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2018/07/29

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  • 宗教への期待感

    『読売新聞』夕刊(2023.7.29)に、―桜井義秀・北大教授『統一教会』刊行―という記事が出ていました。後半部分だけ転載します。旧統一教会の問題に関連して高額寄付被害を救済・防止する新たな法律が成立し、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)や宗教研究者らが声明を出した。2世信者も意見を発信するなど、大きな動きが続く。一方で、文部科学省の宗教法人法に基づく質問権行使は長期化している。「宗教不信は深刻なほど高まっている。オウム真理教事件の時は十分な批判ができなかったからこそ、旧統一教会問題では宗教者や宗教学者が社会との関係について声を上げ続けてきた」と語る。戦前の国内では、新宗教に対する大弾圧が起こったこともある。時間がかかっても、様々な手続きは法律にのっとる必要があると説く。30年以上にわたって旧統一教...宗教への期待感

  • 『心理療法の精神史』3

    『心理療法の精神史』(2023/5/10・山竹伸二著)のつづきです。二〇世紀前半に精神分析が飛躍的な発展を遂げたのも、自由に生きる可能性が大衆に広まり、多くの人が無意識に関心を向け、自分自身のことを知りたい、と望んでいたからだ。自由に生きる可能性が生まれると、私たちは自分がどうしたいのか、どうすべきなのか逡巡し、自らの内面を見つめようとする。社会に過剰適応し、同調した自分か偽りのように思え、「ありのままの自分」を受け容れてほしいと望むのだ。そして、過度に自分の感情を抑えるのではなく、「本当の自分」の人生を生きたい、そう思うようになる。心理療法が次第に「本当の自分」の発見、自己理解、自己実現を重視するようになったのも、社会の中で自由に生きるための条件が整い、自由に生きたいと感じるようになった半面、社会や世間...『心理療法の精神史』3

  • 領解文連続講座始まる

    『中外日報』(2023.7.21日号)に「新しい領解文連続講座始まるーオンライン全8回を予定」という記事が掲載されていました。以下転載浄土真宗本願寺派で発布された新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)に関する情報を発信する「フエイスブック」上のグループの「新しい領解文を考える会」は14日から全8回のオンライン連続講座を開始した。勧学・司教らを講師に迎え、新しい「領解文」の問題点を共有して浄土真宗の教えを学ぶことを目的としており、約400人が受講している。14日は井上見淳司教を講師に「領解文とは何か?」をテーマに開かれた。井上司教は、門信徒らが自身の信心を述べて宗主がそれを裁断する改侮批判が始まりで、人々が模範的な述べ方を求めて改悔文(頌解文)が生まれ、様々な改悔文がある中、1787年頃に現在も用いている領解...領解文連続講座始まる

  • 『心理療法の精神史』2

    『心理療法の精神史』(2023/5/10・山竹伸二著)のつづきです。近代以前の心理療法の特質を、もう一度振り返ってみることにしよう。レヴィ=ストロースによれば、患者と治療者、周囲の人々が共同で、「原因がわかった」「元凶となるものが取り除かれ、解決された」と信じることが、治療効果を生み出している。シャーマンなどの治療者は、理由のわからない苦しみに対して、神話に基づいた言葉を与え、思考可能なものにする。それによって、患者の苦痛は理解できるものとなり、緩和され、耐えられるものとなる。原因不明の苦しさに対して原因を指し示すこと、言葉で言い表すことで、苦しみは大きく改善されるのだ。レヴィ=ストロースはこれを「象徴効果」と呼んでいた。この場合、神話に基づく治療者の解釈が真実かどうかは問題ではなく、患者がその神話を信じ...『心理療法の精神史』2

  • 無着成恭さん死去

    「山びこ学校」編者で僧侶、無着成恭さん死去…96歳の記事が、朝刊に掲載されていました。以下記事転載。文集「山びこ学校」の編者で僧侶の無着成恭(むちゃく・せいきょう)さんが21日午前、敗血症性ショックのため千葉県多古町の病院で亡くなった。96歳。山形県出身。葬儀は27日午前11時、多古町一鍬田292の福泉寺で。喪主は長男の成融(せいゆう)さん。無着さんは戦後まもない1948年、山形県山元村(現・上山市)の山元中学校(廃校)に教員として赴任し、中学生たちに綴(つづ)り方を指導。51年には、綴り方をまとめた文集「山びこ学校」を世に出した。作品は、自分の考えをしっかりと生徒へ書かせる手法をとるという当時としては画期的な教育方法として、戦後の教育界に大きな影響を与えた。また、ラジオの「全国こども電話相談室」の回答者...無着成恭さん死去

