る。やっぱり、トドマツコースは最高だ気づけば、今日で今シーズンスキー滑走70日目雪がある冬という季節は限られている。だからこそ、こういう一日があると「また明日も滑りたい」と思う。明日は、カービングデイかな?

  • 日が長くなるこの季節、日差しを“暖房”に変える家づくり|北海道の気候に応えるパッシブデザイン

    日が少しずつ長くなってきました。冬の厳しさが残る一方で、この時期の太陽の光は確実に力を持ち始めています。特に北海道や函館近郊では、「寒いから暖房を使う」だけではなく、「どう日差しを取り込むか」が暮らしの快適性を大きく左右します。この時期の太陽高度はまだ低く、南から入る日差しは、室内の奥まで届きやすい。その光をしっかり室内に取り込むことで、エアコンや暖房機器に頼らずとも、**家そのものがじんわりと暖まる“自然の暖房”**になります。これこそが、パッシブデザインの考え方です。パッシブデザインは「設備」ではなく「設計」パッシブデザインというと、高性能な窓や断熱材を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし本質はそこではありません。 • 建物の向き • 窓の位置と大きさ • 周囲の建物や地形 • 冬と夏、それぞれの太陽高度 • 地域特有の気候や風の流れ これらを総合的に読み取り、敷地ごとに最適解を導き出すことがパッシブデザインです。同じ北海道でも、札幌と函館、内陸と沿岸部では日射条件も体感温度も違います。だからこそ、地域を理解している建築家の設計力が生きてきます。日差しは「取り込む」だけで

  • 滑走60日目。引き際を知るという技術

    昨日で、今シーズンのスキー滑走は60日目振り返ると、随分と滑ったものだと思う。……が、しかしこの日はなかなか厳しかったー山頂から山麓まで、ほぼ全面がアイスバーンのカリカリ状態エッジを噛ませる余地はほとんどなく、できることといえば、ひたすらズラしてのスピードコントロールさらに追い打ちをかけるように、強風体を低く保とうとしても、風に煽られてフォームが乱れる「これは危ないな」と、はっきり感じた結果、滑ったのは2本だけ潔く切り上げて帰宅することにした。以前だったら、「せっかく来たんだから」「もう少し滑れるはず」そんな気持ちで、無理をしていたかもしれない。でも今は違うコンディション、身体の感覚、リスクそれらを総合して、「今日はやめておこう」と判断できたこの“滑走を中止する判断”ができるようになったのは、やはり60日滑ってきた経験のなせる業なのだと思うスキーは、滑る技術だけじゃない引き際を知ることも、立派な技術だまあ、こんな日もあるさ。また、いい日に思いきり滑ればいい

  • 感動を共有できる人とだけ、続けたい

    この日、もうひとつ強く感じたことがある。スキーシーズンにしか会わない、若いスノーボーダーと、同じ雪、同じ斜面、同じ瞬間の「良さ」を共有できたこと。言葉にしなくても通じ合うような、あの感動を分かち合える時間は、本当に贅沢だと思う。遊びも仕事も、本質はきっと同じだ。これまでの仕事でも、クライアントと「こんな建物をつくりたい」という夢や感動を共有できる関係で、建築を完成させてきた。だからこそ、出来上がった建物たちは、どれもいい表情をしている。結局、仕事も人だ。夢や感動を共有できない相手と、長く何かをつくり続けることはできない。やっぱり、夢を共有できるクライアントとだけ、仕事をしたい。それでいいし、それがいい。スキーが好きで、雪山に通い、そこで得た感覚や価値観が、気づけば建築にもつながっている。雪山で滑りながら、そんな当たり前だけど大切なことを、改めて思い出した一日だった。

  • 期待しなかった朝に、全部そろっていた日

    ここ最近は気温が高い日が続いていて、ゲレンデコンディションもすっかり春っぽいパウダーが長く残るわけでもなく、エッジが噛む雪が長時間続くわけでもない。だから今日も、正直なところ特別な期待はしていなかった。いつものように、スキーシーズンにしか会わない常連の若いスノーボーダーと、一番ゴンドラで山頂を目指す。途中で見えてくるとどまつコースとチャレンジコース昨日とは打って変わって、うっすらと新雪が積もり、しかもノートラック「もしかしたら、雪質次第では楽しめるかも!」そんな会話をしながら山頂へまずはとどまつコース入ってみると、意外にも5cmほどの、やや重めだけれど素直な新雪が残っている。これはいける。そう感じた瞬間、二人でノートラックにファーストトラックを刻んだ。一本終えて、再びゴンドラへ次はチャレンジコースすでに数本シュプールは入っているが、脇にはまだ新雪が残っている。ここでも十分にパウダーを楽しめた。そして何より良かったのが、普段使いしている圧雪バーンだった。驚くほどキレのいい雪質が、山頂から山麓までずっと続いている。ボーダーはビッテリターン。僕は深回りのカービングで、拳が雪面に触れるほどまで

  • 開放感と特別感、二つの光をつくるということ

    大きな窓から、空や庭とつながるように光を取り込む室内は一気に明るくなり、季節や天気、時間の移ろいがそのまま暮らしの背景になる。開放感があり、外と内の境界が溶けるような心地よさが生まれる。一方で、小さな窓から差し込む光には、また別の価値がある。朝の低い光が壁をなぞり、夕方の斜光が床に細い帯を描く。光は限定されるからこそ、陰影が際立ち、空間に静かな緊張感や奥行きを与えてくれる。その光は「明るさ」ではなく、「記憶」として残る光だ。どちらか一方を選ぶ必要はない。大きな窓が空間の骨格をつくり、小さな窓がその空間に物語を与える。住宅設計において大切なのは、どれだけ光を入れるかではなく、どこに、どんな光を落としたいのかを考えること。開放的な光も、特別な光も、どちらも暮らしを豊かにする。その両方を丁寧に扱うことが、住まいを「ただ明るい箱」ではなく、 心に残る空間へと変えていく。

