◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんがお手伝いができるようになり、学校にも1日いられるようになった頃、「そういえば、私、先生に怒られたことないよね」と、ぼそっと言いました。「そうそう、リコさんを直接叱ったことってないよね。友達が叱られているのを、全部自分に言われたことだと思っちゃっていた。でも自分はちゃんと努力しているって自分のことを冷静に見えるようになったら、そんな風に人のことで不安になること...
小学校の先生をやっています。教育の現場で日々思うことから、子どもが明るく楽しく学校生活を送るためには親として教師としてどう接していったらよいか、深く考えていきたいと思っています。
小学校の先生をやっています。 無駄にキャリアが長いわけですけど、 日々思うことを広く発信できたらな…と思い ブログを立ち上げました。
【ADHD?賢い子】二値から考える「いじめ」の問題 1◆加害者の二値で幼い思考が問題私の担任するクラスが、男女の仲が良くなり、みんなが仲良しになっていくのは、子供たちの価値判断を二値から多値へ変えていくことにあると、最近は思っています。ヨウイチ君は暴れるし怒るし、それはそれは大変でしたが、多値を獲得することで落ち着き、クラスの友達と仲良くすることができるようになってきました。友達がおらず、一人ぼっちだ...
【ADHD?賢い子】二値から考える「不登校」の問題 3◆2つの価値観での判断は、自分本位の主観不登校の原因が、ある特定の子の言動にあるのなら、相手に指導して、謝らせ、それを解消することになります。親御さんは、「その子のせいでうちの子が悩み、不登校になっているのだから、それを相手の親御さんに知らせて欲しい」と言われたそうで、実際に伝えると、相手の親御さんも困っていたとのことでした。正直なところ、「そんな...
【ADHD?賢い子】「不登校」学びがなければ「行く・行かない」のどちらかとなる
【ADHD?賢い子】二値から考える「不登校」の問題 2◆何も学びがなければ、「行く」か「行かない」かのどちらかとなる以前担任した子の話なのですが、「学校に行くの? 行かないの? と聞いたんですけどね・・・」とお母さんがこぼされたことがありました。この言葉がとても印象深く残っているのですが、学校に行くか、行かないか、というのも二値的な思考ですよね。「行く」「行かない」の間には、やはりグレーの存在がある。...
【ADHD?賢い子】「不登校」二値的思考の原因は無知にある。
【ADHD?賢い子】二値から考える「不登校」の問題 1◆二値的思考の原因は無知にある。不登校にも様々な原因があるだろうし、解決法も様々だと思いますが、ここでは、不登校の子どもの二値的思考に注目して考えていきたいと思います。幼い子どもほど、他の価値観を学んでいないので二値の傾向が強いものです。二値的思考が強ければ、多値的思考に成長させていくことで解決の道が開ける可能性があります。実際のところ、二値から多...
【ADHD?賢い子】二値から考える「無能感」の問題 2◆賢い子に存在する罠よく子ども達に話をしますが、「できる」と「できない」の間には、ちょっと出来るようになったとか、あと少しとか、昨日よりはできる、といったような様々な段階があります。それは「できるようになる」階段を登っているようなもので、ここへの意識をもっていくことが大切です。「できる」「できない」の二値の子は、「できるようになる」といったグレーの...
【ADHD?賢い子】「無能感」”僕はできないんだ”と泣く賢い子
【ADHD?賢い子】二値から考える「無能感」の問題 1◆「僕はできないんだ」と泣く賢い子ヨウイチ君は、物覚えも早いしかなり賢いと思いますが、学年当初は、すべてのものに拒否反応を示し、自分はできないからやらないという態度を示していました。漢字の再テストでは、カンニングまでしようとしていましたから(笑) 漢字なんてすぐ覚てられる能力をもっているのに、自分は出来ないと思い込んでいたのでしょう。私が今まで出会...
【ADHD?賢い子】「自己否定」他者への攻撃は自分への攻撃となる
【ADHD?賢い子】二値から考える「自己否定」の問題 1◆古い脳は主語を省くので、他者への攻撃は自分への攻撃となる価値観が少ない二値の問題は、自分の内面の問題にも関わってきます。私は長い事、精神的な自虐に悩まされてきました。過去の失敗を思い出しては、自分はダメだと、なんであんなことをしたんだ、と自分を攻撃し続けてしまっていたのです。ですが、これも二値に問題に原因があったように思います。人には新しい脳と...
