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2018/06/28

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  • 謔話§一日一句~しぶしぶ還付金~

    季語は・・・ぬくし ぬくしぬくし しるしばかりの 税戻る 【去年の今日】週話§日曜枯寂~団地やマンションの交流~

  • 粘話§イーグルス対スピアーズ[秩父宮]

    これほどの逆転劇をスタジアムで目のあたりにしたのは初めてである。足搔き続けているスピアーズが意地を見せた試合だったといえよう。 寒さが緩んだフライデーナイトの秩父宮に集まった観客は8,910人。 キックオフ2分でスピアーズがペナルティゴールで3点を取った時“いつか来た道”と感じた予感は当たり、前半はイーグルスが3トライで優位に立つことになった。とにかくスピアーズは前に進むことができないのだ スピアーズがシンビンで一人少ない状態で後半3分にイーグルスがトライ&ゴールで18点差をつけた時、勝負あった……3トライ&ゴールで逆転する力はないだろうと、ほとんど諦めていた時、逆転劇の幕を開けたのは、24分にスタンドオフ岸岡智樹がゴール中央にトライを決めた時からだ。 そして後半36分にイーグルスがシンビンで一人を欠いたところで、ラインア ウトからのモール..

  • 西話§東大阪花園ラグビーの陣[終]旅の終わり

    [承前] そして日付変われば最終日。観光らしい観光はほとんどしていない。初日は昼過ぎに着く予定が大遅延で夕方近くになってしまって、大阪三月場所の会場視察に行って晩飯を食べたくらいでしかなかった。 2日目はメインのラグビー観戦だったし、そして最終日は正午過ぎには帰りの新幹線に乗って帰るのだ。 2日目もホテルのビュッフェ朝食。昨日に引き続き何を食べようか迷うが、まあまあ楽しむことはできた。それにしても、朝食付き宿泊にしたのは正解で、別料金でとしたら、眼の球が飛び出るような……とても元など取れるはずもないそんな豪華朝食だったのである。 10時過ぎにはチェックアウト。この日は手抜き夕食にするつもりだったので隣接のデパ地下で食料を調達しようという目論見だが、できるだけ地元の食品をと考えて、何とか難波の“薩摩揚げ”や淀川の“焼鳥”を見つけ、京都の豆腐と合わせて格好はつけられたか..

  • 謔話§一日一句~指先に~

    季語は・・・入り彼岸 起き抜けや 指ささくれて 入り彼岸 【去年の今日】週話§土曜枯寂~癖のある蜂蜜~

  • 惚話§高い枕は・・・・・・

    やはり、高い枕は健康によくないという医学的結果を、つい先月の新聞報道で確認できた。 15センチ以上の枕で寝ると“首の後ろの血管が裂け、脳卒中を起こす”特発性椎骨動脈解離を起こす危険性があるというのだ。殿様枕症候群とは、今回の分析を発表した国立循環器病研究センター研究チームによる命名である。 目下、我が家で夫婦二人が使っているのは、高さ数センチに満たない薄手の枕……使い始めたのは30年くらい前からで、何度か買い替えて愛用中。 そうして20年近く前には、意を決して海外旅行にマイ枕を持参することにしたのだ。その効果は絶大で到着初日からスーッと睡眠に入ることができた。もちろん時差ぼけは何日か続きはしたけれど、睡眠途中、夜中に目が覚めて眠れなくなるとかいったようなことがほとんどなく済んだのはありがたや。 というわけで、永年低い枕で快適な睡眠を享受してきた我々にしてみれ..

  • 西話§東大阪花園ラグビーの陣[5]球場の跡

    [承前] 実は、もう一つ気になっている場所があった。1998年にクローズした大阪スタヂアム(通称大阪球場)の今である。 1977年の夏、一度だけ大阪スタヂアムで野球を観ている。野村克也監督率いる南海ホークスと金田正一監督率いるロッテオリオンズのナイターだった。 その当時パリーグの人気はどん底の底にあって、もちろん当日売りでも楽々チケットを買うことはできたし、球場に入れば客席は閑散たるもので、目視でお客さんの人数を数えらえるほどだったのだ。 というわけで、ネットで調べてみれば、何と宿泊しているホテルの真下が、探している大阪スタヂアムだったということがわかったのである。 なんばパークスという商業施設がそれで、球場の記念碑も設置されていると知って、ホテルの部屋から撮影を試みた。そうして見つけたのが下の写真。最初に何とも不思議な屋上庭園に目を奪われた。 ..

  • 謔話§一日一句~温かき懐~

    季語は・・・春時雨 年金が 入金されて 春時雨 【去年の今日】学話§第二十六期歌舞伎俳優研修修了発表会

  • 週話§日曜流転~卒業式~

    保育園に始まって大学まで“卒業式”は合わせて5回通過している。その内大学の卒業式には出られなかった。卒業式当日に行った謝恩パーティの幹事をしていて、その打ち合わせに追われていたからである。 もっとも、卒業生全員を収容できるようなホールもなく、卒業証書を授与されたのは、学科ごとに分かれて行われたのだった。 保育園の“卒園式”の時のことは何となく覚えていて、それは保育園の居心地がよくて、その先の小学校に進むことに不安を感じていたからだ。発想は幼稚だが、何となくその時の心情は理解できなくもない。 そして、小学校を卒業する時も、中学校に対する不安があったことは、よく覚えている。 その後は、ずいぶんと醒めていたようで、高校の卒業式がどうであったのか記憶はほとんどなく、ただ“せいせいした”ことだけは記憶に残っていて、大学の学科に分かれての授与式の時は、何の理由もなく一番に呼ばれ..

  • 謔話§一日一句~今日はどうしたのかな~

    季語は・・・春暁(しゅんぎょう) 春暁や 五分遅れて 始発バス 【去年の今日】過話§備忘録的な何か~2023年3月16日付~

  • 週話§土曜流転~リンゴの皮むき~

    はなはだ恥ずかしいことを告白するが……リンゴなどの皮が剥けないのだ。 不器用な質であることは自らをもって任じていて、子どもの頃は親が剥いてくれるのを口を開けて待っていた。今はありがたくも同居人の世話になっている。 “剥け”と言われれば剥けないことはないと思うし、実際試したこともありはしたが、結果は何とも無様な出来でしかなかった。 学生時代が自炊をしていたが、ジャガイモなどの皮を剥く必要があった時は皮剥きのピーラーを愛用して切り抜けていたのだ。 リンゴの皮くらい剥けるのはあたりまえだとは重々承知しているが、こればかりは何ともならず、どうにも申し訳ないとしか言いようがない。 《私事のトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~株式市場実況~

    季語は・・・春時雨 春しぐれ 短波ラジオの ノイズかな 【去年の今日】民話§その昔「帰れ!」コールが

  • 告話§ビッグイシュー475号発売中!

    ビッグイシュー475号は3月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。が表紙。 表紙&スペシャルインタビュー ケイリー・スピーニー リレーインタビュー 本田武史(プロフィギュアスケーター) 特集 生きのびるデザイン 資源を採掘し、モノを作り、捨てる「リニア(直線)型の経済」は、気候危機、資源の枯渇など地球環境に大きな負荷を与えてきました。それに代わって進められているのが、あらゆる段階で資源の循環的な利用を図る「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」です。 永井一史さん(多摩美術大学教授)は、多摩美術大学の共創プロジェクト“すてるデザイン”を立ち上げ、デザインを通して、ごみを資源として循環させていく手がかりを探ります。 WOTA(ウォータ)株式会社は、電源と約100..

  • 行話§菜虫化蝶~七十二候~啓蟄

    啓蟄の末候“菜虫化蝶(なむしちょうとなる)”である。 来週には、桜が咲くだろう。もはや、東京あたりでは春分の頃に桜が開花するのがあたりまえになってしまったようだ。何度も書いているが、我々のような年寄りにしてみれば、やっぱり4月の桜が好きで、3月というのは実感が湧きにくい。 宮仕えをしていた頃は、町内にうまい和菓子屋があって、2月頃から道明寺の桜餅と草団子を定番で出していた。そうしょっちゅうは買えないが、ここぞで買いに行くと、人気店らしく、数人が店内と表で買う順番を待っている繁盛ぶりなのだ。 日持ちのしない生菓子ゆえ、一度に買うのは桜餅と草団子を二つずつ、夫婦二人で楽しむために買い求めて帰宅するのである。 初めて買った時は、一個200円そこそこだったのが、今や380円という値段には怯みそうになってしまう……とはいえ、神保町に出向くことがあったら、買って帰ろうか..

