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2016/10/28

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  • 『ライム博士の12ヶ月』坂田靖子 白泉社文庫 感想

    あらすじ・概要 ライム博士は、UFOから捨てられたロボットを引き取ることとなる。ところがそのロボット、メフィストは、失敗ばかりのポンコツで……。コミカルでどこか心温まるロボットと人間の交流譚。スリの青年と金持ちの子どもの交流を描く、『ヒューイ・デューイ物語』も収録。 牧歌的な雰囲気のコメディ ほのぼのとした雰囲気の作品。メフィストがかわいい。無口で不思議なロボットが騒動を引き起こします。 絵本のような牧歌的な世界観で、でもどこかシュールでもあり、面白かったです。 読者としてメタ的な視点から見ていると、メフィストの不器用さが心配になってきます。周囲の人はメフィストの意図を理解していないことも多い…

  • 『ママだって、人間』田房永子 河出書房新社 感想

    あらすじ・概要 著者は結婚して子どもを産むこととなる。しかし、世間との「普通」との差に悩む。母乳育児の問題や、妊婦の性生活の問題、無意識に押し付けられているジェンダーの問題など、母親が背負う葛藤を赤裸々に描いた作品。 下ネタが多い妊娠出産実録 うちは全年齢ブログとしてやっているので詳細は省略しますが、下ネタが激しくてびっくりしましたね。特に序盤はすごい内容が出てくるので苦手な人は注意です。 性生活や妊婦の性の問題についてせきららな内容が出てきます。 しかし妊婦にはそういう悩みもあるんだ……ということは面白かったです。 著者は妊婦として、あるいは新生児の母親として「世間」というものに向き合ってい…

  • 『かなりや異類婚姻譚 蛇神さまの花嫁御寮』夕霧かのう 感想 集英社オレンジ文庫

    あらすじ・概要 未来予知で危機を知らせるかなりやの異能を持つ櫻子は、自分自身が死ぬ様子を予見する。彼女は未来を回避するために、自分の行動を改め、許嫁との関係も見直していくこととなる。婚約を破棄しようとするが、逆に相手に好かれるようになってしまう。 悪役令嬢である自分自身の未来を回避 「悪役が起こしたトラブルを、その人生を引き継ぐヒロインが解決していく」という悪役令嬢ものの話なんですが、その悪役が自分自身であることが面白かったです。 未来予知という異能により未来の自分を知った櫻子は、不幸な未来を回避するために奔走します。 自分のやらかしを自分で解決するので、特定のキャラクターに憎悪が向かないのが…

  • 『見ることの塩』四方田犬彦 河出書房新社 上下巻 イスラエル/パレスチナ紀行 イスラエル/パレスチナ紀行

    あらすじ・概要 著者はイスラエルで日本語講師として滞在することとなる。イスラエルで働きながらも、イスラエル領内の各地を巡る。そこで目にしたのは、パレスチナ人への強い弾圧、差別、そしてイスラエルが抱える政治的矛盾だった。実際に見て、歩くことで、異形の国の空気感を暴き出す。 イスラエルの抱える矛盾とパレスチナ人たちの受難 著者がイスラエルに出発するとき、多くの人に止められるところから話が始まります。その人たちには各国に暮らすユダヤ系の人も含まれていました。戦争や人権侵害に反対するユダヤ系の人たちの、イスラエルに対する怒りを感じさせるエピソードでした。 アラブ系の人々でもガザ地区などの隔離された地域…

  • 『図録 知的財産法』前田建・金子敏哉・青木大也編 弘文堂

    あらすじ・概要 知的財産とは何か? どんなトラブルがあるのか? 知的財産の歴史、変遷から、知的財産についてのトラブルまで、知的財産に関する情報をまとめる。知的財産はどう活用すべきなのか? そして過剰な知的財産の保護はどう止めるべきなのか? を問う。 知的財産について図と文章で解説 「知的財産について、世界史や地理のような資料集を作りたい」というコンセプトで書かれた本です。実際に、図が多くわかりやすかったです。 日本における知財トラブルを、カテゴリごとに分けて紹介。知財で起こりやすい誤解や、立場の対立などを解説していきます。実際にトラブルになったものの画像が出てくるので、比較がしやすかったです。…

