たくさん書いてきました何を?どこへ向けて?空(くう)に向かって空洞を描いては消える何もかも何にもならずに消えていくなんだかとてもとてもとてもむなしいです無題
【淡い光】集めた欠片を寝床に敷き詰める欠片には仄かな光がありそれらは不規則な輝きで部屋を照らす金星の旅人を思う旅は別れの連続で別れはそれぞれの淡い光を放つのだと旅人は言っていた色とりどりの旅の欠片は夜と共に漆黒となり別れの淡い光を欲しがるdrop70『淡い光』drop70.淡い光
何もかも霧の向こうに逝ってしまったとしても人々も世界も静かにとても静かに消えてゆくものだから人々は消えゆくものたちを夢幻の中で抱きしめて物語を埋める破滅と再生の星の上でdrop69『何もかも霧の向こうに逝ってしまったとしても』drop69.何もかも霧の向こうに逝ってしまったとしても
【霞】辺りを覆う静けさはこの白い霞とともに広がるのだろう遥か向こうに滲む灯りあれは誰かが持つ灯火なのだろうかそれとも世界の終わりの標なのだろうか霞の川面で思い出したように水鳥が跳ねる向こう岸に置き忘れた記憶がまた流れて往くdrop68『霞』drop68.霞
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たくさん書いてきました何を?どこへ向けて?空(くう)に向かって空洞を描いては消える何もかも何にもならずに消えていくなんだかとてもとてもとてもむなしいです無題
星玉の幻想話、全300話を書き終えました。当初は100話で止めるつもりでしたが、ここまで来てしまいました。約七年、長い時間がかかりました。その間もその前も、いろんなことがありました。書いていくこと、生きていくこと、暮らしていくこと、葛藤もたくさんありました。息も絶え絶え、ようやくここまで辿り着いたような感じです。もうだめだもうだめだと、何度も思いながら青息吐息、浮かぶ幻想のまま、キーを打ちました。自分にはこうして書く他なかったのだと、改めて振り返ってみてそう思います。ブログを訪れてくださった方、私の拙い文を読んでくださった方、本当にありがとうございました。KitamoriMio最終話を掲載し終えました
【夢幻航路】夢幻航路という船の道があるという星の港の最終便に乗るとこれがその船なのだと船員は言う星の果てを目指す航路銀河に昇る汽笛を耳に残し標の星を仰ぎ銀の星を数える旅が刹那の時が魅せる夢であるようにこの星の航路が美しい夢幻であるように今宵長く愛したペンを置こうdrop100『夢幻航路』drop100.夢幻航路
【星降る夜】別れの時魂が一瞬輝くように見えるのは何故あれはこの星で分かち合う人々の成す灯火なのだと教えてくれたひとは居ず刹那に燃える火は彼方に輝く星の瞬きに似るのだろうか星降る夜どうか星のかけら一粒を燃やす灯火の下愛しさだけ抱くことができますようにdrop99『星降る夜』drop99.星降る夜
【幸歌】野花を見て海を見て夕暮れを見て銀河を見て何かがどこかにあると思うようになったのはなぜ追いかけても追いかけてもそれは夢幻を追うような彼方に向かう旅のようなペンを下ろした紙の上かけらを散りばめて銀色に塗ることがただ一つ出来ることだった(銀のかけらを歌う最終章に)drop98『幸歌』drop98.幸歌
【星物語】海鳥の鳴き声を頼りに海へ向かうあれは星の港を往き来する鳥港で出会い別れる誰かの痛みを嘆き時に喜び朝な夕な絶えることなく鳴いているのだその物語は星の物語を綴った本に語られているただ一つの物語を残し作者は遠い航路に旅立ってしまったというdrop97『星物語』drop97.星物語
【星音】星がひとつ流れた時音が聞こえた「あれは星の流れる音でしょうかそれともどこかで誰かが歌い奏でているのでしょうか」あなたの問いかけにずっと答えられず流星に音があるのなら過ごした季節に流れた音であってほしいとただそれだけを願い深い夜に耳を澄ますdrop96『星音』drop96.星音
