尿路感染症(UTI)の生涯罹患率は女性で50%以上である。尿路感染症の臨床的、生理的、生活習慣的な危険因子は多岐にわたりますが、トイレ後の肛門や会陰の衛生習慣、特にトイレットペーパーで拭く方向と尿路感染症の危険性との正確な関係はまだ調査さ…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
猫になりたい薬剤師と申します🐈 とっつきにくい論文,しかしその情報は有益であり,日常業務にも活かすことができます. 気軽に,気楽に,論文情報が活用できるよう,要点をご紹介していきます♪ 分からないことがあれば,お気軽にお問合せください.
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抗精神病薬誘発性アカシジアの治療に対して有効な薬剤は?(SR&NWM; JAMA Netw Open. 2024)
アカシジア(akathisia)は静座不能症と訳され、座位の姿勢を保つのが困難となる症状であり、そわそわと動き回るといった特徴があります。アカシジアのほとんどは薬剤誘発性であり、特に抗精神病薬によるアカシジア(Antipsychotic-…
軽度〜中等度の急性脳卒中患者におけるクロピドグレル+アスピリン vs. アスピリン単独(PROBE法; ATAMIS試験; JAMA Neurol. 2024)
二重抗血小板療法は、一過性脳虚血発作や軽度の脳卒中患者における脳卒中再発の抑制において、単一抗血小板療法よりも優れていることが証明されています。しかし、軽度〜中等度の虚血性脳卒中患者におけるその効果に関する確実なエビデンスは不足しています…
2型糖尿病におけるエンパグリフロジンと急激な腎機能低下発生率との関連性は?(RCTの探索的解析; Kidney Med. 2023)
ほとんどの2型糖尿病(T2DM)患者において腎機能は徐々に低下することが知られています。多くの患者は進行性の慢性腎臓病(CKD)を発症しますが、一部の患者では腎機能が急速に低下し、腎不全や心血管疾患のリスクが高くなることも報告されています…
超早産児の神経発達アウトカムに対するドナーミルク vs. 早産児用ミルク(DB-RCT; JAMA. 2024)
出産入院中の超早産児への母乳給与は、早産児用ミルクと比較して神経発達の転帰が良好であることと関連していることが報告されています。しかし、母乳栄養を全く受けていない、または最低限しか受けていない乳児の場合、ドナーヒトミルクが早産児用ミルクと…
Lactiplantibacillus plantarum OLL2712(OLL2712)細胞の摂取は、マウスモデルや臨床研究において、慢性炎症を抑制することにより糖代謝を改善することが示されています。しかし、充分に検証されていません。…
グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬の使用と麻酔前の胃内容物残存量の関連性は?(横断研究; JAMA Surg. 2024)
グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)の使用は、2型糖尿病患者における高血糖管理に加え、体重管理の適応拡大により、米国で急速に増加しています。これは消化管の蠕動運動の抑制などを引き起こすためです。GLP-1 RAは、その…
ヘリコバクター・ピロリ感染と治療が大腸癌に及ぼす影響はどのくらい?(米国後向きコホート研究; J Clin Oncol. 2024)
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)は、世界的に感染症関連がんの最も一般的な原因です。しかし、ピロリ菌感染、ピロリ除菌が大腸がんにどのように影響しているのかについては不明です。そこで今回は、ピロリ菌の感染及び治…
メラトニンは入院高齢者のせん妄重症度を減少させない?(DB-RCT; J Am Geriatr Soc. 2024)
せん妄は高齢の入院患者によくみられ、苦痛、認知機能の低下、死亡の原因となることが報告されています。しかし、現在の治療法は満足のいくものではなく、有効性の欠如と副作用によって制限されています。効果的なせん妄治療が急務です。せん妄では睡眠覚醒…
オピオイド鎮痛薬使用の年齢に関連した重篤な転倒事故リスクはどのくらい?(コホート研究; POPPY II試験; JAMA Intern Med. 2024)
