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2018/06/28

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  • 過話§備忘録的な何か~2024年4月19日付~

    4月2日……ストーブを片付けた。久々に4月まで居間に置いて使い続け、ようやくこの日に納戸に戻した。3月中旬になっても、あまり暖かい日がなく、使い続けていたのだ。 去年は3月14日、一昨年は3月28日に片づけた。いずれも桜が開花する前後に片付けている。なお、我が家付近の桜が満開になったのは、4月5日頃。 4月10日……右手親指のあたりが痛くなった。しばらく様子を見ていたが、13日の土曜日あたりに“ひょっとして?”と腱鞘炎を疑ったが、どうやらそれらしい。翌朝から、貼り薬をして緩いサポーターをはめているが、徐々に痛みは和らいでいるようだが、油断はできない。これまで一度も腱鞘炎にかからずにいたので、まさか自分がとは思ってもみなかった。 4月12日……突然、電気掃除機が動かなくなった。ウンともスンとも反応がまるでない。あまりにも唐突な故障に為すすべがなかったが、購入4年で壊れてしま..

  • 謔話§一日一句~道祖神の別名~

    季語は・・・陽炎(かげろう) 陽炎や ゆらりゆらりと 幸の神 【去年の今日】払話§現金と銀行振込と電子マネー

  • 行話§葭始生~七十二候~穀雨

    穀雨の初候“葭始生(あしはじめてしょうず)”である。 半袖の季節まで、あと一息である。自分たちの感覚で、おおよそゴールデンウィークのタイミングで長袖と半袖を入れ替えるようにしていたが、最近は4月中に入れ替えるようになった。 ただし、ちょっと肌寒い日もあることを考えて、一気に入れ替えることはせず、段階的に少しずつ半袖を増やしていくのだ。 そして半袖になると困ることが昨年から増えてしまった。それは、肩凝り予防のために使っている磁気ネックレスが、外から見えてしまうことで、見えないよう長めに首に回さなくてはならない。磁気だけで繋がっているネックレスなので、短すぎると外れやすくなってしまう。見えないようにする塩梅が意外と難しい。 ……こうした“裏方”は、あまり表に見せたくはないのである。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~惚けまくり~

    季語は・・・長閑(のどか) のどかのどか 野良はのびのび 空あくび 【去年の今日】悼話§市川左團次さん(歌舞伎役者)

  • 軽話§角打ち礼讃

    “角打ち”を居酒屋と呼ぶには、少しばかり無理がありそうだ。角打ちとは酒屋が店内の空きスペースで立ち呑みできるように設えた店のことである。 だから店で商っている酒を出して、酒の肴はナッツ類にイカの燻製、柿ピーといった乾き物がメインで、あとはせいぜいコンビーフみたいな缶詰あたりが出てくる程度か。 立ち呑みだから滞在時間は短い。2時間長っ尻するのは野暮というもので、一時間を超えるようなことはまずもってなく、ビールを一本に日本酒が一合で店を後にする。まさにちょい呑みの王者ではないか。 角打ちは地元密着の酒屋がやっているから、お客さんも地元民が多く、眼の前の同士と気兼ねなく話をするのもよし、壁に向かって淡々とビールをぐびぐびするも勝手次第。短時間で切り上げるから、酔っ払って足元が覚束ないなどということもなければ、新宿ゴールデン街のカウンターバーで管巻いて喧嘩が始まるようなこともない..

  • 祝話§結婚四十二周年

    何とまあ結婚42周年である。丈夫で長持ちといえばそうかもしれないが、今はもうすっかりガタが来てしまって、見事な老夫婦としかいいようがない。 放っておくと、いくらでも家に引き籠ってしまいそうになるから、歌舞伎を観に行ったりラグビー観戦したりと、そうやってチケットを買って外に出る口実にしないと、腰が重いの何のなのである。 42年……つまり、今現在42歳のの人間が生まれた時に結婚しているわけで、その年月たるや何とも長大なことだ。単純に考えても大学を卒業し、就職して勤続20年になろうとしている、などと考えると42年の長さに驚かされてしまう。 夫婦二人、大きな病気や怪我であったり、大きな災害で被害を蒙ることなく過ごせたことは、何と幸運であったことか。 そして、あと8年で金婚式がやって来るわけだが、だからといって“よし!金婚式には・・・・・・をしよう”などと、今から確信をもって..

  • 謔話§一日一句~チェロの音色が~

    季語は・・・春深し 春深し バッハのチェロの 深々と 【去年の今日】無話§鳳凰祭四月大歌舞伎夜の部~仁左玉~

  • 電話§パソコン三十年

    気がついたら、自宅でパソコンを使うようになって、今年で30年を迎える。購入したのはNECのPC98シリーズで、詳しい型番は覚えていない。 使う……とはいささか誇大表示で、パソコンを使って何かクリエイティブなことをしたわけではなく、目的はパソコン通信に接続する一点のみだった。 今でも覚えているのは、パソコンを設置して動かせるようになるまで、2日近くかかったという記憶なのだ。 取説を見ても、何が何だかさっぱりわからず、ただ闇雲に電源を入れ、出てきた画面を前に、徒手空拳の戦いを繰り広げるのみだった。何しろ、どうすればしかるべく画面が現れて、その先に進むことができるのか、何も理解できないままだったのだから。 そして足搔き続けているうち、何の拍子か目指す画面が突然現れてきて、すべては解決した。ただ、パソコン通信に接続したのはウィンドウズ画面からではなく、MS-DOSの画面に入..

  • 剤話§薬の管理など

    諸事情あって、医師からの処方薬を久しく服用している。朝3種類で昼夜が2種類、それぞれ一錠ずつ。 毎食後の服用だから忘れることはないだろうと高を括っていたが、やっぱりというか服用し忘れることが時折だがあって、対策を講じる必要が生じた。 一週間用の薬を収納するピルケースを調達して、それでもって管理をすることにした。さすがに飲み忘れるようなことは“ほとんど稀”になってくれたが、それはそれで面倒なことはというと、ケースに入れるために、小分けに切らなければならないことなのだ。 きちんと服用するためにはそれなりの手間がかかるわけで、それを面倒だと考えてはいけないのだ。薬を飲まないで済むなら、それに越したことはないのだが、そうもいかない現状ゆえ、そこは服用の習慣づけが必要になるということである。 《健康のトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~八十八ヶ所淡々と~

    季語は・・・風光る 風光る 遍路結願 あと七里 【去年の今日】週話§日曜枯寂~喫茶店でモーニング~

  • 提話§山根一仁~バッハの無伴奏~

    桜散る4月土曜日の午後、武蔵野市民文化会館小ホールで、若手ヴァイオリニスト山根一仁がバッハの無伴奏ソナタとパルティータ全曲を演奏するというので聴いてきた。 14時開演、20分の休憩を2回挟み、終演は17時15分という長丁場である。 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ1番 g-moll BWV1001 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ1番 h-moll BWV1002 **********************休憩********************** 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ2番 a-moll BWV1003 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ2番 d-moll BWV1004 **********************休憩********************** 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ3番 C-Dur BWV1005 無伴奏ヴァ..

  • 像話§大きなテレビを?

    今見ているテレビは、2007年に購入した32インチサイズ。買った当時はそこ大きいほうだったのではなかったかという記憶だが、あっという間に小さいサイズになってしまっていた。 それはともかく、買ってもう17年も経っていたとは、丈夫で長持ちである。ただ、リモコンのご機嫌があまりよくなかったりとか、細部で不都合が出るようになったので、ぼちぼち買い替えてもいいかなとは考えているのだが。 ただ、我が家の事情を考えても50インチ以上はさすがに大きくて、せいぜい42インチが限界ではないかと考えている。それでも対角線にすれば25センチほど大きくなるわけで、それくらいでも個人的には十分な大きさと感じる。 合わせてビデオレコーダーもかなり古くなったので、これも買い替えなくてはならないだろう。 どうやら、買い替えるテレビは、我が人生最後のテレビとなりそうである。家に最初のテレビがやって来た..

