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2018/06/28

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  • 愉話§一日一句~カーテンを開けたら~

    季語は・・・冬の虹 六時半の 寝惚け眼に 冬の虹 【去年の今日】終話§霜月十一月が終わるですよ

  • 冒話§保育園まで徒歩八分

    2年保育の保育園に通っていた。以前も書いたようにプロテスタント系で、朝にお祈り、昼ご飯でお祈りと、訳など何も分からずにむにゅむにゅ唱えていたのだった。 毎朝、そんな保育園へ通っていたわけだが、まずは家からすぐの友だちの家まで迎えに行って一緒にてくてくと歩いて行ったのだ。グーグルマップで調べたら大人の足で約8分だから、もう少し余計にかかっていたかもである。 それにしてもと思うのは、60年前という“のどか”な地方都市で、五歳児が親の目を離れて自分たちの足で通園していたということだ。 もちろん車の通行量など今とは比較になどならなかったから、親たちの認識としても子どもだけで通わせても大丈夫と判断したのだろう。 今時のどこかの県だったら“児童虐待”とやらで通報されるような案件ではなかったかと思ってしまうが、当人たちはどこ吹く風で、時には途中にある町工場でコンクリートブロックを..

  • 霜話§2023年十一月終了のお知らせ

    今年も残すところ12月一か月だけとなってしまった……嗚呼 そして年末っぽくないと思うのは、11月になっても残暑を引きずりまくってしまったので、明らかに季節感が狂ってしまっている。 そういえば尾瀬では、10月下旬にすべての山小屋が閉じた後も、11月上旬の前半までバス運行が行われていた。下界の陽気が夏日だったりするものだから、尾瀬もそうだろうと考えたのかどうか、公衆トイレも閉じられた尾瀬ヶ原に向かう登山客がいると、某山小屋主が驚いていた。 もちろん、それなりの装備で向かうのであればかまわないが、ちょっとした高原の紅葉狩りみたいなつもりで出かけるのだったら、気軽に過ぎるのではなかろうか。 問題は、山小屋などの有人施設が尾瀬ヶ原や尾瀬沼のすべてで閉鎖されていても、バスが運行されているというのは、いささか整合性を欠いているように思うのだ。 交通機関で行けるとなれば、行こ..

  • 愉話§一日一句~薄暗くなっても~

    季語は・・・落穂 夕間暮れ 落穂啄(つい)ばむ 群すずめ 【去年の今日】学話§ラグビー練習試合~キヤノン対トヨタ~

  • 呟話§一言つぶやき~将棋こそ体力~

    3週間ほど前、藤井惣太名人・竜王が王座戦を制し将棋タイトル八冠を…… ……達成したが、そこまでタイトルを自分の手にすると、挑戦と防衛の戦いが毎週やって来る一年がデフォルトな状態となって、まさに頭を使うのも体力であることは間違いなく、そのエネルギーは数日で充填されるものか、時には二つのタイトル戦が並行して行われたり、言わずもがながら自己都合でスケジュールを決められるわけでもなく、自分でできることは、五番勝負であれ七番勝負であれ、負けることなくさっさとストレート勝ちして防衛し少しでも頭を休める時間を作り出すことしかないということだろう。 《つぶやきのトピックス一覧》

  • 弦話§ヤメン・サーディのヴァイオリンを聴く

    勤労感謝の祝日、今年最後のクラシック演奏会に行ってきた。ヤメン・サーディのヴァイオリン・リサイタルである。昨年秋、ウィーン国立歌劇場管弦楽団の新コンサートマスターに就任。現在は正式採用を目指し試用期間中。ピアノは沢木良子。 プーランク:ヴァイオリン・ソナタ FP119 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番 A-Dur Op.100 **********************休憩********************** フランク:ヴァイオリン・ソナタ A-Dur FWV8 [アンコール] クライスラー:愛の悲しみ ラヴェル:5つのギリシャ民謡から第2曲「むこうの教会へ」 一曲目、プーランクのソナタは、ほとんど初めて聴くような曲だが、曲の形を掴みかねてしまった。プーランクらしいエスプリ、諧謔、ユーモアというものは見当たらず、いささか硬派とでも..

  • 愉話§一日一句~右往左往~

    季語は・・・時雨 時雨来て スクランブルの カオスかな 【去年の今日】能話§中村吉右衛門一周忌

  • 呟話§一言つぶやき~吉右衛門三回忌~

    2021年11月28日に逝去した二世中村吉右衛門が、今日三回忌を迎えたが…… ……“大看板”の衰えは進み、だが若手の台頭は後れをとって、毎月一回は通っている歌舞伎座の客席も空きが目に立ち、ここ一番が踏ん張りどころではあれど、今だ“芯”となってくれそうな四十代から五十代の役者にさらなる頑張りが求められるが、生きていればそんな大きな核になってくれていたであろう勘三郎や三津五郎の早逝が悔やまれてならない。 《つぶやきのトピックス一覧》

  • 街話§神保巷塵[105]神田天丼家閉店

    [承前] 神保町三丁目南側で営んでいた神田天丼家が、10月31日を最後に閉店した。前もっての告知はなく、当日閉店のお知らせが張り出されて終わりである。 かねてより、閉店“記念”行列を何だかなあと眺めていたので、唐突なとは思いながらも、いっそ潔いやり方ではなかっただろうか。 元々は、神保町一丁目北側の路地裏で天丼いもやとして店を出していたが、2011年10月、今の場所に移転し“神田天丼家”として再スタートしたのだ。 天丼いもや当時は280円で食べられた天丼も、最後は700円となったが、それでも財布に優しいことに変わりはなく、あの辛口のタレは忘れられない……東京風のそれである。 最後に、今だ“若旦那”という風貌のS店主さんお疲れ様! [続く] 《神保町のトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~そして夜~

    季語は・・・短日 四時過ぎて 短日もはや 留まらず 【去年の今日】週話§日曜有閑~掛け時計の修理~

  • 異話§朔風払葉~七十二候~小雪

    小雪の次候“朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)”である。 澄み切った青空の日々が続いているが、一転して眼を落とすと、散った落葉が砕かれて広がり、寂しい地表である。そして、小雪次候で11月が終わる。 東京の最高気温も15度より上がることはなく、ウールセーターの出番も間もなくではないか。いや、着始めていてもおかしくはない。 日本人的な発想としては、12月へと暦が変われば、新しい年を迎える準備を始めなくてはという気持ちにさせられるようだ。12月という一年の終わりでシャッフルしたくなるという習性があって、時に御都合主義とも思えなくもないが、リセットするおくべきことと、持ち越すべきものとを分けて考えればいいだろう。 今週の終わりは師走十二月である。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 悼話§朝潮太郎さん(ワイはアサシオや)