オピオイド鎮痛薬は、主に脊髄後角の浅層部に作用して鎮痛作用を示すと考えられています。この鎮痛作用は他の鎮痛薬よりも強力であることから、癌性疼痛や難治性腰痛などに使用されています。オピオイドの三大副作用として、便秘、悪心嘔吐、眠気があげられ…
高齢女性の健康に対するカルシウムおよびビタミンDサプリメントの長期効果は?(RCT延長試験における事後解析; Ann Intern Med. 2024)
Ca・ビタミンDの長期的な補充は閉経後女性の転帰を改善できるのか? カルシウムとビタミンD(CaD)の補充は高齢女性の慢性疾患に影響を及ぼす可能性がありますが、健康転帰に対する長期的な影響についてのエビデンスは限られています。 そこで今回は
アロマシールはマスク着用によるストレスを軽減できますか?(DB-RCT; PLoS One. 2023)
フェイスマスク着用に伴うストレスに対するアロマは有効か? COVID-19のパンデミックでは、ウイルスの空気感染を防ぐため、患者や健康な人にフェイスマスクが推奨されました。これに伴い、マスク着用中にストレスを感じる人が増加しました。COVI
2型糖尿病における厳格な血糖コントロールの効果はどのくらい?(SR&MA; Diabetes Obes Metab. 2024)
2型糖尿病(T2D)は様々な合併症を引き起こします。なかでも血管に関連する合併症は患者予後を悪化させることから、合併症の発症予防が求められています。治療目標に糖化ヘモグロビン(HbA1c)のコントロール指標が求められますが、厳格にコントロ…
アンジオテンシン受容体-ネプリライシン阻害薬の効果はSTEMI患者とNSTEMI患者で異なるのか?(PARADISE-MI試験の事後解析; J Am Coll Cardiol. 2024)
ST上昇型心筋梗塞(STEMI)と非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)を含む急性心筋梗塞(AMI)を発症した患者は、心不全(HF)、冠動脈イベント、死亡のリスクが高いことが報告されています。アンジオテンシン変換酵素阻害薬はSTEMI、NS…
カペシタビン関連手足症候群予防のためのジクロフェナク局所投与は有効か?(DB-RCT; D-TORCH試験; J Clin Oncol. 2024)
手足症候群(HFS)はカペシタビンの用量制限的副作用です。セレコキシブは、関連する炎症のために発現が増加するシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)を阻害することにより、HFSを予防することが報告されています。しかし、セレコキシブの全身的副…
ブロッコリー類の摂取と炎症および死亡率との関連性は?(大規模前向きコホート研究; J Med Food. 2024)
食事パターンには、炎症を引き起こすものもあれば、炎症を抑えて健康を増進させるものもあります。しかし、多くの人は完全で健康的な食生活を送ることはできません。したがって、より予後改善に影響する食品の特定が求められています。そこで今回は、慢性炎…
2型糖尿病における血糖コントロールと大血管および微小血管転帰に優れる薬剤とは?(RCTのSR&MA; Diabetes Obes Metab. 2024)
糖尿病は、血管内皮細胞の機能低下に続く種々の血管合併症の発症により、健常人と比較して寿命が短くなることが知られています。糖尿病治療における血糖コントロールは、目標範囲に収まるように行われますが、これはあくまでも手段です。本来の目的は、健常…
変形性膝関節症に対する多血小板血漿と指導付き運動の併用はより良い疼痛緩和と機能改善をもたらすのか?(RCT; Clin Orthop Relat Res. 2024)
変形性膝関節症は、多額の医療費を伴う身体障害の主要な原因であり、効率的な非外科的治療法が依然として必要とされています。多血小板血漿(PRP)注射と運動療法は米国や英国では臨床で頻繁に用いられていますが、PRPまたはPRPと運動の併用が運動…
新型コロナワクチンを29ヵ月で217回接種するとどうなるのか?(症例報告; Lancet Infect Dis. 2024)
SARS-CoV-2感染流行は収束せず、Withコロナ時代に突入しています。日本では5類感染症に分類され、かつ全数報告ではなく定点報告に移行しています。つまり、季節性インフルエンザのように、基本的な感染予防対策の実施が求められます。基本的…