  • シーズンに一度あるかないかの時間

    2月13日金曜日この日は、僕の中で今シーズン一番“深い”スキーデイ昼からゲレンデに立つと、雪は止む気配もなく降り続いている時間が経つにつれて視界は白くなり、ゲレンデの表情はみるみる変わっていく。平日の昼過ぎ人の回転も少なく、選んだのは一つのコースその一本を、ただひたすら7回、黙々と滑り続けた。滑るたびに増えていく雪ふかふかと厚みを増す新雪うねりの大きい、狭くてチャレンジしがいのある上級コースは、決して楽ではないけれど、だからこそ集中力が研ぎ澄まされていくそして、リフト終了間際最後の一本に飛び込んだとき、コースはすでに完全な新雪パウダー誰のラインもほとんど残っていない斜面を、静かに、深く、ただ滑るただただ、幸せな時間こんな日は、シーズンに一度あるかどうか、、、もしかしたら、二度と巡ってこない年もあるかもしれない。それでも、こうした瞬間を経験できたのは、毎日のようにスキーに行ける環境があってこそだと、あらためて感謝する。そして不思議なことに、満たされたはずなのに、「今日もまた、何か新しい体験ができるんじゃないか」そんな期待を、どこかでしている自分がいるさて、2月16日今週もまた、始まった

  • スキーと建築設計が、実は同じ思考回路だと思っている話

    建築の話をしているはずなのに、気づくとスキーの話をしていることがある。一見まったく別の世界に見えるけれど、長く続けていると「ああ、同じことを考えているな」と思う瞬間が何度もある。今日はそんな事を独り言で1ターンの質を上げる、という考え方最近スキーで意識しているのは、「たくさん滑ること」ではなく、1ターンの質を上げること力任せにターンを量産しても、ただ疲れるだけで、滑りは良くならないむしろ、 • 無駄な力を使わず • 雪面からの反力をきちんと受け取り • 自然に板が走る そんな1ターンを丁寧に積み重ねたほうが、結果的に一日が充実する。これ、建築設計でもまったく同じだと思っている。図面を描き込むことが、必ずしも良い設計ではない設計でも、やろうと思えばいくらでもやれる • 図面を細かく描き込む • CGを作り込む • 数値を極限まで詰める でも、それが建物の質を上げているかは別の話本当に大事なのは、 • どこで力を抜くか • どこに設計エネルギーを集中させるか • その一手が全体にどう効くか スキーで言えば、常に全力でエッジを立て続けるのではなく、 「ここ一番で板を走らせる」感覚

  • 性能は正しい。でも、それだけでは家は建たない

    建築家が「性能」を語りすぎると、なぜ仕事が減るのか断熱性能、気密性能、省エネ性能、構造性能! UA値、Q値、BEI、許容応力度計算による『耐震等級3』!家づくりにおいて、これらが重要であることは間違いありません。 特に雪国や寒冷地では、性能の良し悪しが暮らしの質をそのまま左右するそれなのに——性能の話をすればするほど、なぜか仕事につながらないそんな感覚を持ったことがある建築家は、きっと少なくないと思います。正論なのに、なぜか届かない「この家はUA値0.27です」 「C値は0.2なので、かなり高気密です」 「暖房負荷は一般的な住宅の半分以下になります」どれも 事実ですし、嘘も誇張もありませんそれでも打ち合わせの空気が、どこか止まるもちろん!わかって頂けるお客様もいらっしゃいますがごく少数、、、性能がいいのは分かるんですが……その一言のあと、会話が前に進まない。この違和感は、性能が足りないからではありません。 むしろ逆で、性能を語りすぎていることが原因の場合が多いのです。性能を語るほど、主語が「人」から離れていくUA値やQ値は、家の性能を示すための指標 しかしそれは、暮らしそのものではあり

  • 圧雪+うっすらパウダーの日に試した2本のスキー板

    今日は朝一、圧雪の上にうっすらと軽やかなパウダー。5センチくらいのパウダーだけど、軽やかさで言えば今期一番かも、、、こういう雪は、毎日朝一で滑っているからこそ「あ、今日は違う」とわかる。滑り始めはラインのブレードエッジを立てたカービングでいろいろ試してみたけど、この軽やかなパウダーの中でも、とにかく扱いやすい。ズラしてもいいし、しっかり噛ませてもいいし、スラッシュもカービングも、思った通りに板が反応してくれる。「今期のベストチョイスは?」と聞かれたら、やっぱり今のところはラインのブレードだなただ、今日の雪はあまりにも軽やかで、「これはカービング用の板で攻める感じでもないな」と思って、途中から『ロシュニョール Sender106Ti+』に履き替えてみた。結果、まったりと滑れて、これはこれで気持ちいい。スピードを出すというより、雪をいなす感じで、春雪になったらきっともっと楽しい板だと思う。だからこそ、ちょっと迷う、、ラインのブレードばかり使うのが正解なんだけど、他の板を眠らせてしまうのは、なんだかもったいない。とはいえ、「何をするにもコントロールしやすい」この感覚を今日の雪で再確認できたの

  • 完成させない勇気BIMが支える、育てる設計プレゼン

    大規模な建築プロジェクトでは、最新のBIM(Building Information Modeling)システムを活用した設計が不可欠になっています。従来のように図面を二次元(2D)で作成するのではなく、三次元(3D)で空間を可視化することで、建築全体を直感的かつ迅速に把握できます。これにより、 • 敷地内でどのような建築形状が成立するのか • コストを抑えられる建設位置をどこに設定すべきか • 周辺環境や高低差を踏まえた最適な配置計画といった、建築家が図面制作前に検討すべき多くの要素を効率的に整理できます。こうした複雑な検討を短時間で行うために有効なのが、BIMとリアルタイムCGの併用です。設計の初期段階から完成イメージを共有できるため、関係者間の理解が深まり、意思決定のスピードも向上します。その結果、初回プレゼンテーションまでの期間を大幅に短縮できるというメリットが生まれます。プレゼンテーションの初期段階では、つい詳細な図面や高精細なCGを作り込みたくなります。しかし、BIMを活用することで、より柔軟でスピーディな設計プロセスが可能になります。たとえば、クライアントとの電話打ち合わ