    現役時代は四代目朝潮太郎として、引退後は若松親方から高砂親方となり、横綱朝青龍を育て上げた……放任主義が祟ったかどうか。朝青龍は不祥事を重ねた結果横綱を引退させられることとなる。 現役時代の朝潮は、突き押しを得意に大関まで登り詰めたが、しばしば引く悪い癖を出して土俵を割る自滅も多く、横綱に届くことはなかった。 そして朝潮の名を飛躍的に高めたのは、四コマ漫画の天才いしいひさいちによって描かれたところの『ワイはアサシオや』の力が大きい。それは同じく阪神タイガースの田淵幸一を戯画化した『がんばれ!!タブチくん!!』と並んで一大スポーツギャグ漫画となったのだ。 その後、高砂親方としては、朝乃山を大関まで昇進させたが、これまた不祥事が発覚して6場所の出場停止処分を受け三段目まで番付を落とした。この一件で、定年退職後再雇用中だった高砂から錦島に名跡変更していた朝潮は責任を問わ..

  • 愉話§一日一句~ありがたき炊き立て~

    季語は・・・夜を寒(さむ)み 炊き立ての ご飯の湯気や 夜を寒み 【去年の今日】週話§土曜有閑~来週は師走ですか~

  • 週話§日曜枯寂~十一月もはや~

    11月が終わりに近づいている。つまり一年が次に来る12月でおしまいということである。ああ……と思うアラ七十なわけで、もう一年が経ってしまう。 何度も書いているように、小学生から中学生くらいまでは時間の速度が遅いと感じていた。なかなか時が進んでくれないのだ。それはも、もどかしいと言えるレベルで、どうして夏休みがなかなかやって来ない、どうして正月になってくれないと、そんなことばかり思っていた。 そうしたら、あーら不思議。人生の半分も過ぎた頃から、坂道を転がるように時間が速くなっていったのだ。 それは、たぶんおそらく三十代の終わり頃が境い目ではなかったか。十代を終えて二十代から四十代あたりまでは、フラットな時の進みかたをしていたのが、ある日気がつくと坂道を下り始めていたのだった。 人生における時間の速度の推移はこうなのだと、しみじみ思い知った昨今のことである。そして生涯の..

  • 愉話§一日一句~冬に入る尾瀬ヶ原~

    季語は・・・冬枯れ 木道は 湾曲しつつ 冬枯れ野 【去年の今日】泡話§ワタシ的バブルの時代

  • 週話§土曜枯寂~額の傾き~

    欧米のドラマ映像を見ていて、額の傾きを直すシーンが出てきて、そういうものかと思っていた。 そして今、部屋や廊下、玄関に合わせて十数点の額装した版画類を掛けていると、その気持ちがよくわかるのだ。そして映像を見ていると、何というか頻繁に直していて、そんなに気になることなのかと思ったのだ。 それが自分の身になると、よく理解できる。額を眼にした瞬間に“あれ……傾いてる?”と、そうすると即座に近寄って、水平に正そうと試みるのである。 まずもって傾いていることに気がつくと、落ち着かなくなる自分がいて、それを修正すると、大げさではあるけれど“心の平静”が戻ってくるのだ。 かくして我が家の“常設展示”は常に水平が保たれている……はず。 《日常のトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~陽は傾いて~

    季語は・・・暮早し 暮早し ブログアップを 取り急ぎ 【去年の今日】爵話§ジャズはお好き?

  • M話§動画は横位置で

    テレビのニュースで視聴者が撮った“スクープ映像”が頻繁に使われるようになって久しい。スマホの普及が様々なシーンで起きた映像が録画されて、それがニュースで取り上げられるのだ。 そんな映像を見ていて気になるのは、8割から9割はスマホをそのまま縦位置アングルで撮影していることである。もちろん縦横どちらで撮影しても、それは撮影者の自由だが、テレビ画面やパソコン画面で見るなら、横位置で撮影したほうが、全体に広がりが出るような気がする。 さらに、人間の視界も横仕様になっているから、縦アングルでは窮屈としか感じられない。 スマホの習い性で縦位置そのままで撮ってしまうのだろうが、一手間かけて横位置で撮影してみることをお勧めしたい。是非一度試してみてください。視野が広がると思いますよ。 《テレビのトピックス一覧》

  • 硝話§跳ね上げ眼鏡が欲しい

    跳ね上げ眼鏡が欲しいのだが、なかなか気に入ったデザインが見つかってくれないでいる。 今の視力がどんな程度なのかというと、自宅ではほとんど眼鏡をかけることなく過ごしている。パソコンを眺めるのも眼鏡は不要で、テレビを観る時にかけるくらい。 車を運転する時は要眼鏡で、昼用と夜用と使い分けているが、最近は少しばかり老眼に振れていっているようで、昼用で夜に運転しても差し支えない。ただ、そんなわけで、裸眼と眼鏡をしている差があるようで、眼鏡をかけて本やパソコン、iPadなどを見ることはできないのだ。 外出していて、電車内でiPadを見る時は、眼鏡を外し頭の上にのせるのだがいちいちするのが煩わしく、なので跳ね上げ眼鏡が便利だろうと思っていて色々と探してみている。 だが、店頭でもネットでも思ったような気に入ったデザインの跳ね上げタイプが見つからない。いい加減、本腰を入れて探さないと..

  • 愉話§一日一句~夕方近く~

    季語は・・・黄落 黄落や 午後の陽射しの 赫赫と 【去年の今日】危話§山歩きの保険はワンコインで

  • 悼話§犬塚弘さん(クレージーキャッツ)

    先月、クレイジーキャッツ7人のメンバーで最後の一人だった犬塚弘が逝去した。 1950年代から60年代と、ギャグバンドとして一世を風靡した7人はもういない。ダークダックスのメンバーも全員鬼籍に入って、我々の“昭和”がいよいよ消えていく。 地味なようで、実は個性的な存在だった犬塚が、終戦後間もなく進駐軍の統計調査をしていたIBMに勤務していたとは、ずいぶん後になって知ったことである。享年九十四 合掌 《追悼のトピックス一覧》

  • 藪話§病院は近くで

    宮仕え時代は、歯科医をしている高校時代の同級生に紹介してもらった歯医者に通っていた。仕事の前に途中下車して出向いても、それほど面倒ではなかったが、定年退職してからの歯医者探しには難儀した。 近いからいいだろうと取れた詰め物を元に戻してもらったら、何か月かして同じところが取れてしまった。ずいぶんと年齢も行きつつある医者で、詰め物の処理以外は期待できないと思っていたが、再度取れてしまうに至ってはもはやこれまでと、医者替え……予約は取りにくくなったが、設備や対応がまあまあよろしく、替えてよかったか。 そんなこんなで、年齢的なこともあって医者に通う頻度も増えてきたので、歯科と内科は遠くないところで固定できることになったが、他の診療科目は車やバスで行くしかない。車を手放したらバスが頼りである。 ちなみに“勝手にかかりつけ医”と決めている内科医は、実に頼りなくて、我が家では“ヤブ”認..