  • 謔話§一日一句~午後六時過ぎ~

    季語は・・・花の闇 暮六つや 富士は薄っすら 花の闇 【去年の今日】週話§土曜枯寂~ラグビーシーズン~

  • 告話§ビッグイシュー477号発売中!

    ビッグイシュー477号は4月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。が表紙。 表紙&スペシャルインタビュー ノラ・ジョーンズ リレーインタビュー 勅使川原郁恵(元ショートトラックスピードスケート日本代表) 特集 ガザ76年 2023年10月7日、ハマース主導のパレスチナ人戦闘員による越境奇襲攻撃に対して、イスラエルによる未曽有の攻撃が始まりました。 1948年のパレスチナ人の祖国喪失から76年、ガザと西岸地区のイスラエル軍事占領から57年、そして07年のガザ完全閉鎖から17年目。物資も人間の移動もできず、住民の多くが貧困状態にあるなかでの、攻撃です。岡真理さん(早稲田大学教授)は、この状況を“ジェノサイド”だと言います。岡さんの案内で76年の歴史を俯瞰..

  • 尾話§円安いまだし

    コロナ禍このかた、円安が延々と続いている。輸出を生業にしている企業などはいい塩梅なのだろうが、その逆で輸入品を商っている人たちはたまったものではないだろう。コロナ禍が始まった2020年2月から今日までにおよそ30円ほどユーロが高くなっている……120円台から150円台まで上がってきてしまった。 海外旅行をしていた時は、外国為替レートのチェックは欠かせず、といっても、どこかで見極めなくてはならず、旅行するごとに現金として10万円ほど両替するのだが、30円の差は50ユーロ減ってしまうことになるのだ。それで晩飯一食分が消えてしまうことになる。 それはまあ些少な影響だが、円安に直撃される産業、企業だって少なからずあるはずで、そうした人たちを疲弊させてはならないではないか。 世界のGDPはドル換算で行われているが、ついこの間はドイツに抜かれて3位から4位に転落してしまった……円高に..

  • 謔話§一日一句~何気ない風景が~

    季語は・・・春逝く 旅半ば 路傍の石や 春逝きぬ 【去年の今日】幻話§ビール離れと言うけれど

  • 行話§虹始見~七十二候~清明

    清明の末候“虹始見(にじはじめてあらわるる)”である。 大学に入学したのがちょうど50年前、半世紀が経ってしまったとは。そんな今頃はオリエンテーションも終わって、本格的に講義が始まったあたりだ。 引っかかった学科が教育学という、後から考えれば自分にとっては縁遠く、それをもって何をしようなどという将来の展望などまるでなかった。それにしても、いったい何を考えていたのだろうかと、半世紀前の自分に問いかけてみても、明確な答えなどなかったのは間違いない。 考えてみれば、高校に入ったのは単にそこ以外の選択肢がなかったわけで、先々をどう形作っていくべきかという展望など見事なまでに皆無だった。 今思っても、何とまあ行き当たりばったりな人生を送ってきたことかと……何か特別な才能でもあるのだったら、そうしたチャレンジもあっただろうがせいぜい人並みの頭しか持ち合わせておらず、にもかかわら..

  • 週話§日曜流転~ラグビーのシーズンも~

    ジャパンラグビーリーグワンも今週を含めてあと4節で終わりとなる。 推しチームだが、今週と来週は遠征なので、しばしラグビー観戦はお休み。そして今シーズンの帰趨はほぼ決しているはずだ。 以前、社会人ラグビーの時代は、1シーズンに2試合か3試合くらいしか観なかったのが、年間10試合以上観ることになるとは思いもしなかった。 それは、まずもって外に出ていくという大きな口実で、そうでもしないと、家から出ずの引きこもり状態で過ごしかねない出不精夫婦なのである。だから12月から4月頃までは何やかんやと週に一回は外出して、しかも屋外でのスポーツ観戦でリフレッシュした気分になるのである。 5月半ば、プレーオフ準決勝と決勝で今シーズンは終わるが、我々が推しのチームはそこまで残れるか……可能性は限りなく細く狭くなってしまった。 《ラグビーのトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~帰るはあっさりと~

    季語は・・・鳥雲に入る 鳥雲に 入りて想いは 封印す 【去年の今日】☆話§鳳凰祭四月大歌舞伎昼の部~新・陰陽師~

  • 週話§土曜流転~席を譲られること~

    どうも……電車の中で席を譲られることが増えてきたような気がしている。 同居人などは、外出する時にカジュアルな帽子を被ってもちろんマスクまでしているのに「なぜ年寄りとわかった?」とけげんな表情になってしまう。 先月も2週続けて若い男性から席を譲られたが、彼らは実にさり気なくにこやかに席を譲ってくれたのだ。もちろん、まだまだそんなケースのほうが圧倒的に少ないのは織り込み済みなので、席を譲られないままでも、それは日常的なことなので、別段気にするわけでもないのだが。 我々だって、それなりの年齢の時には、高齢者に席を譲ることはそれなりにやっていたつもりだが、いよいよ逆の立場になるつつあるということか。 それでもまだまだ、優先のシルバーシートに足を向けるようなことはしていないのだ。 《老化のトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~親切に甘えて~

    季語は・・・春の暮 老いの身か 席譲られて 春の暮 【去年の今日】則話§ヤングと野球のルール

  • 部話§ブログ十九周年

    めでたくも本日、拙ブログが開始から19年を迎えた。 テーマをどうするかとか何ひとつ目算もなく、ブロバイダーが開設していたブログのページから設定を始めて、最初に書いたのがこれである。元より、猫だとか犬だとか、グルメとか旅行だとか、そんなブログ受けするような、特定のテーマなど持たず、徒手空拳でスタートしたので……それじゃあ何を書こうかというところからのスタートだった。 そうして結局落ち着いたのが、身辺雑記というか、由無し事を綴っていくしかないということがおぼろげにわかってきて、こんなブログになったのだ。そこに、クラシック音楽や歌舞伎、年に一度の海外旅行などを加えて、どうにか体裁がついたというところだろうか。 さらにとってつけたように一日一句を始めたのが2012年2月の立春過ぎで、相変わらずの戯れ句を12年続けたことになる。 そんな適当なブログの最大の売り物はといえば、一..

  • 説話§今日の一言~どうしてそうなるの?~

    どうりでよく似ていらっしゃる 何とも不思議な発想の反応を聞いたのは、もう30年以上も前のことである。 どんな集まりだったのかは記憶の外だが、我々夫婦二人が立っていた時に、ちょっとした知り合いから一人の女性を紹介された、その時知り合いが…… 「こちら、凸凹さんご夫婦」 ……と簡単に紹介の言葉があった、その直後に女性が発した一言なのだ。 “似たもの夫婦”という言葉はあるけれど、だからといって、かくも直截、かつ頓珍漢な物言いをするのかと驚いた。 とにかく頓珍漢な反応としか思えないのは、そもそもが赤の他人同士である夫婦が似ているわけなどはないのに……ではないか。 だから、今でも時折“どうりでよく似ていらっしゃる”という言葉を思い出しては、冗談で使うことはあるのだが。 《日常のトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~第一番霊山寺~

    季語は・・・遍路 結願は あと三百里 遍路旅 【去年の今日】琴話§キット・アームストロングⅣ~東京・春~

  • 級話§お子様洋食~B級グルメ事始~

    さても、日曜日に書いた駄菓子屋だが、実はもう一つ大きな楽しみがあったのである。 その店の前に、15時頃になると小さい屋台を引いたおばさんがやって来る。屋台で焼きそばを炒めて子どもたちに売るのだ。 肉など入っているはずもなく、せいぜいモヤシとキャベツの切れっ端くらいのものだが、香ばしいソースの匂いは家からの路地を出る前から漂ってくるくらいだった。 普通盛りで10円、大盛りは20円ではなかったかと思うが、食べるのはいつも10円の焼きそばである。 そしてさらに高嶺の花があって、それが“お子様洋食”とか“子ども洋食”と呼ばれている食べ物だった。北関東の限られた地域でそう呼ばれていて、洋食とは何とも大げさなネーミングだが、中身はというと蒸かしじゃがいもソース炒めというシンプルなものだった。 焼きそばとお子様洋食を合わせると20円……とても買って食べることはできず、いつも..