  • マイナス17度の山頂で、遊んだもん勝ちだと思った話

    もう2週間くらい、ブログを書いていなかった。気づけば今シーズン、スキーは30日滑走。数字にすると少し驚く。ラインのブレードは相変わらず美しい。エッジが雪を切る感触がダイレクトで、カービングするたびに、ああ楽しいなと思う。道具がいいと、余計なことを考えなくていい。1月23日 山頂はマイナス17度、体感的にはマイナス20度近かったと思う。 空気は張り詰めて、雪は軽く、バーンはキュッと締まっている。 そこに刻まれるラインブレードの刃 あの音と感触は、何度味わってもいい仕事のことを考えない時間いや、正確には「考えなくていい」と自分に許可を出した時間人生、何をやることになるか本当にわからない。だからこそ、仕事は大事だけど、遊ぶことも同じくらい大事なんだと思う。結局、遊んだもん勝ちだな、とそんなことを、凍えた山頂でぼんやり考えていた。

  • 「見積もりが出て、ようやく設計が始まる」― 理想論で終わらせないための、戦略的な概算見積について ―

    概算見積もりの依頼を出した。いわゆる「概算」と言いながら、かなり踏み込んだ図面を描いたし、このまま設計契約に進んでもおかしくないレベルの内容だったと思う。ただし、それは予算内に収めるための見積ではない。むしろ逆で、あえて予算のことは一度脇に置き、クライアントが「本当にやりたいこと」、そして設計者である自分が「確認しておきたいこと」を、すべて正直に入れた見積だった。使いたいと言っていたものは、安易に削らず、あえて高いものも全部入れた。その結果として「高いね」「これはやめようか」「ここは別の方法があるかもしれない」と、判断ができる状態をつくることが目的だった。とりあえずデザインは後回しにして、建築規模、建材グレード、要望を全て組み込む。これらを優先事項とした概算用設計図面図書である。金額が分からないまま理想論を語り合う打ち合わせは、正直に言って進展がない。「これもいいよね」「あれもいいよね」「このデザイン素敵だよね」そうやって話を重ねた最後に、「で、いくらかかるんですか?」と聞かれたとき、誰も答えられない。(実際の入り値は、設計者もわからないのだ)その状態が続く打ち合わせは、時間としても、

  • カービングの興奮、サーフライドのワクワク

    LINE Skis が掲げる Fun First(楽しさを最優先) という哲学。それは思想やスローガンではなく、滑り出した瞬間の感覚として、はっきりと伝わってくる。硬く締まったバーンにエッジを立て、ラインブレードでカービングに入った瞬間のあの興奮。短い有効エッジが雪面をガッと掴み、一気に内側へ切れ込んでいく。身体が自然に前へ、内へと引き込まれていく感覚は、「コントロールしている」というより、「雪に導かれている」感覚に近い。一方で、テールのスワローテイルを生かして滑ると、世界は一気に変わる。ターンの後半でテールを解放した瞬間、板が雪の上を滑るというより、サーフライドの間隔がワクワク感を盛り上げる。

  • 【函館・北海道】新年オープンハウス|建築家が設計した高性能住宅を体感する見学会

    新年のタイミングで、函館・北海道にて**建築家設計の住宅オープンハウス(完成見学会)**を開催します。本見学会は、これから函館市・函館近郊・北海道で家づくりを検討している方に向けて、実際の住宅空間・断熱性能・設計思想を体感できる機会として企画しています。北海道、とくに函館エリアは、 • 冬期の低温 • 日射条件の厳しさ • 暖房エネルギーへの依存度の高さといった地域特性があり、全国一律の住宅仕様では快適性・省エネ性を確保することが難しい地域です。そのため本住宅では、北海道の気候条件を前提とした断熱計画・気密性能・暖房計画を一体で設計しています。新年のオープンハウスでは、 • 建築家がどのように敷地条件を読み取ったのか • なぜこの断熱仕様・窓計画を採用したのか • 函館の冬を前提に、どのような空間構成を行ったのかといった点を、**図面や数値だけではなく「体感」**していただけます。近年は「高性能住宅」「ZEH」「省エネ住宅」といった言葉が一般化していますが、性能数値だけでは分からない空間の質や、地域に合った設計バランスは、実際の住宅を見ることで初めて理解できる部分も多くあります。本オー

  • 丁寧に、慎重に― 建築で一番飛ばしてはいけないプロセス

    建築の仕事では、詳細な図面を描く前に、可能なら済ませたい工程があるそれは建築予算の目安の「共有」と「同意」のプロセスだ。予算、役割、進め方、、、、わかっているつもりでも、慣れや信頼関係から「たぶん大丈夫だろう」と、そこを曖昧にしたまま設計に進んでしまうことがある。今回は設計の裏方として、構造計算や省エネ計算を手掛けたプロジェクトで、そのプロセスが十分に整理されないまま先に進んでしまうと、結果としてプロジェクト自体が立ち止まり、関わった人すべてにとって無駄なコストが発生してしまう、という現実を改めて実感した。建築は、設計の技術だけで成立するものではない。建設金額についてきちんと話し合い、納得し、同意し、その上で次の段階に進む。時間がかかっても、この行為を省略してはいけない。予算の方向性の共有(高くなるのか予算内に収まりそうなのか)がないまま進んだ設計は、どこかで必ず歪みが生じる。それは設計者が注意深く進めなければいけないプロセスの問題だ。丁寧な合意の積み重ねは、地味で目立たない。けれど、それがあるからこそ、設計は前に進み、建築は最後まで辿り着く。設計の前に、まず合意と同意、、それから詳細

