◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんがお手伝いができるようになり、学校にも1日いられるようになった頃、「そういえば、私、先生に怒られたことないよね」と、ぼそっと言いました。「そうそう、リコさんを直接叱ったことってないよね。友達が叱られているのを、全部自分に言われたことだと思っちゃっていた。でも自分はちゃんと努力しているって自分のことを冷静に見えるようになったら、そんな風に人のことで不安になること...
小学校の先生をやっています。教育の現場で日々思うことから、子どもが明るく楽しく学校生活を送るためには親として教師としてどう接していったらよいか、深く考えていきたいと思っています。
小学校の先生をやっています。 無駄にキャリアが長いわけですけど、 日々思うことを広く発信できたらな…と思い ブログを立ち上げました。
宿題の先取りは、なかなか子ども達に好評で、どんどん学校で宿題を終わらせていってしまいます。音読は、国語の教科書を各単元7回ずつ読めば音読カードが1枚終わる形にしているのですが、その音読カードを13枚も終了させた強者も出ました。要は、国語の教科書全部を7×13の91回も読んだことになります。その子と一緒に音読をやっている子たちは、国語の教科書を開かなくても読めるのだそうです。教科書を丸っと覚えてしま...
漢字練習を子どもが主体的に進めるようにする。そのために、どうしたら良いだろう。ここは思い切って、漢字練習帳の進度を子どもに任せてしまう、そんな取り組みを最近はしています。子どもの字で私がチェックするのは、止め、はね、払い、画と画をつける、離す、しっかり折る、曲げくらいなのだから、字を丁寧に書ける子というのは、当然、それくらいは出来るようになっていると考えました。もちろん、4月当初は難しいです。でも...
漢字の練習は、私の学級運営の柱の一つではあるのですが、昨年あたりから少しやり方を変えています。・大人を自分の価値観で測らない(言われた通りに実行する)・等価交換の法則で、担任に礼儀を尽くす・原因自分論で心の在り方をかえるこれらのことをベースに漢字練習を進めていますが、もう少し何とかならんかなーというか、現状維持が一番良くないと思うので、さらに進化させることを目的に変えていきたいと思っていました。よ...
漢字練習も等価交換の法則が当てはまりますから、雑に書いてくる子に対しては、「この字じゃ、私は見れないな」と、子どもに返します。時には「見なくても良いという事ですか?」とまで言う事もあります。学ぶということは、人から与えられるものではありません。自分で学んでいく心を身につけていかなければなりません。それが主体的な学びにつながる。「先生にやらされている」という感覚を捨てさせる必要があります。はじめは何...
1学期はたいてい、子ども達の心の成長を促すような心の種となるような話を、毎朝していきます。心が成長していくと、いろいろな場面で子ども達は力を発揮していきますが、一番、子どもの心の変化が分かるのが漢字練習や漢字小テストです。毎日字を見ていると、子ども達の意識の変化で字が明らかに変わっていきますし、ちょっと悩み事でもあるのかな?なんてことも、分かるようにもなります。・大人を自分の価値観で測らない(言わ...
子どもに話したこと つづき「要はは、自分次第なんですね。厳しい先生を変えることはできないけれど、自分を変えたら、なりたい自分・・・この場合は100点を取れる自分に変えることができる。これは原因自分論と言います。多くの人は原因他人論で、人が悪い、人のせいって思うけど、他人は絶対に変えられないので、いつも怒れたり悩んだりって結果になります。それでいて、自分を成長させることには目を向けられない。でも自分...
子ども達にいろいろな話をするのですが、一朝一夕に、解決するわけでもなく、毎日、毎日、言って聞かせ、心に沁み込ませていきます。今年の学年は、たまたま以前に担任したことがある学年だったので、やり易い面もありました。明らかに、担任した子と担任しなかった子とでは漢字テストの格差があったのです。以前担任した子達は、漢字練習帳には、いつも丁寧に書いてくるし、漢字小テストで満点を取ろうとする意思や、早々に再テス...
子ども達に話したこと3人に優しくするとか思いやりとか、そういうものは大事だと、みんなは知っているし思っているよね。でも実はね、かなり努力がいるものなんだよ。漢字練習にしろ、朝の挨拶にしろ、自分は親切に優しく接して貰っているんだと思ったら、丁寧に書かないとか、挨拶はしないとか、そんな選択はできないものです。周りの人は、親切で優しい。これを自分の心にしっかりと刻み込んで周りの人に感謝して生きられるって...