  • 西話§東大阪花園ラグビーの陣[4]戦い済んで

    [承前] 聖地花園での試合は不本意な結果になってしまった。花園を後にしながら、この先再訪することがあるだろうかと思った。これだけの素晴らしいスタジアム環境ゆえに、一度の訪問で終わるのは何とももったいないではないか。機会を捉えて再訪したいものである。 難波に戻り、同居人は大学時代の同級生と久々の再会を果たすべくホテルのティールームへ。その間は部屋でお留守番していたが、窓からの風景で色々発見したことがあった。 まずはベタに通天閣が高層ビルに埋もれて、それでも存在は示していたが、さすがに大阪のシンボルも小ぢんまりと古びた感は否めない。 そうして、望遠を一杯に引っ張って高層ビルと高層ビルの間から南奥を見れば、こんもりとした森が横たわっていた。ひょっとしてと、地図で同定してみれば、どうやらビンゴ!……堺市にある大仙陵古墳(仁徳天皇陵古墳)と、手前に小さめの田出井山..

  • 謔話§一日一句~6時前には明るさが~

    季語は・・・春の朝 春の朝 レースカーテン 刺す朝日 【去年の今日】巻話§サンゴリアス対ワイルドナイツ[第11節]

  • 虚話§スピアーズ対ヴェルブリッツ[花園]

    スピアーズが足搔いている。前シーズンの優勝チームが、今季はプレーオフ進出が危ういという状況が続いている。花園へ行ってみようかと決めた時はまだまだそんな雰囲気などは感じられない状態だったが、シーズンが始まるや連敗が続き、ようやく勝敗を五分まで持ち込むという不安な状況が続いている。 ↓白い雪が生駒山系を覆っていく・・・・・・ そうして花園までやって来た。単なる“ラグビー好き”でしかない自分が、まさか花園に足を踏み入れるなど思いもしなかった。そして目のあたりにする花園ラグビー場は見事なスタジアムではないか。これはとても秩父宮など物の数ではないと言ってもいいだろう……大阪恐るべし! 観客は6,888人。 座った席のすぐ横に大屋根を支える柱が立っていた。チケットを買った時は気がつかなかったが、後で調べると柱があるとわかって、視野を妨げやしないかと心配したが、邪魔されることなくピ..

  • 西話§東大阪花園ラグビーの陣[3]いざ花園!

    [承前] 7時過ぎには目覚めた。今日こそが“天王山”である。8時過ぎに朝食をと上階のビュッフェに行く。このホテルが外資系というだけではないかもしれないが、とにかく外国人従業員の比率が高く、日本人従業員は目立たないくらい。明らかにインバウンドをターゲットにして高いホスピタリティを目指しているのだろう。先々、こうした流れは加速していくに違いない。 久々にホテルの朝食を目にすると、何を食べたらいいのか選択に迷うほどであるが、食べられる量は限られているので、食べたいものを中心に、パンを少しと、後は適当につまみことにしたが、最後の最後になぜかカレーに目がいってしまい、軽く少しばかりのご飯に盛ってしまったがしかたがない。 朝食を済ませ、部屋でゆっくり腹ごなしをして身支度を済ませ、10時過ぎにホテルを出て花園へ向かう。 ラグビー場のある近鉄奈良線東花園駅に行くために難波駅に向かお..

  • 謔話§一日一句~産土神様へ~

    季語は・・・春社日(しゃにち) 雨止んで 土黒々と 春社日 【去年の今日】風話§入浴剤の楽しみ

  • 伸話§170センチはね・・・・・・わたしゃも少し

    日本人男性の願望らしきものとして身長170cmはほしいとあって、180cmとかでないのは、平均身長が170cmちょっと(171.5cm)だから、平均身長はあってほしいという、せめてもの謙虚さの表れだろうか。 そうして見ていると、特にアスリートの中のプロフィールに“身長170cm”と謳っている選手が多いことに気がつくのだ。そうして我が中に、一つの疑惑が沸々と湧き上がってきたのである。 そうしたら、NHKの某サッカー番組が『小さな巨人』というテーマで放映した時、登場したゲストやレギュラーMCの身長を測定したのだ。彼ら全員がプロフィールに170cmと記載していたのが、実測は168cmという結果にスタジオ内は爆笑の渦……コンプレックスというならそのとおりなのだろうが、玉川カルテットの自嘲的な歌ではないが“わたしゃ、も少し背が欲しい!”なのであろう。 我が身は身長171cm..

  • 西話§東大阪花園ラグビーの陣[2]難波のホテル

    [承前] 今回も過去に何度か利用したことのあるホテル&新幹線パックを予約した。 交通至便なところをと考え、地下鉄難波駅真上の少しばかり上等なホテルを選んだが、パック料金だとかなり手頃、しかも朝食ビュッフェ付きなのだ。 予定より約2時間遅れでチェックイン。とにかく交通至便で、新大阪からの地下鉄御堂筋線の出口から歩いてすぐが入口。そこからの行き方が面倒で、チェックイン・カウンターは6階、そうして泊まる部屋は27階。ルームキーはカードになっていて、スイスドイツ語の方言で“GRÜEZI(グリュェツィ)”とあるが“こんちわ!”を意味する。 比較的広めな部屋で、かなり大きめなツインベッドがありがたい。眺望も抜群で、真下に南海電車の終点難波駅、真正面に開業10周年を迎えた超高層のあべのハルカスが、そして小ぢんまりと通天閣が高層ビルに埋もれていた。 ホテルにチ..

  • 謔話§一日一句~また来年~

    季語は・・・雛納 そそくさと 親王様を 雛納 【去年の今日】週話§日曜枯寂~確定申告~

  • 悼話§鳥山明さん(漫画家)

    『Dr.スランプ』を目にした瞬間の印象は鮮烈なものだった。 宮仕えを始めてまだ3年ほど。何気なく手にして読んでみたのだが、これがメチャおもしろい。何より絵がポップでうまく、一気にはまってしまったのである。 ドイツを旅行していた時、書店に入ったら日本のコミック本のコーナーにもアラレちゃんが置かれていて、そういえば彼女の「んちゃ!」はドイツ語でどう表現されているのかとページをめくってみたら…… Tag! ……“ターク!”とあり、なるほどうまいものだ!とうなずいたのだった。 一歳下の鳥山明が生まれた1955年はタレント揃いの学年で、十八代目勘九郎に始まって、野田秀樹、サザンの桑田佳祐、プロ野球の掛布雅之や江川卓と錚々たる存在が輩出されている。そんな中で“超”と呼んでもおかしくない鳥山の死は単に残念であるとか、その程度の表現でおさまるものではない。享年六十八 合..

  • 西話§東大阪花園ラグビーの陣[1]久々の旅が

    スピアーズ不調である。であるによって、推しチームに“カツ!”を入れるべく、我々も大阪遠征をすることにした。大阪を訪れるのは20年ぶりくらいではなかったか。 試合前日の金曜日、10時前に自宅を出て新横浜に向かう。新横浜に着いたのは11時過ぎ、新大阪行きののぞみの出発は12時7分で、駅弁などを買い求めてゆっくり新幹線を待つつもりだったが……新幹線改札口のあたりが雑然としているのが見えた。 ↓カオス・・・・・・である 朝方、新岩国で“触車事故”があって、大幅に遅延しているとのこと。そんな事故に遭遇したのは初めてのこと。運転は再開していて、遅れを取り戻すべく、おそらくは運転間隔を可能な限り縮めて動かしている様子がわかる。 とにかく運行は再開してるので、待合室に座って運行状況をチェックしつつ自分たちののぞみを待つことしかできない。 ↓せっかくのグリーン車利用だっ..