  • 雪を切り、風を切る|冬の午前中に二つのスポーツを楽しむ贅沢

    朝のゲレンデは、カリカリに締まったアイスバーン正直、コンディションとしては決して楽ではないそれでも、雪があるだけでありがたい滑れる」という事実だけで、冬の価値は十分一方で、普段走っているロードバイクコースは、すっかり雪が消えていた。風も弱そうで、気温は低いがコンディションは悪くない。一カ月ぶりに、外でのライドラインブレードで雪を切り、キャニオン・エアロードで風を切る。同じ午前中に、雪とアスファルト、二つのフィールドを行き来する。冬だからこそ味わえる、この切り替えの贅沢

  • 函館七飯スノーパークで今シーズン初すべり|柔らかい雪とラインブレードの鋭いカービング

    今シーズン、初めて板を履いた雪は柔らかく、エッジがしっかりとかむゲレンデコンディション一本目から「今日はいい」と、足裏の感覚が教えてくれる。去年のシーズン初日は、正直なところ、一本目は滑り方すら忘れてしまったような感覚だったなー 身体と板が噛み合わず、思い出すように慎重にターンを重ねていた記憶がある。けれど今年は違った。ラインブレードのおかげもあるのだろうか、一本目から迷いなくアグレッシブに滑走できた。エッジを立てれば、そのまま雪面に吸い付くように食い込み、ターンの導入から抜けまでが実に明快だ。ラインブレードは、やはり雪面を削る板だ。鋭いカービングが決まる分、スピードも乗るし、こちらの操作に対して正直に応えてくれる。その代わり、体力は確実に削られる。板が許してくれない分、脚も体幹も集中力も、常に使い続ける必要がある。一滑りごとに、身体の芯まで仕事をした感覚が残る。いろいろ、スキー持って行った初すべり、、、今年のメインは『ライン ブレード』だな

  • 設計段階で残価をつくるということ──建築家が語るロングライフ建築

    「残価設定型住宅ローン」──30年後も価値が残る家とは最近、ネットなどで見る「残価設定型住宅ローン」本来は車の購入で使われる概念ですが、住宅にも同じ発想を適用しようという動きが出てきています。簡単に言えば、**20年後・30年後にどれだけ価値が残るか(=残価)**を前提にして家づくりを考えるということです。売却時に評価される家とはどんな家なのか。また、未来に価値が残る家をつくるために、設計者が今しなければならないことは何なのか。その本質を、建築家としての視点から整理してみます。■ 残価は「自然に生まれるもの」ではなく「設計するもの」残価は、ただ長持ちすればついてくるわけではありません。30年後に価値を保つ住宅には、次のような“意図的な設計”が必要です。● 気候に適応したパッシブデザイン • 深い庇による日射のコントロール • 北海道・函館の気候特性をふまえた断熱・気密・窓性能 • 風雪を避け、雨仕舞いまで計算した外観デザイン計画● 耐久性とメンテナンス性 • 風雨に強く劣化しにくい外壁 • メンテナンスがしやすい納まり • 長期的に交換が可能な設備・構法● 技術的根拠を持った構造計画

  • 震度5の揺れで気づいたこと──木造住宅の柔らかさと、構造計算が持つ本来の意味

    昨夜の深夜、震度5の地震かなり揺れを感じたが、同時に木造住宅の“しなり”や“柔らかい構造体としての特性”を改めて実感した。ほんと、木造建築は柔らかいですね!住宅設計において、今もっとも重要だと感じているのは、デザインと構造計画を同時に成立させること最近、困ってる設計者から構造計算のみを依頼されるケースが増えているが、設計段階で構造計画が十分に検討されていない図面に出会うことがある。例えば、 • 無理にスパンを飛ばして張り間が大きい梁 • 一点に荷重が集中している柱 • 意匠的な理由で耐力要素が不足しているプラン • モジュールや間取りが構造区画と噛み合っていないケース • こうした状況では、構造計算で安全性を担保しようとしても、無理な補強や過重設計になりがちで、本来の建築思想から離れてしまう。だからこそ、設計段階から構造計画を行い、構造計算を“最後の確認作業”にするべきだと思っている。建築はデザインと構造が両立して初めて成立する。そしてもう一つ重要なのは、現場で図面通りに施工されること。どれだけ図面が良くても、現場で省略・変更されてしまえば意味がない。そのため、現場での確認と監理、そし

  • −6℃の雪景色。真冬のオープンハウスで“性能”を体感する日

    外に出れば空気が刺すように冷たい北海道の冬は、建築思想を試す季節家の中に一歩入った瞬間の空気感暖かさ、薫り、静けさ、湿度、、、それは計算だけでは作れない。設計思想と施工精度が空間になる瞬間。来る人に伝わるといい。来春着工予定に向けた建築づくりを目指す方、、、お待ちしております。

  • 冬の函館で「閉じこもらない家」をつくる。開放感と暖かさを両立する設計とは

    冬になると、どうしても室内に閉じこもりがちになる。けれど本当は、冬だからこそ “解放感のある空間” に身を置いて過ごしたい。外は冷たくても、室内は静かに暖かく、ガラス越しに冬の光を受けながら、心まで閉じこもらずにいられる空間。そのために必要なのは、 ただ「暖かい家」ではなく、 高い断熱性能・気密性能・そしてトリプルガラスがもたらす確かな温熱環境。冬の北海道や函館では、開放的な大きな窓は“ただの寒さの原因”ではなく、設計次第で「心が解放される居場所」になる。室温が安定していれば、大きな窓から見える冬景色は、むしろ暮らしを豊かにしてくれる。だからこそ、季節に合わせた温熱計画や窓計画を丁寧に行い、断熱・気密・日射取得まで一貫してコントロールできる建築家の存在が大切になる。冬でも、いや、冬だからこそ広がる“開放感”。閉じこもらない暮らしを実現するための家づくりには、性能と意匠の両方を熟知した建築家の知恵が必要だと思う。冬のオープンハウス開催中