骨粗鬆症治療患者におけるデノスマブと糖尿病リスクとの関連性は?(コホート研究; JAMA Netw Open. 2024)
核因子κBリガンド活性化因子(RANKL)に対するヒト化モノクローナル抗体であるデノスマブは、骨粗鬆症治療に広く用いられている抗骨吸収薬です。前臨床研究において、RANKLシグナル伝達の阻害がインスリン感受性、耐糖能、β細胞増殖を改善する…
妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児転帰への影響はどのくらい?(コホート研究; JAMA. 2024)
妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児有害事象に関する知識を深めることは、ワクチンの安全性に関する懸念に対処するのに役立つ可能性があります。しかし、倫理的側面からランダム化比較試験の実施は困難です。そこで今回は、妊娠中のCOVID…
日本人の大うつ病性障害に対するブレクスピプラゾール vs. アリピプラゾール(SR&NMA; Neuropsychopharmacol Rep. 2024)
ブレクスピプラゾールは、脳内の神経伝達物質のセロトニン・ドパミンの働きを調整し、統合失調症による幻覚、妄想、意欲の減退などの症状を改善する薬剤です。日本では2023年12月22日に「うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合…
代謝性アシドーシス患者におけるベベリマーのCKD進行抑制効果はどのくらい?(DB-RCT; VALOR-CKD試験; J Am Soc Nephrol. 2024)
代謝性アシドーシスはCKDの一般的な合併症であり、腎機能の急速な低下と関連していますが、代謝性アシドーシスの治療がCKDの進行を遅らせる効果を検証するための、充分なパワーを有する対照ランダム化試験は実施されていません。ベベリマーは消化管か…
集中的な血糖コントロールは大血管および細小血管の転帰を改善できるのか?(SR&MA; Diabetes Obes Metab. 2024)
2型糖尿病(T2D)における集中的な血糖降下戦略と標準的な血糖降下戦略が、大血管および細小血管の転帰を改善するのかについては充分に検証されていません。そこで今回は、上記の血管関連転帰と試験群の糖化ヘモグロビン(HbA1c)低下との関係を検…
高リスク集団における早期の健康診断は有用なのか?(データベース研究; Atherosclerosis. 2024)
高リスク集団における健康診断後の患者転帰については充分に検証されていません。そこで今回は、健診後の病院への受診時期と心血管イベントによる入院および全死亡リスクとの関連を検討することを目的に実施したデータベース研究の結果をご紹介します。本研…
急性冠症候群患者の予後に対するチカグレロル単剤療法 vs. DAPT(RCT; T-PASS試験; Circulation. 2024)
薬剤溶出ステント留置後1ヵ月以内にアスピリンを中止してチカグレロル単剤療法を行うことは、広く心疾患を有する患者を対象に行われてきました。したがって、急性冠症候群患者を対象としてのみ評価されてきたわけではありません。そこで今回は、急性冠症候…
嚥下障害に対する”とろみ”は薬剤の溶出に影響するのか?(システマティックレビュー; Eur Geriatr Med. 2024)
嚥下障害は、脳卒中、認知症、パーキンソン病、虚弱(フレイル)などの長期疾患と関連しています。嚥下障害は65歳以上の人口の30~40%にみられます。嚥下障害のある成人は、多くの場合、複数の薬剤(しばしば5種類以上:ポリファーマシー)を必要と…
2020~2021年、日本の祝祭日がCOVID-19の伝播を増加させた?(モデリング研究; Epidemiol Health. 2024)
祝祭日はCOVID-19患者数の増加と関連するのか? 特定の祝日が感染症の伝播動態を変化させる役割についての研究が注目されていますが、コロナウイルス感染症2019(COVID-19)の伝播に対する祝日の疫学的影響については不明な点が多いこと
原発性胆汁性胆管炎を対象としたセラデルパーの効果はどのくらい?(DB-RCT; RESPONSE試験; N Engl J Med. 2024)
原発性胆汁性胆管炎患者に対するセラデルパーの効果は? 原発性胆汁性胆管炎患者に対する有効な治療法は限られており、ウルソデオキシコール酸が使用されています。しかし、アンメットニーズの分野であることから更なる治療法の確立が求められています。ペル