  • 謔話§一日一句~尾瀬の春到来~

    季語は・・・雪解 雪解の水は 片品川に満つ 【去年の今日】週話§土曜枯寂~東日本大震災十二年~

  • 痛話§辛いもの好き

    辛いもの全般が好きである。香辛料に好き嫌いはほとんどない。山葵、辛子に始まって、胡椒、唐辛子に至るまで、満遍なくウエルカム!である。 ところが、それが古希を前にして少しばかり変化が起きているような気がするのだ……どうも、このところ辛いものに弱くなってきていると感じるのだが、それは特に、寿司に入っている山葵が辛いなあということだ。 以前だったら、ヒステリック――とまではいかないが――多め山葵を使って同居人の大顰蹙を買っていたのだが、このところテイクアウトの寿司に添付してあるくらいの小パックでも十分過ぎるくらい満足している自分に気がついた。 これが、加齢によるものであるのか、何であるのか、理由は不明だが、いずれにしても同居人から云々されることは少なく、合わせて健康にもいいのではなかろうかと、それは手前味噌なのだが。 そして、最初に“ほとんどない”と書いたのは、たった一つ..

  • 厄話§東日本大震災十三年

    2011年3月11日14時46分18秒に発生した東日本大震災の地震が東京を襲ったのは、およそ1分後のことだった。あの時から13年が経過した。 改めて、13年前の自分のツイートを辿ってみると「地震!」とつぶやいたのは、発生からおよそ1分半後とツイッターに記録されている。完成して数年ほどと新しい9階建てのビル最上階にいて、凄まじい横揺れが続いた直後のツイートだが、よくキーボードに向かって叩いたものだ。 そして20分後には大きめの余震が起きたことをツイート。その後首都圏の鉄道が徐々に運行中止したことなども細かくツイートしていた。 あまりに事態が大きすぎたからかどうか、当人の頭は冷静だったような記憶だが、そうではなくて軽い思考停止状態に陥っていたと考えるのが正しいような気がする。 鉄道が運行中止したことで考えたのは、当然ながら自分は帰宅できるだろうかということだが、..

  • 謔話§一日一句~観戦日和~

    季語は・・・水温む 花園へ 水は温みて 生駒山 【去年の今日】働話§扱いは“失業者”なのだ~死ぬまで~

  • 行話§桃始笑~七十二候~啓蟄

    啓蟄の次候“桃始笑(ももはじめてさく)”である。 花粉が飛び交って、花粉症のシーズンである。一度だけ何ちゃって花粉症になりかかったのは2016年の今頃のことで、突然に眼が痒くなったのだった。 “いよいよ我が身にも来てしまったか”と憂鬱を抱えて耳鼻科に行ってみたら医師から「檜花粉……ですかねえ」と診立てられて、2種類の目薬を処方されたのだ。 帰宅して檜花粉について調べてみたら飛散するのは4月以降とあって、そうだとすると、微妙に違わないかと、頭の中が“?”マークになってしまったのである。 目薬のおかげもあって、症状はさほどひどくならずに治まってはくれたが、問題は次の年も再発するのか、死ぬまで花粉症と付き合わなくてはならぬのかと戦々恐々と翌年の3月を覚悟しつつ待った。 だが、何ということか……3月になっても花粉症が我が身に再びやって来ることはなく、それじゃあ..

  • 週話§日曜流転~耐久消費財の買い替え~

    我が家にある“耐久消費財”が、軒並みに使用期間が軽々と10年を超えて、買い替えを本気で考えなくてはならなくなってきている。 2005年から一年おきに大規模リフォームを3回やったタイミングで購入した例えば浴室乾燥機が既に19年使用、液晶テレビやビデオレコーダーは17年、キッチンの食洗機や冷蔵庫あたりで15年が経過していた。 いきなり一気にということはないとは思うが、もしも突然にその時がやって来たら……そんな予算は……ない! だから、現時点で問題はなくても、少しずつ時間差で買い替えを進めていく必要があるということだ。 というわけで、そろそろ浴室乾燥機あたりから買い替えを進めていけたらと思っていて、リフォームをしてくれた業者と相談しなければと思っている。その次が食洗機あたりだろうか。そしてテレビが続くだろう……などと考えていたら、もう一つパソコンという大物が控えていた。 ..

  • 謔話§一日一句~喧噪の道頓堀~

    季語は・・・春の雨 上方の 訛り難波は 春の雨 【去年の今日】街話§神保巷塵[96]神保町交差点近くの更地

  • 週話§土曜流転~タモリ倶楽部~

    「毎度おなじみ流浪の番組……」で始まる『タモリ倶楽部』が終了したのは一年前の今頃のことだった。深夜の放送時刻に見ることはできず、毎回予約録画して後でゆっくりという流れがデフォルトだった。 そもそも緩い作りの番組だったので、番組の出来の歩留まりは半分行ったか行かないかくらいだったと思うが、それはテーマ自体のおもしろさに負うところが大きく、おもしろいかどうかは、タモリがテーマに喰いついてくれるかどうかだったのである。 そしてもう一つ……MCを担当するキャラクターによって、おもしろいか、つまらないかが決まるのだ。若手芸人が担当すると、時としてタモリに媚びるような、へりくだり過ぎるようなスタンスで進行すると、おもしろいはずのテーマがぶち壊しになってしまうのだ。 要するに、タモリの“機嫌”が番組がおもしろいかどうかの成否を決めるとこと大なのに、それができないMCがたまに残念な番組に..

  • 謔話§一日一句~今日は冷えるね~

    季語は・・・寒戻る 燗酒は 少し熱めと 寒戻り 【去年の今日】滞話§写研という会社ありき

  • 呟話§一言つぶやき~政治家~

    法律を制定するのは政治家だから、政治家自らを縛りつける法律などを…… ……作るはずもなく“やりました”感だけは見せながら、実は抜け穴だらけの法律を都合よく作って、自分たちに不都合がないようにと心を砕いている様子を見ると“政治家を縛る”法律は、我々国民の側が作れるように制度を変えてもいいのではないかとすら思うのだが。 《つぶやきのトピックス一覧》

  • 与話§給料日は二十五日?

    結婚してしばらくの間、夫婦共稼ぎを続けていたことがあった。ローンを組んだりしていたものだから、とても一人だけの収入で家計あれこれを賄えるわけではなかった。 そこでおもしろいことがあった。夫婦それぞれ会社からの給料日が違っていたのだ。一般的かつ普通には毎月25日が給料日というものだが、夫の給料日は26日で同居人は28日だったのである。 そのことに気がついたのは、同居を始めて最初の月末がやってきた時で、それぞれが「うちは26日だよ」「えっ、うちは28日」と言い合ったかして、どちらも25日ではないことを不思議がったのだ。 会社の経理セクションは、月の半ばまでは取引先との決済が行われるので、給料計算は半ばより後なり、25日あたりを給料支払い日として設定されたということのようだ。 なのに我が給料日が26日、同居人が28日というのは、いかなる事情によるものなのだろうか。夫婦顔を..

  • 謔話§一日一句~ちょっとショートカット~

    季語は・・・水温む 水温む 多摩川沿いの 抜け道を 【去年の今日】惜話§ノイマイヤー&ハンブルク・バレエ

  • 精話§世界文学全集

    父親が“少年少女世界の名作文学”全50冊を買ってくれたのは、小学校に入るタイミングだったと記憶している。 自宅に本は少なく、まとまった全集はこれが初めてのことで、まあまあ好奇心があったようで、家に届いたところでせっせと読み始めることになった。 世界のと謳ってはいるが、日本の“文学”も何冊か入っていた。夏目漱石の『坊つちやん』やら『太閤記』みたいなもので、いずれにしても原文ではなく、子どもが読みやすいように翻案がなされているものだ。 さらに“世界”のとなると、これが多彩で『飛ぶ教室』に始まって『長靴下のピッピ』から『ビーチャとゆかいな仲間』とか『クオレ』といたものまで小学生の感性などたかが知れてはいるが、それでも“それなり”の感性で読み進んでいったようである。 そんな50巻全部を完読したわけではなく、何冊かは途中で放り出してしまったものある。たぶん、読んでいてストーリ..

  • 無話§歌舞伎の客席~通さん場~

    歌舞伎を観始めて何に驚いたかというと、幕が開いても遅れた客がかまわず入場してくることだった。 クラシックのコンサートだったら考えられないことで、おおらかと言うならおおらかだが、きちんと開演前に着いて座っている客の前を自分の席に入るとは何という狼藉であろうかと、今でも思っている。 昔の歌舞伎中継の映像を見ていると、たとえば『勧進帳』で富樫が舞台に登場していても、ぞろそろと客が入ってくる様子を呆然と眺めることになるのだ。 さすがに『仮名手本忠臣蔵』の判官切腹の場は“通さん場”と言って、客が途中から入場することを禁止しているが、そんなことが珍しがられるわけで個人的には、そうした出入り勝手御免のような悪癖はなくすべきだと考えているのだが。 結局は、だらだらと変わらないままだが、自分が座っている前を“とりあえず”は、申し訳なさそうに殊勝な顔をして通っていくが、歌舞伎座の客席は..