  • 空気と雪を切り裂く季節。ロードもスキーも、僕の冬が始まる

    空気を切り裂くキャニオン〈エアロード〉と、雪面を切り裂くライン〈ブレード〉季節が少しずつ冬へ向かうこの時期、自分の中で “楽しみのスイッチ” がもうひとつ増えていく感覚がある。ロードバイクで風をまといながら走る日もあれば、降り積もる雪を求めて山へ向かう日もある。どちらも全く違う世界だけれど、身体が自然の中に溶けていくような心地よさは同じ。仕事の合間でも、設計の迷いがある日でも、外へ出て動くことで気持ちが整い、新しいアイデアや視点がふっと浮かんでくることがある。冬が訪れる北海道は、厳しさと楽しさが同居する土地。だからこそ“今しかできないこと”を逃さず、自分の季節を重ねていきたい。ロードもスキーも、そして建築も。この冬もすべてを楽しみ尽くしたい。

  • 初雪の朝、現地調査で見えてくる “冬のリアル”

    初雪が降ると、早朝の現地調査では敷地境界線や地盤の細かな起伏が見えづらくなります。しかし一方で、本格的な冬にしか確認できない大切な情報があります。たとえば—— • 前面道路の除雪状況 • 隣家の雪の処理方法 • 日射の入り方や吹きだまりの傾向 • 冬の生活動線これらは、図面だけでは読み取れない“暮らしの質”に直結する要素です。冬の現地調査は、寒さと引き換えに 普段は見えない生活環境のリアルを教えてくれる 大切な時間でもありますね。

  • 見えない検証こそ、家の価値を決める――丁寧な設計と監理の理由

    建築設計において、「どこまでチェックするか」「何をどの精度で確認するか」この基準が、家の性能・安全性・耐久性を大きく左右します。私は、意匠設計だけでなく、構造計算、省エネ計算、現場監理まで自分自身で行い、項目ごとの検証作業を徹底しています。1. プランごとの許容力度計算による耐震等級3の確保一般的な住宅では壁量計算が主流ですが、僕はプランが変わるたびに許容力度計算を行い、構造バランスと安全性を検証しています。これにより、間取りの変更による耐震性能の低下を防ぎ、計画段階から安定した構造設計が可能になります。2. 北海道の性能基準に対応した省エネ設計函館市近郊の気候条件(積雪・寒冷・日照の少なさ)を踏まえ、UA値・Q値・気密性・窓性能・熱橋対策を総合的に検討し、省エネ適合性判定レベルの図書を作成しています。特に北海道では、断熱・気密・換気の精度が暖かさと結露リスクを左右するため、慎重な検証が欠かせません。3. 現場が近ければ平日ほぼ毎日の監理体制施工精度を高く保つため、現場へ足を運び、図面との整合性や材料の確認、施工手順のチェックを行います。 • 配筋 • 金物 • 断熱材の施工状況 •

  • 雪と陽のあいだに生きる建築 ― 道南の冬を愉しむために

    寒い冬の季節が始まります。外は冷たい風が吹き、外出するのも少し億劫になる時期です。スキーなどウィンタースポーツを楽しむ人にとっては待ち望んだ季節かもしれませんが、多くの人にとって冬は「できるだけ外に出ないで過ごす季節」でもあります。そんな冬でも、建築のあり方次第で日常は変わります。たとえば、高い断熱性能と気密性能を備えた建物に、トリプルガラスの大きな窓を設けることで、寒さを遮りながらも冬の陽射しをたっぷりと取り込むことができます。外は雪に覆われていても、室内は穏やかで、静かな明るさに包まれる。そして、窓越しに広がる白い景色が、暮らしの中に「季節の美しさ」を届けてくれる。断熱性能と省エネ性能をしっかり両立させることで、冬でも開放的に暮らすことは可能です。「寒さを我慢する」のではなく、「冬を愉しむ」方向へと建築を導くことができると思っています。北海道の冬は長く、日照時間も短い。だからこそ、陽をどう取り込み、雪景色をどう暮らしに溶け込ませるかが大切です。閉じこもる冬から、開かれた冬へ。建築がその橋渡しになれたらと思います。

  • 「両立」から「融合」へ──建築をもっと自由に、しなやかに考える

    「両立から融合へ──これからの設計のこと」 • 建築デザイン(間取りや外観の美しさ) • 省エネ性能(断熱・気密など) • 構造の安心感(地震や積雪への備え)ここ数年、「建築デザイン・省エネ計算・構造計算をどう両立させるか」というテーマをずっと考えてきました。どうすれば意匠と性能、構造と空間が、どれも犠牲にならず、きちんと成立するのか。これは自分にとって、大きな設計課題であり、挑戦でもありました。試行錯誤の中で、ある程度「両立できる手応え」はつかめてきた気がしています。もちろん、まだまだ深めていく余地はありますが、一つの節目だと思えるようになりました。そして最近、もう少し違う方向を考えるようになっています。「両立」ではなく、「融合」を目指せないか、と。意匠と性能、構造と空間を、それぞれ分けて考えるのではなく、もっと自然につながるような設計。デザインが性能を生み、構造が空間の豊かさを支える。そんなふうに、三つが一体となって響き合うような建築をつくれたら──と、思うようになってきました。ちょっとした言葉の違いかもしれませんが、自分にとっては設計のスタンスが変わるくらい、大きな視点の転換です

  • 北風と薪ストーブのはじまり ― 函館・初冬の朝に

    風が強く、色づいた紅葉が空へ舞い上がった。落ち葉掃除の日々の始まりです。外はもう、冬の匂いがする。山の稜線には雪がかすかに残り、空気が透明になっていくのがわかる。薪ストーブの前で、炎のゆらぎを見つめる季節到来時間がゆっくりと解けていく窓の外では、北風が木々を鳴らし、室内では、静かな熱が身体の芯まで届。ひとつの季節が終わり、また新しい日常が始まる。寒さの中に、確かなあたたかさがある。