【ADHD?賢い子】「孤独」全体の8割から嫌われていると思ってしまう
【ADHD?賢い子】二値から考える「孤独」の問題 3◆全体の8割から嫌われていると思ってしまう集団の性質からいうと、クラスには2割の気の合う子と、2割の苦手な子、そして6割のあまり意識しない子が存在することになります。「好き」「嫌い」の2つだけのモノの見方をしていると、6割のあまり意識しない子を、「好き」「嫌い」のどちらかに分類することになります。人間は本能的にネガティブで、外界を敵と認識しやすい傾向が...
【ADHD?賢い子】二値から考える「孤独」の問題 2◆仲良しも、実は流動的世の中は、「敵」「味方」の2つの考え方で分けられるものではありません。よく子ども達に働きアリの法則(2-6-2の法則)について話をします。働きアリの法則(別名2:6:2の法則)とは、集団を「よく働く・普通に働く・働かない」に分類したときに、よく働くアリが2割、普通に働くアリが6割、働かないアリが2割に分かれる性質があるという理論。2-6...
【ADHD?賢い子】「孤独」二値的思考の子は鈍感にスルーできない
【ADHD?賢い子】二値から考える「孤独」の問題 1◆二値的思考の子は鈍感にスルーできないちょっとしたことで「嫌われた」と思ってしまう二値の傾向が強い子。鈍感力が幸せの道だと教えて貰ったことがありますが、敏感すぎるのは、この二値が原因なのかもしれません。得られた情報をどれもネガティブに分類していけば、気が付けば周りは自分を嫌っている人ばかり、敵ばかりとなってしまいます。それがヨウイチ君をはじめとする、AD...
【ADHD?賢い子】「暴れ」白や黒は自分勝手な価値判断。本質はグレーにある。
【ADHD?賢い子】二値から考える「暴れ」の問題 2◆白や黒は自分勝手な価値判断。本質はグレーにある。何かあると怒る人がいます。以前の私は、怒っている人が私をコントロールしようとしているなんて考え方はなかったので、怒られたら、ただただ「自分が悪かった」「すみません」と反省していました。まぁ、これもすぐ自分のことを悪いと思ってしまう二値思考の典型でもあるのですが。でも最近は受け取り方が少し違ってきて、怒る...
【ADHD?賢い子】「暴れ」ちょっとした出来事が全て攻撃されたと思う
【ADHD?賢い子】二値から考える「暴れ」の問題 1教育界には、子供の問題行動とか不登校・いじめなど、様々な問題が存在します。多くの研究者や実践者がいて、様々な理論から解決へのアプローチがされていますが、ヨウイチ君のような二値思考の子のモノの見方・感じ方から、教育の諸問題について考えてみたいと思います。◆ちょっとした出来事が全て攻撃されたと思うヨウイチ君は、自分の思った通りにならなかったり、注意された...
【ADHD?賢い子】二値の問題は、自分の世界観だけで生きている点にある
◆二値思考とは白か黒かの思考 3人は、自分と同じ思考法をしていると思ってしまう。そして人の思いと自分は完全に一致しない。そんな大切なことに気づくまで、ずいぶん歳を重ねてしまったのですが、ヨウイチ君の場合で言えば、彼は何でもネガティブになって「嫌い」とか「イヤだ」という判断をするのですが、そういう判断の仕方を、他人もしていると思い込んでいたのでしょう。自分が人を「嫌い」「イヤだ」と判断するのなら、他...
◆二値思考とは白か黒かの思考 2友達のちょっとした言動をネガティブに捉えて「僕の事を嫌い」と受け止めてしまうヨウイチ君。物事を、たった2つの両極端な価値観で見ることを二値的思考と言いますが、ヨウイチ君は、人を「好き」と「嫌い」の2つで分類してしまう二値の傾向がとても強いと感じました。さらに人のちょっとした言動を悪意に取ってしまうネガティブな思考を併せ持っているので、クラスは嫌いな人だらけってことに...
あけまして おめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願いします。 令和6年1月 お気楽二値思考とは白か黒かの思考 1賢い子というのは、情報収集能力が高く、その情報に関する思考力も高いことでしょう。でも、賢い子がADHDと疑われるような問題行動が見られることがあるのは、その得られた情報の処理の仕方に問題があるのだと思います。ヨウイチ君には、感受性が強く、繊細すぎるという問題が...