  • ミュージカル『ヴェラキッカ』を見た ミュージカルらしいミュージカルで良い

    あらすじ・概要 吸血種のクランで暮らしていたキャンディは、ヴェラキッカという家に養子として引き取られる。そこは当主ノラ・ヴェラキッカを愛する家族たちの家だった。キャンディはヴェラキッカ家の様子に困惑しながらも、ノラへの愛を自覚していく。 歌が上手いミュージカルらしいミュージカル 歌が上手い。 単純にソロがうまいだけではなくて、全体曲もごりごりにうまいんですよね。コーラスやハモリもうまいです。 こういうちゃんと歌がうまいミュージカルを見ると、日本のミュージカルが普段どれ程歌が下手くそか露呈してしまいますね。ちゃんと歌がうまい人を配役してください! ヴェラキッカの人たちはみんな異様なハイテンション…

  • 『女子校育ちはなおらない』メディアファクトリー 感想 女子校コミックエッセイアンソロジー

    あらすじ・概要 女子校に通っていた漫画家たち。彼女らが女子校に通っていたころを回想し、コミックエッセイに書き残す。女子校に通っていてよかったこと、困ったこと、女子校にしかない文化など、女子校の世界を楽しく紹介する。 女子校を巡るいいこと悪いことのアンソロジー 女子校をめくるコミックエッセイアンソロジー。いろいろな漫画家の女子校への思いが見られます。 著者たちの女子校への思いはさまざま。杓子定規ではない自由なエッセイが楽しかったです。礼賛一辺倒ではなく、女子としか関わらなかった弊害をテーマにしている話もあります。特定のも野を無条件によいとする状況はあまり好きではないので、そこはよかったです。 ま…

  • 『うちの母ってヘンですか?』田房永子 秋田書店 感想 変な母を持つ人たちへのインタビュー

    あらすじ・概要 過干渉の母親を持った著者は、同じ経験を持つ人たちにインタビューする。困った親の元に生まれた人たちの悩みとは……。怒り、悲しみ、やるせなさを子どもの視点から描くコミックエッセイ。 変な母親を持つ人々へのインタビュー集 毒親持ちの著者が、他の毒親持ちの人たちにインタビューした漫画。 みんな大変だなあという気持ちになりました。 私は親に恵まれた方だとは思うので、こういう情報は発信している人がいないと知る機会がありません。生まれや育ちにとらわれている人はいろんなところにいるのでしょう。 登場する人々には親と縁を切った人も切っていない人もいるので、スカッとした読後感を求めると肩透かしかも…

  • 『母がしんどい』田房永子 角川文庫 感想 過干渉な親から離れるまでのエッセイ

    あらすじ・概要 過干渉の母親に育てられた著者。ささいなことでかんしゃくを起こし、娘の行動を支配しようとし、理不尽なことを要求する。著者はそれに疲弊していった。長じて男性と付き合うようになった著者は、勝手気ままな男性に振り回されてしまい、母親の影響を顧みることとなる。 子どもを支配する親の恐ろしさを描く 毒親漫画のさきがけのようなエッセイ。過干渉の親に縛られ、自立するまでを描きます。 距離感のない母親は、娘のやることなすこと全てを支配することにこだわり、進路から生活、思考まで口出ししてきます。著者はそんな母親に疲弊していくこととなります。 子どもが友達と出かけることに嫉妬してイタリア旅行に無理や…

  • 『兵器と大学――なぜ軍事研究をしてはならないか』池内了・小寺隆幸 岩波ブックレット 感想

    あらすじ・概要 日本の研究者たちは、どのように「軍事研究させられる」危機に直面しているか――。政府側の思惑から、軍事研究に反対する研究者たちの活動、学問の独立のため、一般市民が何をすべきかなどをまとめた本。 嫌なことは嫌という社会を維持するには手間やお金がかかる 私は軍事的なことには詳しくないですが、「自分の研究を軍事的なことに使われたくない」という考えはあって当然のものだと思います。学者は国に従属するものではなく、研究で得た知識を市民に分け与えることこそ仕事だからです。 たとえ国からお金をもらっていたとしても嫌なことは嫌という権利は誰にでもあります。 しかし、国側があの手この手で研究者を軍事…