  • 謔話§一日一句~騙されてたまるか~

    季語は・・・春の闇 携帯の メイルはスパム 春の闇 【去年の今日】片話§溜まりゆく紙の類

  • 顧話§今日の歴史~愛称はイモ電~

    1907年3月6日、玉川電気鉄道が、道玄坂上-三軒茶屋間で開業。 東京に出てきた時には、既に“玉電”は廃線となっていた。だから実際に走る様子を見たことはない。 元々が路面電車好きなので、通称“イモ電”が走る姿を見たら、さぞや喜んだことだろう。合わせて都電も、荒川線を残して姿を消していた。 そんな玉電の残滓を辛うじて残していたと思われるのが、京王線下高井から三軒茶屋の間を現役で走っている世田谷線で、今はモダンな車両に替わっているが、最初に見た時はまだまだクラシカルで鄙びた往年のそれだったのである。 昨今、宇都宮だったかで路面電車が新たに運用を始めたりしている。それをもって路面電車の復権だなどとは思わないが、公共交通の一つの形態としてあってほしいと思っているのだ。 《歴史のトピックス一覧》

  • 縁話§身の上相談のおためごかし

    新聞のコーナーや、週刊雑誌の見開きページなどに“身の上相談”がある。身辺の悩みなどを著名人が回答、アドバイスするというものだ。 ごくたまに辛口の回答があったりするが、その多くはおざなりというか、あまりにも一般的過ぎてそれじゃあ何の解決にもならないだろうというものが散見される。 そんな回答の典型的なものが“血を分けた親族、親子なんだから”なる定型的な物言いがあって「あ、それ無理だから」と思ってしまう。 自分にそうした経験がないからかもしれないが、親族や親兄弟間の争いほど始末の悪いものはないと、正に数多の実例が如実に語っているではないか。つまり“血を分けた……”云々は、実に手軽&安易な回答でしかないことがわかるということだ。 そして回答の多くが、正面から立ち向かうよう促しているが「それは無駄なことだからさっさと逃げなさい」と、紛うことなき本音を説く回答者はごく一握りでし..

  • 謔話§一日一句~ぱちぱちぱち~

    季語は・・・冴返る 焚き火爆ぜる 音冴え冴えと 冴返る 【去年の今日】週話§日曜枯寂~江戸城無血開城~

  • 行話§蟄虫啓戸~七十二候~啓蟄

    啓蟄の初候“蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)”である。 啓蟄がやって来た。ここまで来れば“春”と言ってもよかろう。一か月前であれば、6時を過ぎても世間は暗かったが、もう5時前には世間は明るくなる。夕方も18時を過ぎても明るさは残ってくれるのでありがたい。 啓蟄と呼ぶにふさわしく、何となくだが土はふっくらとしてきたように感じるし、我が家周囲の野鳥たちも元気に囀りだした気がする。 樹々に緑は戻ってきてはいないが、辛夷(コブシ)は白い花を開いたし、春の晴れがましさがありがたい。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 残話§スピアーズ対ダイナボアーズ[秩父宮]

    今季のスピアーズ低迷を象徴するような、秩父宮は雛祭りのゲームを観た。この日の観客は6,593人。8,000人は入ってほしかったが、寂しい客席……。 ぐずぐずと点が取れず、ダイナボアーズに先行されては追いつきを繰り返して、ようやくペナルティゴール2本で突き放しかけてやれやれと思ったところで逆転を許し、28対34で今季4敗目。この敗戦でプレーオフ進出が難しくなったことを認めるしかない。 ちなみに去年は60対22でスピアーズの完勝。 前節で、CャノンEグルスのS木監督が自チーム敗戦に「○×なゲーム」と記者会見で言葉を荒らげたが、この日のゲームも○×と言うしかない残念な一戦だった。 ワタシ的にゲームのターニングポイントになったと思われるのは、前半39分過ぎに、立川が蹴ったボールを木田が取り損ね、こぼれたボールをダイナボアーズウィングのベン・ポルト..

  • 謔話§一日一句~不思議な犬~

    季語は・・・雛の家 チャウチャウが モフモフ行きて 雛の家 【去年の今日】週話§土曜枯寂~喫茶店のオペレーション~

  • 如話§2024年2月の天気模様を振り返る

    2024年2月の東京の天気がどうであったのか、振り返っておこうと思う。 このリンクの日付をクリックすることで、各々の日のアメダスが確認でき、より詳細な気象状況をチェックできる。 厳しい冬とはならず、気温も乱高下……最高気温23.7度と、夏日になりかかりそうな日もあった。雪や雨の日も少なくはなく、少しばかり季節を先取りしていったような気がした。 2月は秩父宮でのラグビー観戦が3回あったが、凍えるような寒さとまではならず、念の為と用意していった携帯カイロまで使うことはなくて済んだ。 暦変わって3月となり、天気の変化は、いよいよ顕著なものになるだろう。 《天気のトピックス一覧》

  • 過話§上京五十年~下宿で自炊~

    予備校から大学と5年間の下宿暮らしの間は自炊で通していた。親からの仕送りが潤沢ではなく、当たり前のように自炊をするものだと思っていたので苦になることはなかった。 最初の2年は一人暮らし、3年目から弟と二人での下宿生活である。記憶は曖昧だが、どうも朝食を抜いていた節があり、昼は学食で食べていたので、夕食だけ用意すればよかったのだ。 炊飯器でご飯を炊き、おかずを一品と味噌汁……簡素なものである。ご飯は二人で二合……まだまだ食欲があったから、それくらいは事もなく平らげていたのである。 おかずの材料は、学校帰りに最寄駅のスーパーマーケットで、値札をにらみながら、1円でも安い食材をと頭を悩ませては買い揃えていた。作る料理も若い男そのもので、肉野菜炒めであるとか、具だくさんの豚汁を鍋一杯とか、とにかくご飯を食べられればそれでよかったのだ。 その程度の自炊だったので、料理の腕がど..

  • 謔話§一日一句~あっという間に~

    季語は・・・風花 跡形も なくて風花 のぞみ過ぐ 【去年の今日】珈話§チェーン系カフェのサイズ

  • 週話§日曜流転~高級時計をシェア?~

    一言で言えば“さもしい”としか思えないような事件である。 何百万、何千万円もするような時計を持つオーナーが“腕時計シェアリングサービス”に貸し付け、サービス会社はそれを第三者にシェアして、手数料を稼ぐという……らしい。 それが、どうやら立ち行かなくなって運営を終了。第三者にシェアした高級時計が戻ってくる見込みはないという。 “そもそも”そんな高級時計を持っている人間が、シェア手数料を稼ごうとするものだろうか。そのことだけでも、ずいぶんとさもしいと思うし、ましてや、自分が大切にしている――であろう――高級時計を、他人に渡して、第三者の腕に収まっているということが平気なのだろうか。 というわけで、この報道を見た瞬間、あまりのさもしさに何の同情も湧き起こらなかったのだった。なお個人的に“ロレックス”には一切興味はなく、何が欲しい?と聞かれたなら“Lange & S..

  • 謔話§一日一句~勉強不足~

    季語は・・・雪の果 一浪を 覚悟の朝や 雪の果 【去年の今日】過話§備忘録的な何か~2023年3月2日付~

  • 週話§土曜流転~三月ですか~

    3月……ですよ。 季節の進み具合はいよいよ早くなっている昨今、桜は春分の日のタイミングで咲き出して、4月に入る頃には散りかかるという東京である。 小学校に入学したのは既に60年以上前のことになるが、入学式の時の写真を見るならば、咲き誇った満開の桜の下に6歳の少年が佇んでいるのだ。 東京で、この先も入学式と桜がシンクロすることはないのだろう。個人的には、桜は4月に咲いてほしいと思っているのだが……。 《日常のトピックス一覧》

  • 謔話§一日一句~ついつい放置したまま~

    季語は・・・仲春 仲春や 五分遅れの 掛時計 【去年の今日】弥話§2023年3月の予定あれこれ

  • 告話§ビッグイシュー474号発売中!