  • 建築家に依頼する時の設計料の目安|どこまでが費用に含まれる?【北海道】

    設計料はどう決まる?納得できる設計費用の考え方「設計料ってどのくらいかかるの?」「どうやって料金が決まるの?」家づくりの中でも、お金のことは特に気になるポイントです。今回は設計料の決まり方と、納得して進めるためのポイントをお話しします。■ 建築家の設計料は何によって決まる?設計料は、一般的に以下の要素で決まります。 • 建物の規模(床面積や階数など) • 設計の難易度(特殊な仕様や構造、省エネ計算の有無など) • 設計の範囲(意匠設計だけか、構造設計や現場監理まで含むか) • 建築家の経験・信頼度 • 地域や事務所の方針■ 設計料の算出方法1. 定額制 キタザキアーキテクツでは、設計の規模や内容に応じて定額制を採用しています。 専用住宅 20坪~30坪 建築設計料→250万円 (税込) ※​新築・木造の場合 ​​※『耐震等級3』許容応力度構造設計料含む ​​※『低炭素認定住宅』取得の場合、 ​別途35万円(税込・検査機関申請料別途) ■ キタザキアーキテクツの場合当事務所では、 • 意匠設計・構造計算・省エネ計算・現場監

  • 1℃の朝、HUAWEI WATCH GT 6 Pro と走る

    今月発売された HUAWEI WATCH GT 6 Pro を腕に、今朝も早朝ライド気温は1℃指先が少し痛むような冷たい空気の中、淡い朝焼けに包まれた田園を走る。この新しいウォッチ、1kmごとに平均速度と心拍を音声で伝えてくれるから、ソロライドでも不思議と孤独を感じない。淡々とペダルを回す時間が、まるで誰かと会話しているような感覚になる。record_screen_2025_10_24_07_09_26.mp4サイクルデータの精度も申し分なく、心拍の変化やペース配分も正確に記録。トレーニングとしても、日常のライドログとしても十分すぎる性能。そして今日も、Canyon Aeroad は快調冷たい空気を切り裂くように、滑らかに進む。朝の2時間が、ただの運動ではなく、一日の始まりを整える儀式

  • 1℃の朝、HUAWEI WATCH GT 6 Pro と走る

    今月発売された HUAWEI WATCH GT 6 Pro を腕に、今朝も早朝ライド気温は1℃指先が少し痛むような冷たい空気の中、淡い朝焼けに包まれた田園を走る。この新しいウォッチ、1kmごとに平均速度と心拍を音声で伝えてくれるから、ソロライドでも不思議と孤独を感じない。淡々とペダルを回す時間が、まるで誰かと会話しているような感覚になる。record_screen_2025_10_24_07_09_26.mp4サイクルデータの精度も申し分なく、心拍の変化やペース配分も正確に記録。トレーニングとしても、日常のライドログとしても十分すぎる性能。そして今日も、Canyon Aeroad は快調冷たい空気を切り裂くように、滑らかに進む。朝の2時間が、ただの運動ではなく、一日の始まりを整える儀式

  • 函館・道南で暮らしを建てる──地元と移住、どちらの想いにも寄り添う建築づくり

    函館や道南で暮らす方、そしてこの地に魅せられて移住を考える方それぞれの想いに寄り添いながら、暮らしと風景をつなぐ建築づくりを続けています。この地域は、海と山に囲まれ、四季の移ろいがはっきりと感じられる場所その環境の中で、地元で新しい暮らし方を形にする方自然と共に生きる場を求めて移住してくる方そんな人々の想いから、主屋とゲストハウスを組み合わせた住宅や、地域に開かれた小さなまちづくりが生まれています。キタザキアーキテクツでは、意匠設計・構造計算・省エネ設計をすべて自ら行い、デザインと性能を高い水準で両立させた「次世代に価値が残る建築」を目指しています。将来の暮らしの変化や継承、売却まで見据え、資産として残る建築を構想段階から完成まで伴走しながら形にしていく。それが、僕がこの地で続けている建築家としての仕事です。

  • 早朝の農道で出会った美しい走り

    今朝のライドまだ空が淡く染まりはじめた頃、田んぼを横切る農道を走っていると、前方に雄鹿がいた。周りをまったく気にする様子もなく、堂々と僕の前を横切り、農道を軽やかに駆け抜けていく。その走る姿の美しさに、思わず鳥肌!躍動する動きの中に、重力を感じさせないほどの軽やかさと、しっかりと身の詰まった力強さが同居している。まるで大地と一体になって走っているようだった。一瞬の出来事だったけれど、あの光景は今も目に焼きついている。ただ、自転車でぶつかっていたらと思うとゾッとする。あの大きく美しい体なら、車がぺしゃんこになるという話も納得だ。静かな早朝、自然と野生の息づかいを感じた忘れられない瞬間だった。

  • 早朝の農道で出会った美しい走り

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  • 函館の朝ライド、冷たい風に冬の気配

    朝というより夜のような暗さの中、ペダルを回す。今朝のライドは肌を刺すような冷え込み。気温は一桁、空気は澄んでいて気持ちいいけれど、顔が痛いそろそろ冬用ウェアに切り替える時期かもしれない。北海道の短い秋が、もうすぐ終わりを告げようとしている。

  • 函館の朝ライド、冷たい風に冬の気配

    朝というより夜のような暗さの中、ペダルを回す。今朝のライドは肌を刺すような冷え込み。気温は一桁、空気は澄んでいて気持ちいいけれど、顔が痛いそろそろ冬用ウェアに切り替える時期かもしれない。北海道の短い秋が、もうすぐ終わりを告げようとしている。

  • 函館の風景を三次元で描く──BIMが切り拓く建築設計の新しい地平

    大規模なプロジェクトほど、最新のBIMシステムを活用した設計が求められます。図面は二次元で制作するのではなく、三次元で制作することで素早く空間を把握して敷地にどんな建築形状が設計可能か、コストを抑えた建設場所を敷地内から選定したり、建築家が図面を制作する前段階で検討する事柄は多岐にわたります。それらを素早く検討するにはBIMとリアルタイムCGなんです。恩恵は、初回プレゼン期間の短縮として現れます。プレゼン段階ではつい詳細な図面やCGを作り込みたくなりますが、BIMを使えばもっと柔軟に進められます。 クライアントと電話で打ち合わせした内容をもとに、その日のうちに簡単なプラン平面やCGを作成し、YouTubeなどを活用してすぐに共有。 まずはイメージを形にして見せ、フィードバックを受けながら徐々に詳細な図面やCG動画へと「肉付け」していく。このスピード感と発展性こそ、BIMの強みだと思います。