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◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんがお手伝いができるようになり、学校にも1日いられるようになった頃、「そういえば、私、先生に怒られたことないよね」と、ぼそっと言いました。「そうそう、リコさんを直接叱ったことってないよね。友達が叱られているのを、全部自分に言われたことだと思っちゃっていた。でも自分はちゃんと努力しているって自分のことを冷静に見えるようになったら、そんな風に人のことで不安になること...
◆結局、最強はお手伝いだった!ある日の休み時間、私の机の近くに座っているリコさんを呼びました。 その日は忙しくて、机の上が子ども達の提出物が山積みになっていました。リコさんは宿題のプリントを一生懸命やっていました。「ちょっと悪いんだけど・・・」と言うと、「先生、何か手伝えること、ある?」 と、彼女が言ったのです。私は、内心「きた!」と思いました。「うん、実はね、このプリント、掲示するのを手伝ってくれ...
◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんの登校渋りの根底には、孤独感があるかもしれない・・・リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。登校に不安を抱えていたのは、誰もクラスに味方がいないという思考に囚われ、孤独な状態にいたからかもしれません。この状況を乗り越えるには、お手伝いや親切行動を通して他者との関わりを作り、他者の思いに触れることが必要だと考えていました。家庭でお...
◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟子どもは、親が責任をとることで、安心して成長していくことができます。私の知り合いに、小学校低学年の時に、夢でうなされるほど担任と相性が合わなかった人がいます。その寝言を聞いて、ある日、彼の父親がはっきりと言ったそうです。「学校になんか、行かなくていい」。親が決めたことだから、その責任は親にある。彼はそれに存分に甘えることができ、残りの期間はのびのびと遊んで暮らし、次...
◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。彼女と二人っきりになったときに、一緒に喜びあったのですが、家庭での様子を聞くと、彼女は家でお手伝いを全くしないとのこと。共働きで忙しいお母さんも、きっと大変なのだろうと想像しました。ひょっとしたら、彼女の場合も「お手伝い」がキーワードになるかもしれない。この頃から考えるようになりました。すぐには...
◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日体育の授業の後、クラスの子どもたちに、そしてリコさんにも届くように話をしました。「一人で何かを成し遂げた喜びって、それは確かに素晴らしいものだよね。例えば、逆上がりが一人でできるようになった時、すっごく嬉しいよね。でもね、誰かに親切にして、その子が何かをできるようになってくれた時、どうだろう? 例えば、友達に逆上がりを教えてあげて、その友達ができるようになった時。...
◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日リコさんは、相変わらず自分のやりたいことだけをする日々。何か調子が悪くなると、途中で帰ってしまう。何が彼女を不安にさせるか、私にはトンと分からない日々でした。ただ、彼女の気分に振り回されてはいけないと思っていました。彼女の気分は彼女のものであって、その気分を私がどうこうすることはできない。そんな風に思っていました。私が、彼女の気分を良くする努力をしても意味はない。...
◆先生が怖くて学校に来られない親御さんとの面談で、とにかく学校に来ることを目標にして、漢字については厳しくしないし、宿題をやっていなくても叱らないということにしました。また、リコさんが帰りたくなったら家に帰すということにもしました。親御さんも何とか学校に登校させてくださったので、本当にありがたかったです。実際のところ、子ども達には「一番大切にして、一番考えてくれているのは親御さんだから、親御さんの...
◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が厳しくて学校に来られない。でも・・・私が変わる必要があるのだろうか? という疑問は常に頭の中にありました。実際のところ、リコさんが登校を渋っている間も、丁寧に漢字練習をする子がだんだん増えていったし、クラス全体の宿題の提出も良くなっていったのです。それはまるで、リコさんだけが取り残されている感じでした。他の子は前に進んでいるのに・・・リコさんは、登校を...
◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が怖いからと言って学校に来られない。もちろん、私に問題があるのですが、果たしてそれだけだろうか? と実は、悶々と悩んでいました。学校での指導は、当然厳しい側面が必要です。漢字練習に関わらず、ダメなものはダメだと指導することが大事なのは当たり前のことだと思うのです。社会にはルールがある。そのルールに適合しなくては、周りに人々と共に生きていくことは無理な話で...