    ビッグイシュー474号は3月1日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。ノバク・ジョコビッチが表紙。 表紙&スペシャルインタビュー ノバク・ジョコビッチ リレーインタビュー 荻原次晴(スポーツキャスター) 特集 ふくしまの13年 東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故が起きて13年が過ぎます。 今も福島の原発周辺の7町村には帰還困難区域があり、廃炉作業は最大の難関の燃料デブリの取り出しが始まらず、計画より遅れています。 さらに、1号機のペデスタルという原子炉を支える鉄筋コンクリート製の土台が壊れ、鉄筋がむき出しになっている状況が明らかになるなど、新たな問題も出てきています。昨年夏には、漁業者をはじめ多くの反対を押し切って処理汚染水の海洋放出も開始されました。 ..

  • 弥話§2024年3月の予定あれこれ

    月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。 3月1日の日の出は6時10分で日没は17時39分、月末の日の出は5時28分で日没は18時4分。一日がずいぶんと明るくなってきたと感じる。中旬の終わりには桜も咲くだろう。 さてさて、今月は忙しくなりそうだ。歌舞伎は三月大歌舞伎で、今月は昼の部だけを観る。菅原伝授の『寺子屋』は、菊之助の松王丸に愛之助の源蔵という顔合わせが珍しい。そして『御浜御殿綱豊卿』は仁左衛門が徳川綱豊卿を務める。真山青果脚本は苦手だが、観ずばなるまい。 そして『トリスタンとイゾルデ』祭りである。 何と新国立劇場と東京・春・音楽祭がそれぞれ上演するという悩ましい状況が生まれてしまった。そんな過密日程のやり繰りに頭を絞ったのは言うまでもない。新国の舞台は2010年に初演した時と同じなので、あまり期待はできない。とにかく音楽..

  • 謔話§一日一句~うるう年~

    季語は・・・二月尽 舌うちを する人のゐて 二月尽 《俳句のトピックス一覧》

  • 行話§草木萠動~七十二候~雨水

    雨水の末候“草木萠動(そうもくめばえいずる)”である。 去年は、2月の最終日に我が家近くにある“勝手に標準木”にしている辛夷が開花した。2月に咲くなどとは、最速も最速で驚いた。でまあ、今年はというと……昨日、少しだけ開花した。去年と同じ日の開花だった。 年々、春の花の咲くスケジュールが早まってきていて、だから3週間後には東京都内の桜が開花するといっても驚くにはあたらない。 そういえば、この冬の尾瀬の雪の様子を尾瀬ヶ原の山小屋に除雪に行った人がインスタグラムにアップしていたのだが、おおよそ例年の半分くらいしか積もっていないことに驚かされた。 尾瀬の春は、豊かな雪解け水によって育まれる。だから雪が多ければ多いほど、水芭蕉をはじめとして見事な群落が広がってくれるのだ。このままでは去年の5月に見たような…… ……かくも寂しい下ノ大堀川の水芭蕉ポイントに..

  • 短話§はい! 如月二月終わります

    人生18回目の閏(うるう)年である。つまり、生まれてから夏季オリンピックが18回開催されたということだ。 記憶にあるオリンピックは1960年のローマ大会から1972年のミュンヘン大会くらいまでで、それ以降は断片的に覚えている程度でしかないが、たまたま海外旅行中だった時に、ほとんど時差がなかったりして暇つぶしにテレビ中継を眺めていたことはある。もっとも、ローマ大会の記憶は父親に連れられて観たモノクロのオリンピック記録映画で、コロセウムの前を裸足のアベベが走っているところだけが記憶にあるのみだが。 だが、本当に2021年の東京オリンピックはほとんど何の記憶もない。多くの人が同じ思いを抱いているのではなかろうか。 というわけで、オリンピックの年が閏年に当たると知ったのはいつのことであっただろう。そんなわけで、一日か二日短いだけなのに2月はあっという間に終わってしまうような印象…..

  • 謔話§一日一句~もう一日ある~

    季語は・・・如月 如月を 惜しむ人あり 終電車 【去年の今日】限話§繰り返される炎上~ネットの黄昏~

  • 活話§高度経済成長の頃

    この世に生を受けたのは1954年。第二次世界大戦の敗戦から10年も経っていなかった。まだまだあちこちに戦争の爪痕が残っていたはずである。 既に戦後復興から、いわゆる高度経済成長へと舵を切っていて、そんな中を成長していったのだ。つまり、いい意味でも悪い意味でも経済成長の恩恵を受けた世代であることは間違いない。 まだまだ世間の様子は貧しいものだったが、それでも前を向いて進んでいくそんな姿勢ははっきりしていた。そうしたことの大きな象徴が、東海道新幹線の営業開始であり、東京オリンピックだった。1964年のことである。 そうした中で、小学校から中学、高校と進み、1974年には一浪の後に大学へ入学。就職活動に邁進した頃、景気が少し落ち込んでいたからかどうか、就職難であるように感じつつ、そこをすり抜けて何とか職にありつけたのだ。 バブルが起きたのは、それから数年後のことだったが、..

  • 圧話§LPレコードのミスプレス

    LPレコードを聴いていたので、1970年代半ば過ぎのことである。無謀にもアルバイトでもらった給料をはたきまくって、アルヒーフ・レーベルが売り出した百枚組のバッハ大全集を買ってしまった。 その当時、バッハの作品はというと、ブランデンブルク協奏曲あたりとかフルートソナタ有名なオルガン曲くらいしか知らず、いい機会だと張り込んでしまったのである。 下宿の部屋に並んだ全11巻百枚組は壮観で、さてそれでは何から聴こうかと最初に目をつけたのがマタイ受難曲……バッハといえばマタイ受難曲ではないかと、厳かにプレイヤーの針を下ろした。 1枚目A面……何やら延々かつ淡々ととオルガンの音楽が鳴り続けるばかりで、人間の声が一向に聴こえてこない。業を煮やしてB面を聴いてみると、妙なるソプラノのアリアが聴こえてきたのだが、それではA面の音楽は何であろうか。どうやらマタイ受難曲とは別物なのではな..

  • 謔話§一日一句~あと30分~

    季語は・・・春愁ひ 眠り浅く 目覚めの朝や 春愁ひ 【去年の今日】仇話§二月大歌舞伎第三部~仁左衛門~

  • 珈話§1杯のコーヒーから

    家で飲むコーヒーは朝の1杯だけである。 もう30年くらい変わらぬコーヒー豆を焙煎する店で豆を買い、ミルで挽き、ペーパードリップで落としているのだ。 電動ミルに替えてから、出来上がりの歩留まりはよくなったと思うが、相変わらずまだまだとしか思えず……30年以上淹れていてもこんな状態であるとは情けなや。 それでも、毎朝の“らしい”コーヒーを飲めば、何がなしほっこりとして、一日の始まりを感じられる。というわけで、朝に1杯のコーヒーで、気分が盛り上がってくれるのである。 《コーヒーのトピックス一覧》

  • 毛話§整髪料は“シーブリーズ”

    整髪料の類を使い出したのは中学生の頃だったか。発売して間もないMG5の、最初はヘアリキッドだった。これは髪の毛に振りかけてマッサージしているうちに、少しばかり粘りだして、整髪しやすくしてくれるのだった。 しばらくすると、そんな不自然さを嫌って、ヘアトニックに鞍替えしたが、粘るわけではなく、単に寝癖を直す程度であり、ちょっとした香りづけとでもいった感じだった。しばらくはMG5のトニックだったが、新しく登場した“ギャラック”の香りが気に入って、結婚してからもひとしきり愛用していたが、残念ながら製造中止になってしまったのだ。 そうして、今使っているのは“シーブリーズ”という、本来は何ちゃって化粧水なのだが、理髪店で頭に振りかけているのに目をつけて使うことにしたのである。 あっさりとしたメンソールの香りが付いている以外は、ほとんど水みたいなもので、とても整髪料とは呼べないが、ワタ..

