TomoShortStories

シンデレラを探して

夕食の準備をしている連れ合いが、急いでニンニクを買ってきてくれる？と言う。イタリアンだと言っていたのだが、ニンニクがあるのを確認してなかったのだろうか。なかっ…

2020/10/25 00:28

歴史管理局

西園寺さいこは生まれてこのかた、スーツは二着しか買ったことがない。夏物と合い着ーー合い着という時、さいこはいつも淫らなことを考えてしまう、愛技、ああしてこうし…

2018/04/20 21:28

犀のサイコロー(後編)

さいかがいなくなって(多分、旭川にいると思われるが)、驚くニュースが流れた。全国の動物園の犀が、一晩でいなくなったのだ。5月10日の朝に気づいたというのだから…

2018/04/13 22:05

犀のサイコロー

西園寺さいこは土曜の午前中は寝て過ごした。夢は三つの物語を見た。覚えているのは、歪な野球場で試合をしてライト線にヒットをはなったが、ファールという、審判に抗議…

2018/04/07 21:07

うさぎのラビット

今日、スターバックスでカフェオーレのショートを頼んで待っていた。どうしてショートなんだ？俺の何を知っていて、あの女性は「ショートですか？」と言ったんだ？つい、…

2018/03/18 07:40

宇宙時計

我が家のリビングにある時計は宇宙時計と呼ばれる。近くのスーパーの大売出しの時、籤で当たったものだ。その時、確かに火星から来ましたと言っても信用されるだろうと思…

2018/03/08 05:23

夢は春のなか

春眠暁を覚えずと言う。しかし、彼は春夏秋冬、暁を覚えずだった。単純に朝に弱いのである。それと寝ている時は、地震があろうと雷が鳴ろうと、食器棚が倒れようと気づか…

2018/02/28 19:19

桜の頃の蒸リンゴ

ノゾムは青山の墓地を散歩していた。小さい頃から、墓地は先祖と一緒に食事をしたり、大人になってからは酒を飲み、あの世で先祖が困らないようにお金を渡す場所であり、…

2018/02/25 15:26

鳥が運ぶ過去と未来

夜明け前、わたしのベッドで騒ぐものがいる。妻ではない。猫でもない。布団をあげると、わたしの胸から二羽の鳥が首を出している。赤と黄色の鳥と青と黒色の鳥。私の顔を…

2018/02/18 09:19

チキンかなしや

チキンかなしや、かなしやチキン。チキンを食べる時、思い浮かぶ歌である。鳥たちの生活？する小屋、その生涯を考えると、この歌が似合う。産まれて、食べられるために太…

2018/02/13 18:19

お店買います

ノゾムは会社を辞めた。理由？流れだった。青森への突然の転勤命令にノゾムが顔を歪めたのだろう、上司は「嫌ならーー」と黙った。ノゾムは「そうですね」と言った。その…

2018/01/31 17:30