◆先生が怖くて学校に来られない4月、新しい学年が始まりました。子ども達にとって希望に満ちた春がスタートするわけですが、学級担任にとっては夏休みまでの4カ月間はものすごく大変で、子どもたちを学校生活や学習の道に乗せるために、必死になってクラスを作っていきます。そしてこれも例年のことですが、漢字学習においては丁寧に書く意識が薄い子ばかりなので、厳しく指導する場面が増えます。たぶん漢字練習に関しては、学...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき「みんなは、漢字を通して最強の勉強法を学んでいます。言われた通りに学ぶことで、教えてくれる人の心がわかるようになっていきます。その人から考え方を学ぶことができます。っていうことはですよ、人の心がわかるようになる、ってことなんです。」ここまで言うと、子ども達の瞳が一斉に私の方に向いたように思いました。どの子も真剣に聞いています。「みんな、多...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき漢字練習を厳しくやっているのは、単純に漢字で良い点数を取れるようになるためではありません。私の言う通りに書く。書いて練習する。そういうことを通して、教えている私の考え方や心を学んでね、という事なのです。あ~先生は、ちゃんと折って書かなくては注意をするんだな、ちゃんと止めないと注意するんだな。そういうのは、私の心です。その心さえ分かるように...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと「漢字練習を丁寧に書かなくて私に叱られる。これってどういうことだろうね?」子ども達は、私の言っていることの意味が分からない様子です。「ずいぶん、みんなは漢字練習の字が上手になってきました。でも、叱られなくなるために必要だったのは、私の言った通りに書く、たったこれだけだったでしょう?」子ども達の様子を見ると、多くの子が首を縦に振っています。「そうそ...
◆漢字練習で人の心を知る人から教えてもらったり親切にしてもらったりしても、平気で無視をする。無視ができるというのが驚きなのですが、相手への感謝の心が育っていない。そこに子ども達にとって一番の課題がある。これは困った問題だなぁと思いました。親に、先生に感謝せよ、と言っても、そう簡単にはいきません。人の心は、コントロールできないですから。感謝の心を育てるために、昔の人はどうしていただろう? と考えてみ...
◆漢字練習で人の心を知る毎日子どもの漢字練習を見ていると、案外と子どもの心理状態が見えます。あ~この子は何かに悩んでいるなー、勉強にやる気を出してきたなー、なんてことも漢字ノートだけで分かります。漢字練習を通して子どもと会話をしている感覚があるのですが、これはテストも同じで、この子はココで躓いているのか、頑張ってできるよになったね、なんて思いながらテストの丸つけをしています。でも、ミツオ君の乱雑な...
◆漢字練習で人の心を知る嫌な事は先にする、そんな話をして学校でも宿題は先取りさせ、ミツオ君の宿題忘れや忘れ物は少しずつ減っていきました。漢字は丁寧にはなりましたが、でも、もう一押し、何かが足りないように思っていました。相変わらず提出物の字が、乱雑だったのです。ある日のこと、私はテストの丸つけをしていました。すると、名前が読めないテストが出てきました。なんとか名前を読むと、ミツオ君のテストでした。そ...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き「この前の道徳の授業で、忘れ物の授業をしたよね。みんなで、どうして忘れ物をしてしまうのかを話し合った時に、「面倒くさい」「部屋が散らかってる」「準備を後回しにする」という意見が出ました。この「面倒くさい」っていうのも後回しだよね。やりたくないから面倒だなって思う。「部屋が散らかっている」っていうのも、片付けを後回しに...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き人の脳って不思議なもので、何か疑問があると、いつまでも覚えていて答えを探しているんだって。みんなも経験があるでしょう? これって何て名前だっけ?って思ったら、ずいぶん時間がたってから”〇〇だ!”ってピカッて思い出すってこと。」子ども達は口々に「ある!ある!」と言っています。「やりたくないこと…みんなだったら宿題ってことに...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと「宿題を先にやっても良い事にしているけれど、それでも宿題を出せない人がいます。そういう人は、隙間時間や20分休みにやっているのだけど、ちょっとよく考えてみてくださいね。宿題は、やらなければならないことです。これは大丈夫ですか?」子ども達に聞くと、「はい!」という返事が返ってきました。「そうそう、やらなければならないこと。それ...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 7「量が質に変わる」。車の運転でも同じなのでしょう。いくら理論を知ったからといって、実際に練習を重ねないとできるようにならない。だからサーキットに行って練習を重ねる必要がある。