  • 謔話§一日一句~カメラを持ち歩いて~

    季語は・・・春めく 春めける シャッター音の 軽さかな 【去年の今日】週話§日曜枯寂~だそう…嫌いな言葉遣い~

  • 楽話§ブレイブルーパス対イーグルス[秩父宮]

    雨続きの2月下旬にポッカリと一日だけ快晴に恵まれた秩父宮ラグビー場。今季絶好調のブレイブルーパスと、4節でデクラークを、5節でクリエルという大駒2枚を負傷で欠くことになったイーグルスの一戦を観てきた。この日の観客は13,581人と上々の入り。 ↓アップ中のイーグルス田村優 ↓トライ後のコンバージョンを蹴るモウンガ 結果は予想したとおりでブレイブルーパスが27対7での快勝。イーグルスは“普通のチーム”になってしまっていた。たらればだが、デクラークが9番でプレイしていたら、もっとファンタジーを感じさせる試合運びになっていたかもしれない。 ブレイブルーパスは、モウンガがすっかりチームに溶け込み、15人の核という存在が強固に感じられて守るも攻めるも自在だし、何よりミスをしないという印象である。この安定を維持していけば、今季は優勝争いに残る可能性は高いだろう。..

  • 懐話§過去はよかったか?

    郷愁とはまったく別に、過去が事実としてどういう時代だったのか考えるべきことがある。誰でも過去を美しいものと見立てる……だが、それほど美しいものでなかったことに思い至るのだ。 昭和ですら、昭和四十年代あたりまでの町の汚さはどうだろう。その当時の映像に残っていなくても、バキュームカーや糞尿を回収するトラックが町を走り回っていたり、おっさんたちは路上に煙草の吸殻を捨てまくるし、痰をあたりかまわず吐き出していたし。 そんな様子を覚えているのかいないのか……なぜかわからないが、人はいい記憶だけを大事にして過去を美化するようである。 そうした外面的なことばかりではなく、人の社会もまだまだ改善途上で、人権の類が蔑ろにされていたことは、その時代の多くの出来事が如実に語っていることではないか。 過去をそうして回顧することで、人は免罪符的な何ものかを手に入れようと考えるのだろうか。だが..

  • 謔話§一日一句~水耕野菜~

    季語は・・・水温む 陽だまりの中の 豆苗 水温む 【去年の今日】週話§土曜枯寂~例によって二月~

  • 週話§日曜流転~映画館があった~

    実家があったあたりは、町の中心街で、ちょっと歩くとスナックや居酒屋、バーなどが林立していた。 今だったら色めきたって徘徊したかもしれないが、アルコールの“あ”の字も知らない十代にとっては、ちょっと派手めな外観の街並みでしかなかったのだ。 その代わりではないが、歩いて2分以内に映画館が3館あった。東宝系、日活系、洋画封切である。小学生の頃にもっぱら通ったのは東宝系の映画館でおめあては円谷監督の特撮映画だった。 『ゴジラ対キングコング』や『モスラ対ゴジラ』といった作品から観始めた記憶だが、観ていたのは小学生時代で、中学に入ったら特撮映画熱はあっさり消え去ってしまったのである。 当時は二本立て上映がデフォルトで、おめあての特撮にもう一本……例えば“社長シリーズ”や“駅前シリーズ”などの喜劇ものと“若大将シリーズ”がお約束なのだったが、社長や駅前は適当に見つつ、他愛のない青..

  • 謔話§一日一句~読んだ気になって~

    季語は・・・獺祭 獺祭の ごと積ん読の 有り様よ 【去年の今日】豚話§ラグビー観戦後のお楽しみは

  • 行話§霞始靆~七十二候~雨水

    雨水の次候“霞始靆(かすみはじめてたなびく)”である。 空の青さが心もち薄まってきたようだ。水蒸気が増えてきたせいか、地平線のあたりが霞んできているように見える。 まだまだ寒いが、暦が変わったら春の花が咲き出すなどとは、毎年のことながら“すぐそこにある春”を感じるのが今時なのだ。 3月に入っても季節は冬で、まだまだ冬の厚い上着は手放せず、そうして外出したらしたで、寒さの中に春を見つける……去年、辛夷(コブシ)が開花したのは2月28日のことだった! 《七十二候のトピックス一覧》

  • 週話§土曜流転~大きな車~

    今年で、運転免許取得からちょうど40年となる。30歳になったタイミングで取ったから、やや遅めといえば遅めな取得年齢である。 今乗っている車で4台目。排気量は1500㏄から始めて、2000㏄、2000ccと続き、4台目は1200㏄となった。 運転勝手は、今の車が断然楽ちんで、今さらながら2000㏄の車に乗る必要はなかったと思っている。第一に大きい、第二に燃費が悪い……高速を走ってもトータルで2ケタに届くことはないが、今の車は45リットル満タンにすれば、600km以上は楽々走ってくれる。下の道だけでも500kmは走ってくれるのではないか。 そもそも家族二人しかいないのに、3ナンバー&2000㏄は不要だったのだ。 というわけで、燃費のいい1200㏄の車は使い勝手がいいので重宝しているが去年で10年超となり、最後になる車と思っているが、あと数年ほどで手放すことになる。 ..

  • 謔話§一日一句~見つけた~

    季語は・・・蕗の薹(とう) 路傍(みちばた)に 幸せのあり 蕗の薹 【去年の今日】無話§ノーサイドとフルタイム

  • 呟話§一言つぶやき~確定申告~

    今年も無事に確定申告を済ませて、あとは還付金が振り込まれることを…… ……待つのみだが、こうして我々国民はきちんと収入を申告しているけれど政治家と呼ばれる人たちは、せっせと裏金を溜めこんでは、その数千万円の金が表沙汰になるや“不記載を修正”して、あとはばっくれるという、いかに自分たちに都合のいいシステムを作り上げて、しかもその恩恵に浴して、知らん顔を決め込んでいるというのは、本当に狡猾であるとしか思えず、郵送する確定申告書の中に何か皮肉な一文でも差し込んでやろうかと考えたが税務署の職員のみなさんもまた、善良な公僕(であろう)と思い直したのだ。 《つぶやきのトピックス一覧》

  • 罰話§ラグビーと反則

    ラグビーという球技をわかりにくくしているものに反則(ペナルティ)があって、それは観戦歴半世紀を誇りながらもニワカであり続ける大きな理由ではないだろうか。 単純な反則としては、ボールを手で扱おうとして前に落とすノックオンであるとか、自分より前にいる味方にボールをパスするスローフォワードあたりはともかく、とにかくわからないのはオフサイドである。サッカーのオフサイドであれば、どういう状況なのか把握できるけれど、密集の中のオフサイドは何が何だかわからない。 その他。特に密集の中のノットロールアウェイ、オーバーザトップといった反則も遠目ということだけでなく、わかりにくい反則に類している。さらにスクラムやモールのコラプシング……特にスクラムを故意に落とした時に、そうしたのはどっちのチームなのか、素人目にはわからない。押されているチームがコラプシングを取られるのはわかるが、押している..

  • 謔話§一日一句~暖かい遊歩道で~

    季語は・・・春兆す 春兆す 野良は巧まず 大欠伸 【去年の今日】侘話§未練たらたら~フォークソング~

  • 吃話§今日の一枚~舞踏会の手帖~

    オーストリアを旅行していた時に、アンチックの店で見つけたのがこの…… ……“舞踏会の手帖”である。シューベルト生誕百周年を記念して催された(らしい)舞踏会のための手帳と思われる。ネットを駆使して調べてみたが、この舞踏会についての具体的な由来を見つけることはできなかったが、こちらに詳細が掲載されているのを見つけた。 手帳といっても、小さな箱のようになっていて、中に数枚の紙片と外側には鉛筆が差し込まれていて、舞踏会で踊る順番や、逢い引きの予定などを書き込んだ当時の淑女の“恋愛の小道具”なのだ。 まあ、携帯電話の番号やメアドを教えてもらうのと大差などなく、何百年の年月を経ても人間がやることはほとんど同じということがわかるのである。 そしてシューベルトは、先月末に生誕227年を迎えた。 《ブログのトピックス一覧》

  • 顧話§今日の歴史~時代の徒花~

    1999年2月22日、NTTドコモがiモードのサービスを開始。 ドコモが携帯電話の“ガラケー”に搭載させたのがiモードである。これを使ってメイルのやり取りやインターネットの閲覧ができるようになった……だが、そのことが災いして、日本におけるiPhoneのようなスマホの導入が遅れることになってしまったのだ。 確かに、やむを得ない部分はあったかもしれないが、そこに何らかの融通のような余地でもあれば、また違った展開があったかもしれない。開発した当時は意気軒昂であったことは間違いないと思うが。 時代の趨勢の中での徒花であると言えなくもなく、だから個人的には、この機能を使うことはほとんどないまま、間もなく我がガラケーも終わりを迎えるのである。 時として人間は、自分たちが開発した技術を一番として任じ、その後に続くものだと思い込んだ結果、こうした残念な状況が現出し、にっちもさっちも..