  • 函館の風景を三次元で描く──BIMが切り拓く建築設計の新しい地平

    大規模なプロジェクトほど、最新のBIMシステムを活用した設計が求められます。図面は二次元で制作するのではなく、三次元で制作することで素早く空間を把握して敷地にどんな建築形状が設計可能か、コストを抑えた建設場所を敷地内から選定したり、建築家が図面を制作する前段階で検討する事柄は多岐にわたります。それらを素早く検討するにはBIMとリアルタイムCGなんです。恩恵は、初回プレゼン期間の短縮として現れます。プレゼン段階ではつい詳細な図面やCGを作り込みたくなりますが、BIMを使えばもっと柔軟に進められます。 クライアントと電話で打ち合わせした内容をもとに、その日のうちに簡単なプラン平面やCGを作成し、YouTubeなどを活用してすぐに共有。 まずはイメージを形にして見せ、フィードバックを受けながら徐々に詳細な図面やCG動画へと「肉付け」していく。このスピード感と発展性こそ、BIMの強みだと思います。

  • 北海道・函館で建てる家|建築家が教えるデザイン×性能の両立術

    北海道・函館。冬の厳しさ、湿度の変化、そして日射の少なさ、、、この土地で家を建てるには「断熱性能」「暖房計画」「耐久性」…それだけでは足りないと感じています。本当に豊かな暮らしを叶えるには、「性能」と「デザイン」が融合していることが欠かせないのです。■ 数字だけでは語れない、家の本質住宅の断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)これはたしかに重要な指標です。しかし、UA値が低ければそれだけで「快適」とは限りません。例えば、夏のエアコンの風が室内を自由自在に抜ける設計になっていなければ夏は蒸し暑くなりますし、日射取得を無視した窓配置では冬に室温が上がりません。私たちキタザキアーキテクツでは、Q値(熱損失係数)やC値(気密性能)なども加味しながら、全体のバランスを重視した設計を行っています。■ “見た目”のデザインではなく、“暮らし”のデザインを性能を高めるほど、住まいは「箱」のようになりがちです。けれど、私はそこに美しさや心地よさも宿してほしいと考えています。たとえば、・大開口の窓で雑木林や桜を望むリビング・深い軒で夏の日差しを遮り、冬には光を取り込む設計・2階リビング+ピットラウンジで

  • 北海道・函館で建てる家|建築家が教えるデザイン×性能の両立術

    北海道・函館。冬の厳しさ、湿度の変化、そして日射の少なさ、、、この土地で家を建てるには「断熱性能」「暖房計画」「耐久性」…それだけでは足りないと感じています。本当に豊かな暮らしを叶えるには、「性能」と「デザイン」が融合していることが欠かせないのです。■ 数字だけでは語れない、家の本質住宅の断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)これはたしかに重要な指標です。しかし、UA値が低ければそれだけで「快適」とは限りません。例えば、夏のエアコンの風が室内を自由自在に抜ける設計になっていなければ夏は蒸し暑くなりますし、日射取得を無視した窓配置では冬に室温が上がりません。私たちキタザキアーキテクツでは、Q値(熱損失係数)やC値(気密性能)なども加味しながら、全体のバランスを重視した設計を行っています。■ “見た目”のデザインではなく、“暮らし”のデザインを性能を高めるほど、住まいは「箱」のようになりがちです。けれど、私はそこに美しさや心地よさも宿してほしいと考えています。たとえば、・大開口の窓で雑木林や桜を望むリビング・深い軒で夏の日差しを遮り、冬には光を取り込む設計・2階リビング+ピットラウンジで

  • 函館・道南でのお店やクリニック設計|実例ページをまとめました

    キタザキ アーキテクツでは「地域に寄り添う空間デザイン」をテーマに掲げており、函館・道南地域の風土や街並みに調和する設計を重視していますキタザキ アーキテクツのサイトに、店舗やクリニックの設計実例をまとめたページをつくりました。▶︎ 実例ページはこちら美容室やカフェ、バー、クリニックなど、いろんなジャンルのお店を紹介しています。写真中心で見やすいので、「どんな雰囲気でデザインしてるのかな?」と気軽にのぞいていただけると思います。地域のお店づくりに関心のある方や、これから店舗やクリニックを開きたい方の参考になれば嬉しいです。

  • 函館・道南でのお店やクリニック設計|実例ページをまとめました

    キタザキ アーキテクツでは「地域に寄り添う空間デザイン」をテーマに掲げており、函館・道南地域の風土や街並みに調和する設計を重視していますキタザキ アーキテクツのサイトに、店舗やクリニックの設計実例をまとめたページをつくりました。▶︎ 実例ページはこちら美容室やカフェ、バー、クリニックなど、いろんなジャンルのお店を紹介しています。写真中心で見やすいので、「どんな雰囲気でデザインしてるのかな?」と気軽にのぞいていただけると思います。地域のお店づくりに関心のある方や、これから店舗やクリニックを開きたい方の参考になれば嬉しいです。

  • 間取りの自由度アップ|長く快適に暮らせる家づくりのアイデア

    構造体から間取りを開放するという設計思想── ロングライフな家づくりのために住宅の設計において「間取り」は暮らしを形づくる重要な要素です。しかしその一方で、構造体の制約によって間取りが縛られてしまうことは少なくありません。僕は、構造体から間取りの制約を開放するという設計コンセプトを大切にしています。外壁で耐力壁を構成し、室内は開放的に私の設計では、基本的に外周部で耐力壁を成立させる構造を採用します。一方で、室内の耐力壁は最小限に、かつ効果的に配置これにより、プランニングにおいて構造的な制約がほとんどなくなり、自由でのびやかな空間づくりが可能になります。これが単なる間取りの工夫ではなく、「構造設計そのもの」の考え方から始まっていることがポイントなぜ「構造体と間取りを切り離す」のか?この考え方は、今この瞬間だけの快適性を追い求めているわけではありません。30年後、50年後の暮らしの変化にもしなやかに対応できるようにするための、いわば「未来への余白」を持った設計です。たとえば、子どもの成長や独立、あるいは二世帯化、在宅ワーク環境の追加に所有者変更など、将来大きく間取りを変えたくなったとき、構