  • 『それでも、やっぱり絵が描きたい!~なつめさんちのななころびやおき』なつめさんち マイナビ出版 感想

    あらすじ・概要 子どものころから絵が好きで、絵を仕事にしたかったふたり。彼らは仕事場で出会い、やがて結婚した。漫画やネームを投稿してみたり、絵の仕事がやりたいという思いが捨てられないふたりは、クリエイターとしての生存戦略としてYouTubeを始めるのだった。 夢追い人なんて迷走して当たり前 何度も迷走を繰り返している話です。同時に夢を追うってこんなものだよなあと思います。思っているほどキラキラしていないし楽しくもないし、でも夢を追わずにはいられない人が残っていくのでしょう。 いい加減な見切り発車で会社を辞め、創作しないで停滞している時期もあったり、自分たちの本分でないことを頑張ってしまったり……

  • 『POCHI』小花美穂 りぼんマスコットコミックス 感想 犬として扱われた少年の話

    あらすじ・概要 山奥で祖父と暮らしている美紅。お金がないなりに、日々を暮らしている。そんな中、美紅は無垢な少年、斗望に出会う。斗望の素直さ、純真さに惹かれていく美紅だったが、彼には秘密があった。そして、美紅を目の敵にするクラスメイトの直美との関係も険悪になる。 善悪の境界が危うい少年に恋する 純真だけどそれゆえに善悪の境があいまいになりがちな少年、斗望の姿がかわいらしくもあり、怖くもありましたね。 斗望は母親に犬として扱われていた時期があったせいか、年齢よりも人間的に幼いです。そこが危うくもあり、純真でまぶしくもあります。 斗望は既存の価値観にとらわれないので奇行を繰り返しますが、主人公の美紅…

  • ヒプノシスマイク、2.5次元化の中王区のやつ見た感想 ありそうでなかった需要を満たす舞台

    あらすじ・概要 女性による革命が起こり女性が政権を取った近未来。日本を支配する政党、言の葉党の蒼棺合歓は新人を教育することとなる。天然で奔放な彼女に振り回される合歓だった。一方で、女性だけの区域中王区でテロが起こる。 かっこいい女性を見たいという需要を満たすものがあまりなかった 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage-Renegades of Female- を見ました。タイトルが長い。以下、中王区ステと表記します。 TwitterのTLに邪答院仄仄(げとういん・ほのぼの)というキャラの踊りが流れてきたのがきっかけです。 タイムラインにヒプ…

  • 『水の館』小花美穂 りぼんマスコットコミックス 感想 洋館愛憎ホラーの劇中作

    あらすじ・概要 両親をなくした主人公は、失踪した兄を頼って森深くの洋館にたどり着く。兄はその洋館で3人で暮らしていた。そこに滞在することになった主人公は、しだいにその洋館の異様さに気づいていく。 湖のほとりの洋館で繰り広げられる愛憎 湖のほとりにある洋館に、3人の男女が暮らしています。そのひとりは幽霊で……。 明るくかわいらしい絵柄とは裏腹に、重たく救いようのない展開が続きます。薬物、人死に、性、もはやなんでもありです。 描写自体はそこまでりあるではないですが、ひとつひとつがずどんと心に入ってきます。 ラスト辺りのストーリーを見ると、憎ませてくれた方が楽だったのだろうなと思います。愛しているか…

  • 舞台「オッドタクシー 金剛石は傷つかない」を見た感想 演劇でやるアニメの前日譚

    あらすじ・概要 とあるアイドルオーディションに受かった二階堂ルイ、市村しほ、三矢ユキの三人。彼女らはアイドルデビューを目指して努力していくこととなる。ところがアイドル活動に対する温度差や、自分たちしか知らないことを発信する不穏なアカウントなどのせいで彼女たちは疑心暗鬼に陥る。 選ばれるアイドルと選ばれなかったアイドルの憎悪と葛藤 アニメのネタバレしかないので、ちゃんとビックリしたい人はアニメの方を先に見てください! アイドルである限り「選ばれる、選ばれない」ということはついて回ります。そこに生まれる葛藤や憎悪と、それでも生まれるシスターフッドを描いていました。 視聴者としてはこの後のことは知っ…