  • 『心理療法の精神史』1

    『心理療法の精神史』(2023/5/10・山竹伸二著)、興味深い本です。その時々の時代性が苦しみを生み出し、その苦しみの応じた精神療法が発達していくというものです。あとがきに、その当りをまとめて書いてあるので、まずは、あとがきを転載します。古来、心理的な治療者たちはこの不安や症状を解消するために、患者の属する集団の社会規範、価値観に準じた解釈、儀礼によって治療を行ってきた。解釈された物語が関係者や周囲の人々の間で共有されると、集団における患者の立ち位置が明確になり、承認不安は緩和されることになる。それが多様な症状の解消につながってきたのだろう。しかし、近代になって生きられる可能性が拡がると、私たちは社会規範や他者の承認に強い重圧を感じるようになった。いざ自由に行動したいと思っても、その行為が周囲の期待や要...『心理療法の精神史』1

  • 危機の時代の宗教論

    『危機の時代の宗教論:ヒューマニズム批判のために』(2021/1/27・冨岡幸一郎著)の「あとがき」に「クライシスの本質」と記し、次の様にある。「患者」となるとそうした主体性を奪われてしまう。それは身体性の次元だけでなく、精神の、心の領域においても、受動的であるように主体は強いられる。つまり、内面の危機であり、ここにクライシスの本質がある。今われわれが体験しているコロナ禍は、ある意味ではたまたま感染していない人間もふくめて、全ての人間の主体性を奪っているといってもいい。ワクチンが開発されても、新たに到来する監視社会は、これを日常化するだろう。しかし、ここでより根本的な問いが浮上する。それは、「みずからの力を完全に掌握した主体である可能性」とは、そもそも何であるのか。われわれは、この言葉の意味を理解している...危機の時代の宗教論

  • 死後離婚

    『日本の死角』(講談社現代新書・2023/5/18・現代ビジネル編集)から、もう一題。「死んでまで一緒はイヤ…」日本の死後離婚を夫婦別墓が増えた理由-井上治代。姻族関係終了届冒頭でも触れたが、近年「死後離婚」と呼ばれるもう一つの現象が顕著になっている。それは「姻族関係終了届」の提出によって、配偶者の死後、配偶者側の親族(姻族)と縁を切ることである。親族の中でも「姻族」は、もともと何ら関係のない人たちだったのが、婚姻によって親族になった人たちである。配偶者の死後も、何もしなければ姻族関係は続くが、「姻族関係終了届」を提出することによって、姻族と縁を切ることができる。近年まで「姻族関係終了届」の存在を知る人はごく少なかった。法務省の統計によれば、2006年度の届出件数は1854件で、それが10年後の2016年...死後離婚

  • 「個性的」とは否定の言葉である

    『日本の死角』(講談社現代新書・2023/5/18・現代ビジネル編集)、新刊本コーナーにあった本です。何人かの著名な方が、色々なテーマで書いています。いまの若者たちにとって「個性的」とは否定の言葉である。土井隆義(筑波大学教授)「個性的だね」は差別語なのか?以前、毎日新聞記者の小国綾子さんからこんなエピソードをうかがったことがある。LINE株式会社の出前授業に付き添い、中学校を訪問した時のことだそうだ。「友だちから言われて最もイヤな言葉は?(1)まじめだね(2)おとなしいね(3)天然だね(4)個性的だね(5)「マイペースだね」との問いかけに対し、一番多かった回答は「(4)個性的だね」だったという。「まさか!」と耳を疑った彼女に向かって、生徒たちは口々にこう語ったそうだ。「個性的と言われると、自分を否定され...「個性的」とは否定の言葉である

  • 死者供養仏教

    『RE-END死から問うテクノロジーと社会』(2021/10/編著塚田有那 編著高橋ミレイ・巻頭マンガ五十嵐大介)葬儀のゆくえー日本人の宗教間と未来の葬送ー岡本亮輔仏教を信じない檀家そもそも現代の日本人のうち、仏教を信じている人はどれくらい存在するのだろうか。この点を考えるうえで参照したいのが、各宗派による自宗の実態調査である。たとえば2012年の曹洞宗の調査では、寺院の各種行事への一般信徒の参加率は次の通りである。盂蘭盆会(59.3%、春と秋のお彼岸(それぞれ43.1%と41.1%)といった先祖供養に関わる行事には比較的多くの信徒が参加している。一方、釈迦降誕会(23.5%)、涅槃会(18.6%)、成道会(9.6‰)といった仏教信仰と深く関わる行事、さらに坐禅会(8.8%)という曹洞宗の根幹に関わる行事...死者供養仏教