  • 愉話§一日一句~上賀茂神社~

    季語は・・・神の留守 社家町は 明神川や 神の留守 【去年の今日】盛話§平成中村座十一月大歌舞伎~宗五郎~

  • 異話§虹蔵不見~七十二候~小雪

    小雪の初候“虹蔵不見(にじかくれてみえず)”である。 夏日の気温になろうかという11月初旬だったが、下旬まで来れば、冬はもう眼の前と見える。 日の出は6時半に近づき、日没は16時半に近づく。5時過ぎに起き出せば、世間はまだまだ暗く、7時近くなってようやく明るくなっていくという……そんな暗い朝が、この先3か月以上は続くのだ。 辛うじての救いのようなものは、12月半ばを過ぎると日没時刻に関しては、少しずつだが遅くなっていってくれるということで、暦が新年に変わる前に春への明るさが戻ってくるのである。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 執話§“物”に対する情のような~日本的?~

    物にも“魂”がある……それは日本人が持ち続けてきた感情なのだろうか。もちろん、物を大切にするのは、日本人に限ったことではないのは言うまでもない。 だが“情”という要素が入ってくるのは日本だけのような気がしないでもなく、何よりも八百万の神々を戴く日本という国ゆえ、様々なものに対する愛着の中に、神道的な要素か混じってきているのではないか。 それゆえに“針供養”とか“刃物供養”といった行事が各地の寺社で行われるのもまたむべなるかななのである。 《日本のトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~いにしえの香り運んで~

    季語は・・・律の風 朽ちてなお 鎌倉古道 律の風 【去年の今日】豚話§とんかつには刻みキャベツ!

  • 顧話§今日の歴史~空白の一日~

    1978年11月21日、江川卓が読売ジャイアンツと契約。 政治家が絡んでのこの出来事を見ていて、どうしてこんなあからさまとしか思えない“ズル”をするのだろうかと考えていた。あまりにも次元が低すぎるさもしい話でしかなかった。 江川は一歳下で、一浪した自分と同じ年に法政に入学した。六大学野球の対法政戦を2回ほど観に行ったと思うが、とにかくボールが速くて、当時どん底にあった我が大学の野球部は手も足も出なかったのだ。 そんな江川が、どのプロ球団に入るものか、本人は巨人一本の意志が固いことを示していたが、ドラフト次第でしかない。ところが……誰かが悪知恵を働かせて“空白の一日”の間隙を縫って、巨人と契約するという前代未聞の暴挙を為したのである。 結果、様々な軋轢が生じ、現役時代は言うまでもなく、引退して以降も、あの一件でダーティーの烙印を押されて、それを拭い去ることができないま..

  • 別話§終活のおはなし~メメント・モリ~

    [承前] “Memento Mori(メメント・モリ)”……ラテン語で「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」という意味である。 この世の生きとし生けるもの、そのすべてが生きているということを実感しているだろうが、その先にある“死”について考えるのは人間だけではないかと考えた。 いやそんなことはない、ミジンコだって象だって考えているかもしれないぞと言う人がいるかもしれないが。ごくごく常識的な人の思考構造であれば、しかるべく年齢に行き着いたところで“死”について思いを馳せるのは自然なのである。 まあ、その後どのように自分の中で死というものを解釈、理解していくかは人それぞれだろう。だが、世の中には、理由はわからないけれど“自分は死なない”みたいな根拠なき発想を持っている人がいるようで、そうした人は自分が死に直面した時に、どのようなことを考えるのだろうかと思うのだ。 ..

  • 愉話§一日一句~すぐに止むだろう~

    季語は・・・片時雨 眼の端に 覗く青空 片時雨 【去年の今日】週話§土曜有閑~今年は三の酉~

  • 網話§会社のOB会で・・・・・・

    インターネットのホームページを立ち上げようという提案があったが、個人的には反対であると伝えておいた。 サンプルで作ったページを見ると、OB会の催しの様子であるとか、会員からの近況を伝える、などなどが掲載されていて、会員の顔や実名など個人情報の類が、サンプルの時点でオープンになってしまっているようだ。実際に稼働した時に、こうした情報がオープンになるのは不都合が大きいではないか。 なので「ホームページで公にオープンにするような性質の集まりなのか」と疑問を呈しつつ、現時点で会員限定で参加できるフェイスブックのページがあるので、それだけでは不十分なのかと思ったのである。 というわけで、自分としてはOB会のホームページという存在意義を今のところ見出すことができないと考えているが、会員を見渡すなら、当然ながら六十代から九十代という高齢者集団で、何とかスマホは手にしてはいるが、パソコン..

  • 秋話§吉例顔見世大歌舞伎~中村芝のぶ~

    すべては、超大抜擢の中村芝のぶ務めた鶴妖朶王女(づるようだおうじょ)の主役二人、菊之助と隼人の存在が薄く見えた“陰の主役”に尽きてしまう。 序幕冒頭、神々が話し合う場面は『仮名手本忠臣蔵』の大序を模したものと見ることができたが、このあたりが歌舞伎なのだ。 芝のぶは梨園の育ちではなく、国立劇場歌舞伎俳優研修を修了して歌舞伎界に入ってきて、名題まで昇進したが、この先幹部まで上がることはあるだろうが、大きな役をもらえることなどはまず考えられず、そういう意味では、まさに大抜擢なのである。 さて『マハーバーラタ戦記』は、2017年に歌舞伎座で初演されている。その時も観ているが、今回観ていて“何も覚えていない”ことを白状しなくてはならない。世界三大叙事詩ということだが、歌舞伎のこしらえにインドの人が額につける赤い印“ティーカ”で、言ってしまえば大雑把になぞったに過ぎないという..

  • 愉話§一日一句~酉の市の雑踏避けて~

    季語は・・・熊手 抜け道を 肩に熊手の 鳶頭 【去年の今日】週話§土曜有閑~今年は三の酉~

  • 週話§日曜枯寂~習作一生~

    毎日“一日一句”と称して俳句をひねるようになって、11年が過ぎていた。ざっと四千句を数える。 これはと思える俳句は少なく、時には同居人からけちょんけちょんに評されるほうが多いくらいではあるが、そんなことでめげていたら11年も続くはずなどなく、そこはしぶといのだ。 ところで――内緒だが(ぇ――遅ればせながらカルチャースクールで俳句の通信講座を受講している。 半年単位が2回。一年12回で、毎回2句を提出して添削してもらう……第三者の眼で遠慮なくダメ出しされるのは、いっそ気持ちがいい。 前半6回が終わった時点で、手放しで褒められたのは一句だけ。そこそこの出来だったのが2、3句くらい。 まだ、ダメ出しをされたあれとかこれとかが反映されるようになってきてはいないが、それでも少しずつでいいから形になってくれればと思う。 たぶんおそらく、最後まで習作のままに終わりそう..