  • 『週末同じテント、先輩が近すぎて今夜も眠れない。』蒼機純 GA文庫

    あらすじ・概要 インドア派でゲームや漫画や本が好きな主人公黒山香月は、ゲーム好きの女性、四海道先輩にに連れていかれる。共同作業やキャンプ飯を通して、キャンプが好きになってきた主人公は、同時に四海道を好きになっていく。 後輩と先輩の胸キュンなやりとりが最高 かわいい~!! 高濃度の胸キュンを浴びました。 ご都合主義の面もありますが、少年少女がかわいいので細かいことは気にならなくなってきます。 インドア派の主人公黒山と、そんな主人公にキャンプの面白さを知ってほしい四海道先輩。少しだけ年上の彼女とキャンプをしながら心が近づいていきます。 主人公がかっこつけようとして失敗したり、四海道が年上らしい大人…

  • 『老いる自分をゆるしてあげる。』上大岡トメ 幻冬舎文庫 感想 老いを科学して受け入れる

    あらすじ・概要 健康に気をつけていたはずが、体の衰えを感じるようになってきた著者。著者はとある医者の老女と共に、科学から老いを学びはじめる。老いの速度を緩やかにしつつも、変わっていく自分を受け入れ、楽しく生きていく秘訣とは。 科学の視点から老いを追う タイトルとは裏腹に、科学の観点から「老い」を追っていくコミックエッセイでした。 多くの動物は繁殖ができなくなるとそこが寿命になります。しかし人間は加齢によって生殖能力がなくなっても生きることができます。最初からそうだったわけではなく、どうも人間は死ぬ前に老化できるように進化してきたようです。 細胞分裂を司るテロメアや、マウスの実験の話が面白かった…

  • 『この手をはなさない』小花美穂 りぼんマスコットコミックス 全2巻 感想

    あらすじ・概要 子どもの頃の幼馴染由里子が好きだった恒は、成長してから彼女に再会する。由里子はサラ金に追われ、万引きを繰り返していた。由里子を何とか助けたい恒は奔走した。そこで由里子とかかわる男たちや、由里子の家庭環境の深い事情を知る。 痴情のもつれがすごいが、納得のある展開 男主人公が今の彼女を振って別の女のところに行くし、ヒロインにも元カレがいます。少女漫画的な絵柄とは裏腹に痴情がもつれています。 しかし、ストーリー上説得力のある描写なので、あっさり受け入れられます。 子どもの貧困、犯罪、虐待……由里子はいろいろな問題を抱えたヒロインですが、こういう子いるよなあという女性でもあります。 無…

  • 『女一匹シルクロードの旅』織田博子 コミックエッセイの森 感想 中国からトルコまでの文化の交じり合う旅

    あらすじ・著者 旅行好きの著者は、シルクロードへの旅を決意する。中国、中央アジアの国々、トルコまで、ユーラシア大陸を横断する旅程となった。旅先でトラブルがあったり、人の優しさに助けられたり。シルクロード沿いの国々の複数の文化が混交した風景もたっぷり楽しんだ。 小説のような旅がこの世にあるものだなあ 中国からトルコに至るまで、シルクロードを旅した記録。 シルクロードと絹を交易していたことから名づけられた中国からヨーロッパに至るまでの交易網のこと。 観光や体験も面白いのですが、この作品で一番面白いのは現地の人々です。 次のビザを取るために足止めされた町で、人に出会い、密な関係を結ぶのが面白かったで…

  • 『年収150万円一家森川さんちの身の丈海外旅行inベトナム』森川弘子 KADOKAWA 感想

    あらすじ・概要 森川一家は、年収150万円で暮らしている。そんな中、森川家に旅行ギフト券10万円分が当たる。森川家は旅行先をベトナムに決めた。ベトナムでは、楽しいこともトラブルもあって……。 お金の話ばかりしているベトナム旅 お金の話ばかりしているコミックエッセイでした。これはこれで面白いですが、ベトナムに行きたくなるかというと行きたくならないですね。 著者はベトナムの物価が安い頃を覚えているので、ベトナムの物価の値上がりにいちいちショックを受けます。 もちろんベトナムの物価は日本に比べれば圧倒的に安いのですが、高い支払いが発生するたびにイライラしてしまいます。 これ、日本人がベトナムに向かっ…

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