ヘリコバクター・ピロリ除菌後の胃癌リスクとボノプラザン使用との関連性は?(日本のデータベース研究; Clin Gastroenterol Hepatol. 2024)
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)に代わって上部消化管障害の治療に使用されるようになってきています。PPIはHelicobacter pylori(Hp)除菌後の胃癌リスク上昇と関連して…
青年および若年成人におけるSARS-CoV-2 mRNAワクチンのブースターワクチン接種と心筋炎との関連性は?(北欧のコホート研究; Eur Heart J. 2024)
SARS-CoV-2 mRNAワクチンは心筋炎のリスク上昇と関連しています。この関連は、思春期の男性や若年男性、2回目の接種後に最も強い可能性が報告されていますが、更なる検証が求められています。そこで今回は、12~39歳のSARS-CoV…
心房性心疾患患者における潜在性脳卒中後の再発予防に対するアピキサバン vs. 低用量アスピリン(DB-RCT; ARCADIA試験; JAMA. 2024)
心房性心疾患(Atrial Cardiopathy)患者における脳卒中発症を防ぐ方法は? 心房性心疾患(Atrial Cardiopathy)は臨床的に明らかな心房細動がなくても脳卒中と関連していることが報告されています。左房のリモデリング
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尿路感染症(UTI)の生涯罹患率は女性で50%以上である。尿路感染症の臨床的、生理的、生活習慣的な危険因子は多岐にわたりますが、トイレ後の肛門や会陰の衛生習慣、特にトイレットペーパーで拭く方向と尿路感染症の危険性との正確な関係はまだ調査さ…
アセトアミノフェン(パラセタモール)には、無細胞ヘモグロビンによる脂質やその他の基質の酸化を抑制するなど、敗血症に有益と思われる多くの薬理作用がありますが、その効果については充分に検証されていません。そこで今回は、アセトアミノフェンがプラ…
2型糖尿病患者において、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬とナトリウムグルコース共輸送体-2(SGLT-2)阻害薬の併用が、どちらか一方の薬物クラスのみの併用と比較して、主要有害心血管イベントおよび重篤な腎イベントのリスク…
スチュワードシップ(Stewardship)とは本来、管理運用、管理責任などの意味を有していますが、こと医療においては、抗菌薬の適正使用推進を指します。多剤耐性菌の発生を防いだり、資源として確保したり、今ある抗菌薬を適切に大事に使ってもら…
2型炎症を伴うCOPD患者におけるデュピルマブの有用性はどのくらいなのか? デュピルマブは、2型炎症の主要かつ中心的な促進因子であるインターロイキン-4とインターロイキン-13の共有受容体成分を遮断する完全ヒト型モノクローナル抗体です。 慢
低血圧は、重症患者や周術期の患者における有害な転帰と関連しています。しかし、これらの仮定は観察研究によって支持されていることから、更なる検証が求められます。そこで今回は、死亡率に対する血圧目標値の低値と高値の影響を比較することも目的に実施…
米国内科学会(American College of Physicians, ACP)は、2型糖尿病の新しい薬理学的治療に関する推奨事項を更新するために、診療ガイドラインを作成しました。本ガイドラインは、有効性、有益性と有害性の比較、患者…
足底部悪性黒色腫と関連する疾患はあるのか? 足底部悪性黒色腫(AMF, メラノーマ)の臨床的特徴および病態は充分に解明されていません。 足部の臨床的または不顕性持続性炎症は、足の皮膚糸状菌症(dermatophytosis of the f
パーキンソン病(PD)は運動機能と運動能力の予測可能な低下と関連しており、一般的に運動で管理されます。運動機能や移動能力に対する、個別運動(IE)や通常ケア(UC)と比較した集団運動の効果についての理解は限られています。そこで今回は、PD…
これまでの研究で、COVID-19 mRNAワクチンの一次接種後に死亡リスクの増加は認められなかったものの、ブースター接種に関する報告は不足しています。そこで今回は、一次接種に加えてmRNAワクチンのブースター接種後の死亡リスクを評価する…