  • 愚話§メイルに句点を付けると・・・・・・

    何ですか、先月あたりに初めて聞いた話なんですが……メイルの文末に句点を付けて送ると“上から目線”と感じる人がいるからやめておいたほうが、ということがあるらしいのです。 ああ、また何かが始まったようですね。以前にも“おじぎハンコ”などと、決裁印を押すのに、最終決裁者以外は、全員がやや左に傾けて押すのだと、おかし過ぎるマナーが話題になったのだが、今回もそんな感じと考えていいのだろうか。 最後に句点を付けると、妙な圧迫を感じたりするというのだが、そんなこと考えるのは自分の周りには一人もいない(はず!)と思っているのだが、誰がそんなことを言いだすのだろう……どこかに必ず言い出しっぺがいるのだと思うのだけれど。 そうして問いただしてみたい。句点のどこが上から目線なのですか?と……はてさて、今は話題になっている句点騒動はいかなる終焉を迎えるものか、そして、その後に控えているであろう二..

  • 謔話§一日一句~優しく降り続いて~

    季語は・・・花の雨 雨音は ショパンの如く 花の雨 【去年の今日】親話§マイスタージンガー~東京・春・音楽祭

  • 勉話§別学と共学と

    第二次世界大戦が終わり、敗戦国となった日本にアメリカから占領軍がやって来た。そうして始めた一つに学制改革がある。 GHQの“命令”で新制高校については男女共学、小学区制、総合制という“高校三原則”を定めて実施を促した。おおむね西日本地域では、そうした改革が進んだが、東日本においては、特に男女共学に関して頑強な抵抗が繰り広げられ、改革は半ば以上に頓挫したのだ。 我が、北関東端っこの高校も同様で、市内には普通科の男子高校と女子高校の二つが存在していて、相入れることはなかった。 それがどうしたことか、1998年には男女共学の理数科が設置され、そうしていよいよ、2021年には男子高と女子高が合併という運びになったのである。 個人的には、公立高校は共学であるべきという考え方を永年持ってきたので共学化したことはめでたいことではあるが、どうにも釈然としないのは、共学化の経緯が少子..

  • 創話§原作と脚本と

    漫画をテレビドラマ化するにあたって、脚本家が原作者が望まない脚色を施したことが引き金となって、原作者が自殺する大きな事件になった。 原作を元にして映画化やテレビ化された作品を見ると、原作と映像の内容が大きく食い違っていると思うことは珍しくなく、個人的にも思い入れのある原作が、まるで違ったストーリーや原作に存在しないキャラクターが登場して戸惑うという以上に、不信感を抱いたことが何度もあったのである。 こうしたことは原作者が了承していたのだろうかと思っていたら、どうやら“勝手”に改変していたようだ。 まずもって原作の愛読者が多ければ多いほど、彼らが原作に対して抱いている思い入れは深いものがあり、いわばアンタッチャブルな世界なのである。そうしたことを知ってか知らずか、脚本家が自分のイメージで原作をズタズタにすることがあまりにも多すぎるような気がする。 もっと原作者と映像制..

  • 謔話§一日一句~無表情に急いで~

    季語は・・・竹の秋 サイレンは 抑揚なくて 竹の秋 【去年の今日】週話§日曜枯寂~オノサトトシノブって?~

  • 行話§鴻鴈北~七十二候~清明

    清明の次候“鴻鴈北(こうがんかえる)”である。 東京の日の出は5時15分頃だが、5時前には薄っすらと明るくなってくる。日の出が一番遅かった頃に比べると、1時間半は早まっていて、やはり世間が早く明るくなるのはちょっとばかりうれしい。そして早くも桜の季節は終わって、ネクストステージへと移りゆくのである。 そして植物には疎いが、鳥となるともっと疎い。樹々に埋もれるような我が家で、様々な野鳥が様々な鳴き声を聞かせてくれる。だが、種類がわかるのは、10種類にも満たない。 せっかくの環境なのだから、もう少し鳥の種類を見分けられるようにならなくてはと思っているが……最近覚えたのは、シジュウカラだったかな。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 絶話§スピアーズ対ブレイブルーパス[秩父宮]

    今季のスピアーズ終了のゲームを見届けることになった。上々の天気に恵まれ、満開の桜も見守る秩父宮の観客は7,963人……もう少し入ってほしいが。ちなみに、お隣りの神宮球場スワローズ対タイガース戦は2万8千人、さらに国立競技場で17時キックオフのFC東京対鹿島は5万2千だった。 ひょっとして今日は……と思わせる前半だった。バーナード・フォーリーが復帰挨拶代わりのトライをあげたりと、リードして前半終了。後半もトライ&ゴールで10点差まで広げたが、堪え性がなくリードを守り切れず、ノーサイド直前の“サヨナラ負け”20対22である。12節までで5勝7敗の8位とはこれが前シーズンの覇者の姿ではない。 惜敗という以上に、この敗戦で借金2つとなり、ほんのかすかに手が届きそうだったプレーオフ進出が事実上消滅したと言ってもいいだろう。 今年の負けパターンは毎試合似たよう..

  • 謔話§一日一句~のんびり滞在~

    季語は・・・朝寝 大朝寝 チェックアウトは 十一時 【去年の今日】週話§土曜枯寂~不思議な方向感覚は~

  • 腐話§納豆の幸福

    発酵物に好き嫌いがあるのはしかたのないことである。そして、苦手であることを克服しようという気持ちはよくわかるが、無理矢理に挑戦してあえなく撤退ということも珍しくなどはない。 そこで納豆の克服法の一つを書き記しておきたい。このやり方で食べれば、食べられないことはないのではないかと思うのであるが……。 それは“大根おろし”と一緒に混ぜ混ぜすることで、そうすれば納豆特有の癖や臭いを感じることなく、大根の辛みもほどよいことで、おいしく食べられる“はず”なのだ。 もう一つ、克服できるかもな裏ワザは納豆の中に卵を落として混ぜ混ぜしてやるというものである。これも卵の風味に納豆の癖あれこれが隠れてくれるのではないかと思われる。 我が納豆はといえば、そのまま醤油や辛子で食べるが、そうして大根おろしや卵を合わせることで楽しくおいしく食べることができるのだが、ある人がご飯などにかけるので..

  • 労話§定年退職後の再就職

    早いもので、2015年9月の定年退職から9年が過ぎようとしている。37年半勤め切った自分をほめてもやりたいが、それにしてもあっという間の9年である。 ところで、退職後については希望すれば嘱託として古巣に再就職することは可能だった。どうしようかと迷っていた時に、高校の同級生から「退職したらどうするんだ?」と聞かれた。彼は総合病院で要職にあったのだ。 「特に予定がないのだったら、うちの広報の仕事をやってくれないか?」と打診された。条件は週2日で一日6時間勤務、ギャラも申し分なく、断る理由もない。なかなかおもしろそうと感じられて引き受けることにした。 その後、会社の人事から再就職を希望するかどうかという面談があったが、かくかくしかじかでと伝えると、何だかほっとしたような顔をされた。再就職のポスト探しも大変なのかなと思った記憶である。 さて、半年ほどの失業給付を終えた翌年の..

  • 謔話§一日一句~季節の移ろい~

    季語は・・・花冷 寒暖の 差に追いつけず 花の冷え 【去年の今日】転話§階段から落ちたこと・・・・・・無傷

  • 週話§日曜流転~近所の駄菓子屋~

    実家で暮らしていた小学生時代の楽しみは、学校から帰って近所の駄菓子屋に行くことだった。一日10円か20円か、後生大事にポケットに入れて、今日は何を買おうかと考え考え、家からの路地を出れば、駄菓子屋はすぐそこにあった。 菓子の類はとっくに食べ飽きていて、目当てはというと“当て袋”と呼ばれている、中身が見えない紙袋に入っている物を引いてみることだった。今であれば“ガチャ”みたいな類が近いかもしれない。 中身はというと、少年雑誌の付録で付いていた紙工作のおもちゃのようなものが主だったりしていた。 それはいいのだが、一つだけ困ったことは、作り方が雑誌の中に記載されていて、簡単なものならともかく、ちょっと複雑だったりするとお手上げなことだった。それにしても、そんな雑誌の付録がどんなところから流れてきたものか出処不明である。 そんな駄菓子屋の一角に4人くらいが座れるテーブルと椅..