  • 九条武子―その生涯とあしあと

    『九条武子―その生涯とあしあと』籠谷真智子著2002(平成14)年1月刊この本は、88年同朋舎刊の新装版です。著者は、京都女子大学名誉教授、本のまえがきに次のように記している。昭和六十二年(一九八七)は九條武子の生誕百年であった。また武子は昭和三年二九二八)数之歳四十二歳という短命さで還浄した。それゆえ、昭和六十二年は六十回忌を迎えていた。はからずも生誕百年と六十回忌が重なるこの記念すべき年に、できることなら武子の伝記を完成させたいと望んでみた。ところが、もとより遅筆な私の努力もむなしく、記念すべき年を越えてしまい、ようやく今春(昭和六十三年)刊行の運びと相成った。これまでフィクションを含めた、いわゆる小説の九條武子は幾冊か著わされている。だが歴史学の立場から武子の伝記を著わしたものはなかった。(注力)だ...九条武子―その生涯とあしあと

  • 九条武子の生涯

    『九条武子の生涯』末永文子著1995(平成7)年5月刊『まぼろしの柱ありけり―九条武子の生涯』(1986/7/1)の新装版です。過去に出版された武子に関する小説等の内容も取り入れ、読みやすう文章で綴られている。図書内容に次のようにある。憂愁の歌人・九条武子の多彩な生涯を描く。西本願寺に生れ、貞明皇后の弟・九条良致男爵に嫁しながら何故か忍従の日々を強いられた。才色兼備、一世の麗人と謳われた武子は歌人佐々木信綱に師事、多くの歌を残し社会事業に献身した。42歳の短い人生と文筆活動、そして与謝野晶子・柳原白蓮との交流を描き、忍従の謎に迫る。目次第1章本願寺「北のお方」第2章百華園の春第3章儀丈兵の哀譜第4章錦華殿の人第5章華燭の典第6章籌子逝く第7章本願寺疑獄事件第8章歌集『金鈴』第9章筑紫の女王第10章11年目...九条武子の生涯

  • 無憂樹(あそか)ー九條武子全歌集)

    『無憂樹(あそか)ー九條武子全歌集)』大谷嬉子編1983(昭和58)年4月刊本願寺派の仏教婦人会総連盟から刊行されたもので、連盟の総裁であった大谷嬉子は本願寺代23代大谷光照宗主の裏方です。「序にかえて」に次のように記されている。「私共の仏教婦人会は、尼講として発足しからかぞえて、今年(1982)で百五十年になります。早世した大谷籌子裏方の志をついで、実際に仏教婦人会連合本部長として働かれたのは武子夫人であります。今日の仏婦会員の方がたに、夫人の気持ちを歌集を通して昧わっていただきたいと思います。短歌や詩には、古語や背景の歴史などにわかり難いものがありますので、浅学を承知で私が注を入れさせていただきました。また、かな遣い等、原本に忠実に従いましたか、誤字の訂正と、かなの連続した部分を読みやすくするために、...無憂樹(あそか)ー九條武子全歌集)

  • 共苦共楽 : 九条武子の生涯と歌集

    『共苦共楽:九条武子の生涯と歌集』(東京親鸞会編)1972(昭和47)年10月刊前半、九條武子の生涯と歌集が収められ、後半に『無憂華』がそのまま全編納められている。巻頭に「おもかげ」と題して当時、東京教区仏教婦人会連盟会長であった三宅富子は次のように記している。「伯母がなくなったのは私の15の年で、はるかにへだたった年月はその記憶もさだかではありがせんが、伯母のことというと美しさと一種のちかより難さをもって脳裏に甦ってきます(中略)現代では九條武子の名を知っている方はごく少なく、この度の御縁により少しでも多くの方々に理解して頂けるなら、不肖の姪としてこれに過ぎる喜びはないと思います。」本願寺の関係者は、九條武子の名を知っている人は多い。しかし一般の人となると、知る人も少なくなっていった。そうした状況の中で...共苦共楽:九条武子の生涯と歌集