  • 間取りの自由度アップ|長く快適に暮らせる家づくりのアイデア

    構造体から間取りを開放するという設計思想── ロングライフな家づくりのために住宅の設計において「間取り」は暮らしを形づくる重要な要素です。しかしその一方で、構造体の制約によって間取りが縛られてしまうことは少なくありません。僕は、構造体から間取りの制約を開放するという設計コンセプトを大切にしています。外壁で耐力壁を構成し、室内は開放的に私の設計では、基本的に外周部で耐力壁を成立させる構造を採用します。一方で、室内の耐力壁は最小限に、かつ効果的に配置これにより、プランニングにおいて構造的な制約がほとんどなくなり、自由でのびやかな空間づくりが可能になります。これが単なる間取りの工夫ではなく、「構造設計そのもの」の考え方から始まっていることがポイントなぜ「構造体と間取りを切り離す」のか?この考え方は、今この瞬間だけの快適性を追い求めているわけではありません。30年後、50年後の暮らしの変化にもしなやかに対応できるようにするための、いわば「未来への余白」を持った設計です。たとえば、子どもの成長や独立、あるいは二世帯化、在宅ワーク環境の追加に所有者変更など、将来大きく間取りを変えたくなったとき、構

  • 北海道の建築家が教える、猛暑・大雪・湿度に負けない家づくり

    IMG_6765.mov設計者として変化を意識せよ。北海道にも、梅雨のような長雨と湿度の高い季節が訪れる。35℃に達する猛暑が続く夏もあれば、大雪に閉ざされる、圧倒的に白い冬もある。この大きな変化の中で、設計者は時勢を見据え、気候の移ろいを常に念頭に置かなければならない。変化を恐れるのではなく、それをデザインへと変換し、積極的に提案する力を磨くこと。静かに、しかし確かにその力を身につけ、これからの建築を考え続けることが大切ですね。

  • 北海道の建築家が教える、猛暑・大雪・湿度に負けない家づくり

    IMG_6765.mov設計者として変化を意識せよ。北海道にも、梅雨のような長雨と湿度の高い季節が訪れる。35℃に達する猛暑が続く夏もあれば、大雪に閉ざされる、圧倒的に白い冬もある。この大きな変化の中で、設計者は時勢を見据え、気候の移ろいを常に念頭に置かなければならない。変化を恐れるのではなく、それをデザインへと変換し、積極的に提案する力を磨くこと。静かに、しかし確かにその力を身につけ、これからの建築を考え続けることが大切ですね。

  • 函館の家づくりガイド:建築家と工務店の違いで失敗しない方法

    建築家に頼む必要があるのか?──工務店の設計と何が違うのか?「別に、住めればいいんです」そう言う人は、建築家に頼まない。じゃあ、建築家に頼む意味って、どこにあるのか?「建築家」と「工務店・ハウスメーカー」、どう違う?家づくりを考え始めると、まず迷うのが「どこに相談すればいいのか?」ということ。工務店? ハウスメーカー? それとも建築家?似ているようで大きく違うこの選択は、家の出来栄えにも、住み心地にも、予算配分にも深く関わってきます。■ 建築家の答え:「誰が設計し、誰がつくるか」が違いますハウスメーカーや多くの工務店では、「設計」と「施工」をセットで請け負うことが一般的です。一方で建築家(設計事務所)は「設計と監理」を担い、実際の施工は別の施工会社(工務店など)とチームを組んで進めていきます。この違い、例えるならこうです: • ハウスメーカー・工務店:設計から施工までを同じ会社が内製する“定食屋” • 建築家:設計は専門家が行い、施工は料理人に任せる“プロデューサー付きのレストラン”建築家は、あなたの希望や敷地の特性に応じて、完全にカスタムした設計をゼロから行います。■ 「自由設計」の

  • 函館の家づくりガイド:建築家と工務店の違いで失敗しない方法

    建築家に頼む必要があるのか?──工務店の設計と何が違うのか?「別に、住めればいいんです」そう言う人は、建築家に頼まない。じゃあ、建築家に頼む意味って、どこにあるのか?「建築家」と「工務店・ハウスメーカー」、どう違う?家づくりを考え始めると、まず迷うのが「どこに相談すればいいのか?」ということ。工務店? ハウスメーカー? それとも建築家?似ているようで大きく違うこの選択は、家の出来栄えにも、住み心地にも、予算配分にも深く関わってきます。■ 建築家の答え:「誰が設計し、誰がつくるか」が違いますハウスメーカーや多くの工務店では、「設計」と「施工」をセットで請け負うことが一般的です。一方で建築家(設計事務所)は「設計と監理」を担い、実際の施工は別の施工会社(工務店など)とチームを組んで進めていきます。この違い、例えるならこうです: • ハウスメーカー・工務店:設計から施工までを同じ会社が内製する“定食屋” • 建築家:設計は専門家が行い、施工は料理人に任せる“プロデューサー付きのレストラン”建築家は、あなたの希望や敷地の特性に応じて、完全にカスタムした設計をゼロから行います。■ 「自由設計」の

  • 函館の建築家が手がける住宅デザイン集|外観・土間・リビング

    本日、新しくウェブサイトに「WORKSまとめ」ページを公開しました。これまでプロジェクトごとにご覧いただいていた設計実例を、土間・外観・リビング・キッチン・パントリー・趣味空間・風景を楽しむ住まい、といったテーマごとに整理しています。初めてホームページを訪れる方にも、サッと僕の仕事を見ていただけるように写真中心でまとめました。ぜひ一度ご覧いただき、建築家の設計がつくる多彩な空間の表情を感じてもらえたら嬉しいです。

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