  • 謔話§一日一句~浅草散策~

    季語は・・・風光る 風光る 大川端の 雨上がり 【去年の今日】譜話§スコアの効能~音楽を“見る”~

  • 週話§土曜流転~根拠のない自信……過信?~

    七十年も生きていると、世の中、人はさまざまだとしみじみ感じる。何だか理由も根拠も不明ながら、妙な自信を持って蛙の面で平然としている人をしばしば見かける。 それは多分に皮肉含みだが、自分のように物心ついてこのかた、自信の類を持ち合わせてこなかった身にしてみたら、何とも羨ましいことではあるが。 だが、そんな自信を任じる人の中に、どう考えても見かけ倒しとしか思えない……なぜそんなにも自信を持ち得るものか、あれやこれやと考えを巡らせた結果、それは“無知”の為せる技では?という結論にたどり着いたのだ。 知らなければ恐れることなどはなく、そうしたことを考えに入れる必要などない。 そうした人たちはだから、挫折することがあっても、そうした対象に対する無知のゆえに、失敗したとも感じることなく、勇躍その次に進んでいこうというそんな鈍感さの人たちなのであろう。 《日常のトピックス一..

  • 謔話§一日一句~冷めた光~

    季語は・・・春の灯 春ともし LEDの 味気なさ 【去年の今日】翔話§蚊~精密機械としての昆虫~

  • 顧話§今日の歴史~4打席連続空振三振~

    1958年4月5日、巨人の長嶋茂雄がデビュー。 鮮烈なデビューである。少なからぬ野球選手は、自らのデビュー戦をホームランや、鮮烈な当たりのクリーンヒット、投手であれば完封勝利であり、また完投勝利を飾ってという、幸運なスタートを切ることになる。 だが“ミスタージャイアンツ”は、そのデビューを全打席空振三振を記録して、野球ファンの記憶に刻み込んだのだ。 我々のような世代にとって、長嶋茂雄は日本のプロ野球における紛れもないスーパースターなのだった。 そして六十数年が過ぎた今、大谷翔平という企画外の新しいスーパースターが活躍をしている。よもや自分たちが生きている間に、大リーガーの頂点に立つような存在が現れるなどとは、およそ予測できることではなかったが、彼の悠揚迫らぬ立ち居振る舞い一つ一つが新しい世代の台頭を如実に表し、長嶋茂雄が遠い過去の記憶として片隅に追いやられる日が来る..

  • 屈話§地理的記憶力は・・・・・・である

    記憶力は人並み+αくらいは持ち合わせていると自負している。もっとも、最近は抜け落ちも眼に立つようになって、そうそう自慢できるとはいかなくなってきつつはあるけれど。 そんな記憶力の中でも“これは!”と思えるものに地理的記憶力があって、それはもう自分でも感心するレベルだと任じている。 オーストリアアルプス端っこのあたりを20年近く車で走ったのだが、最初はともかく、数年も経つとすっかり地図が頭の中に入って、その地域であればどこに行くのも自由自在までになってしまった。 ↓こんな山道だって走れちゃう もちろん、旧市街地のような複雑かつ狭いとかいうことはなく、単純だし、一本道だしと、走るのが日本より楽なくらいだった。だから過去の話になりはしたが、今でも頭の中にそのあたりの道の様子が頭に浮かんで、まだまだ走れるような気はする。 そんなだから、日本だって歩き慣れた場所は何..

  • 謔話§一日一句~老人の早起き~

    季語は・・・春眠 春眠や 昏き目覚めは 午前四時 【去年の今日】伝話§メディアの無責任

  • 行話§玄鳥至~七十二候~清明

    清明の初候“玄鳥至(つばめきたる)”である。 清明とは、何とも澄み切った二十四節気の名称ではないか。空気は和らぎ、緑の季節がやって来る。花粉症の人は花粉から解放され、空気もほどほどの乾燥具合となって、この先、気持ちのいい日常が展開していってくれるはずだ。 あと2週間ほどすれば、我が家あたりの花水木(ハナミズキ)が咲き出してくれるだろう。梅に始まり、辛夷から桜へと続いた我が家周辺の花の季節は、フィナーレを迎えるのである。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 暮話§老いゆく団地・・・・・・

    とっくにニュータウンなどと呼べるはずもない地域に住んで40年を超えた。今の団地に住み始めて、間もなく30年が過ぎようとしている。 ある日、ふと団地の中のあまりの静けさに、引っ越してきた当時もそうだったのだろうかと思い返してみた。朝方、起きかかるタイミングで、何台かのバイクが通勤するためにエンジンを響かせて出ていく。 そして、近くの小学校や中学校へと登校していく生徒たちが、おしゃべりをしながらこもごもに歩いていき、幼稚園や保育園の送迎バスを待つ幼児の声も聞こえたりしていた。 今や、そんな音も声も聞こえてはこず、実に静かな朝の始まりなのである。 静かというなら、それに越したことはないとは思うけれど、何がなし人の気配であるとか、ある種の“ざわめき”とでもいえるような音といえない音が存在していたと思うのだがそれも感じられない。 13年前の東日本大震災の時、家で地震に遭..

  • 謔話§一日一句~箸の先っぽで~

    季語は・・・山葵 ツンと来て 小鉢こんもり 山葵漬 【去年の今日】卯話§2023年4月の予定あれこれ

  • 緊話§救急車がやって来る

    順調に高齢化が進んでいる我が団地には、ここ何年か頻繁に救急車が出動してくるようになった。 そうしてやって来る救急車が停まるのは、いつも同じ2つの棟で、出動してきた救急士も、いつもと同じ場所だとわかっているからか、手慣れた様子でストレッチャーを運び出して救護に向かうのだ。 ということは、いつも同じ人が救急車を要請しているということなのかと、そう思うわけだが、そんなに頻繁に呼ぶのであれば、入院が必要なレベルではないかと思うのだ。入院の必要もない程度であるならば、ひょっとして病院に行く“足代わり”として便利に救急車を呼んでいるということなのかと邪推の一つもしたくなる。 あまり想像で物を言うのは避けたいとは思うけれど、かくも頻繁に……今は月に一回+αの出動要請となると、いかなる事情があるものかと思うのだ。そして、優先度がより高い病人が救急車を頼んでも、出払ってしまっている可能性だ..

  • 今話§尾瀬のシーズン間もなく

    今年も尾瀬のシーズンが始まる。4月下旬、ゴールデンウィークが始まる直前から山小屋が半年の冬眠から再開して、木道を歩く人たちが戻ってくる。 尾瀬ヶ原まで山小屋の屋根の雪下ろしに向かったスタッフがSNSで「雪が少ない」と写真入りで伝えていたが、本当に少なくて、ゴールデンウィークの小屋開けの頃と似たような積雪に驚いた。 ということは、今年の水芭蕉もあまり期待はできないかもしれない。今年はどのあたりのタイミングで入ろうかと考えている。齢七十を迎える今、まず我が家から3時間車を走らせて登山口まで向かうのがしんどくなっている。 そしていつもの鳩待峠からはのんびり下り、目的の山小屋まではゆっくりと3時間。のんびり歩きはさほど辛いわけではないが、車の運転がなあと……考えるようになってしまった。 目論見としては、12時頃には鳩待峠から山ノ鼻に下り立って、そこから尾瀬ヶ原をゆっ..

  • 謔話§一日一句~ホテルの朝~

    季語は・・・朝寝 朝寝する 目覚めてみれば 旅枕 【去年の今日】週話§日曜枯寂~長袖から半袖~

  • 弥話§2024年3月の天気模様を振り返る

    2024年3月の東京の天気がどうであったのか、振り返っておこうと思う。 このリンクの日付をクリックすることで、各々の日のアメダスが確認でき、より詳細な気象状況をチェックできる。 いかにも春らしく変わりやすい3月の天気だった。雨が降り続いてみたり、中旬になっても気温が氷点下近くまで下がったり、おかげで、東京の桜の開花が平年より5日ほど遅れてしまったりと、少しばかり振り回された感があった。 そして3月最後の三日間は気温が急上昇。30日は夏日をうかがい、31日は28.1度と真夏の気温を記録、外出した時はラグビージャージ(長袖の綿)だったが、半袖でも十分な外気温だったのである。 《天気のトピックス一覧》

  • 移話§日本・・・・・・多様性を厭う土壌?