  • 九条武子の生涯 戯曲白孔雀

    『九条武子の生涯戯曲白孔雀』田中澄江著1969(昭和44)年10月刊著者の田中澄江は、数多くの小説や脚本を手掛けた方で、数々の文学賞を受賞されている。著書の前半は、九条武子の一生を小説風に紹介し、後半は戯曲『白孔雀』が収まられている。白孔雀は、九条武子の生涯を明治42年2月から死に至るまで四幕・九場でまとめたもので、初演は、昭和42年11月、新橋演舞場で水谷八重子一座が演じたもので、水谷八重子の依頼によって書いたとある。「九条武子の生涯」から、一部転載します。「九條さん、いつもいただく餅や着物は、本当にありかたいんですけれど、どうせくださるなら現金がおりがたいんですよ」手鼻をかんだその指先を前掛けにこすりつけて言い出す老女もいる。「あたしゃいつも餅は餅やに着物は古着やに売っているよ。餅を食わなくても正月は...九条武子の生涯戯曲白孔雀

  • 九條武子―北の無憂華

    『九條武子―北の無憂華』谷川美津枝著2001(平成13)年2月刊九條條武子は、明治39~昭和2年の間、北海道を5度訪れている。昭和2年は樺太の地へ。その一部始終を記した本です。本の中に「船底説法」というかくれ念仏で本願寺派の法灯が守られていたことが記されている。九條武子とは直接ないが、北海道へ5度訪問することになった当時の本願寺の開教意欲がこの逸話から読み取れる。その部分だけ転載します。北海道に、本願寺派の寺院が正式に創立されたのは、安政四(一八五七)年である。しかし、真宗でも東本願寺派(大谷派)の寺院は早くから建てられていた。松前には、四百五十年も前から、専修寺という真宗の寺院がおり専修寺は慶長七年、本願寺が東西に分かれたとき、東派に属した。これは、当時の松前藩が、権勢を誇った徳川幕府の治下にあったこと...九條武子―北の無憂華

  • 『麗人九條武子』

    伝記叢書147『麗人九條武子』佐々木信綱著(1994年5月刊)この本は昭和9年2月刊行の復刻版です。九條武子に関する伝記としては、一番古い書籍だろう。昭和3年2月武子逝去、その6年後、昭和9年2月の出版です。武子没後に行われた追悼会や一周忌法要、当時の有名人による追悼文、昭和4年7月明治座で上演された『戯曲九條武子夫人』(北村小松作)なども掲載されている。著者の孫に当たる佐佐木幸綱(1938年~、現代歌人協会前理事長)が「解説」を次のように記している。「洋行帰りの与謝野晶子の写真を見ると、洋装に靴、派手な帽子をかぶっている。一方、武子の場合はヨーロッパから帰ったのちの写真でも和服を着でいる。古くて新しいと言ったが、別の旨い方をすれば、武子の新しさには、冒険、危険、毒の要素がほとんどなかったのだ。だから、人...『麗人九條武子』

  • 無憂華

    本棚に九條武子に関する書籍が8冊ある。別に収集した本でないので、武子さまに興味のある人であれば手元にある本ばかりです。その本の内容を紹介し、興味のある本があれば入手して読んで頂きたい。『無憂華』九條武子著(1927年7月5日刊)昭和2年7月、父明如(本願寺第22台宗主)の二十五回忌を記念書して出版したものです。私の手許にある『無憂華』の奥付には「昭和3年1月29日43版」とある。武子没後、更に版を重ね刊行後わずか4年間で383回も重版された一大ベストセラーとなった。序に次のようにある。風に吹きよせわれた、落葉のひと片ごとにも、思ひ思ひなごりはこもる。この書は、芽ぐみ、そだち、かつ散った私の心の落葉をかきあつめたにすぎぬ。あまりにも価(あたい)もなく美しさもない、ささやかな姿である。ただ私の心を知る人が、も...無憂華

  • 自分で体をくすぐっても、くすぐったくない理由

    『最新科学でわかった「人の心」のトリセツ世界の心理学者が研究していること』(2023/5/10・内藤誼人著)からの転載です。自分で体をくすぐっても、くすぐったくない理由他の人から、脇をくすぐられると、ものすごくくすぐったく感じるのに、自分で同じことをしても、まったくくすぐったくはありません。同じ刺激を体に与えているというのに、これはいったいどういうことなのでしょう。私たちの身体はとても不思議です。実は、くすぐったく感じるかどうかには、「私たちの予想」が関係しています。自分で自分の体をくすぐる場合には、どこに、どれくらいの強さの刺敵が加えられるのかが予想できます。そのため、くすぐったくないのです。他人にくすぐられる場合には、その予想ができないため、くすぐったいのです。英国ロンドン大学のサラ・ブレイクモアは、...自分で体をくすぐっても、くすぐったくない理由