子ども達に話したこと2人のことを思いやるってことも大切なことです。私は、みんなのクシャクシャな漢字練習を毎日夜遅くまで見ています。でも、これってどうなのかな?って思うんですよ。私は親切に丁寧に教えているんだと思う。一人ひとり、一つ一つ直しています。でも、それは関係なしに、自分は面倒で書きたくないから雑に書く。そんな風に思う人っていうのは、素敵な宇宙船地球号の仲間となれるのかな?私は、どの子も素敵な...
子ども達に話したこと 1「私は、漢字は丁寧に注意する所を教えているし、夜遅くまで、みんなの練習帳を見て朱を入れています。ある意味、親切だとも言えますよね。厳しく見なくても、だいたい書けていたら丸にしていたら私も残業しなくて楽です。でも漢字練習というのは、単に漢字が書けるっていうだけの話ではありません。例えば、お父さんやお母さんが書く字は、止めや払いなんかをちゃんと書いていません。私だって、黒板に書...
私は漢字に関しては、かなり厳しくチェックをするので、4月の頃は、その丸つけと直しとで、かなりの時間を費やしてしまい、毎日、遅くまで学校で残業するような状態でした。でも、これは何かが間違っている、と思っていました。それこそ、子ども達が主体的に漢字練習に取り組むようになれば、宿題をきちんと提出するし、丁寧に書くことでしょう。教えられたことを守って書く努力をしたら、修正の数は激減するはずです。でも現実は...
【主体的学び】漢字練習を通して子どもたちの心は確実に成長する
このブログで、漢字指導は私の学級運営の柱の一つだと書いてきました。厳しい漢字練習を通して、子どもたちの心は確実に成長していきます。1学期の子ども達の漢字練習に関する感想が手元にあります。・先生にやらせられると思うと嫌になる。自分がやる!と思うことが大切。原因自分論が大事。・早く取り組む→やる気が出る→できるようになる→楽しくなる。これをコツコツ続ける。・早く取り組むとやる気が出ると知りました。早くや...
【主体的学び】成功者の行動様式や思考を学べば、自ずと主体的な行動ができるようになる。
偉人や成功者の行動様式や思考を学べば、自ずと主体的な行動、主体的な学びができるようになる。実際に、自分自身の思考を変えてきて、それは実感できます。というより、なりたい自分を実現するためには主体的な行動が必要で、それが実行できるようになるために、学んできたようなものです。主体的というと子どもの自由と捉えがちですが、そうではなく、きちんとした学びの中にこそ育まれるものなのだと思います。その為には、教師...
【主体的学び】自由活動で主体性が伸ばせるという幻想に教育界は包まれている
「主体的・対話的で深い学び」ということで、様々な授業や本を見ると、子ども達が自由に思考することに重点を置いていることが多いように思います。対話に関しても、子ども達が話し合いをし、その中から結論を見出すような形にしている。それは、教員あたかも子どもの主体性を重ん、育てているかのように見えます。自由にすべきで、その中で子ども達に考えさせたら良い。そうしたら子どもは能力を高めていくことができるし、主体性...
秀でたもののある人というのは、実行力があり、努力して実現していく。そういう主体的な行動ができたら、素敵な楽しい人生が歩めると思うのですが、それは簡単なことではありません。それは、現実の自分を見たら分かります。自分は、そのような人生が歩めてきたのか? 自分の思いを実現してきたのか? 胸をはって「YES」答えられる人は、どれだけいるでしょう? 世の中の大多数は「YES]とは答えられない。それが現実だと思いま...
【主体的学び】主体的生き方とは柵の外で孤高に生きる狼の生き方 3
目指す未来や成果があり、そのために自分はどのようにアプローチしていくか。どのように努力していくか。よくよく考えてみると、これほど難しいことはありません。「かもめのジョナサン」という本がありますが、ジョナサンは、飛ぶ歓び、生きる歓びを追い求め、飛ぶという行為を追究し続けます。群れから追放されますが、限界突破に挑み続けます。人は、「こうなりたい」「あんなことをしたい」と思いますが、いろいろな理由をつけ...