患者報告アウトカム(Patient Reported Outcome、PRO)とは、臨床アウトカムの一つです。症状やQOLに関して、患者が自分自身で判定し(患者日記など)、その結果に医師を始め他の者が一切介在しないという評価方法です。具体…
GLP-1RAには血圧低下作用もある? グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1RA)がもたらす心血管ベネフィットは、体重減少や血糖コントロールにとどまりません。その機序の一つとして血圧降下が考えられますが、実臨床における検証は充分
アンチセンス薬であるオレザルセンの効果は? トリグリセリド(TG)およびTGに富むリポ蛋白のレベルを低下させることは、依然として満たされていない臨床的ニーズです。Olezarsen(オレザルセン)は、アポリポ蛋白C-III(APOC3)のメ
がん関連静脈血栓塞栓症(VTE)管理ガイドラインの推奨事項には、がんの活動性が持続している間は抗凝固療法を継続することが含まれています。アピキサバンの連邦医薬品局の添付文書には、VTE二次予防のための用量として、治療開始6ヵ月後に1回2.…
スタチン治療に対する低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)の反応は様々であり、合併症の有無や併用薬の使用によって影響を受ける可能性があります。これらの要因に基づくスタチンに対する反応の系統的な変動は、集団のサブグループにおけるスタチン…
心房細動患者における抗凝固薬の使用が、認知機能障害の発症リスクを低減する可能性がありますが、充分に検証されていません。そこで今回は、心房細動(AF)患者において、ビタミンK拮抗薬(VKA)とは対照的に非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC…
抗線溶薬であるトラネキサム酸は脳内出血後の血腫増大を抑制する可能性があります。脳内出血後2時間以内にトラネキサム酸を静脈内投与することで、プラセボと比較して血腫増大が抑制されるかどうかを検討することを目的に実施されたランダム化比較試験(S…
高血圧診療ガイドラインでは、高血圧患者における閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の診断と治療を推奨しています。下顎前方位置移動装置(MAD)は、持続陽圧呼吸(CPAP)が困難または耐えられない患者に対する口腔内装置療法です。しかし、両者の…
マクロライド系抗生物質が妊娠30週未満で出生するリスクの高い早産児の未熟児慢性肺疾患(CLD)の発症率を低下させるかどうかについては、系統的レビューで矛盾するエビデンスが報告されており、肺ウレアプラズマ属(Ureaplasma spp.)…
急性虚血性脳卒中患者に対する抗血小板療法を支持するエビデンスがあります。しかし、現在推奨されている抗血小板療法では神経学的悪化が一般的であり、臨床転帰が不良であることから、新たな治療方法の確立が求められています。そこで今回は、脳卒中発症後…
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)と呼ばれる抗うつ薬の一つであるデュロキセチン(Duloxetine)は、中枢性感作を抑制することで疼痛緩和作用も有していることから、鎮痛緩和を目的として以下の疾患にも用いられています。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)は胃酸関連疾患の治療薬として広く使用されていますが、腸内細菌叢に影響を与える可能性があります。2型糖尿病は血管内皮細胞の機能低下に起因する血糖コントロール異常を特徴としますが、腸内細菌叢へ影響することも報告さ…
ワクチン接種後の突然死の原因とは?2022年8月10日、14歳の女子中学生がファイザー製ワクチンの3回目接種を受けました。 女子中学生は翌日、37.9度の発熱を認めましたが、夕方には下がりました。 夜に息苦しさを訴えながらも眠りについていま
尿酸値が基準値7.0mg/dLよりも高い高尿酸血症について、日本では、腎臓や心血管アウトカムの発生リスク増加の懸念から早期治療を推奨しています。一方で、米国や欧州では痛風発作がなければ治療の対象としないとするスタンスが一般的です。しかし、…
