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2017/08/08

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  • 莉桜 10

    ばさ、、、、ばっさ、、、、、!!私達の歩調に合わせて、巨大な蛾が宙を移動している。「煌鬼君、この肉まん美味しいよ。」もぐもぐもぐ、、手にしている肉まんを頬張り、少し先を行く彼に向かってそう話し掛けた。「いらねえ。」不機嫌そうにして振り返った彼が、そう告げてくる。「そう?!」言いながら肩から斜め掛けにしているバッグをゴソゴソと弄り、其処から水筒を取り出すとゴクゴクと飲み干した。ガラガラガラガラ、、、煌鬼君が斜め掛けにしているのは一本のロープで、その後ろには簡易式の台車が繋がれている。更にその上には食料やその他、沢山の品々がたっぷりと積まれていた。煌鬼君はそのままの服装だけれど、私は現地の方々が着る衣装を身につけている。これ?!うん、貰った。昨日私達を取り囲んで火攻めと、矢と銃弾の雨あられをお見舞いしてくれたあの方...莉桜10

  • 化け狸

    悔しい事に、この飛燕。再び、撒かれてしまいました。あれから数日後、再び奴が現れました。いつの間にか現れ、総長と二言三言交わすとそのまま総長は何処かへと姿を消してしまいました。「頼むぞ。」総長の背に向けて奴がそう言葉を放つと、奴はそのまま何処かへと移動を開始したので早速その後をつけました。そして、ものの見事に撒かれてしまったのです。この私が、、又も。カサリ、、悔しさから思わずその口から舌打ちを発してしまったその時、近くの葉を踏みしめ何者かが近付いて来ました。「見失ったで御座るか。」「雷電。」足音の主は、三面拳の一人でもある雷電でした。「拙者もその気配を追っていたのだが、お主と同様、見失ってしまったようだ。」「貴方も、、ですか?!」その事に驚きを隠しきれず、思わず大きな声を発してしまいました。「が、、其れを引き継い...化け狸

  • 迷い猫

    この者は、、私の独断において「滅して」も良い存在。ですよね。そう心の中で確信を抱いている私の目の前には、その場にしゃがみ込みこちらを見上げている一人の男がいた。男、、であろうな。私が言うのもおかしいのかも知れぬが、この者、中々に整った顔立ちをしている。とはいえ我が豪学連の中央部でもあるこの位置に、他の者に気付かれることもなく侵入してくるのは男でも難しい、女人など猶更のこと出来る筈もなく。そう思いながらも、改めてその顔をマジマジと見下ろした。「おい、、、」「?!」「聞いていたか?私の言った事。」「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。確か、総長がどうのと貴様がふざけたことを抜かしていた気がするが。」「そうだ。留守にする理由は何でも良いのだがな、、、その間、お前等は適当にやっていろ。」「あなたは我々に対して、...迷い猫

  • 莉桜 9

    煌鬼君、煌鬼君、、何だ。煌鬼君、、、うるせえ。煌鬼君。しつけえぞ、黙れ。だって、、、、、私達、、、完全に囲まれちゃっているよ?!しかも、矢と銃弾が此方に向かってガンガン飛んで来ているし。「知っている。」「そうよね。」大きな木の幹にその身を隠しつつ、相手の様子を伺いながら答えてくれた煌鬼君に、私も返した。私は煌鬼君が身を隠している木の近くにある小さな岩というには頼りないサイズのそれの影に、腰を下ろしてしゃがみ込んでいる。両膝を抱えている私の頭上を、チュンチュンと音を立てながらも先程から銃弾が派手に飛び越えていく。数、、結構居るわよね。それに揃いも揃って飛び道具を持っているって、卑怯よ。私達、素手なのに。しかも、二人よ?!二人。なのに、、、「、、、、、、、。」こそーっと小さな岩陰から様子を伺ったのだけれど、途端に私...莉桜9

