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はやく、にんげんになりたい!!! https://ningen2.hatenablog.com/

うまく社会に溶け込めない、けど、生きていかないといけないので試行錯誤した結果と過程を共有するブログ

日常に悩みながら、なるべくすべてを喜びにする方法を書いています。

山桃
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住所
立川市
出身
荒川区
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2017/08/27

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  • タロウのある朝

    タロウは、ある朝アサガオが花開くように目覚めた。住んでいる団地は静まりかえっている。「まだ寝ていてもいい時間だな」とタロウは思った。タロウは知っていた。目覚めるときはいつも、周りも目覚める。団地には生活音が感じられるようになり、鳥も目覚めと同時に仲間に挨拶するはずだ。天井を一点にみつめながらタロウはその時を待った。「━━━━━。」鳥のさえずりが聞こえだした。上の階の住人が歩いている音もしてきた。タロウは枕元の時計で時刻を確認した。やっぱりちょうどいい時間だ。タロウは郊外のこの団地に越してきてから目覚まし時計を使わなくなった。生き物の音がし出して、目覚めの時刻を教えてくれるのだ。都心に住んでいた…

  • おおきなものがうごいている。

    信号待ちの時間 自転車を片足で支えて、空行く雲を眺めた。 目を凝らしてみると、雲がゆっくり動いている。 周りをみても誰も空を眺めていない。 あんなに大きなものが、小さくではあるけど動いているのに誰も彼もいつものように暮らしてる。 ビルがゆっくり移動していたら、みんな驚くはずだ。でも、雲が動いても驚かない。 もしかしたら雲が動いていることに気づいているのは自分だけじゃないかと思った。 世界が自分の存在に気づかれて、喜んでいるような気がした。 そうだ!地球も動いているんだった。 私たちはその上に暮らしているのに、地球が動いていることを忘れてしまう。 きっとそういう手や頭や目を凝らさないと気付けない…

  • トシロウ

    ニホンのトウキョウ、その中でも下町と呼ばれるような商店街と人々の生活が密着した地域の話。今や店ではなくシャッターが立ち並ぶ商店街の近くに10年前に古びた街並みに似つかわしくない現代建築20階建てのピカピカと光ったマンションが建てられた。そのマンションに家庭の事情により、6歳のトシロウは母親と二人で越してきた。 10年経った現在、ピカピカのマンションは風化の力に漏れず、古びた商店街にもなじむ色合いに変化していた。トシロウは一人っ子のためか手塩にかけて育てられ、体格も並みで、話す言葉はまだ子供っぽいが声色はもう一人前の男性になっていた。 朽ちていく町が影響をあたえたのか、トシロウは死について考える…

  • ネジと私と無駄話

    仕事中に雑務として、印刷物の描かれた紙をはさみでカード状に切っていた。目の前には同じ仕事をしている若い女性がいて、共に果てのない会話をしながらカードを切っていた。 そんな仕事の最中、脈絡もなく彼女がこんなことを言った。 「こういう風にはさみを使っていると、はさみに心があるのかな?なんてことを考えたりするんですよね。みんなは考えないらしいんですけど。」と彼女は言った。 この彼女は、本人いわく純粋なものが好きで、なにかにつけて「優しさ」とか「自然の素晴らしさ」とかを話の中におりまぜる人である。そんなことで、周りの人と会話が合わないことがあると前に打ち明けてくれていた。今回の話もその流れで「はさみに…

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