ストレスを受けたERをER-phagyによって除去することで細胞死を防ぐ (Cell 2017年11月2日号掲載論文)
結論から言うと、マクロファージが細菌を取り込んだ際にERストレスが誘導された後IFN-Ⅰ等の免疫応答が惹起されるが、その過程において、ストレスを受けたERがオートファジーによって取り除かれることで持続的なERストレスおよび細胞死を回避していることを示した論文。 本日は「STING Senses Microbial Viability to Orchestrate Stress-Mediated Autophagy of the Endoplasmic Reticulum (STINGは微生物の生存を感知し小胞体のストレスを媒介したオートファジーを制御する)」という論文で、米国 The Jill…
ERからのCa漏洩が、糸球体上皮細胞の細胞死を誘導する (PNAS 2019年6月24日号掲載論文)
結論から言うと、ネフローゼ症候群のモデルマウスの糸球体上皮細胞において、RyRのリン酸化を原因とするERからのCaイオン漏洩が起きていることを発見し、その漏洩をストップさせる薬剤を投与することで、ERストレスに起因するネフローゼ症候群を回復できることを示した論文。 本日は「Discovery of endoplasmic reticulum calcium stabilizers to rescue ER-stressed podocytes in nephrotic syndrome (ネフローゼ症候群におけるERストレスを受けたpodocytesをレスキューする小胞体カルシウム安定化剤の発…
ERのCa取り込みが阻害されると細胞膜修復ができず筋ジストロフィー症になる (Cell 2020年3月19日号掲載論文)
結論から言うと、ANO5の変異に起因する筋ジストロフィー症の発症時には、細胞膜修復が阻害されていること示し、その細胞内ではERでのカルシウム取り込みが低下していることを発見した論文。 本日は「Dysregulated calcium homeostasis prevents plasma membrane repair in Anoctamin 5/TMEM16E-deficient patient muscle cells (アノクタミン5/TMEM16E欠損患者の筋肉細胞におけるカルシウムの恒常性の低下が細胞膜修復を妨げる)」という論文で、米国 children's national he…
ER-phagyはミトコンドリアの酸化的リン酸化レベル, 及びER上で起こるUFM化によって制御される (Cell 2020年3月19日号掲載論文)
結論から言うと、ER-phagyの制御機構として、ミトコンドリアの酸化的リン酸化を阻害するとバルクオートファジーは影響を受けずER-phagyのみが阻害されること、[リボソームタンパク質RPL26] や [ERタンパク質のグリコシル化を担うRibophorin 1] のUFMylationがER-phagyに必要であること、を示した論文。 本日は「A Genome-wide ER-phagy Screen Highlights Key Roles of Mitochondrial Metabolism and ER-Resident UFMylation (ゲノムワイドなER-phagyスクリ…
ミトコンドリアの断片化がリソソームの生合成を介して個体レベルの寿命延長に効く (Journal of Cell Biology 2020年4月7日号掲載論文)
結論から言うと、ミトコンドリアの翻訳阻害によるミトコンドリアの断片化および伸長が、リソソソームの生合成とオートファジーに関連する転写因子HLH-30/TFEBを活性化した結果、線虫の寿命が伸びることを示した論文。 本日は「Mitochondrial translation and dynamics synergistically extend lifespan in C. elegans through HLH-30 (ミトコンドリアの翻訳とダイナミクスが、HLH-30を介して相乗的に線虫の寿命を延ばす)」という論文で、オランダ Laboratory Genetic Metabolic Dis…
細胞老化において、ERのexpandによって細胞形態の肥大化・扁平化が起きている? (Oncotarget 2016年10月18日号掲載論文)
結論から言うと、ERストレス誘導薬剤により細胞老化様の表現型も誘導されることを示し、ERストレス関連たんぱく質ATF6αをKDすることで細胞老化時の細胞形態の肥大化・扁平化をキャンセルできることを示した論文。 本日は「ATF6α regulates morphological changes associated with senescence in human fibroblasts (ATF6αはヒト線維芽細胞の老化に伴う形態変化を制御す)」という論文で、フランス Université de Lille, Institut Pasteur de Lille, CNRS UMR8161, M…
