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  • ほんとの空は見えたのか・・・ vol.9 安達太良山

    いざ頂上へ 進路を間違えた位で挫折していたのでは登山など出来ない。当たり前のことだった。 幸い疲れといっても精神的なものの方が大きく、ここまで勾配がさほどきつかった訳でもないので、肉体的にはまだ余裕があった。 程なくして牛の背にたどり着いた。ここまでくると頂上は近い。雲により展望は相変わらず悪いが、気持ちは高揚してくる。 写真では分かりにくいかも知れないが、岩のマーキングが丁寧すぎるほど頂上方向に続いている。迷う登山者が多いとも思えなかったが何か理由があるのかもしれない。 頂上に一歩一歩近づいていく。ほんとの空を見ることは難しくなったかもしれない。 でも歩くペースは確実に上がっていた。 以下次…

  • ほんとの空は見えたのか・・・ vol.8 安達太良山

    道誤りて疲労倍増・・・ この写真は近くまで行き撮ったものだが、それは、かなり遠くからでもはっきりと視認出来た。赤く「岳」とかかれた漢字と矢印の表示、ここにきて集中力を欠いていた自分は吸い込まれるように、この岩の方向へ歩みを進めてしまった。 勾配は僅かに下っていく。もちろん登山の場合一直線にあがって行くわけではないが、にわかに不安が湧いてくる。もしかして間違ったのではないかと。 しかし、人間とはすぐに間違いを認めたくないもので、いやいや大丈夫だろうと後ろを振り返りもせず進んでいくと。開けてきた登山道はずっと下っている。 いよいよ、不安は心の中で増していき、疲れとは違う意味で汗が出るのを感じていた…

  • ほんとの空は見えたのか・・・ vol.7 安達太良山

    森林限界の先へ・・・ 赤茶色の土やごつごつと転がる大小の岩、登山道の姿が標高の高さを教えてくれる。 森林限界を超え、視界は良くなったのだが、肝心の空模様は芳しくなく一面の雲が空を隠していた。 ほんとの空を見に来たはずなのにという思いは歩きながら心の片隅に常にあった。 もちろん自然相手のことなので仕方がないのだが、そうそう気軽に来れる訳ではないので何とも残念ではあったが、頂上に上がる頃には青空が見えるのではないかという僅かな希望を信じて頂上を目指し続ける。 それからしばらく経つと登山道が広くなる、というより何処を歩いてよいのか分かりづらい場所がよくあった。もちろん所々目印はあるし、ロープが張られ…

  • ほんとの空は見えたのか・・・ vol.6 安達太良山

    いよいよ本格登山の開始 くろがね小屋を出発すると、いきなり道は人一人通るのがやっとな位狭くなる。さらに傾斜もきつくなり、まさにギアチェンジが必要だと感じる。しっかりと重心を意識して一歩一歩慎重に歩を進める。久々の登山であったので息が乱れるのが早い。 決して気温が高いわけではないが、汗がじんわりと全身から噴出すのを感じた。 思わず上着を脱ぎ半そでになる。虫が気になったが仕方ないことだ。 しばらく歩くと、道は開けたがより傾斜がきつくなり、所々岩を手でつかみながら先へと進む。ようやく本格的な登山を味わうことが出来た。そして相変わらず静かな登山ではあったが、ぽつぽつと他の登山者の姿をみるようになった。…

  • ほんとの空は見えたのか・・・ vol.5 安達太良山

    くろがね小屋に到着 目指す建物は一歩歩くたびに視界の中で大きくなってきた。 ここまで、殆ど休憩を取っていなかったので汗が体にまとわりついている。息も乱れがちにくろがね小屋の前に立つと、その立派さに思わず息を呑んだ。 壁の塗装は剥がれかけている部分があるが、古臭さを感じないし、おそらく3階部もあるだろう高さは山小屋というより旅館といわれても違和感を感じない。 そして、正面の壁には太陽光パネルが取り付けられている。当然電線は繋がっていないので貴重な電力をこれで担っているのだろう。 小屋の前では数名の登山者が休んでいた。まだ昼時には早かったが僕もザックをおろし 水分補給とコンビニおにぎり一個で疲れを…

  • ほんとの空は見えたのか・・・vol4 安達太良山

    再びの静寂の登山道であった。わずかに鳥のさえずりが遠方から聞こえてくるが他の登山者の気配はない。だいぶ標高を稼いだのか、明らかに木の高さは低くなり、天への視界が開けてきた。相変わらず雲に覆われた空は雨の気配はなかったが、なんとも気分を塞ぐものだった。 どれほど歩いただろうか、時計をみると出発から二時間近くたっている。 そろそろ、中間ポイント「くらがね小屋」に着いても良いころだよなと思っているところ、それはようやく僕の視界に入った。 森林限界が始まろうかという山の中腹にそれは存在していた。めざす「くろがね小屋」だった。 遠くからも十分に確認できる建築物は、前もって聞いてはいたが想像以上に立派なも…

  • ほんとの空は見えたのか・・・ vol.3

    登山道に似合わない音。その正体は車だった。 気づいた瞬間には、前方にもう姿を現している。登山道をすべて占拠するように目一杯の幅を使ってイカツイ車が見えた。一瞬なにが起きたか唖然としかけたが、幸いにもすぐ横に人一人はいれるような隙間があったので慌ててそこへ逃げ込んだ。 その車は一世代前のランドクルーザーだった。運転手は呆気にとられている僕を見て軽く会釈をしてそのまま行ってしまった。車の脇にはうろ覚えだが「岳温泉共同組合」のステッカーが貼ってあった。写真を撮ろうと慌ててカメラを取りかけたが既にその姿は消えていた。 この先には岳温泉の源泉があるとは聞いていたが、まさかの出来ことであったが、気を取り直…

  • ほんとの空は見えたのか・・・ vol.2

    さて、いざ山に登ろうと思っても肝心の天気がイマイチでは気分も乗るわけではなく 思わず温泉でも入ってこのまま帰ろうかという気持ちにもなったが、雲に山が覆われ ていても結構な数の登山者がいたので、僕も一人いそいそと登山準備をして、登山口 へと向かった。 ロープウェイを使って一気にあがるという選択肢もあったのだが、登山に来て文明の 力を使うのは、けしからんという勝手な戒めを胸に刻み歩いて山頂に向かうことにした まずはゲレンデ脇の登山道を行くか、それともあだたら渓谷自然遊歩道を行くかの選択に迫られるのだが、ここは素直に登山道との薄くなった矢印が示す方へ進むことにする まずは、幅が広く足元は歩きやすい道…

  • ほんとの空は見えたのか・・・ vol.1

    九月某日 久しぶりの晴れ予報に心躍らせ、僕は福島県にある百名山の一つ 安達太良山を一人目指していた。 安達太良山といえば高村光太郎の「智恵子抄」の詩が有名であろう。 「あどけない話」という詩の中で、智恵子いわく東京の空はほんとの空ではない 安達太良山の山の上に出ている青空こそが、ほんとの空だと言っているのだ。 ならば、ほんとの空を見るために行くしかない。そう思っていたのだが、中々 天気が安定せず、ようやく予報が良いときと休みがぶつかり絶好のチャンスが 巡ってきたと心躍らせ車を走らせた。 国道115号に入り土湯峠方面に向かう。時間は午前7時を超えていた。 広く快適な道路を運転しながら、時々見る空…

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