  • 謔話§一日一句~残念な帰り道~

    季語は・・・春寒 春寒や 秩父宮の 負け試合 【去年の今日】完話§スピアーズ対ダイナボアーズ[第8節]

  • 濡話§屋根のあるスタジアム

    スタジアム話を続ける。 3シーズン目のラグビーリーグワンも折り返しを迎えようとしている。これまで数試合を観戦しているが、観戦している座席は“高齢者”のことゆえ、屋根のある、主にメインスタンドなのだ。 かつて、バリバリに元気で社会人ラグビーを観ていた頃は、秩父宮で一日に2試合行われるのに開門前から待って、当時は自由席だったバックスタンドで、元気に太陽を浴びていたのである。 そんな時期はとうに過ぎて、今はせめては雨をしのぎたいと屋根の下で観戦するようになった。 大好きな秩父宮なれど、屋根はメインスタンドと南側ゴール裏にしかない。そしてメインスタンドの屋根も前半分は被っておらず、だから後ろ半分の席を選ぶ必要があるのだ。 古いスタジアムの屋根事情はそんな感じだが、よく出かける味の素スタジアムであれば、満遍なく屋根に覆われていて、少なくとも後方に座りさえすれば、..

  • 継話§オリンピックのレガシー?

    1964年に開催された第18回東京オリンピックの“レガシー”は多い。当時はレガシー(遺産)などと呼ばれることなどはなかったが、錚々たる建築設計家がデザインした競技場は、古びることもない。当時、いかに彼らが持てる力を発揮して取り組んだかがわかるというものだ。 上は、年に一度くらいは出向いているのは、芦原義信が設計した駒沢オリンピック公園の陸上競技場と体育館、その間の広場にはオリンピック記念塔が建っていて、落ち着いて凛とした佇まいを見せている。 さらに、勤めていた会社の近くには山田守が設計した日本武道館が伝統的な姿で存在を主張している。 最後に、丹下健三が設計した代々木屋内競技場のフォルムの美しさよ。これらが、建築されて60年経ったとはとても思えない。まさにレガシーと呼ぶにふさわしい建築群ではないか。 ……それに比べて、直近で行われた東京オリンピ..

  • 謔話§一日一句~走る人少し増えて~

    季語は・・・水の春 ジョギングの 人行き来して 水の春 【去年の今日】暮話§4階は遠くて3階は・・・・・・

  • 説話§今日の一言~高度1万mですから~

    よかったわね、晴れて! ある年、羽田を離陸してミュンヘンに向かう飛行機に乗った時のことだ……水平飛行に入って、機内が落ち着いた空気になった、そんなタイミングで、一人の女性が連れの女性に発した言葉である。 まあ、写真のような風景を見ながらの言葉だとは思うが、何とも長閑ではないか、などと思いつつも“あ、あのねー!”とツッコミを入れたくなる……そんな一言なのだった。 《日常のトピックス一覧》

  • 連話§ワタシの酒肴[181]フライドポテト

    [承前] フライドポテトについて書いたことはあったかな……まあいいや。 皮付きと皮なしとどっちが好きかと聞かれたら、どちらでもOKだけれど、カリカリッとした食感に皮付きは合わないだろうと考えるほうではないか。 それで、ポテトの外がカリっとしていた中がふんわり柔らかいのと、某ハンバーガー・チェーンの細長く全般カリッとしたのとでは、後者の方が好きなように思う。 もっとも、もう長いこと“M”のフライドポテトからはご無沙汰なので、今どうなっているのか知りようがない。 ビール主体の店に行くとフライドポテトを食べることはあるが、単品で注文することはなく、ソーセージとか、そういった別の料理の付け合わせとして出されるフライドポテトを食べるのは、単純に食べる量が減っているからである。 昔からじゃがいもの類は好物だったが、五十代以前ほど食べられなくなってしまっていて、だから..

  • 謔話§一日一句~陽だまりほっこり~

    季語は・・・寒戻る 寒戻る 煎茶熱めの 午後三時 【去年の今日】週話§日曜枯寂~理解者~

  • 行話§土脉潤起~七十二候~雨水

    雨水の初候“土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)”である。 雨水の初候……そして季節は進む。 とはいえ、立春過ぎた頃は雪の時季でもある。2月から3月半ばくらいまで南岸低気圧が到来しようものなら、条件反射的に“雪!”一文字が頭の中を駆け巡る。 それほど関東に降る雪はこのタイミングに集中するのだ。それはまた、春の先触れとも言えるわけだが、そうはいっても厄介な降雪とも言えるけれど。 およそ、数センチも積もれば道路が機能しなくなる首都圏のことゆえ、外出しないほうが圧倒的に吉なのだが、我々のような年金生活者ばかりではないゆえに、電車も止まってしまったターミナル駅から、ポツリポツリとしか来てくれないタクシー待ちの長い行列の映像がニュースのネタとして流れる。 さらに、凍結した道路で滑って転ぶ人たちの様子も合わせて“雪に弱い”とか見出しがついて紹介されるのもまたこの季節なら..

  • 過話§備忘録的な何か~2024年2月19日付~

    2月5日……昼頃から本格的な雪模様になった。雪粒も小さくなって、積もるぞと思ってたら、そのとおり、ほんの4時間ほどで真っ白になっていた。 雪除けをしようと思っていたが、気がついた時は数人の有志が進めてくれていて、あらかた除けてくれたのである。 水分多めだったようで溶けるのも早く、車道や歩道にはほとんど雪が残ることはなかったが日陰の雪は10日ほども融けずに残っていたのだ。 2月15日……前年の確定申告書の作成が完了、即プリントアウトして郵送で送った。 特に去年は、医療費の支払いが多かったので、しっかり戻してもらうべく、記入作業を迅速に進めたのだ。例年どおり、国税庁ホームページにある申告書作成ページを開いて、数字を入れ込んでいけば、まあまあ簡単に申告書ができあがる。 最初に、同居人の申告書を作成した。同居人は源泉徴収票が3枚ほど程度なので、ものの一時間もかからずに..

  • 謔話§一日一句~音楽はデリケートに~

    季語は・・・薄氷(うすごおり) ドビュッシーの ピアノタッチや 薄氷 【去年の今日】週話§土曜枯寂~2階の職員室~

  • 週話§日曜流転~ビデオ判定~

    スポーツの、特に球技でビデオ判定が積極的に採用されるようになったのは世紀が明けて以降のことではなかろうか。 日本におけるビデオ判定の先鞭をつけたのは、とかく伝統的で因習に縛られていると見られている大相撲であるとは、若い人は思いもよらないかもしれない。 1969年の三月場所で、横綱大鵬が45連勝を記録したが、連勝がストップした一番は誤審だったのである。これが問題となって、翌五月場所から物言いの時にビデオを導入することになったのだ。 日本のプロ球技における導入の状況はというと、プロ野球は2010年から段階的に、ラグビーのトップリーグがTMO判定を2014年からスタートし、サッカーJリーグは2020年(ルヴァン・カップは2019年)から始めている。 早かったのはテニスの自動判定で、2006年の全米オープンから導入が始まった。だが、いずれにしても大相撲のビデオ導入の早さは圧..