  • 愉話§一日一句~時季はずれ~

    季語は・・・忘れ花 ほらそこに ツツジ一輪 忘れ花 【去年の今日】W話§ハムカツの正しい定義

  • 異話§金盞香~七十二候~立冬

    立冬の末候“金盞香(きんせんかさく)”である。 今年は残暑が長かった。一か月前も東京の最高気温は24.4度と夏日に迫るかのようだったし、翌日には25度を超え、さらにその翌日は27度などと、暑さを引きずっていたのだ。 例年であれば、10月中旬の前半には衣類の入れ替えがほぼ完了する段取りとなるのだが、今年は2回、3回とだらだら小出しの入れ替えが続いた。こんな衣替えも珍しいような気がする。 結局、下旬までTシャツを着ていたわけだが、これも例年だったら10月10日あたりをめどに片づけられるのだが、まだ油断はできないと3枚ほどを残しておいたのだが、さすがに20日過ぎまで着るとは思わなかった。 そして、11月も半ばを過ぎ、朝晩の気温もずいぶんと下がってきて、上に羽織る物も少しずつ厚くなってきたようだ。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 週話§土曜枯寂~ニュージーランド国歌~

    59年前の東京オリンピックで散々聞かされたのはアメリカ国歌で、気がつけばすっかりメロディーを覚えてしまった。 そして、ラグビワールドカップで覚えたのはニュージーランド国歌である。2019年に日本で開催された時に、2回か3回か聴いたら覚えてしまっていたのである。 初めて聴いた時、どこか懐かしいと感じたのは、何がなしプロテスタントの讃美歌に似ていると感じたからだろう。いかにも“偉そう”としか感じられないウエメセなアメリカ国歌に比べて、謙虚な敬虔さが見えてくるようだ。 というニュージーランド国歌だが、ラグビーの場合は続きがあって、国歌とキックオフの間に、お約束の“ハカ”が行われる流れなのである。 《ラグビーのトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~登って下って~

    季語は・・・落葉 木漏れ日や 峠の道に 降る落葉 【去年の今日】連話§ブログの限界・・・・・・ダブる

  • 顧話§今日の歴史~アメリカの恥部~

    1871年11月17日、全米ライフル協会設立。 話は単純で、銃の類を所持さえしなければ、少なくとも銃乱射による殺人が起きることはない。 だが、全米ライフル協会なる強力なロビー団体は、憲法を縦にアメリカ人を銃塗れにしているのだ。そして、ライフル協会の権力はいよいよ強大に、そして大量の資金が銃を支持する政治家に流れていくのだ。 もはや、自衛のための銃なる概念は形骸化し、銃を持つべきでない人間たちも簡単に銃を入手して事に及ぶのである。 去年(2022年)、アメリカで起きた銃乱射事件は600件以上、死者は1万5千人を超え、自殺など銃絡みの死者は4万5千人に近づく。ちなみに2022年、日本で銃撃による死者は4人でしかない。いかにアメリカの状況が狂気に満ち満ちているかがわかるであろう。 《歴史のトピックス一覧》

  • 楽話§登山道の整備

    やって来る登山客が安心して歩けるように登山道の整備は欠かすべからざることである。話は尾瀬の登山道についてで、場所によってコンディションが極端に違っているのだ。 尾瀬の入山者のおよそ6割が利用する、鳩待峠から山ノ鼻のルートを見るならば、全長3km余りの登山道は良好に整備されている。木道の耐用年数は、およそ10年だが、メインルートということもあるのかどうか、順調に交換が行われていると感じる。 そうして尾瀬ヶ原についても、山ノ鼻から牛首分岐を経て、龍宮小屋が建つ中田代、群馬と福島県境までは、鳩待峠からの日帰り客が多いこともあって木道はよく整備されていて、本当に歩きやすい。 だが、ガクッと登山客(観光客)が激減する沼尻川の先福島県に入ると、木道の整備は遅々として進んでいない。 上の写真は今年5月のもので、下田代十字路の山小屋群近くまでようやく木道が交..

  • 愉話§一日一句~横丁を吹き過ぎて~

    季語は・・・素秋(そしゅう) 顔見世は 素秋の風の 木挽町 【去年の今日】高話§ジュピター~交響曲を一曲選ぶなら~

  • 街話§神保巷塵[104]山の上ホテル長期休業

    [承前] ちょっとショックなニュースである。神保町のすぐ隣、駿河台の高台に建つ老舗の山の上ホテルが2月13日から長期休業するというのだ。 残念ながら宿泊する機会はなかったが、宮仕え時代は会社から遠くないこともあって、頻繁に利用させてもらった。事と次第によっては経費を使えたので、今はなき別館にあったカジュアルなほうのレストランには、ずいぶんとお世話になった。 あとは、本館“半地下”にあるワインバーのモンカーヴ。ただし、あそこは天井高の関係かどうか、話し声が聞き取りにくいという欠点もあったのだ。 客室フロアを歩いたことはないが、本館1階のレセプションあたりは頻繁に歩いていて、そのシックな落ち着きというものに安心感を抱けたのである。 長期休業の間に大規模改修するとのことだが、外観はもちろん、長年親しまれてきた内装もきちんと残してもらえるものか……そのあたりが気になっ..

  • 独話§ドイツとラグビー~例えば~

    気がつけば10月の終わりには南アフリカが優勝してラグビワールドカップ2023フランス大会は終わっていた。前回に続く2連覇である。 そして、フィジー(10位)、サモア(15位)、トンガ(16位)と南の島々が侮れない存在となり、今大会に出場したポルトガルが世界ランキング13位と、日本のすぐ下にいる。日本はティア1と認定されてはいるが、その地位に関してははなはだ危ういものがありそうだ。 ところで、個人的には強くなってくれたらおもしろそうだと考えている国がある。ドイツ(32位)やオランダ(27位)といった身体の大きい国がそれだが、まだまだ本大会出場には届かないレベルにある。 サッカーなどは強豪国であるのに、そもそもラグビーに興味がないのかどうかはわからないが、単純に考えて、本気で強化を始めれば、かなりな強豪になる可能性はあるのではないか。 なぜドイツがそれほどラグビーに対す..

