莉桜 10
ばさ、、、、ばっさ、、、、、!!私達の歩調に合わせて、巨大な蛾が宙を移動している。「煌鬼君、この肉まん美味しいよ。」もぐもぐもぐ、、手にしている肉まんを頬張り、少し先を行く彼に向かってそう話し掛けた。「いらねえ。」不機嫌そうにして振り返った彼が、そう告げてくる。「そう?!」言いながら肩から斜め掛けにしているバッグをゴソゴソと弄り、其処から水筒を取り出すとゴクゴクと飲み干した。ガラガラガラガラ、、、煌鬼君が斜め掛けにしているのは一本のロープで、その後ろには簡易式の台車が繋がれている。更にその上には食料やその他、沢山の品々がたっぷりと積まれていた。煌鬼君はそのままの服装だけれど、私は現地の方々が着る衣装を身につけている。これ?!うん、貰った。昨日私達を取り囲んで火攻めと、矢と銃弾の雨あられをお見舞いしてくれたあの方...莉桜10
2018/11/30 19:00