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1件〜30件
(新しいお話しの始め) 貧しい2人の老漁夫 その昔、迷信や呪術の闇の中で、ハワイの人々が、多くの神々を信じていた頃のことです(*1)。 ワイアルアのモクレイアという所に、2人の老人が住んでいました(N.1)。 彼らの務めは、カネアウカイ神に大漁を祈願することでした...
新年おめでとうございます。 今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
(前回からの続き) カカアラネオのフェザー・クローク 「アフ・オ・カカアラネオ」の名で知られる最初のフェザー・クロークは、 ビショップ博物館が所有している、と言われています(*1)(N.1)。 それはある時、ナヒエナエナ王女により公式行事において、パーウー(スカート)...
(前回からの続き) 大変貴重な物がある クキニ(使者)のエレイオが、王カカアラネオに答えました(*1)。 「私は我が身を王に捧げる家臣です。 もしも死なねばならぬなら、ご主人様の足元で死ぬのが、私の望みです。 しかし、もしそうならば、ご主人様。 それはあなた様に...
(前回からの続き) もしも日暮れまでに戻らなかったら 2人の旅は、カニカニアウラの体力に合わせて、ゆっくりでした(*1)。 彼女の魂は肉体と合体したので、魂だけだった時のように速くは歩けないのです。 ラウニウポコまで来た時、エレイオは彼女の顔を見ながら、こう言いました...
(前回からの続き) 彼女はこの島の王女にふさわしい しかし我が英雄・エレイオは、卓越した慎(つつし)み深さと、彼のご主人である王への忠誠心から、こう言いました(*1)。 「いいえ私は、彼女を妻にするのではなく、彼女の保護者になりましょう。 彼女は大変立派なので、もっと...
(前回からの続き) 少女が生き返る 今や集まった仲間たちの間に、希望が満ち溢(あふ)れていました(*1)。 彼らはこぞって祈りの言葉を、生き生きした力強いものに変えました。 一方、魂は肘(ひじ)と手首を通る際に、弱々しく最後の抵抗を試みました。 しかしそれも、この一...
(前回からの続き) 彼女の魂を肉体に戻す プオア(風葬場)に着いたエレイオは、捕えた魂を彼女の死体のもとに運びます(*1)。 そして足の甲に魂を置くと、体の中に詰め込むように、しっかりと押し付けました。 その間、彼はずーっと祈り続けています。 するとその魂は、喜ん...
(前回からの続き) 私に協力して下さい エレイオは、そこにいた女性や子供たちに言いました(*1)。 「自分の家に戻ってお祈りをして、私に協力して下さい。 豚、鶏、そして犬たちは皆、暗い小屋の中に閉じ込めて、騒がせないで下さい。 これ以上は無理と思うくらいまで、静か...
(前回からの続き) ちょっと待って下さい 両親は直ぐに、エレイオを養子にすることにしました(*1)。 そこで大きなブタを殺して、アハアイナ(祝宴会)をしよう、と話し始めた時のことです(N.1)。 エレイオが、こう言いました。 「ちょっと待って下さい、その前に私に教...
(前回からの続き) プオアで少女の死体を見る エレイオはプオア(風葬場)に入り、高い床の上に昇って、その少女の死体を見ました(*1)。 彼女はどう見ても、先ほどの魂と同じくらいに美しい人でした。 そして見た感じでは、まだ腐敗が始まっていませんでした。 両親が住む家...
(前回からの続き) 高貴な人の風葬場プオア エレイオが彼女に追いついたのは、あるプオアの入口でした(*1)。 プオアとは、ちょっとした塔のようなものです。 普通は竹で出来ていて、半分ぐらいの高さの所に床があります。 その上には、高貴な人々の死骸が横たわっています。...
(前回からの続き) 島はずれのハナに行って来い! 使者のエレイオは、「ハナに行って、王のためのアヴァを取って来い。」と命じられました(*1)(N.1)。 さらに、「王の晩餐会に間に合うようにな!」 と言われたのです。 その時、マウイ島の王カカアラネオは、ラハイナに住ん...
(新しいお話しの始め) 「クキニ」はプロの使者 エレイオは、マウイ島の王カカアラネオに仕える、クキニ(鍛え上げた使者)でした(*1)(N.1)。 当時の王や有力なアリイ(首長)たちは、いつも数人のクキニを召し抱えていたのです。 どこに行けと言われようと、彼らはいつも目...
(前回からの続き) 故郷のカアラに帰る 「山の霧(女の子)」 と 「ワアヒラの雨(男の子)」は、 それから、幼少時を過ごした故郷カアラに帰りました(*1)。 しばらくそこに滞在する中で、時折、コナフアヌイやマノア谷の上流を訪れたことでしょう。 今でもこれらの場所に行...
(前回からの続き) 荒れ地がカロ畑に変わる その後、男の子(カウアワアヒラ)は、カロ(タロ)の畑を幾区画か作りました(*1)。 人々は豊かな水に魅せられ、また、水のお陰で肥沃になった、その土地に魅せられました。 そして次々とこの地にやって来ては、住み着くようになりまし...