  • コンコンコン、、、執務室にある通気用の小窓を、ノックする者があった。「入れ。」俺はその主が誰であるのか、確認をすることも無くそう告げた。確認するまでも無い、あの小さな小窓から出入りする者は、一人しかいなかった。夜も随分と更け、室内には俺のみが居た。其れを狙ってか、真夜中の訪問者はやって来た。からりと小窓を開け小さな隙間からスルリとその体を通らせて、黒い影が室内へと降り立つ。「、、、、、。」「どうした、こんな夜分に、、、」無言でその場に立つその者に対し、俺は机の上にある書類に目を通しながらもそう尋ねた。が、その問い掛けに直ぐ様応じる声も無いままに、幾ばくかの時が流れた。「当主殿、、、」やがて静かに室内に響いた小さなその声に、俺はその視線でもって反応を示した。「あの男に、、会ってきました。」そう告げると彼女は、ゆっ...砦

  • 刹那

    それは、、一瞬の出来事であった。正しく瞬きをするか、しないか。その僅かな瞬間の内に、方はついていた。まさかこの俺が、、こうもあっさりとあしらわれるとはな。奴の戦い方なら入塾試験のあの時に見ていた筈なのだが、今回のソレはその時とは全く異質のモノではないか。気の流れ、激しさを感じる事さえ出来ぬ内に俺のこの体が木っ葉の如く勢いで宙を舞っていた。そしてそのまま地に落ちたのだが、何故自分が今こうして地に倒れているのか分からぬままに、その体が地を滑る。そうしている間にも、、己の意識が遠のいていくのが分かった。「大したものだな。」薄れ行く意識の中で、、ソイツが俺を見下ろしながらもポツリと短くそう呟いたような気がした。「、、、、、、、、、、。」「気が付いたか、コチラとしては予想通りの目覚めではあるのだが、、」その目を開いたその...刹那

  • 始動

    「前略。邪鬼君、君好みと思われる茶菓の準備が整ったので、遊びにおいで。草々。」等という、ふざけた?!書面が届いた。送り主の名は記されてはいないのだが、、その文面から察するに、こういった事をする人物に心当たりはある。そして来いという割には予定日も何も記されてはいなかったのだが、、受け取った以上は赴こうではないか。との思いに駆られ、俺は早速その誘いを受けることにした。シャカシャカシャカ、、、手際良く手紙の主が、俺の目の前で茶を点てている。洋風の大きな屋敷の前にある、広大な庭での野点であった。「?!」ふ、、とある事柄に気付いたその時、それと同時に「何?!」と目の前で見事な点前を披露している手紙の差出人(推定)でもある椿が、コチラに視線を向けることも無く、そう尋ねてきた。「いや、、貴様のその髪。」そう言い掛けた其処で、...始動

  • 氷咲 18

    俺、あの技体得成功。だよな、、、、桃の奴が余りにもあっけらかんとしていて全く気に留めている様子も見られねえ中、俺だけがウジウジとそのことを悔やんでいても仕方がねえ。桃があーいった形で程好く納めてくれたんだ、此処は奴のそれに感謝し、又甘えさせて貰うのが最善であると判断した。さんきゅうな、桃。後で特大メンチカツ奢ってやるから。なんてな事を考えつつも、俺は三号生達が住まう棟へと向かっていた。あの技を体得できたらしいこと、それを筆頭殿に報告しておいた方が良いよな。そう思いながらも、歩みを進めていたその時だった。「?!」あれは、、、羅刹先輩じゃねえか。珍しく、というべきであろうか、、、三号生達の住まうその地よりも少し手前に位置する雑木林の奥に、先輩のその後姿を発見した。何というか、羅刹先輩は卍丸先輩と違った意味で後姿でも...氷咲18

  • 雪色

    これは、、目の錯覚であろうか、、、?!前を歩くその子の髪に視線を移したその時、奇妙な違和感を感じた。本来であるのなら、この子の髪色は「黒」である筈なのだが、、、この子とは赤子のその時より接触をしている、その髪色をこの俺が見間違う筈は無い。無いのだが、、、その髪色に違和感を感じたのは事実であった。「深家に、、確認をしてみるか。」独り言のようにしてそう小さく呟いたその後で、前を歩く小さな子のそれを目にしつつも気掛かりであるその事柄に心当たりがあり、訪ねてみることにした。時折此方の動きを確認するかの様にして振り返るその子の瞳のその色も、それ迄と違った色味を帯びているかのように思えてならなかった。「あー、、、、これは。」彼女はその子を目の前にし如何にもといった風情でもって一人、納得をしているのかそう呟きながらも幾度かの...雪色

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