そうやって行動に移さないと、人は思考を深められないのだと思います。これは学校の学びも同じで、算数の理論を学んだからといって出来る子ばかりではありません。むしろ、出来ない子が大多数で...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 6クミコさんは、「私は勉強ができない」という強固な鎧を心に身にまとって「勉強ができない自分」を肯定して、現状維持の壁を破ることができませんでした。学習活動が遅いのは、完璧主義の問題もあると思っています。チューリップを植えるのが遅かった1年生は、失敗を恐れる心理があったのでしょう。クミコさんも、問題ができないことが怖い。失敗したらどうしよう、、、と思ったら...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 5丁寧に板書をノートに写すクミコさん。丁寧書いていたら、本人も勉強した気分になるから自分を否定することにもなりません。そこに落とし穴がある。クミコさんの問題は、できるようになる努力をしていないことと、苦手なことから逃げてしまう心にあると思いました。クミコさん自身は、「できる自分」になりたいと思っていることでしょう。でも、その未来に向かって歩き出す勇気がな...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 4クミコさんの授業での様子を見ていると、とにかく、なんでも丁寧なのです。板書を写す時も、とても丁寧にノートに書いていきます。丁寧すぎて、時間が掛かるのが問題で。。。その姿は、私には”逃げ”のように感じました。丁寧に書くことで、考えることから逃げている。授業では考えることや分かることが大切ですが、丁寧に字を書くことで、思考することを拒否しているのでしょう。以...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 3現状維持なら、自分は傷つくことはない。お母さんの話では、クミコさんは家では宿題ができなくて泣いているとのことなので、勉強ができないことで自分自身を責めているのでしょう。なら勉強したらいいじゃんって思うし、そんな風に苦しんでいるのは地獄のようだものだと思うのですが、そういう思考が常態化していると、抜け出せないんですね。クミコさんの問題も、「勉強ができない...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 2心の話には素直に反応して、しっかり話を聞くことができるクミコさんですが、授業となると、とたんに不安そうな顔となります。漢字は以前担任した時にかなり特訓をしたので、止め・はね・払いも完璧に書くことができるし、漢字小テストは、半分くらいは〇になっていたので、全然できないというレベルではないので、違和感がありまくりです。漢字が読めないという話はいったいなんだ...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 1クミコさんは、前年度の担任からの申し送りで、文章は拾い読みで漢字も読めない、算数の文章題も全く解けないという子でした。前年度の成績は学年の中で最下位層に位置していました。以前に担任もした子で、当時も勉強が苦手だな、、、とは思っていたのですが、何度かお母さんから「お気楽先生が担任の時はやる気があったのに…」という相談を受けていたのです。再び担任した時は、(...
『人生とは自転車のようなものだ。 倒れないようにするには走らなければならない。』これはアインシュタインの名言です。最近、この言葉に出会ってかなり衝撃を受けました。同様な名言は数多く存在していて、泳ぐ魚は沈まない、回る駒は倒れない、など、このブログでも以前に書いた記憶があります。でもなぜ、再びアインシュタインなのか?それは自分自身にとって、「動けない」ことが大きな課題であると最近意識するようになって...
◆『いい人戦略』でいこう!3クラスで話したことまだまだ未熟な私たちだから、いい人を目指して努力していく。そんな話をしていたら、子どもから「嫌なことをした人にも、親切にするのですか?」という質問がありました。これには少し困ってしまったのですが、他の子がさっと手を挙げて「オキシトシンは、相手にもでるから…」と助け船を出してくれました。毎日、いろいろな話をしていますが、子ども達なりに知識をつなげる努力をし...
◆『いい人戦略』でいこう! 2クラスで話したこと「いい人であることは難しいです。だってね、悪口を言われたと思ったら心の中では、怒り爆発状態だものね。私だって同じです。でもね、戦略なんですよ。自分はたぶんいい人じゃない。だから、いい人のフリをする。いい人のような演技をする。例えば、人の顔って口の端…口角というけれど、そこをちょっと上に上げたら、笑顔だと思われる。逆に下げたら機嫌が悪いように見える。だっ...
◆『いい人戦略』でいこう! 1クラスで話したこと「悪口を言い続けたら友達が無くなっていく。これは、怖い話ではないですか? だって、そんな人と付き合ってなんていられないよね。クラスは、悪口を言わない人がほとんどだよね。ちょっと見回してごらんよ。少なくとも、大人しくあまり喋らない子は悪口を言わないでしょ? 休み時間になると外に飛び出してドッジボールをやっている子だって悪口を言っている暇なんてないよ。漢字...