    外界に向かって目を開くことが久しくなかった日本は、考えるまでもなく、多様性とやらの存在を厭っている閉鎖的社会ではないかと思い至ったのだ。 言ってみれば、横並び横並びというものが尊重されて、そこからはみ出ないように他人からも自分に対してもプレッシャーをかけるような風潮など、今に始まったことでも何でもない。 そうして行動規制をすることで、社会の均衡を保とうという仕組みが知らず知らずの間に構築されていたのだ。そうして、はみ出ないようはみ出ないよう、一定の型にはめ込もうとするのである。 はめ込まれる側もまた“リクルートスーツ”なる、同じスーツを身に着けて就活に臨もうとする。選ぶ側もまた、そういう人材を求めているが如くに。 だから思い至ったのだ……日本が、なかなかLGBTQや外国人労働者などに寛容でなく、存在を認めようとしないのは、永年の偏狭さによるものなのだと。 結果..

  • 謔話§一日一句~ちょっと糖分補給~

    季語は・・・桜餅 キックオフ 秩父宮の 桜餅 【去年の今日】週話§土曜枯寂~スーパーマーケット衰退?~

  • 告話§ビッグイシュー476号発売中!

    ビッグイシュー476号は4月1日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。ボブ・マーリーが表紙。 表紙&スペシャルインタビュー ボブ・マーリー リレーインタビュー 八木沼純子(スポーツコメンテーター) 特集 「ネガティブ・ケイパビリティ」を生きる “どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力”を意味する「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を聞いたことがありますか? これは英国の詩人キーツが弟たちに宛てた手紙に書き記した言葉です。帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)さん(精神科医、作家)は精神科医になって6年目の頃、この言葉に出合って衝撃を受け、その後も自分自身を支え続けてくれる言葉になったといいます。 キーツの手紙から150年後、これを当時英国で高名だ..

  • 卯話§2024年4月の予定あれこれ

    月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。 4月1日の日の出は5時26分で日没は18時5分、月末の日の出は4時49分で日没は18時29分。目覚めれば、明るくなっている時期がやって来てくれた。ただし、少しずつ朝方の気温も上がり始めるのだが。 今月のお楽しみ……リーグワンラグビーはシーズンも終盤となり、プレーオフ進出チームが固まっているはずである。4月に観るのは2試合。これまで観たのはクロスボーダーラグビー2試合を含めて11試合。なかなかの精勤である。 四月大歌舞伎は夜の部に、仁左衛門と玉三郎が登場するので、行かねばなる まい。昼の部をどうするかだが。 クラシックは、興味深い演奏会を見つけたので聴きにいくことにしているがけっこうな長丁場だったりするので、今から身構えているところである。 《日常のトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~年度末~

    季語は・・・弥生尽 乗客の なき終バスや 弥生尽 【去年の今日】春話§そして弥生三月が尽き・・・・・・

  • 週話§日曜流転~弥生三月おしまい~

    元旦の大地震からあっという間に3か月が過ぎようとしている。3月はじめには房総半島付近を震源とする地震が頻発した。 日本海側から、さらに太平洋側へも地震が頻発するようになるとは、さすが地震国であると感心をしている場合ではない。いつ何時、東日本大震災や能登の大地震が自分たちを襲うとも限らないのだ。 万が一にも大きな被害を蒙ったら、そこから日常が失われ、すべては非日常となって、旧に復するためには、気の遠くなるような作業を進めていかなくてはならない。 古希を迎えようとしている今、我々のような高齢者にとって、そうした労力を割くことは何とも過大な負担でしかなく、これ以上大きな地震が起きることのないようにと祈り続けるばかりである。 《日常のトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~黄砂到来~

    季語は・・・霾(よな)ぐもり 西風に 顔をしかめて 霾ぐもり 【去年の今日】泡話§見る夢は・・・・・・“縁”

  • 行話§雷乃発声~七十二候~春分

    春分の末候“雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)”である。 明日で3月も終わり。世間がすっかり春らしくなった。樹々に緑は戻っていないけれど、これも暦が変われば、次第に緑が展開していってくれるはず。そして東京は昨日、平年より5日遅れてようやく桜の開花宣言があった。 そういえばこのところ、春へと季節の変わり目に前線が通過することで鳴る雷を聞いていないような気がする。あれを聞くと春がやって来たと実感するのだが、低気圧と前線が通過しても、雷鳴を聞かないままだ。 そうして桜の日々も終わり、花水木が咲き出すのももうじきのことである。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 週話§土曜流転~1978年3月30日~

    ……という、この日のことは何も記憶してはいない。3日ほど前には大学の卒業式が行われ、4月3日には内定していた会社の入社式が行われるというそんな狭間の日でしかなかった。 大学時代お世話になった下宿を3月上旬に引き払い、交通の便がよかろうという心づもりで、荻窪の北あたりにアパートを借りて住み始めていたのだ。 今にして思えば“学生”でもなく“社会人”でもない……何者であるのか、わからない時空にいたことに気がつく。まあ、それほど大げさでもないし、ことさらに特別なわけでもない。 そんな一週間ほど、荻窪で何をしていたのだろうと記憶をたどっても、思いだせない。三食何を食べていたのだろうと思う。小さなキッチンは付いていたけれど、あれこれ自炊をした記憶もなく、たぶん駅周辺まで食べに行っていたのは間違いなく、覚えているのは、何軒かあった定食屋の世話になっていたのだ。 その時に酒を呑んで..

  • 謔話§一日一句~古びた急須~

    季語は・・・利休忌 常滑で 煎茶一服 利休の忌 【去年の今日】楽話§その昔“プレイガイド”なるものが

  • 俄話§初ラグビー観戦~J・P・R・ウィリアムス~

    ウェールズ往年の名プレイヤーだったJ・P・R・ウィリアムスが1月に亡くなった。享年七十四 彼がプレイしているのを見た。それも初めてのラグビー観戦で、今から50年近く前、1974年の国立競技場、日本対ウェールズのテストマッチであった。新聞は取っていたけれど、どうしてテストマッチののスケジュールを知ったのか……謎である。 その当時、ラグビーに興味はあったが、大学ラグビーのテレビ中継を観るのがせいぜいだったし、今にして思えば“ニワカ”以下でしかなかったという記憶だ。 それでもウェールズのプレイは強烈かつ鮮烈で、前半キックオフから1分もしないうちにノーホィッスル・トライを決められ、その後もトライを重ね、6対82の圧倒的大惨敗を喫したのである。日本の6点は、早稲田から横河電機に進んだフルバックの植山による2本のペナルティキックに終わった。 そんな圧倒的なウェールズが当..

  • 充話§トリスタンとイゾルデ~東京・春・音楽祭~

    前週水曜日に新国立劇場の後、今週水曜日は東京・春・音楽祭の『トリスタンとイゾルデ』(演奏会形式)を聴いてきた。 指揮:マレク・ヤノフスキ トリスタン:スチュアート・スケルトン マルケ王:フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ イゾルデ:ビルギッテ・クリステンセン クルヴェナール:マルクス・アイヒェ メロート:甲斐栄次郎 ブランゲーネ:ルクサンドラ・ドノーセ 牧童:大槻孝志 舵取り:高橋洋介 若い水夫の声:金山京介 管弦楽:NHK交響楽団(ゲストコンマス:ベンジャミン・ボウマン) 合唱:東京オペラシンガーズ 合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩 音楽コーチ:トーマス・ラウスマン まずもって、ヤノフスキ指揮のNHK交響楽団の演奏に“すげぇ!”と感心したが、前週の大野和士&都響を凌駕する音楽だった。もちろんピットの中からとステージ上の違いはある..