  • お金持ちは忙しい

    『最新科学でわかった「人の心」のトリセツ世界の心理学者が研究していること』(2023/5/10・内藤誼人著)からの転載です。私たちが考えるお金持ちのイメージは古い米国マサチューセッツ工科大学のドラ・コスクは、時代によってお金持ちが働く時間の変化について調べてみました。すると、とても面自いことがわかったのです。今から、100年以上も前、1890年代には、もっともお金を稼ぎ出す人たちは、もっとも働く時開か短かったのです。「お金持ちは、働かないもの」という時代があったのです。ほとんど働かずに、お金だけがじゃんじゃん入ってくる。それがお金持ちというものでした。私たちが考えるお金持ちのイメージは、実は100年以上も前の古くさいイメージだと言えるかも知れません。コスタが調べたところ、1973年になる頃までには、お金持...お金持ちは忙しい

  • 偉い人が不幸に遭っていると嬉し

    『最新科学でわかった「人の心」のトリセツ世界の心理学者が研究していること』(2023/5/10・内藤誼人著)からの転載です。私たちは、偉い人が不幸に遭っていると嬉しドイツ語には、日本語でいうところの「他人の不幸は蜜の味」をあらわす単謡があります。「シャーデンフロイデ」といいます。他の人が失敗しらり、不幸な目に遭ったりしていると、私たちはその姿を見て、心の中で気持ちがよくなるのです。これがシャーデンフロイデ現象です。米国マサチューセッツ工科人学のミ-ナ・シカラは、数多くのスライドを見せて、そのスライドを見たときにどういう感情を持つのかを調べてみました。スライドには、おいしそうなサンドイッチを食べている人や、走っているタクシーに水しぶきをかけられている紳士など、さまざまな揚面が用意されていたのですが、地位の高...偉い人が不幸に遭っていると嬉し

  • 人がワガママになっていく

    『最新科学でわかった「人の心」のトリセツ世界の心理学者が研究していること』(2023/5/10・内藤誼人著)からの転載です。時代とともに人はナルシストになっていく私たちは、昔の人に比べると、少しずつナルシストの度合いを高めています。米国サンディエゴ州立大学のジーン・トゥエンジは、全米から85の大学を選んで、ある調査を行ってみました。この85の大学では、1979年からずっと大学に入学した一年生を対象にして、ナルシストの度合いを測定する性格テストを実施していたのです。トゥエンジは、1979年から2006年までに入学した学生の、ナルシストのテストを受けた1万6475人分のデータを使い、その変化を分析してみました。するとどうでしょう。1982年から、ナルシスト得点はずっと上がり続けているではありませんか。2006...人がワガママになっていく

  • 見慣れたものでも正しく答えられない

    『最新科学でわかった「人の心」のトリセツ世界の心理学者が研究していること』(2023/5/10・内藤誼人著)からの転載です。見慣れたものでも正しく答えられないたいていの建物には、通路や階段脇に消化器が設置されています。法律で設計が義務づけられているので、消火器がどこにも見当たらないということはありません。みなさんの会社にも、おそらくは消火器の1つ、2つは置いてあるはずです。さて、ここで問題です。みなさんは、みなさん自身のオフィスにある消化器の場所を性格に思い出せるでしょうか。おそらく、4人か5人に1人くらいしか、正しリ設置煬所を思い出せないのではないかと思います。普段、見慣れているはずのものも、いざ思い出そうとすると、意外に思い出せないものなのです。米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校のアラン・キャステル...見慣れたものでも正しく答えられない

  • 旋回する人類学2

    『旋回する人類学』(松村圭一郎著)のつづきです。ケアの視点病いは突然、私たちの身に降りかかる。それは文字どおり、世界を一変させる。医療人類学を牽引してきたクラインマンは、二〇一九年の新著『ケアのたましい』で、妻ジョーンの病気とケアの経験を赤裸々につづっている。二〇〇九年の夏、二七年も暮らした自宅の寝室で、ジョーンは「出て行って?」と叫んで、ベッドにいたクラインマンを叩きはじめた。恐怖に震え、はげしく動揺する妻に「夫のアーサーだよ。落ち着いて」と冷静に呼びかけても、妻は「違うわーアーサーなんかじゃない!偽者よ!」と叫びつづけた。ジョーンは非定型の早期発症型アルツハイマー病を患っていた。身近な人や場所のことを偽物だと誤認する妄想状態が典型的な徴候だ。翌日、ジョーンは起こったことすべてを一笑に付して否定した。ク...旋回する人類学2

