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  • 大切なのは、他者に共感する気持ち。さかなクン著『さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~』

    さかなクン著『さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~』(講談社) 本書は、テレビで大活躍中のさかなクンの自叙伝だ。東京海洋大学客員准教授でもある彼が、絶滅が信じられていたクニマスの生存を確認したことは記憶に新しい。さかなクンのお魚イラストを初めて見たときは本当に驚いた。今までみんな同じ顔に見えていた魚が、実は個性と表情が豊かなことに気づかされたからだ。エビスダイの黒目がちなきょろんとした目。海の中を堂々と泳ぎながら笑っているクロマグロ。海や川に住む友人たちに対する心からの敬意と愛情がなければ、こんな絵は描けないだろう。 さかなクンは小さい時から絵が大好きだった。運動はからきしダメ。休み時…

  • 人は立場によって生き、立場によって死ぬ。司馬遼太郎著 『峠』(上)

    司馬遼太郎著『峠』<上>(新潮文庫) 幕末維新の時代に生きた越後長岡藩家老・河井継之助の名を、本書で知ったという人は少なくないはずだ。河井継之助は、幕府がほろびることを誰よりも早く予見していた。 そこで、彼は必死に長岡藩生き残りの方策を模索した。幕府とは無関係に、長岡藩は自主独立の道の体制を取らなければならない。彼はそのために周到な用意をした。『峠』は、河井継之助の長岡藩生き残りに命を懸けた半生を描いた物語だ。 武士の世は終わる。封建社会は崩れる。彼が長州藩や薩摩藩に生まれていたなら、きっと幕府体制を一掃し、新しい統一国家を作るために奔走していただろう。その方がどれほど楽だったか。 だが、継之…

  • 動物の不思議な行動にはそれなりの理由がある。『ソロモンの指環ー動物行動学入門ー』

    コンラート・ローレンツ著/日高敏隆訳『ソロモンの指環ー動物行動学入門ー』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫) この本を読むと、人間には理解しがたい行動でも、動物には動物の理屈があることがわかる。 たとえばイヌだ。イヌにはジャッカルを祖先としているものと、オオカミを祖先としているものがある。ジャッカル系のイヌは誰とでも仲良くなりすぎ、誰が綱を引っ張ってもよろこんでついていってしまう。しかしオオカミ系のイヌは、一生涯主人を変えることがない。一度忠誠を誓った相手以外には、誰にもなつかないのだ。なにかの事情で飼い主がオオカミ系のイヌを手放したとしよう。すると、彼は心理的平衡を失ってしまい、問題行動を繰り…

  • 教養ある日本人の必読書「世界近代小説50選」

    桑原武夫著『文学入門』(岩波新書) 「古典」「名著」を読みたいが、何を読んだらいいかわからない。そんなふうに悩んでいたある日、部屋を掃除していたらこの本が出てきた。大学時代に買ったきりで開いたことすらなかったのだが、開いてみると、なんと巻末に一番欲しい情報が載っているではないか。 教養ある日本人の必読書「世界近代小説50選」。この本に出会ったのも何かの縁だと思い、まずは桑原先生が選んだ50をすべて読むことにした。 国民の文学教養における「共通なもの」の必要はいうまでもない。そして、普遍を通過せぬ独自性というものはありえない。その意味で、読書の基準化ということは、今の日本に最も大切なことと考え、…

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