  • 愉話§一日一句~親は呆れて~

    季語は・・・七五三 ぐずる子を 煽る姉いて 七五三 【去年の今日】闊話§漫画のキャラクターが勝手に動きだす

  • 告話§ビッグイシュー467号発売中!

    ビッグイシュー467号は11月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。奈良美智が表紙。 表紙&スペシャルインタビュー 奈良美智 リレーインタビュー 安田レイ(シンガー) 特集 ジェンダーの生物学 「自然界には同性愛があふれている」。そう語るのは、坂口菊恵さん(進化心理学者/大学改革支援・学位授与機構研究開発部教授)だ。 同性愛は自らの子孫を残すには不利なのに、同性愛の性的指向が集団に存続するのはなぜか? 説得力のある研究成果が出ない一方で、近年、ヒト以外の生物で同性間の性行動が広く見られることが認識されつつある。“生物の性行動は異性間で生殖を目指して行われるはず”という前提が、崩れつつあるという。 たとえば、霊長類のボノボの同性間の性行動はよく知られているが、ア..

  • 稼話§朝のルーチン

    起きるのはおおよそ4時半から5時半の間。夜番の同居人が起きるまでの間は、北側の“勉強部屋”でパソコンを前にあれこれする時間である。 買い替えて5年が過ぎたパソコンは、起動時間が遅くて、画面が出て動かせるようになるまで15分くらいはかかってしまう……その時間がもどかしい。 ブラウザーを開けて常駐しているSNSに何か入っているかを一通り見回りして、必要であればメッセージを返したりしておく。 そうこうしている間に、天気予報やネットのニュースを斜め読み……まあ、そんなことをしていると一時間くらいはさっさと過ぎ、4時半頃は真っ暗な世間も、徐々に明るくなって、気がつけば始発バスの時間は、とっくの昔に過ぎていた。 4時過ぎくらいに起きてしまうと、さらに時間があるので、ブログのエントリーの一本くらいはまとめることができるのは効率がよろしい。 こうしてネット巡回が一段落する頃に..

  • 愉話§一日一句~コントラストくっきり~

    季語は・・・熟柿 熟し柿 琥珀色めき 空は碧 【去年の今日】三話§平成中村座十一月大歌舞伎~唐茄子屋~

  • 顧話§今日の歴史~助さん格さん~

    1690年11月14日、水戸藩の徳川光圀が隠居。 水戸黄門が各地で世直ししたという話が史実でなく、ただの“都市伝説”ですらなかったというのは今さらながらのことである。 どこをどうすれば、そんな話が生まれ出てきたものか……テレビで漫遊記を観ていて、天下の宝刀である印籠を差し出す場面がやって来ると、いきなり平伏することを不思議に思っていた。それほど葵の御紋の威光はさもありなんなのか。そこまで情報が浸透していたのかと考えてしまい「そんな印籠、偽物に違いない!」と決めつけられて、はいそれまでよとなってしまうのではと考えなくもない。 徳川光圀という人は名君の誉れ高く、庶民にも広く知られていたがゆえに、いつの間にかそんな話が生まれて巷間に伝わっていったということだろう。 ただ、光圀時代の1657年に始めた『大日本史』の編纂作業があまりの大事業ゆえ、水戸藩の財政を傾けてしまったと..

  • 秋話§吉例顔見世大歌舞伎~仁左衛門の松浦~

    歌舞伎座新開場十周年記念吉例顔見世大歌舞伎夜の部に行ってきた。気温が一気に下がった日曜日、歩いている人の服装も冬物へと劇的な変化。そして歌舞伎座正面には顔見世櫓があがっていた。 仁左衛門の松浦侯で、秀山十種の内『松浦の太鼓』に始まり、梅枝の時姫で『鎌倉三代記~絹川村閑居の場~』を、最後に『顔見世季花姿繪』と銘打たれた踊り3つ……春調娘七種、三社祭、教草吉原雀である。 まずもって仁左衛門の松浦鎮信が自在。11月は二世中村吉右衛門が逝去して三回忌にあたり、仁左衛門の吉右衛門リスペクトが色濃く、一瞬だけだが、吉右衛門と重なるような松浦侯がいたような気がした。そうして記憶をたどるなら、仁左衛門で松浦侯の舞台を観るのは初めてなのだった。 松緑の大高源吾……長いこと梅玉で観ていた源吾だが、年齢的なこともありで分別臭いものと感じることが多かった。だが、松緑の源吾は落ちぶ..

  • 愉話§一日一句~あと二、三日~

    季語は・・・吾亦紅(ワレモコウ) 居り尾瀬は 二泊三日や 吾亦紅 【去年の今日】週話§日曜有閑~同居人のシルバーパス~

  • 異話§地始凍~七十二候~立冬

    立冬の次候“地始凍(ちはじめてこおる)”である。 10月下旬になっても夏日の気温を記録していた東京のことゆえ“地始凍”だなどと言われても、何のことやら?でしかない。 最低気温は一けた台を記録するようになったが、最高気温は20度を超えることも珍しくはなく、小春日和の陽気がありがたくもある。 とはいえ、そろそろ心しておかなくてはならないのが結露対策で、我が家では、最低気温が10度を切って5度に近づいてくると、窓ガラスに結露が発生するようになるのだ。 最低気温がそんな予報が出ると、台所の換気扇を最弱で回すことにしていてそうすると、結露を見ることもない。ちなみに去年は11月15日から換気扇を回し始めていた。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 懇話§部下と呑むこと

    宮仕えしていた会社は、社員同士の繋がりが浅めと感じていた、だから、上司から“ノミニュケーション”と称して誘われることはほとんどなかった。 社風というほど大げさなものではないが、個々人を尊重しているというか、仕事が終わってしまえば、それ以上の付き合いをする必要はないというか。 ……そうはいっても、ごくごくたまに、部下を誘って軽く呑みに行くことは数えるほどだが、年に一度とかくらいの頻度でやっていた。 そんな場で、個人的に心掛けていたことといえば、こちらから仕事の話はしないということと、長っ尻はしないということだ。 なので、部下のほうから仕事の話題が出れば、それについては話をするが、こちらから酒の席で仕事の話をしないというだけのことである。だから話題は他愛のない世間話のオンパレードというところか。 そして長っ尻しないというのも大事だと考えていた。基本的に2時間、長く..