  • 旋回する人類学1

    『旋回する人類学』(松村圭一郎著)からの転載です。同じ人間であること世界中でヨーロッパ列強の植民地が急速に拡大した一九世紀、そこで西洋人が出会った人びとは、そもそも同じ人間とはみなされなかった。当時、人間は起源の異なる複数の人種からなり、その人種間の能力や身体機能には絶対的な違いがあると信じられていた。それは一九世紀から二〇世紀初頭にかけて、欧米各地辛日本でも生きた人間を標本として「展示」する「人間動物園」が開かれていたことからもわかる。人類には複数の種がある。この信念こそが、異なる劣った人種に対する奴隷制令植民地支配を正当化してきた。人類学がかたちづくられる一九世紀後半、この学問に最初に課された使命は、人類が一つの種だと証明することだった。一八九六年に英国オックスフォード大学で初代の人類学教授に就任した...旋回する人類学1

  • 出会いの機縁

    お盆についての原稿です。お盆は、故人と出会う時節だ。往生された人との出会いの機縁は、思い出の場所であったり、お墓であったり、また出来事であったり、色々とある。浄土真宗では、その機縁の一つにお念仏がある。父が往生して十数年になる。往生した父に、生前「浄土へ往ったら何がしたいか」と訊ねたことがある。父は僧侶で、食道がんを患い、治癒の見込みもない状態だった。浄土真宗では往生成仏して、阿弥陀仏のはたらきに乗じて、自由自在に人々を摂化する仏に成ると説く。そのような思いがあったので、父に「浄土へ往ったら何がしたいか」と聴いたのだった。父は、少し沈黙があって「ん、南無阿弥陀仏の念仏になる」と言った。そのときその言葉の真意は問わなかったが、今では、有り難い言葉を頂いたと思っている。南無阿弥陀仏…と称えるなかに、この念仏の...出会いの機縁

  • 質的転換

    大乗へ掲載と書いていましたが、会報ビハーラ52号「編集後記」へ掲載します。以下転載性的少数者に対する理解を広げるための「LGBT理解増進法」が成立した。性の多様性に配慮し、同性カップルや友だちカップルであっても結婚を認め、異性カップルと同等の権利を与えるという動きが世界的に広がっている。多様性といえば『阿弥陀経』にも「青色には青光が、黄色には黄光が、赤色には赤光が、白色には白光が」とあることからして、浄土真宗のみ教えから言ってもジェンダー平等社会の実現は望むべき方向だろう。しかしここに大きな繋念がある。それは浄土真宗をはじめ既成仏教教団は、門徒(檀家)制度に支えられているという点だ。法律学者の川島武宣氏は『日本社会の家族的構成』に、「家」制度を支える意識を次の様にまとめられている。①血統連続に対する強い尊...質的転換

  • 質的転換

    大乗へ掲載と書いていましたが、会報ビハーラ52号「編集後記」へ掲載します。以下転載性的少数者に対する理解を広げるための「LGBT理解増進法」が成立した。性の多様性に配慮し、同性カップルや友だちカップルであっても結婚を認め、異性カップルと同等の権利を与えるという動きが世界的に広がっている。多様性といえば『阿弥陀経』にも「青色には青光が、黄色には黄光が、赤色には赤光が、白色には白光が」とあることからして、浄土真宗のみ教えから言ってもジェンダー平等社会の実現は望むべき方向だろう。しかしここに大きな繋念がある。それは浄土真宗をはじめ既成仏教教団は、門徒(檀家)制度に支えられているという点だ。法律学者の川島武宣氏は『日本社会の家族的構成』に、「家」制度を支える意識を次の様にまとめられている。①血統連続に対する強い尊...質的転換

  • 通夜は全体の2割

    昨日、お通夜へ出勤。私が住む柏市は東京圏内ですが、通夜を勤める回数は、全体の2割と成っています。80%は一日葬です。昨夜の通夜、40日ぶりに声が出ました。長かったです。この3.4日前は、声は出るのですが、少し発声していると、声がれ状態でした。それ以前は、最初から駄目でした。やれちれです。通夜は全体の2割

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