(前回からの続き) カナワイの池に潜る 男の子(ワアヒラの雨)はそれから、カナワイの池に向かいました(*1)。 池に潜って見ると、地表からは見えない水路がありました。 水の神が、彼の願い通りに、水路を開いてくれたのです。 彼は、この地下の水路を泳いで、どんどん進ん...
(前回からの続き) 水浴びをしたい ある日、双子の女の子(カウアキオワオ)、カウアキオワオが、男の子に不満をぶつけました(*1)。 「私は水浴びをしたいわ! どうしてこのような、水が少しも無い場所に住んでしまったの?」 すると、男の子はこう言って、不満そうな彼女...
(前回からの続き) また義母が現われる 彼らの農作物が順調に実った、その時のことです(*1)。 あの義母がまた、彼らを見つけたのでした。 義母は双子の子供たちを、彼らが住んでいたほら穴から追い払いました。 その上、小作人たちが収穫した農産物を奪い取ったのでした。 ...
(前回からの続き) クカオオの丘に住む 双子の子供たちは、義母が住む家には戻りませんでした(*1)。 彼らはマノア谷を走って下り、頂上にメネフネのヘイアウ(神社)がある、クカオオの丘に来ました(N.1)。 そして、その丘の斜面にある小さな穴に、隠れてしまいました。 ...
(前回からの続き) 虐待に耐え切れず家を出る 義理の母の虐待は少しづつひどくなり、遂に双子の子供たちも耐え切れなくなりました(*1)。 彼女は彼らから食べ物や衣服、そして水さえも取り上げたのです。 そのうえ、事あるごとに彼らを見下したり馬鹿にして、恥ずかしめました。...
(前回からの続き) 父は義母を信じ、安心していた それは、双子の子供たちが十歳位になった時でした(*1)。 父はハワイ島に出かけるため、長い間、家を留守にすることになりました。 彼はその時、子供たちを妻と一緒に残すことに、何の不安も感じませんでした。 彼女はいつ...
(新しいお話しの始め) 「ワアヒラの雨」 と 「山の霧」 その昔、カアラの山に、カハアケアと言う名の首長が、住んでいました(*1)(N.1)。 彼には双子の子供、男の子と女の子がいましたが、彼らの母親は2人を産んで死んでしまいました。 男の子はカウアワアヒラ...
188 民話 カアラとカアイアリイ(40.愛する2人の死を嘆く)
(前回からの続き) カアイアリイが大王に答える 「どうかお聞き下さい。おお、王様。」 と、カアイアリイが言いました。 「私は、命を賭けてカアラを愛してきました。 そして力を振り絞って彼女を捜してきました。 それらに注いだ私の情熱は、これまで王様のために戦ってき...
187 民話 カアラとカアイアリイ(39.大王がカアイアリイをさとす)
(前回からの続き) ウア、そして大王の声が あまりの悲しさに、その洞窟の中でカアイアリイが泣き叫んだ時、誰か他の人の声が聞こえて来ました。 最初に聞こえたのはウアの声です。 友達カアラの遺体に身をかがめながら、彼女は慰めるように彼に話しかけています。 そしてしばら...
(前回からの続き) カアラよ 生きるんだ 「いや違う、私の愛する人よ。」 悲しみと涙でいっぱいの首長カアイアリイが言いました。 「今はもう、私が一緒だ。 私の心臓の温(ぬく)もりを、あなたにあげよう。 あなたの体に移った、私の生気を感じ取るのだ。 生きるんだ...
(前回からの続き) 暗い洞窟のうめき声 最初、カアイアリイには何も見えませんでした。 しかし彼の耳は直ぐ、悲しそうで憐れなうめき声を捕えました。 甘く悲しいうめき声。 飢えた彼の耳に届いたのは、ずーっと探し続けていた、あのカアラの声でした。 愛するカアラが倒れ...
184 民話 カアラとカアイアリイ(36.カアラの洞窟に急げ)
(前回からの続き) ウアが洞窟をめざす この神官の言葉を聞くと、ウアはすぐさま立ち上がりました。 そして兄弟のケアウェの所に行くと、彼をしっかりとつかまえ、 海辺に向かって手を引きながら、こう叫びました。 「あなたのカヌーの所へ、急いで! カウマラパウへ向けて漕ぐ...
183 民話 カアラとカアイアリイ(35.あの洞窟にカアラがいる)
(前回からの続き) カアイアリイを愛するウア 英雄(カアイアリイ)が潮吹き穴に飛び込んだ時、ある人が彼の近くにいました(*1)。 その人こそがウア。 あの髪の毛がクラスタ・カールのウアでした。 彼女はこの首長を愛していました。 その彼が初めに潮吹き穴に飛び込もうと...
182 民話 カアラとカアイアリイ(34.カアラの声が遠ざかる)
(前回からの続き) 潮吹き穴をのぞく カアイアリイは、以前オプヌイが飛び込んだ岩の上の、同じ場所に立っています(*1)。 足の下では、潮流が激しくぶつかり飛び跳ねながら、鼓動するのが感じられます。 カアラの姿が見えた水しぶきは目の前です。 彼は、その下で海水を噴き上...