  • 謔話§一日一句~古希の感慨~

    季語は・・・山笑ふ 眉に白髪 見つけた午後に 山笑ふ 【去年の今日】甘話§不二家への憧憬

  • 稲話§お米屋さん

    日々食べる米だが、宅配野菜のオプションとして一週間おきに2kg届けられる。普通はその量で2週間食べられる。だが、時々だが米が足りなくなることがあって、そうした時は米屋まで買い求めに出向くことになる。 我々が贔屓にしている米屋さんは、ありがたいことに1kgから、しかも店頭で精米して売ってくれるのだ。1kgもあれば十分に間に合ってくれるし、精米したての白米をいただけるというのが何とも吉ではないか。 そうであるならば、折々にお米屋さんで買うようにすればいいではないかと思うのだが、そこは横着者であるがゆえに、一週間おきに届く白米のほうを重宝しているということなのである。 《日常のトピックス一覧》

  • 大話§お豆腐ご飯

    時折だが無性に食べたくなるのが“お豆腐ご飯”である。 海外旅行から帰ってきた、その日の晩はお豆腐ご飯を作ってもらって食べるのが恒例化していたこともあった。たぶん、旅先の食事に辟易していた反動であるのだろう。 作り方は……豆腐を温めることはせず、そのまま炊き立てのご飯の上にのせて、その上から醤油などを合わせたタレと刻み葱、胡麻油をかけて出来上がりというものだ。 まあ……タレで食べていると言えなくもなく。だが、シンプルであるがゆえにこれが侮れないうまさなのである。海外旅行から帰って来た晩、思い出を反芻しながら軽く肴をつまんで酒を呑んだ後に、さらりといただくお豆腐ご飯は何よりうまく、旅行から帰ってきた安堵とともに、あっという間に胃の腑へと収まってくれるのである。 《B級グルメのトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~野あそび~

    季語は・・・青き踏む はき馴染み ジーンズは黒 青き踏む 【去年の今日】過話§備忘録的な何か~2023年3月27日付~

  • 呟話§一言つぶやき~騙される日本人~

    振り込め詐欺・・・・・・いわゆる“オレオレ詐欺”の被害が一向に減らない…… ……最大の要因として、自民党長期政権による御上を疑わないという教育の成果であるというのは陰謀論的な発想であるかどうか、間違いないことは、多くの日本人が無批判であることに慣らされてしまって、一向に自分の意志を反映することがない。これすべて自民党による長年の愚民政策の結果で、それが日本を次第次第に蝕んで、いよいよ衰退を迎えようとしているのだ。 《つぶやきのトピックス一覧》

  • 連話§ワタシの酒肴[182]ナムル

    [承前] 韓国朝鮮料理の“ナムル”が好きだ。特にほうれん草と豆もやしがうまい。 焼肉屋でも単品で注文することがあるし、脂っぽい肉の後に食べると、口がすっきりしてくれるようだ。もちろんビールのアテにもウエルカムである。 日本で主に食べられるナムルは、上の2つの他にゼンマイと大根のナムルがあるが、ワタシ的酒肴としてはそれほど好みではないが……ビビンバの中に入っているのはOKだが。 考えてみればほうれん草のお浸しにあたるのがほうれん草ナムルということだと思われるけれど、味付け一つでまったく別の料理になるとはである。 [続く] 《酒肴のトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~午後の陽だまり~

    季語は・・・花影 散歩して 用水路には 花の影 【去年の今日】週話§日曜枯寂~すね毛消える~

  • 悼話§マウリツィオ・ポリーニさん(ピアニスト)

    実演を複数回聴いたピアニストの一人である。初めてポリーニを聴いたのはショパンの練習曲集の録音で、第1曲からその技巧の見事さに腰を抜かしそうになった。完璧とは何かを思い知った瞬間だった。 その後、初めて実演を聴いたのは1976年のNHK交響楽団定期公演。岩城宏之の指揮でショパンのピアノ協奏曲第2番だったが、演奏の記憶はまったくない。ただ、その後アンコールで弾かれたポロネーズ第5番の打鍵の強さにこれがポリーニなのかと思わされたのである。 1989年に東京文化会館でシューマンとショパンのプログラムを聴いた時は、あまりにもな会場のピリピリした緊張感にくたびれ果てた記憶があるのみ。 最後は1998年にサントリホールで2回、ベートーヴェンの後期ピアノソナタ3曲ずつ。記憶に残っているのは28番の終楽章。一瞬、指がもつれたように聴こえた。その直後から感情を顕わにして弾き始めたよう..

  • 動話§モチベーションの喪失?

    定年退職して、今年の秋で9年となる。ついこの間退職辞令をもらったような気がするが、時の流れはあまりにも速い。 退職から半年経った翌年の4月、高校の同級生に頼まれた嘱託仕事だったが同級生の急逝であえなく頓挫。それ以降は年金で食い繋いでいるが、まあまあ何とか暮らすことはできている。そんな呑気な年金生活なのだが、残念ながら確固たる“モチベーション”とでもいった何ものかがあるのかといえば“ない”のだ。 宮仕え時代は、日々せっせと会社に行くという大きなモチベーションが存在していたが、それに匹敵するようなモチベーションなど存在しようもない。 せめてもは、せいぜいブログを途切らせることなく、毎日欠かさず綴っていくこととか、あまり怠惰になることなく日々やるべきことをきちんとこなしていくことで、定年ライフを維持しているといえるのだろうが、37年半過ごした時間のスケールにはかなわない。 ..

  • 謔話§一日一句~荒れじまい~

    季語は・・・比良八講 比良八講 新幹線の 通過駅 【去年の今日】週話§土曜枯寂~卒業式~

  • 行話§桜始開~七十二候~春分

    春分の次候“桜始開(さくらはじめてひらく)”である。 今年も桜が咲いた。二十代の頃まで感性の類が中途半端でしかなく、咲いた桜を愛でるという風情を持ち合わせていなかった。 桜に対しての感情が芽生えたのは、今の場所に住み始めたあたりからではないかと想像するが、それこそ眼の前に桜が咲くのである。 眼の前にあれば、嫌でも桜について何らかの感慨を持つのは当然のことで、ようやく一年の“環”を実感することになったのだ。そうした季節の移ろいをありがたがるようになったのは、自分自身が年齢を重ねたからであろう。 結局のところ早い遅いはあれども、感性らしきものは醸成されて、ありがたくも、季節の有様を享受しているようだ。 若い頃、そうした感性がなかったことはもったいないと思うけれど、もしも持ち合わせていたら、あまりの多感さに自分自身が苦しくなったかも……。 《七十二候のトピック..

  • 虚話§スピアーズ対ワイルドナイツ[秩父宮]

    スピアーズは2週連続の秩父宮フライデーナイト。相手は今季無敗のワイルドナイツである。第11節のこの日の観客は9,491人 力不足がそのまま表れて、前半で勝敗は決してしまった。ワイルドナイツは盤石の勝利……22対55だった。 何が違うかといえば、スピアーズは隙だらけで、ワールドナイツは水も漏らさぬ布陣とでも言えばいいのか、前半に犯したペナルティは一つだけ。対するスピアーズは、前半だけで6つのペナルティを重ねてしまう……それだけ相手のプレッシャーが強いということもあるのだが。 与えてしまったトライのほとんどが、ディフェンスの穴をすり抜けていく、見ていて頭を抱えるしかない悠々としたトライを許してしまった。この日のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたワイルドナイツ13番のディラン・ライリーの朝やかな突破は、今季のスピアーズができていないもので、推している身に..