◆自分の色眼鏡を変える 3クラスで話したこと つづき「こういうことはね、騙されたと思ってやってみると良いんだよ。周りの人は親切で優しい人ばかりだ、っていう色眼鏡をかける。そのためには、まず自分が親切で優しい人になることが必要なんだ。知らない世界というのは、信じられないことでしょう。でも教えて貰うというのは、知らない世界を知るってこと。学ぶは真似ぶなのだから、騙されたと思ってやってみる。ケンタ君は、実...
◆自分の色眼鏡を変える 2クラスで話したこと つづき「誰かが「嫌い」と言っているのを耳にしたら、簡単に自分のことだと思ってしまう。手紙を見せて貰えなかったら自分の悪口が書かれているのだと簡単に思ってしまう。人の他人を見る目というのは、これほどまでに曇っているのです。こういうのを、色眼鏡をつけて世界を見ていると言います。例えば、赤色の色眼鏡を掛けている人だったら、どんなものも赤みがかって見えていて、正し...
◆自分の色眼鏡を変えるクラスで話したこと つづき「悪口を言われた場合の対処の仕方の2つめは、自分の色眼鏡を変えるということです。1つめの”相手は変えられないからあきらめる”は、自分は悪くなく、相手が一方的に悪いという場合でした。でも、必ずしもそうじゃない場合があります。それは、自分が濃い色眼鏡をかけて相手を見ている場合です。ひょっとしたら、相手が悪口を言っていない可能性だってある。例えば、私は嫌われて...
◆相手は変えられないことをあきらめる(明らかに見る)2クラスで話したこと つづき「でもまぁ、悪口を言われたり意地悪をされたりする原因が自分にはあるのだろうから、自分はよりよく生きていこうと思う事は大事だよね。よく皆に話をする人に親切にするとか自分への利益誘導をしないとかといった日々の努力も大事です。そういう努力をしていたら、自分は正しく生きているのだから悪口を言う相手が悪いって、ちゃんと思えるように...
◆相手は変えられないことをあきらめる(明らかに見る)1サトコさん達の一件があって、子ども達に、友達との関係についてちゃんと話をしなければと思いました。女子は特に、高学年になると必ずといってよいほど人間関係で問題が出てくるものですから、よい機会だとも思いました。クラスで話したこと「昨日、ある女の子から相談がありました。友達から悪口を言われているというのです。悪口を言われた場合の対処の仕方は、2つある...
◆悪口を言われた 6「ミコさんの言う事を信じよう」と私がサトコさんに言った瞬間、サトコさんが驚いたように目を見開いてこちらを見ました。そして、ミコさんとクミさんは嬉しそうな表情になりました。ミコさんは、本当に言ってなかったのでしょう。そして今後も言わない自信があるのだと思いました。子どもの喧嘩というのは、双方が自分の正義を主張するばかりで、いつまでも後に残すことがあります。それは、相手の主張を受け入...
◆悪口を言われた 5サトコさんには、ミコさんの「言っていない」という言葉が届かない。それは、自分の正しさに固執してしまっているから。自分自身、サトコさんのような経験は何度もありました。でも、相手の言う事を「違う!」と思いたくなるけれど受け入れていくことが必要です。そうしなければ、問題の解決にはつながらないし、負の感情にずっと固執し続けていくことにもなります。サトコさん達に話したこと「サトコさんはミ...
◆悪口を言われた 4(先生もミコさんも、悪口を言っていないといっているけど、絶対に言った!)サトコさんの心の中は、こんな思いに囚われているのでしょう。その気持ちも分かる。自分の考えに囚われて悩んでしまう。自分の考えを正しいとして、人の言う事を受け入れられない。人は、そういうものなのだと思います。興福寺の阿修羅像は、とても人気の仏像です。仏教に取り入れられてからは、釈迦を守護する神となったそうですが...
◆悪口を言われた 3ミコさんに悪口を言われたと訴えるサトコさん。でもミコさんは言っていないと言うし、一緒にいたクミさんも言っていないと言う。でも、これはどこにも確証はありません。学校は、こういう確証のないトラブルばかりだとも言えます。実際にミコさんが言った可能性もあるわけで、これは困ったなーと内心思っていました。ミコさんの言い分を全て認めてしまったら、サトコさんを否定することになります。サトコさんの...