血糖値の変動が大きいと血管への負荷が大きくなり、血管合併症のリスク増加の可能性が報告されています(PMID: 30040822)。したがって、グルコーススパイクなどの血糖変動が大きくなることと、患者の予後不良が関連している可能性があります…
新規の断続的断食+早期時間制限食アプローチの効果とは?断続的断食(Intermittent fasting)は、ヒトの健康を改善するためのカロリー制限(calorie restriction, CR)に代わる同等の方法と考えられます。しかし
アミオダロンはP糖蛋白やCYP3A4阻害作用を有していることから、薬物相互作用により併用薬剤の排泄を遅延させる可能性があります。しかし、この相互作用による患者予後については充分に検討されていません。そこで今回は、アピキサバンまたはリバーロ…
2型糖尿病は慢性腎臓病など多くの合併症を引き起こし、患者予後を悪化させます。多くの糖尿病治療薬が使用されていますが、患者予後に優れる薬剤の検証については充分に行われていません。そこで今回は、ナトリウムグルコース共輸送体2阻害薬(SGLT-…
ナッジ(nudge:そっと後押しする)とは、行動科学の知見(行動インサイト)を活用することで「人々が自分自身にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けする政策手法」とされています(環境省の資料より)。人々が選択し、意思決定する際の環…
アルコール性肝炎の入院患者に対して、予防的な抗菌薬投与が行われることがあります。一方で重症アルコール性肝炎の入院患者に対する予防的抗生物質の有益性は不明です。そこで今回は、重症アルコール性肝炎で入院し、プレドニゾロンで治療を受けている患者…
スルホニルウレア系薬剤の使用者におけるβ遮断薬の血糖降下作用は、この致命的な副作用のリスクを強く高める薬剤ですが、そのリスクについては充分に検討されていません。そこで今回は、スルホニルウレア系薬剤とβ遮断薬の併用とスルホニルウレア剤単独使…
共同運動介入は、転倒や怪我の予防に役立つ可能性があります。しかし、そのような戦略の有効性を実証する実用的な臨床試験の結果は一貫しておらず、質の高い前向き研究の実施が求められます。そこで今回は、初期6ヵ月間の監督された週1回のジムと太極拳セ…
カリウム保持性利尿薬であるスピロノラクトンは、高血圧症などに広く使用されていますが、抗アンドロゲン作用を有していることから、長年にわたり尋常性ざ瘡に対して適応外処方されてきました。しかし、エビデンスは不充分です。
家族での食事は、子どもたちの食の選択と嗜好を形成する形成的な学習環境です。そのため、子どもの栄養状態を改善するための取り組みには理想的な環境であると考えられます。しかし、家族での食事時間と摂取する食事内容との関連性については充分に検討され…
直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)は半減期が12時間程度と短いため、DOAC治療の短いギャップ期間であっても抗凝固作用が低下し、有害な臨床転帰のリスクが増加する可能性があります。しかし、このGapが臨床転帰に及ぼす影響は明らかとなっていま…
COVID-19発症予防のためのマスク着用の効果はどのくらいなのか?COVID-19を予防するために様々な感染対策が講じられています。マスクの種類としてN95、外科用、布製が挙げられますが、最適な使用方法や予防効果の比較検討は充分に行われて
経皮的冠動脈形成術(PCI)を受ける急性冠症候群(ACS)患者には、アスピリンと強力なP2Y12阻害剤による二重抗血小板療法(DAPT)が標準治療となっています。PCI後の虚血リスクと出血リスクのバランスをとるために、強力なP2Y12阻害…
炎症とコレステロールどちらがより適した患者予後の予測因子となりうるのか?炎症と高脂血症(脂質異常症)は共にアテローム血栓症に寄与しています。スタチンによる集中治療を受けると、将来の心血管イベントリスクに対する炎症と高脂血症の相対的な寄与が変
COVID-19パンデミックの最初の年、米国の2件の研究では、COVID-19で入院した人は、季節性インフルエンザで入院した人に比べて、30日死亡のリスクが約5倍になることが示唆されました(PMID: 33323357、PMID: 330…
自然環境への曝露は人間の健康に有益であると考えられていますが、その証拠には一貫性がありません。そこで今回は、フィンランドでの都市環境における緑と青の空間への曝露が精神的・身体的健康と関連しているかどうかを検証した横断研究の結果をご紹介しま…