  • 謔話§一日一句~彼岸も過ぎて~

    季語は・・・春埃 仏壇の 奥薄っすらと 春埃 【去年の今日】煮話§鍋・・・・・・二日

  • 週話§日曜流転~立ち食い蕎麦~

    根っこの部分ではせっかちな性分だから、宮仕えしていた時の昼食も、よほどのことがない限りは行列に並ぶことはなかった。本当に2軒か3軒を除いて、さっと入れる店で済ましていた。そんな中で重宝していたのが、町内に何軒かあった立ち食い蕎麦の店である。 何より注文するならば、打てば響くように眼の前に蕎麦が置かれる。基本はかけ蕎麦だが、トッピングの種類は豊富で、揚げ置きの天麩羅類がすらりと並んでいて、中でもお気に入りは玉葱のかき揚げなのだ。 これがさくさくとクリスピーで素朴にうまい。たいていは揚げ置きなのだが時に揚げ立てがのってくると、うまさは倍増以上で揚げ立てのカリッとしたところを少しかじり、蕎麦つゆに浸してぐずぐずにするのもまた佳きかな。 そんな週一くらいに愛用していた一軒の立ち食い蕎麦屋が突然閉店したのは 2012年のことで、せめては定年退職するまでやっていてほしかった。そんな..

  • 謔話§一日一句~餃子にビールから~

    季語は・・・彼岸 彼岸明け 町中華へと しけ込んで 【去年の今日】隔話§バスの免許維持路線

  • 週話§土曜流転~ラベル買い~

    日本酒の味がどうだとか、今だにわからない。純米酒も吟醸酒も山廃も、純米吟醸って何?である。 じゃあ、どういう基準で日本酒を買い求めているか……ラベルである。見た目のデザインがよければ、中身もうまいだろうという訳のわからない理由でラベル買いをしているのだ。 上の二本は最近呑んだもので、単純にネーミングが気に入って買ったのだが味わいはまったく異なっていて、特に久々に呑んだ“久保田”は、さすがに造りがしっかりしていて、存分に楽しむことができた。 そして次に呑んだ“雪の茅舎”は生酒のゆえに、甘み強めでアルコール度数もそこそこあり、酒肴を選ぶことになる。ただし、文字の体裁はいいが、赤い文字色はあまり……。 まあ、そんな程度の味覚しか持ち合わせない人間にとっては、気に入ったデザインのラベルで選ぶしかないということなのだ・・・・・・ははは 《日本酒のトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~健康一番~

    季語は・・・山笑ふ 山笑ふ そうであれかし 日々の生 【去年の今日】勘話§電子マネー・・・・・・どうしてる?

  • 呟話§一言つぶやき~多様性?~

    ふと頭の中に“宗教の多様性”なるものが浮かび上がってきたのだが、…… ……多様性をもって任じる欧米は一神教であるキリスト教を信仰していて、多様性への理解が進まない日本で多神教の神道や仏教という宗教が主流ということに不思議なものを感じたが“宗教的不寛容”とは別ということか。 《つぶやきのトピックス一覧》

  • 逢話§トリスタンとイゾルデ~新国立劇場~

    ワーグナーの作品の中で、一番観た回数を重ねているのが『トリスタンとイゾルデ』で、この日で22回目を数えた。白状するが、観始めた最初の半分以上は、何を聴いているのか、まるでわかっていなかったようだった。 おぼろげに見えてきたと感じたのは、1997年バイロイト音楽祭。ハイナー・ミュラー演出、バレンボイムの指揮。トリスタンはジークフリート・イェルザレム、イゾルデがワルトラウト・マイヤーという伝説の舞台。 ……という前史のおかげで、ようやくトリスタンとイゾルデが何とか手の内に入ってきた時には古稀を迎えていたという。 指揮:大野和士 演出:デイヴィッド・マクヴィカー トリスタン:ゾルターン・ニャリ マルケ王:ヴィルヘルム・シュヴィングハマー イゾルデ:リエネ・キンチャ クルヴェナール:エギルス・シリンス メロート:秋谷直之 ブランゲーネ:藤村実穂子 牧童..

  • 謔話§一日一句~頂上の雪は飛んで~

    季語は・・・春荒れ 春荒れや 名残りの富士の くっきりと 【去年の今日】滑話§スピアーズ対イーグルス[第12節]

  • 独話§何ちゃってドイツ語でしたん

    ドイツ語のレベルは……限りなくゼロに近い、と言ってもおかしくはない。大学の第二外国語として2年ほど講義を受けたので、ドイツ語かどんなものであるのか、大雑把な概念は掴んでいるつもりではあるつもり。 “実践”としては、主な海外旅行先がドイツやオーストリアだったので、そこでちょぼちょぼ使うようになったのだ。といっても「こんにちは」や「さようなら」「ありがとう」といった挨拶程度と、あとは食べ物のメニューに何が記載されているかを覚えていて、ドイツ語で口に出す程度ではあるが。 そうして注文する時にドイツ語の食べ物のメニューそのまま口に出すのだがここで最大の問題は、こちらがドイツ語を使えば、当然ながら相手はドイツ語で返してくるわけで、残念ながら大きな弱点としてヒアリングがダメダメだったりするのだ。 そうして、毎回玉砕するのだが、それを懲りもせずにやってしまうのも無謀と言うよりはアホでし..

  • 泡話§焼酎のおもひで

    初めて焼酎を口にしたのは、尾瀬の山小屋でアルバイトをしていた時のことだった。 同じセクションで働いていた20歳ほど年長の人と、同じ部屋で2か月ほど寝起きした時、晩飯を済ませて後は布団に潜り込むばかりになっていた直前、その人が、焼酎の一升瓶と、やかんになみなみと入れた湧き水、それにレモンを持ちだして一言…… 「呑む?」 ……と誘ってきた。まだ二十歳そこそこ、それまで焼酎を口にしたことはなく、どう呑んだらいいのかもわからなかったが、注がれた焼酎に湧き水を足してレモンを搾って呑んだら、まるで水の如くで、何の癖もなくスルスルと呑めてしまった。 「う、うまいっすね」と言えば、ボソッと「な……」と短い言葉が返ってきたのだ。 そんなアルバイトを続けていたある日、体調を崩して山から下りていった。夏のシーズンも終わり近かったから、男手は自分一人で何とかこなすことになったが、その..

  • 謔話§一日一句~思わぬ突風に~

    季語は・・・春疾風 勢いに 老いはよろけて 春疾風 【去年の今日】祝話§歌舞伎座が新開場して十年に

  • 行話§雀始巣~七十二候~春分

    春分の初候“雀始巣(すずめはじめてすくう)”である。 春分である。春分といえば昼と夜の長さが同じと言われているが、以前も書いているとおりで、実は昼と夜の長さがほぼ同じなのは数日前の3月15日。東京の付近の日の出は5時51分、日没が17時51分となっている。ちなみに、今日の日の出は5時44分、日没は17時54分なのだ。 朝は5時半過ぎに明るくなってくれるし、夕方18時過ぎまで明るさが残ってくれるのはありがたい。 辛夷(コブシ)は盛りを過ぎて、世間は桜の季節が始まる。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 跡話§三月大歌舞伎~恐るべし仁左衛門~

    日曜日に三月大歌舞伎昼の部を観てきた。それに先立つ3月14日には松嶋屋片岡仁左衛門が80歳の誕生日を迎えていたのだった……80歳である。 そんな仁左衛門が今月務めたのが『元禄忠臣蔵~御浜御殿綱豊卿~』の綱豊である。しかも真山青果――我が家では真山フルーツと呼んでみたり――の台詞劇なのだ。そんなわけで真山の歌舞伎は苦手なので敬遠しているが、これは観ずばならないと歌舞伎座へ。 果たして、予想した通りの台詞劇……それも、長大な台詞が1時間半の中にぎっしりと詰め込まれていて、それを仁左衛門が淀みなく口にし、演技をしていく。そこには80歳の老いなど微塵も見えず、綱豊(後の六代将軍家宣)の当時の実年齢である40歳の壮年の姿があった。 綱豊に対峙する赤穂浪士富森助右衛門(幸四郎)との息詰まる問答こそ青果が意図した頂点であるのは言うを待たない。幸四郎もまた過不足なく仁左衛門と向き..