  • 愉話§一日一句~大和しうるわし~

    季語は・・・紅葉 荒れ土塀 紅葉盛りの 大和路(みち) 【去年の今日】週話§土曜有閑~11月も半ば~

  • 週話§日曜枯寂~僧帽筋由来~

    僧帽筋という、背骨と左右の肩甲骨から逆三角形にある筋肉がある。調べるともなく調べていて、たまたま名前の由来を知ったばかりなので備忘録的に書き記しておく。 僧帽とは、カトリックのカプチン会修道士たちがまとっている僧衣に付いているフードのことで、頭に被らず背中に垂らしておくと、その様が逆三角形でちょうど筋肉の位置と重なることから“僧帽筋”と呼ばれるようになったようだ。 そして心臓の僧帽弁の由来についても、合わせてこちらに解説があったのでリンクを貼っておくが、知らないことはまだまだ数限りなく存在している。 《健康のトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~星座くっきりと~

    季語は・・・冬の星 チェンバロの 和音ジャランと 冬の星 【去年の今日】会話§歌舞伎の屋号を忘れて思い出すの件

  • 週話§土曜枯寂~グレゴリオ聖歌は~

    カトリック教会のミサで歌われるグレゴリオ聖歌の存在を知ったのは、大学に入った頃だった。 ハーモニーのない、たゆたうような単旋律の素朴な聖歌を聴いていると、カトリックの修道士たちが、僧衣に身を包み、僧帽を目深に被って尾瀬ヶ原を歩いているかのような錯覚に襲われることがある。 冬、雪が降る直前の冬ざれた光景の中を、彼らが禁欲的に歩いて行くのだ。 そして彼らが俯きながら唱えているのがグレゴリオ聖歌であるとは、妄想が過ぎるかもしれない。 そんな妄想を、季節ごとに、勝手にかつ個人的に感じてしまう自分がいる。 《クラシックのトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~スクランブル交差点~

    季語は・・・十一月 十一月の 渋谷のカオス 交差点 【去年の今日】無話§尾瀬の落穂ひろい~大丈夫?~

  • 継話§面倒だと感じる自分がいる

    ネット関連の懸案が何件かあるが、腰が重くて上がらない。 1……パソコンの買い替え。今使っているパソコンは2018年に購入して、既に5年が経過した。これまでも5年をめどに買い替えていて、そろそろが近づいてきている。 それは重々わかっているのだが、今一つ踏ん切りがつかないまま年末が迫りつつあるのだ。 買い替える費用も問題だが、買い替えた後の新しいパソコンへの環境設定やデータ移行などなど、そうした作業が面倒でグズグズしている。中途半端にできてしまうものだから、そうした作業を有料のサポに依頼するのもいやなのである。 2……光回線の契約変更。契約している光回線は2007年からのもので、速度が遅いと感じたりしていて、そろそろ見切りをつけようかと考えている。乗り換え先は決めているが、腰が上がらない。 3……ガラケーからスマホへ。今のガラケーが使えるのも、あと2、3年。サポー..

  • 創話§交響曲とその“楽章”

    交響曲とは、げに不思議な音楽である。 ソナタ形式の第1楽章、そして入れ替わることもあるが、第2楽章は緩徐、第3楽章はメヌエットかスケルツォ、終楽章はロンド形式……これはまあ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンといった古典派音楽の作曲家たちの約束事で、ロマン派になると徐々に崩れていって、5楽章構成の交響曲も珍しくはない。 さて、作曲家は4つの楽章をどのようなイメージで作曲し、一つの交響曲としてまとめていくのだろう。 もっとも単純なのは、一つのモチーフ――メロディーとかリズムとか――を各楽章に共通して用いることで、これはベートーヴェンの交響曲第5番を聴けば、第1楽章冒頭の“ダダダダーン!”が全楽章を通して使われている。 ベートーヴェンは“運命の動機”をこれでもかとばかり執拗に使い続けて、いやでも我々の脳髄に刻み込まれてしまう……恐るべき手管ではないか。 そして..

  • 愉話§一日一句~冬へ~

    季語は・・・立冬 立冬の 入口にある 大欅(ケヤキ) 【去年の今日】麵話§ラーメン屋死屍累々~安易な出店?~

  • 旨話§並んでまで食べたい・・・・・・?

    マツタケのシーズンが始まった頃、道の駅に開店前から数十人が並んでいたというニュースを見ていて、そうして並んでまで食べたいものがあるものかと考えたが、どうもそんな食べ物などないことに思い至った。 食い意地が張っているわけでも、何か食べ物に異常なほど執着するわけでもない。普通に食事ができれば、それ以上に何やら不満を感じることなどもない。 もちろん行列に並ぶことがないわけではなく、昼食で“今日はこれ”と決めて、行った店で何人か待ちということはあるが、テレビで話題になったから“それじゃあ食べに行ってみよう!”と、2時間も並ぶようなことなど考えもしないことである。 もちろん、うまいものが食べられれば、それに越したことはないが、それを突き詰めるつもりもないし、だかからまあ、そこそこでもまったく不自由を感じはしないのだ。 テレビのニュースショーが、これでもかとグルメの類を垂れ流す..

  • 爛話§ルイージ&コンセルトヘボウ~凄い~

    火曜日、サントリーホールでファビオ・ルイージ指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団を聴いた。プログラムは以下の通り。 ウェーバー:オペラ『オべロン』序曲 リスト:ピアノ協奏曲第2番 A-Dur ピアノ/イェフィム・ブロンフマン [アンコール] ショパン:ノクターン第8番 Des-Dur Op.27-2 **********************休憩********************** チャイコフスキー:交響曲第5番 e-moll Op.64 [アンコール] チャイコフスキー:オペラ『エフゲニー・オネーギン』よりポロネーズ 音色感、ダイナミックレンジ、レスポンス……そのすべてを兼ね備えた、とにかくスーパー・オーケストラである。 “軽い手慣らしの”オベロンから、すべての楽器がよく鳴って、音楽を聴く喜びに心が躍る(月並 ..

  • 愉話§一日一句~昼食は簡単に~

    季語は・・・秋愁 レンチンの チキンカレーや 秋愁ひ 【去年の今日】咖話§無印の3種の唐辛子とチキンカレー

  • 異話§山茶始開~七十二候~立冬

    立冬の初候“山茶始開(つばきはじめてひらく)”である。 さても立冬でありますが、先月の東京は半ばを過ぎても、なお夏日を記録する……異常ともいえる天気模様なのである。 外出する時も、日中であれば軽いジャンパーで十分、本格的な冬支度はまだ一か月近く先の話だろう。 とはいえ、日の出ていない早朝に起きれば冷え込んでいるのはもちろんで、カーディガンやオーバーソックスで寒くないように過ごすのだ。日の出は、とっくに6時を過ぎてしまっている。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 芝話§歌舞伎座の昼と夜

    コロナ禍は以前継続中だが、歌舞伎座は通常の昼夜二部興行に戻っている。 昼の部開演は11時と決まっている。平日のそんな時間に勤め人が芝居を観るなどできようはずもなく、もちろん宮仕え時代は土曜か日曜の歌舞伎見物に限られて、チケットの確保には苦労した。 我が家を朝9時前には出て、電車を乗り継ぎ東銀座は木挽町の歌舞伎座へと向かう。途中、デパ地下で昼食の弁当を買い込んで行く。歌舞伎座に通い始めた頃は、地下にあった食堂や階段横のカレー屋、奥の蕎麦屋で食べたりしていたが、今はすっかりデパ地下の弁当類に落ち着いたのだ。 昼の部がはねるのは15時半前後……頃合いもよしで、意見が一致すれば、夕食などを楽しんでみるも佳き。そのあたり土日に観劇していた時は融通できた。今は求めやすい平日に出かけることもあって、そうすると勤め人の出勤時間と帰宅時間にぶつかってしまう。高齢者には、込み合う時間帯は辛い..