Bcl-2の抗アポトーシス作用にはERのCaイオンレベルの制御が効いている (EMBO Journal 2001年6月1日号掲載論文)
結論から言うと、Bcl-2を過剰発現するとERのCaイオン濃度が低下し、ERからのCa放出刺激が起こった際にもミトコンドリア、及び細胞質に過剰なCaイオンが放出されることを防いでいることを示した論文。 本日は「The Ca2+ concentration of the endoplasmic reticulum is a key determinant of ceramide-induced apoptosis: significance for the molecular mechanism of Bcl-2 action (小胞体のCa2+濃度がセラミド誘発アポトーシスの鍵を握る:Bcl-…
ERマーカーのcalreticulinが細胞表面にあると、マクロファージの貪食のマーカーになる? (Nature Communications 2018年8月10日号掲載論文)
結論から言うと、マクロファージによる生きた細胞の検出・認識が細胞表面のcalreticulinというたんぱく質を目印に行われることを示した論文。 本日は「Programmed cell removal by calreticulin in tissue homeostasis and cancer (組織恒常性と癌におけるカルレチキュリンによるプログラムされた細胞除去)」という論文で、米国 Institute for Stem Cell Biology and Regenerative Medicine, Stanford University の Irving L. Weissman のグル…
4月6日から4月12日の間で読んだ/積読したおもしろそうな論文のメモ。 ミトコンドリア(MT)による細胞極性化。線虫受精卵→後極での受精→精子由来MT+受精卵由来MTも局在→局所的H2O2上昇→PAR-2の局在化。H2O2レベル操作でPAR-2局在も影響される+人為的にMTを前極に局在させると極性を逆転可能。精子によるAIR-2を介した経路とは並列に働くhttps://t.co/vwvwp5yg5o — Hitoshi Sawa (@dpyNonunc) April 11, 2020 C9型ALSの核・細胞質輸送の異常によって、核:細胞質の分布比が変化するタンパク質をカタログ化ナンセンス変異依…
ER-PM conetact欠損時にsynthetic lethal になる変異の探索 (Molecular Biology of the Cell 2020年4月8日号掲載論文)
結論から言うと、ER-PM接触部位を欠く酵母株の合成致死変異体をスクリーニングしてESCRT-III を同定した論文。 本日は「ESCRT-III and ER-PM contacts maintain lipid homeostasis (ESCRT-IIIとER-PM間MCSが脂質のホメオスタシスを維持する)」という論文で、米国 Weill Institute for Cell and Molecular Biology and Department of Molecular Biology and Genetics, Cornell University の Scott D. Emr の…
3月30日から4月5日の間で読んだ/積読したおもしろそうな論文のメモ。 遺伝情報が収められている細胞核の出入口の穴(核膜孔、NPC)の数と質は、タンパク質分解系でコントロールされているダメージを受けたNPCは核膜のあるエリアに集められ、オートファジーやプロテアソームで分解される酵母菌で(Nature Cell Biol 誌より)https://t.co/fp7PXj88Af — Kazu Asakawa (@Kazuh_ideA) March 31, 2020 Mitochondrial fragmentation enables localized signaling required fo…
細胞膜ダメージ→局所的なミトコンドリアの断片化→局所的なRhoAの活性化とアクチン重合 (Journal of Cell Biology 2020年4月1日号掲載論文)
結論から言うと、細胞膜に穴が開いたときに、局所的にミトコンドリアが断片化する→ミトコンドリアがカルシウムイオンを取り込む→カルシウムを多く取り込んだミトコンドリアがROSを発生→発生したROSが(恐らくRhoAを酸化することで)RhoAを活性化し、アクチンのポリマー化を誘導することで細胞膜のリモデリングを助け、細胞膜損傷治癒を行う、ということを提唱した論文。 本日は「Mitochondrial fragmentation enables localized signaling required for cell repair (ミトコンドリアの断片化は細胞修復に必要な局所的なシグナル伝達を可能…
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