  • 謔話§一日一句~ほぼボランティア~

    季語は・・・山焼き 山焼きや 消防団の 下支え 【去年の今日】甘話§祖母の実家は和菓子屋

  • 週話§土曜流転~文化への敬意~

    昔も今も、政治家であれ、経済人であれ、敬意を抱いて文化事業に力を入れるような人は少ないと思っている。多くは“自分にとって得かどうか”という物差しでしか考えようとしていないように見えてしまう。 当然ながら文化に対する知識も乏しく、最悪なのは蔑ろにしようとさえする低レベルな人間もいる……いつぞや、大阪市長が文楽に対する助成金減額を打ち出したことを思い出す。 自国の文化に対しての知識も持ち合わせず、そのくせ“日本スゴイ!”みたいなことを言いたがるという品性の貧しさよ。 などと嘆いていたところで、中には文化にきちんとした態度で接している人もいらっしゃったことを思い出す。某金融機関の要職にあって、我々のような人間とも気軽に文化についての話題を話すことができたのだ。 ニューヨークに駐在していた時には、メトロポリタンオペラに通い詰めて、帰国後はそうした文化事業を裏から支えていたの..

  • 謔話§一日一句~ちょっと殺伐~

    季語は・・・風花 風花が 吹き抜けていく 曲がり角 【去年の今日】拝話§お地蔵様の縁日~毎月二十四日~

  • 吃話§今日の一枚~びよらー~

    正しくは“ヴィオラ”であるが、ヴィオラという楽器には色々と微妙な…… ……性格を持っている節があって、時にヴィオラ弾きの自嘲のようなものも漏れ伝わって来て、それはそれで皮肉なユーモアを感じなくもないのだ。 そんなヴィオラを“びよらー”と称したトートバッグを作ってしまったのはわがSNS繋がりの知り合いである。 ヴィオラ・ジョークを最後に一つ……一人のヴィオラ奏者は、演奏する前に一枚の紙片をポケットから出して読んで、それをポケットに戻していた。それが気になっていたオケの同僚が、椅子の背にジャケットを掛けているのを見つけてポケットからそっと紙片を取り出すと、そこに書かれていたのは、 ヴィオラは左手、弓は右手 《ブログのトピックス一覧》

  • 害話§劇場にスマホの着信音が鳴り響く時

    ここ何年かの間に、ガラケーからスマホへの入れ替えが進んだようで、街中でも高齢者のスマホ持ちが顕著に増えたことを感じる。 そして今般、劇場の客席内で着信音が鳴り響く事態が頻繁に発生するようになったのだ。 先月、新春浅草歌舞伎が行われた浅草公会堂は、携帯の電波遮断装置の設備がないことで、あらかじめ携帯の電源を切るようにと、くどいくらいに案内していても、鳴らぬ日はないくらいである。 歌舞伎座ではこんなこともあった。歌舞伎座は電波遮断装置が設備されているが、5Gになったからかどうか、客席内に電波が届いているとしか考えられず、時折鳴ることも珍しくなどはなく、先月にいたっては、一階の客席で延々となり続けた挙句、電話に出て会話を始めたという有様なのだった。 とにかく、客席内での携帯電話着信音についての対策が遅れているのは、普通に観劇している客、そして舞台にいる役者が被害者であるこ..

  • 謔話§一日一句~熱戦ヘボ将棋~

    季語は・・・春障子 持ち駒は 飛車角香車 春障子 【去年の今日】愉話§俯瞰する~音楽もスポーツも~

  • 告話§ビッグイシュー473号発売中!

    ビッグイシュー473号は2月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。ボーイジーニアスが表紙。 表紙&スペシャルインタビュー ボーイジーニアス リレーインタビュー 上村愛子(フリースタイルスキー・モーグル) 特集 生きもの道、生きものの巣 生き物を観るには郊外や野山に出かけなくてもいいと話すのは“生き物の通り道”を熟知する、佐々木洋さん(プロ・ナチュラリスト#59190;)です。「スマートフォンから目を離して空を眺めてみたり、通勤の途中でも緑地や歩道で立ち止まり意識してまわりを眺めてみると、ここにもあそこにも生き物の通り道がある」と言います。 一方で、そんな生き物たちの多くは、新しい生命を生み育てるための基地として巣、ホームをつくっています。哺乳類、鳥、昆虫などの生き物が多様な地球..

  • 偲話§猿若祭二月大歌舞伎~勘九郎~夜の部

    今月は三連休が2回あって、最初の三連休最終日に夜の部を観てきた。猿若祭と銘打った十八世中村勘三郎十三回忌追善興行である。 勘九郎長男勘太郎の猿若で猿若江戸の初櫓から、芝翫の『義経千本桜~すし屋』と続き、最後が勘九郎が親獅子、次男長三郎の子獅子で『連獅子』である。 ↓今月は中村座の定式幕が使われる 『猿若江戸の初櫓』は勘九郎が務めていた猿若を勘太郎が踊ってみせたが、さすがに荷が勝ち過ぎていたと感じた。七之助が出雲の阿国で好サポートしてはいたが、そこはやはり“子ども”と感じてしまう……指先まで神経を行き届かせて丁寧に踊ってはいたけれど。 さて、芝翫がいがみの権太を務めた『義経千本桜~すし屋』であるが、芝翫に花がない。脇はよく締まっていた……歌六の弥左衛門、時蔵の弥助(維盛)に息子の梅枝がお里、新悟の若葉の内侍、又五郎の平三景時、梅花の弥左衛門女房お米と揃って..

  • 謔話§一日一句~読書は眠くなるまで~

    季語は・・・冴返る 冴返る 九ポイントの 文庫本 【去年の今日】過話§備忘録的な何か~2023年2月14日付~

  • 行話§魚上氷~七十二候~立春

    立春の末候“魚上氷(うおこおりをいずる)”である。 春めいては……まだまだである。 東京の日の出は6時29分、6時頃には東の空が薄っすらと明るくなる。日没は17時半に近づいて、18時近くまで明るさが残るようになってきた。 寒さの底もピークを過ぎつつあるが、雪が降るのもまたこの時期が多いので油断はできない。いつ何時“豪雪”に見舞われないとも限らない。積もったら積もったで、雪除けが待っている。 スノースコップを手にして、30分くらいはせっせと我が家近くの歩道の雪をどかして歩きやすくしておく。そうして雪除けに出てくるのは数人もいるかどうかだが、黙々とやれる範囲を片付けて家に戻っていく。 先週の月曜日、我が家のあたりは10cmほどの積雪があって、雪除けをどうしようかと思いながらタイミングが合わず出動せずだったが、何人かがせっせと除けてくれたのはありがたかった。 ..

  • 連話§ワタシの酒肴[180]鶏唐揚げ

    [承前] 偏食だった子どもの頃は、肉の類を受け付けなかった。どうにか少しずつが食べられるようになったのは中学以降のことだが、それでも鶏肉を食べることはなかった。 東京に出ていく前後だったか、高校生の頃だったか、同級生たちと入った店で同級生が注文したのがフライドチキン。不承不承で口にしたら、まあまあ食べられないことはなく、とりあえず克服できたと思ったが、そのような洒落た食べ物を出す実家ではなく、しばらく鶏のから揚げを口にすることはないままに時は過ぎ……。 昨今の鶏唐揚げブームである。それではと唐揚げの店で買い求めることもあるのだが、不味くはないけれども、鶏肉がしっかり締まり過ぎているからかワタシ的には食べるのに苦労する。 そこで愛用しているのが、日常使いのスーパーマーケットの総菜売り場で売られている鶏唐揚げで、これは値段も安いが、肉もほどほどに柔らかくて、年寄りにはあ..

  • 謔話§一日一句~とはいえ寒い~

    季語は・・・寒明 寒明や 猫は日向の 昼日中 【去年の今日】節話§二月大歌舞伎~松緑の和尚吉三~

  • 顧話§今日の歴史~また来たぜ!~

    1854年2月13日、ペリー米東インド艦隊司令長官が再来航。 昨今“「江戸時代=鎖国」ではなかった”なる論調が主流になりつつあるが、確かに受け入れ口はオランダや中国に限られていて、完全に門戸を開いていたわけではなかった。だから、アメリカがやって来て貿易しましょうと、半ば“強圧的”な態度を取った時、時の幕府の対応は実に神経質なものだと感じたのだった。 そんな対応が弱腰と見られたからかどうか、徳川幕府瓦解の大きなきっかけとなったことは否定できないだろう。 そして、別の意味で今の日本が“内向き”であることも否定できない現実であると考えている。様々な意味でマイナス要因満載な現状を見て見ぬふりで逃避行為に走る様の典型は……日本スゴイ!みたいな論調のオンパレードから見て取ることができる。 多様性の否定に始まって“外”を拒否する動きは、もはや明治維新以前の日本以上に症状が進んでい..

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