  • 謔話§一日一句~しぶしぶ還付金~

    季語は・・・ぬくし ぬくしぬくし しるしばかりの 税戻る 【去年の今日】週話§日曜枯寂~団地やマンションの交流~

  • 粘話§イーグルス対スピアーズ[秩父宮]

    これほどの逆転劇をスタジアムで目のあたりにしたのは初めてである。足搔き続けているスピアーズが意地を見せた試合だったといえよう。 寒さが緩んだフライデーナイトの秩父宮に集まった観客は8,910人。 キックオフ2分でスピアーズがペナルティゴールで3点を取った時“いつか来た道”と感じた予感は当たり、前半はイーグルスが3トライで優位に立つことになった。とにかくスピアーズは前に進むことができないのだ スピアーズがシンビンで一人少ない状態で後半3分にイーグルスがトライ&ゴールで18点差をつけた時、勝負あった……3トライ&ゴールで逆転する力はないだろうと、ほとんど諦めていた時、逆転劇の幕を開けたのは、24分にスタンドオフ岸岡智樹がゴール中央にトライを決めた時からだ。 そして後半36分にイーグルスがシンビンで一人を欠いたところで、ラインア ウトからのモール..

  • 西話§東大阪花園ラグビーの陣[終]旅の終わり

    [承前] そして日付変われば最終日。観光らしい観光はほとんどしていない。初日は昼過ぎに着く予定が大遅延で夕方近くになってしまって、大阪三月場所の会場視察に行って晩飯を食べたくらいでしかなかった。 2日目はメインのラグビー観戦だったし、そして最終日は正午過ぎには帰りの新幹線に乗って帰るのだ。 2日目もホテルのビュッフェ朝食。昨日に引き続き何を食べようか迷うが、まあまあ楽しむことはできた。それにしても、朝食付き宿泊にしたのは正解で、別料金でとしたら、眼の球が飛び出るような……とても元など取れるはずもないそんな豪華朝食だったのである。 10時過ぎにはチェックアウト。この日は手抜き夕食にするつもりだったので隣接のデパ地下で食料を調達しようという目論見だが、できるだけ地元の食品をと考えて、何とか難波の“薩摩揚げ”や淀川の“焼鳥”を見つけ、京都の豆腐と合わせて格好はつけられたか..

  • 謔話§一日一句~指先に~

    季語は・・・入り彼岸 起き抜けや 指ささくれて 入り彼岸 【去年の今日】週話§土曜枯寂~癖のある蜂蜜~

  • 惚話§高い枕は・・・・・・

    やはり、高い枕は健康によくないという医学的結果を、つい先月の新聞報道で確認できた。 15センチ以上の枕で寝ると“首の後ろの血管が裂け、脳卒中を起こす”特発性椎骨動脈解離を起こす危険性があるというのだ。殿様枕症候群とは、今回の分析を発表した国立循環器病研究センター研究チームによる命名である。 目下、我が家で夫婦二人が使っているのは、高さ数センチに満たない薄手の枕……使い始めたのは30年くらい前からで、何度か買い替えて愛用中。 そうして20年近く前には、意を決して海外旅行にマイ枕を持参することにしたのだ。その効果は絶大で到着初日からスーッと睡眠に入ることができた。もちろん時差ぼけは何日か続きはしたけれど、睡眠途中、夜中に目が覚めて眠れなくなるとかいったようなことがほとんどなく済んだのはありがたや。 というわけで、永年低い枕で快適な睡眠を享受してきた我々にしてみれ..

  • 西話§東大阪花園ラグビーの陣[5]球場の跡

    [承前] 実は、もう一つ気になっている場所があった。1998年にクローズした大阪スタヂアム(通称大阪球場)の今である。 1977年の夏、一度だけ大阪スタヂアムで野球を観ている。野村克也監督率いる南海ホークスと金田正一監督率いるロッテオリオンズのナイターだった。 その当時パリーグの人気はどん底の底にあって、もちろん当日売りでも楽々チケットを買うことはできたし、球場に入れば客席は閑散たるもので、目視でお客さんの人数を数えらえるほどだったのだ。 というわけで、ネットで調べてみれば、何と宿泊しているホテルの真下が、探している大阪スタヂアムだったということがわかったのである。 なんばパークスという商業施設がそれで、球場の記念碑も設置されていると知って、ホテルの部屋から撮影を試みた。そうして見つけたのが下の写真。最初に何とも不思議な屋上庭園に目を奪われた。 ..

  • 謔話§一日一句~温かき懐~

    季語は・・・春時雨 年金が 入金されて 春時雨 【去年の今日】学話§第二十六期歌舞伎俳優研修修了発表会

  • 週話§日曜流転~卒業式~

    保育園に始まって大学まで“卒業式”は合わせて5回通過している。その内大学の卒業式には出られなかった。卒業式当日に行った謝恩パーティの幹事をしていて、その打ち合わせに追われていたからである。 もっとも、卒業生全員を収容できるようなホールもなく、卒業証書を授与されたのは、学科ごとに分かれて行われたのだった。 保育園の“卒園式”の時のことは何となく覚えていて、それは保育園の居心地がよくて、その先の小学校に進むことに不安を感じていたからだ。発想は幼稚だが、何となくその時の心情は理解できなくもない。 そして、小学校を卒業する時も、中学校に対する不安があったことは、よく覚えている。 その後は、ずいぶんと醒めていたようで、高校の卒業式がどうであったのか記憶はほとんどなく、ただ“せいせいした”ことだけは記憶に残っていて、大学の学科に分かれての授与式の時は、何の理由もなく一番に呼ばれ..

  • 謔話§一日一句~今日はどうしたのかな~

    季語は・・・春暁(しゅんぎょう) 春暁や 五分遅れて 始発バス 【去年の今日】過話§備忘録的な何か~2023年3月16日付~

  • 週話§土曜流転~リンゴの皮むき~

    はなはだ恥ずかしいことを告白するが……リンゴなどの皮が剥けないのだ。 不器用な質であることは自らをもって任じていて、子どもの頃は親が剥いてくれるのを口を開けて待っていた。今はありがたくも同居人の世話になっている。 “剥け”と言われれば剥けないことはないと思うし、実際試したこともありはしたが、結果は何とも無様な出来でしかなかった。 学生時代が自炊をしていたが、ジャガイモなどの皮を剥く必要があった時は皮剥きのピーラーを愛用して切り抜けていたのだ。 リンゴの皮くらい剥けるのはあたりまえだとは重々承知しているが、こればかりは何ともならず、どうにも申し訳ないとしか言いようがない。 《私事のトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~株式市場実況~

    季語は・・・春時雨 春しぐれ 短波ラジオの ノイズかな 【去年の今日】民話§その昔「帰れ!」コールが

  • 告話§ビッグイシュー475号発売中!

    ビッグイシュー475号は3月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。が表紙。 表紙&スペシャルインタビュー ケイリー・スピーニー リレーインタビュー 本田武史(プロフィギュアスケーター) 特集 生きのびるデザイン 資源を採掘し、モノを作り、捨てる「リニア(直線)型の経済」は、気候危機、資源の枯渇など地球環境に大きな負荷を与えてきました。それに代わって進められているのが、あらゆる段階で資源の循環的な利用を図る「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」です。 永井一史さん(多摩美術大学教授)は、多摩美術大学の共創プロジェクト“すてるデザイン”を立ち上げ、デザインを通して、ごみを資源として循環させていく手がかりを探ります。 WOTA(ウォータ)株式会社は、電源と約100..

  • 行話§菜虫化蝶~七十二候~啓蟄

    啓蟄の末候“菜虫化蝶(なむしちょうとなる)”である。 来週には、桜が咲くだろう。もはや、東京あたりでは春分の頃に桜が開花するのがあたりまえになってしまったようだ。何度も書いているが、我々のような年寄りにしてみれば、やっぱり4月の桜が好きで、3月というのは実感が湧きにくい。 宮仕えをしていた頃は、町内にうまい和菓子屋があって、2月頃から道明寺の桜餅と草団子を定番で出していた。そうしょっちゅうは買えないが、ここぞで買いに行くと、人気店らしく、数人が店内と表で買う順番を待っている繁盛ぶりなのだ。 日持ちのしない生菓子ゆえ、一度に買うのは桜餅と草団子を二つずつ、夫婦二人で楽しむために買い求めて帰宅するのである。 初めて買った時は、一個200円そこそこだったのが、今や380円という値段には怯みそうになってしまう……とはいえ、神保町に出向くことがあったら、買って帰ろうか..

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