  • 愉話§一日一句~一羽ぽつんと~

    季語は・・・枯木立 枯木立 はぐれ烏の やさぐれて 【去年の今日】列話§勝手にリヒテンシュタイン

  • 銀話§フィルムで写真を撮っていた

    尾瀬でアルバイトをしていた大学生時代、それでも写真を撮ってみようと、しょぼい機能しか付いていない一眼レフのカメラを手に、いそいそと尾瀬に入っていた。 もちろん当時はフィルム・カメラなわけである。予算が限られていたから、何本も何本も潤沢に持って行けるわけではなかった。だから買ったのは36枚撮りを10本だけである。2か月のバイト期間の間に360枚しか撮れないのだ。 デジタルカメラであれば、メモリーカードの容量にもよるが、数百枚単位で撮影できるのが今の時代である。 そんな限られたフィルムなので、それは大事に撮るしかない。さらに、装填する時、ギリギリに入れると36枚プラスもう一枚撮れる“裏ワザ”を使ったりもした。 というわけで撮影する時も慎重に構えていたから、構図を決めてシャッターを押すまで、けっこう時間をかけていたという記憶だ。 そんな慎重さがデジカメになっ..

  • 費話§自動車の買い替え

    1984年に運転免許を取得してから、これまでに車を4台買い替えている。およそ10年ごとの買い替えということになるだろうか。 最初の車は8年使った。走行距離はおよそ8万kmで、実にマメに運転していたことがわかる。住んでいた場所がいささか交通不便という環境だったということもあって、とにかく土日の休みになると何だかんだと乗り回していたのだ。 その後、比較的交通至便な場所に引っ越したら、2台目以降の走行距離は激減してしまった。そうはいっても、何くれとなく運転する必要があるので、維持費には目をつぶって3台、4台と買い替えていったのである。 今の車は2013年に購入したので、今年で丸10年。あと3年で自動車税が上がることになるが、車の所有はこれで最後……なので、あと数年は乗り続けて乗り潰すつもり。 運転免許を取ったのはちょうど30歳の時で、実はうるまを運転しようなどとは考えてお..

  • 愉話§一日一句~闇夜に乗じて~

    季語は・・・小夜時雨(さよしぐれ) 小夜時雨 小腹空かして 町中華 【去年の今日】週話§日曜有閑~結露の頃~

  • 過話§備忘録的な何か~2023年11月6日付~

    11月3日、4日……半袖ポロシャツで外出した。いくら記憶をたどっても、11月に半袖を着たことなどない。 あまつさえ4日は東京で26.2度の夏日。夏日日数141日の最多記録更新した。そんな中を外出したわけだが、電車の中はエアコンが入っていたし、外に出れば、照りつける太陽で汗ばむほどの陽気である。5月から夏に入っていたと考えるなら、ひょっとして半年くらいは“夏”だったのではないか! これはもう異常としか思えない。こうして季節の流れが大きく変化するなら生態系にも大きな影響を及ぼすのは間違いないだろう。 繰り返すが、まさか11月に半袖を着るとは思わなかった。先月には冬物衣類との入れ替えを完了して、クリアケース送りになっていた半袖ポロシャツを慌てて引っ張り出して事なきを得たのだった。 その昔、初めての海外旅行は12月末のウィーンだったが、Tシャツで街の中心部を歩いているアメリ..

  • 心話§応援よろしくお願いします・・・・・・?

    応援よろしくお願いします! ……多くのスポーツ選手がインタビューの最後にお約束のごとく発する言葉である。 少なからぬ人が、この言葉に違和感を感じている。それは、いつの間にか、応援を依願されるようになったということだ。だが、応援は頼まれてやるものなのか? 応援は、我々観る側が自然発生の自発的に応援を行うものではなかったか。だから、そんな選手の言葉に違和感を抱くのであろう。 イチローの言葉を引用しておく……これからも応援よろしくお願いします、とは絶対に言わない。そして応援していただけるような選手であるために、やらなければならないことを続けていくと約束する これが正しい態度ではないだろうか。観ている我々が応援したくなる、それこそが大事なことではないか。 そういえば、Jリーグは組織として“応援お願いします”をNGワードにしている節があって、試合後のインタビューで..

  • 愉話§一日一句~京都夕暮れ~

    季語は・・・晩秋 晩秋の 堺町筋 灯ともして 【去年の今日】週話§土曜有閑~今はもう秋~

  • 週話§日曜枯寂~石持ち疑惑の件~

    こんなツイートを見かけたので、改めて我が体験をまとめておく。 還暦になった年の大晦日の朝、それまでに体験したことのない不快な痛みが左脇腹あたりに発生。2時間ほど我慢していたが、我が家近くのかかりつけが大晦日でも診療しているというので、よろよろと出向いた。 その頃には、痛みは下腹部へと下降。日頃から優柔不断な医師ゆえ、診断をつきかねて黙考。ふっと思い立って「先生、石じゃないですか?」と言えば石もとい医師「あなたもそう思う?」とは、これいかに? じゃあ尿検査だと紙コップ持ってトイレへ。出すことしばし……●ん●んの先っぽがチクンとして痛みが消えていったのだ。 おそらくは肉眼で判別できない、砂粒よりも極小な微細粒だったので、さほど痛むことなく排出されたのではと推測。その後、一度も石に悪戯をされずここまで来たのである。 《私事のトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~歌舞伎座へ~

    季語は・・・秋惜しむ 見上げれば 顔見世櫓 秋惜しむ 【去年の今日】楽話§原チャリに乗っていた頃

  • 週話§土曜枯寂~1杯のコーヒーから~

    我が家の朝は1杯のコーヒーから始まる。 “朝食”は、簡単なものでトーストかシリアルにバナナミルクを。同居人は朝については、バナナミルクとカフェ・オ・レだけで固形物は食べない。 コーヒーは、もう30年近く同じコーヒー豆専門店で買っている。毎回まとめて1kgを焙煎してもらう。あらかじめ電話をして、頃合いを見て車で引き取りに行ってくる。 その都度コーヒーミルで挽くのだが、電動ミルに替えてから、味が一定に出てくれるようになったようだ。以前、手回しで挽いていた時は、本当に味が揃ってくれなかったので、それについてはありがたい。 電動ミルは7段階だったか粗めから細かめまで調節できるので、考えた結果やや細かい設定で挽いているのだが、そのおかげでコーヒーの味が出てくれるようだ。 自宅でコーヒーを飲むのは朝の1杯だけ。その後、同居人は日本茶を飲む。おやつの時間については、和菓子だ..