【風の旋律】風が吹いていた遠い星の旅の果てにおだやかで美しい風が持つ旋律を奏でながら舞っていたその記憶を持ち帰り紙の上に並べたあの旋律を言葉にしたくて幾度も並べた並べては崩し並べては崩しdrop95『風の旋律』drop95.風の旋律
【銀色の彼方】雨に星の欠片が混じっているのだろうか旅の途中銀色の欠片が幾つも刺さった忘れたことは忘れていなかったのだと欠片が降る度に気づくすべてが美しい水の上に浮かぶように世界が浮かべばいいのに濁ってしまった雨の先さえ銀の灯りで照らし出される世界が浮かべばいいのにdrop94『銀色の彼方』drop94.銀色の彼方
【深海】深海に沈んだ声を聞きたくて海を探し海に沈み声と思うものを抱きしめた世界が変わっても抱きしめていようと声をころしてdrop93『深海』drop93.深海
【砂漠】砂漠の兎は砂をかき分け穴を掘っていたなぜ問うても兎は答えずその姿がいじらしくて一緒に掘った星の瞬く頃兎の姿は消えてしまったやがて私もこの星を去るもう会うことはない砂に埋もれながら星を見た会うことはないとわかっているものたちの星を見たdrop92『砂漠』drop92.砂漠
【星秤】測るのは止めることですよと、星を渡る旅人の言葉を明け方不意に思い出す彼は今どの星にいるのだろういやもうどの星にもいないのかもしれないいないということそれは絶望なのか安らぎなのか旅の途中夜は明け日は暮れ秤のない重力に埋もれてゆくdrop91『星秤』drop91.星秤
【新月船】月の見えない夜船は黒い海を進み先には夜だけが広がる船の中で出会った旅の楽師は長い時間一つの曲だけを奏でている幾時代も継がれてきた古い浪漫の歌なのだそうだ波音に重なってはまた離れ弦の音は海に放たれる夜は深くなるdrop90『新月船』drop90.新月船
【水際】行き着いた水路は入り交じった記憶のように幾つにも分岐していた辿っていけば、会えると思った。れだけでよかった、と思っていた霞んだ水路の果てはすぐそこなのか遥か先なのか頑なな思い出を握っては放し握っては放しdrop89『水際』drop89.水際
【夢現】星の宿で長い季節を過ごした毎夜夢を見たおぼろげであいまいな風景の連続が走ってゆく古い日記のような夢だったそれは時という夢なのだと覚めて気づく夢現、流れるものに頼る根拠などなく明け方の痛みだけが長く残ったdrop88『夢現』drop88.夢現
【浜辺】浜辺に「虹」を探している魚がいた「海の中から虹を見たのですその美しさが忘れられなくて…でもあの時の虹は二度と見ることは叶わない」と魚は体を震わせ乾いた目から海の雫をこぼす長く空と海を見つめていた魚の姿が消えたのはいつのことだったか浜辺の人は誰も覚えていないというdrop87『浜辺』drop87.浜辺
【切符】古い切符を旅の鞄に入れる線路を辿り夢を見ては覚めまた夢を見ることだけが出来ることだったdrop86『切符』drop86.切符
【灯り】旅の夜に灯す明かりは小さなものがいい四方の闇に何処とも無く消えてゆくものたちを見つめるには小さく仄かに揺れるものがいいdrop85『灯り』drop85.灯り
【月夜】月の宿で一夜言葉を交わした旅人がいた堕ちてゆく詩をうたっていた「果ても知らず堕ちてゆくのは悲哀なのか喜びなのか情けも解らず墜落に溺れるのは破綻なのか望みなのか」月の光眩しい夜だった詩人の墜落は誰知ることも無く溶けてゆくのを見たdrop84『月夜』drop84.月夜
【海辺】海を眺める人は誰かの帰りを長く祈っているのだと星間船の船乗りから聞いたことがあった船乗りと別れた後海辺の宿で幾季節も過ごし幾度も別れがあったいつしか旅に出ては海を探すようになった朝焼けの刻日暮れの刻闇の刻海を探すようになったdrop83『海辺』drop83.海辺