  • 愉話§一日一句~新酒口開け~

    季語は・・・秋深し においやか 原酒馥郁 秋深し 【去年の今日】楽話§原チャリに乗っていた頃

  • 異話§楓蔦黄~七十二候~霜降

    霜降の末候“楓蔦黄(もみじつたきばむ)”である。 去年の10月下旬、冬枯れの尾瀬に入った。山小屋も間もなく小屋閉めというタイミングだった。 紅葉の季節は過ぎて、尾瀬ヶ原は冬枯れの野原。そして朝は真っ白な大霜に覆われて、冬が始まるぞと告げていたかのようだったのである。 尾瀬の季節は、山小屋が営業している半年間を大雑把に三つに分けて、5月と6月が春、7月と8月が夏、9月と10月が秋で、小屋が閉まっている半年が冬と言ってもいいだろう。 下界では一つの季節が3か月ほどのところを、尾瀬ではグッ!と凝縮した季節が展開していくように思われる。 そうして、季節季節の移ろいの中に、去年の大霜のような貴重な瞬間が出現してくれるのだ。 尾瀬は既に無人の世界が始まっていて、ほどなく純白の雪が降り始める。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 創話§文章とストーリーとは・・・・・・

    日々せっせとブログを書き綴っているが、これは……“文章を書いている”のである。各テーマが決まれば、それにまつわるデータを揃えたりしていけば、あとはそれらをまとめていけばよく、多少中身が前後したとしても、文章全体に影響を及ぼすことはない。 だが、ストーリーを綴っていく小説となると話はまったく別である。何よりまず粗筋を設定し、そして登場人物の性格を形成してやらなくてはならず、そこから話を膨らませ展開していくことになる。 雑文を書くのと何もかも段取りが違ってしまうのだ。そのことに思い至って自分にストーリー性のある文章が綴れない理由がわかったのだった。 まずもって人物描写ができない。登場人物が5、6人出てくるとして、それぞれにどのような役割や性格を与えるべきなのか……話の筋から導き出していけば、善人的なるものと悪人的なるものが書き分けられそうなものだが、残念ながらそうした人物の性..

  • 愉話§一日一句~日和よく~

    季語は・・・小六月 のぞみ来て 旅のはじめや 小六月 【去年の今日】神話§2022年10月の天気模様を振り返る

  • 神話§2023年10月の天気模様を振り返る

    2023年10月の東京の天気がどうであったのか、振り返っておこうと思う。 このリンクの日付をクリックすることで、各々の日のアメダスが確認でき、より詳細な気象状況をチェックできる。 20日に27.1度という真夏日をうかがうような気温になってしまった。今年の秋は短いようで、樹々の葉もあっという間に秋色へと変わっていったのだ。 この一か月、各地で大気不安定に伴う。突風や大量の雹が降ったり、時ならぬ雷が発生した。 そういう意味では“らしからぬ”10月で、下旬になるまでTシャツで過ごしたというのもあまり記憶になく、おかげで衣更えが切れ切れになってしまったのも記憶に残るだろう。 《天気のトピックス一覧》

  • 道話§かわいそうな自動車たち

    20年近くドイツやオーストリアでレンタカーを走らせてきた。アウトバーンも毎回必ず数百kmは走っていて、ちょっとだけ日本よりスピードを出しては楽しんでいる……もちろん緊張もしたが。 アウトバーンを走っている時、現地の人間もスピード狂は掃いて捨てるほど存在していて、ポルシェであったり、時にはフェラーリといったスポーツタイプの車に出くわすことも珍しくない。 そして彼らが、伸び伸びと信じられないスピードで追い抜き去っていくのを眼にしては呆れ返っていた。とにかく半端ないスピードでやってくるのだ。 速度の遅いトラックを2台ほど追い抜こうとして、十分に後続を確認して車線変更をし、速やかに追い抜いて走行車線に戻ろうとするのだが、気がつくと、けっこうなスピードでピタリと背後にいる。140、150km/h程度でタラタラ走ってるんじゃねーよという声が聞こえてくるかのようで、もちろんさっさと走行..

  • 愉話§一日一句~まずは一献~

    季語は・・・秋終わり 遠来の 客をもてなす 秋終わり 【去年の今日】霜話§2022年11月の予定あれこれ

  • 告話§ビッグイシュー466号発売中!

    ビッグイシュー466号は11月1日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。美弥るりかが表紙。 表紙&スペシャルインタビュー 美弥るりか リレーインタビュー RIhwa(シンガー&ソングライター) 特集 スポーツを文化にする 今もなお、スポーツには「厳しい練習に耐えて、勝利を勝ち取る」という固定概念がある。その背景には、1964年の東京五輪の“勝利至上主義”があるのではないか? 多様な人とスポーツを楽しめる喜びと、社会にしなやかな力を生むスポーツの価値を今、見直すことが必要だと山口香さん(筑波大学教授/柔道家)は言う。平尾剛さん(神戸親和大学教授/元ラグビー選手)は、根性一辺倒の「スポーツ1・0」と科学的データ依拠の「スポーツ2・0」をこえた「スポーツ3・0」の実現を考える..

  • 霜話§2023年11月の予定あれこれ

    月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。 11月1日の日の出は6時1分で日没は16時50分、月末の日の出は6時29分で日没は16時32分。毎年のことながら、一番に日没が早い時期にあたる。そして、あっという間に日が暮れてしまうのだ。 今月のお楽しみとしては、まず我が家付近でダイヤモンド富士が見られるということがある。気象状況さえ良好であってくれれば、ありがたく拝むことができるのだが。 今月はクラシックの演奏会が2つ。まずファビオ・ルイージがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を振ってのコンサート。それとウィーン・フィルの新しいコンサートマスターであるヤメン・サーディのリサイタルに行く。 歌舞伎は吉例顔見世大歌舞伎で昼の部が極付印度伝『マハーバーラタ戦記』の再演、夜の部は仁左衛門で『松浦の太鼓』と時蔵の『鎌倉三代記』他で、昼夜出かけることにしている。 ..

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