【主体的学び】主体的生き方とは柵の外で孤高に生きる狼の生き方 2
自主性:ある程度決められていることを自ら率先して行う態度や性質のこと主体性:自らの意志や判断に基づいて、自らの責任のもとで行動すること同じ行動であっても、心の在り方によって自主的にも主体的にもなる。それは、自分自身の人生を、どのように歩むかに直結します。師匠に学んで10年になりますが、柵の中に生きる羊のような生き方をするか(自主的)、柵から出て自分の人生を自分自身の責任で生きる狼のような生き方をす...
【主体的な学び】主体的な生き方とは柵の外の孤高な狼の生き方 1
「主体的な学び」をテーマにしようと思い、このブログを書きながら、いったい「主体的」と「自主的」は、どのように違うのだろう?と考えてしまいました。過去、教育界では、子ども達の自主性という言葉はよく言われてきました。でも今のテーマは、子どもの主体性です。ネットで調べてみると、・自主性:ある程度決められていることを自ら率先して行う態度や性質のこと・主体性:自らの意志や判断に基づいて、自らの責任のもとで行...
長い夏休みが終わりました。夏休みが始まると、あれやって、これやって、と思うのですが、毎年、毎年、何も達成できずに終わってしまいます。そんなことではいけない!と思い、今年こそはそれを打破するために自分のやるべきことをリストアップしました。でも、それだけではすぐに忘れてしまうので、リストを常にスマホに表示させられるように工夫し、何とか達成することを夏休みの自分の課題としました。その結果は・・・いくつか...
タカシ君の発表が終わった瞬間、クラスは大歓声に包まれました。その瞬間、なんて心の温かい子ども達なんだろう、と思いました。クラスの子ども達は、我が事のようにタカシ君を応援していました。離れた場所での発表だったけれど、クラスの子達の応援は、タカシ君にはちゃんと届いていたのでしょう。タカシ君は、作文発表をやり遂げました。でも、それはタカシ君一人の力によるものではありません。タカシ君は、リョウイチ君やメグ...
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◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんがお手伝いができるようになり、学校にも1日いられるようになった頃、「そういえば、私、先生に怒られたことないよね」と、ぼそっと言いました。「そうそう、リコさんを直接叱ったことってないよね。友達が叱られているのを、全部自分に言われたことだと思っちゃっていた。でも自分はちゃんと努力しているって自分のことを冷静に見えるようになったら、そんな風に人のことで不安になること...
◆結局、最強はお手伝いだった!ある日の休み時間、私の机の近くに座っているリコさんを呼びました。 その日は忙しくて、机の上が子ども達の提出物が山積みになっていました。リコさんは宿題のプリントを一生懸命やっていました。「ちょっと悪いんだけど・・・」と言うと、「先生、何か手伝えること、ある?」 と、彼女が言ったのです。私は、内心「きた!」と思いました。「うん、実はね、このプリント、掲示するのを手伝ってくれ...
◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんの登校渋りの根底には、孤独感があるかもしれない・・・リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。登校に不安を抱えていたのは、誰もクラスに味方がいないという思考に囚われ、孤独な状態にいたからかもしれません。この状況を乗り越えるには、お手伝いや親切行動を通して他者との関わりを作り、他者の思いに触れることが必要だと考えていました。家庭でお...
◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟子どもは、親が責任をとることで、安心して成長していくことができます。私の知り合いに、小学校低学年の時に、夢でうなされるほど担任と相性が合わなかった人がいます。その寝言を聞いて、ある日、彼の父親がはっきりと言ったそうです。「学校になんか、行かなくていい」。親が決めたことだから、その責任は親にある。彼はそれに存分に甘えることができ、残りの期間はのびのびと遊んで暮らし、次...
◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。彼女と二人っきりになったときに、一緒に喜びあったのですが、家庭での様子を聞くと、彼女は家でお手伝いを全くしないとのこと。共働きで忙しいお母さんも、きっと大変なのだろうと想像しました。ひょっとしたら、彼女の場合も「お手伝い」がキーワードになるかもしれない。この頃から考えるようになりました。すぐには...
◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日体育の授業の後、クラスの子どもたちに、そしてリコさんにも届くように話をしました。「一人で何かを成し遂げた喜びって、それは確かに素晴らしいものだよね。例えば、逆上がりが一人でできるようになった時、すっごく嬉しいよね。でもね、誰かに親切にして、その子が何かをできるようになってくれた時、どうだろう? 例えば、友達に逆上がりを教えてあげて、その友達ができるようになった時。...
◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日リコさんは、相変わらず自分のやりたいことだけをする日々。何か調子が悪くなると、途中で帰ってしまう。何が彼女を不安にさせるか、私にはトンと分からない日々でした。ただ、彼女の気分に振り回されてはいけないと思っていました。彼女の気分は彼女のものであって、その気分を私がどうこうすることはできない。そんな風に思っていました。私が、彼女の気分を良くする努力をしても意味はない。...
◆先生が怖くて学校に来られない親御さんとの面談で、とにかく学校に来ることを目標にして、漢字については厳しくしないし、宿題をやっていなくても叱らないということにしました。また、リコさんが帰りたくなったら家に帰すということにもしました。親御さんも何とか学校に登校させてくださったので、本当にありがたかったです。実際のところ、子ども達には「一番大切にして、一番考えてくれているのは親御さんだから、親御さんの...
◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が厳しくて学校に来られない。でも・・・私が変わる必要があるのだろうか? という疑問は常に頭の中にありました。実際のところ、リコさんが登校を渋っている間も、丁寧に漢字練習をする子がだんだん増えていったし、クラス全体の宿題の提出も良くなっていったのです。それはまるで、リコさんだけが取り残されている感じでした。他の子は前に進んでいるのに・・・リコさんは、登校を...
◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が怖いからと言って学校に来られない。もちろん、私に問題があるのですが、果たしてそれだけだろうか? と実は、悶々と悩んでいました。学校での指導は、当然厳しい側面が必要です。漢字練習に関わらず、ダメなものはダメだと指導することが大事なのは当たり前のことだと思うのです。社会にはルールがある。そのルールに適合しなくては、周りに人々と共に生きていくことは無理な話で...
◆先生が怖くて学校に来られない4月、新しい学年が始まりました。子ども達にとって希望に満ちた春がスタートするわけですが、学級担任にとっては夏休みまでの4カ月間はものすごく大変で、子どもたちを学校生活や学習の道に乗せるために、必死になってクラスを作っていきます。そしてこれも例年のことですが、漢字学習においては丁寧に書く意識が薄い子ばかりなので、厳しく指導する場面が増えます。たぶん漢字練習に関しては、学...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき「みんなは、漢字を通して最強の勉強法を学んでいます。言われた通りに学ぶことで、教えてくれる人の心がわかるようになっていきます。その人から考え方を学ぶことができます。っていうことはですよ、人の心がわかるようになる、ってことなんです。」ここまで言うと、子ども達の瞳が一斉に私の方に向いたように思いました。どの子も真剣に聞いています。「みんな、多...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき漢字練習を厳しくやっているのは、単純に漢字で良い点数を取れるようになるためではありません。私の言う通りに書く。書いて練習する。そういうことを通して、教えている私の考え方や心を学んでね、という事なのです。あ~先生は、ちゃんと折って書かなくては注意をするんだな、ちゃんと止めないと注意するんだな。そういうのは、私の心です。その心さえ分かるように...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと「漢字練習を丁寧に書かなくて私に叱られる。これってどういうことだろうね?」子ども達は、私の言っていることの意味が分からない様子です。「ずいぶん、みんなは漢字練習の字が上手になってきました。でも、叱られなくなるために必要だったのは、私の言った通りに書く、たったこれだけだったでしょう?」子ども達の様子を見ると、多くの子が首を縦に振っています。「そうそ...
◆漢字練習で人の心を知る人から教えてもらったり親切にしてもらったりしても、平気で無視をする。無視ができるというのが驚きなのですが、相手への感謝の心が育っていない。そこに子ども達にとって一番の課題がある。これは困った問題だなぁと思いました。親に、先生に感謝せよ、と言っても、そう簡単にはいきません。人の心は、コントロールできないですから。感謝の心を育てるために、昔の人はどうしていただろう? と考えてみ...
◆漢字練習で人の心を知る毎日子どもの漢字練習を見ていると、案外と子どもの心理状態が見えます。あ~この子は何かに悩んでいるなー、勉強にやる気を出してきたなー、なんてことも漢字ノートだけで分かります。漢字練習を通して子どもと会話をしている感覚があるのですが、これはテストも同じで、この子はココで躓いているのか、頑張ってできるよになったね、なんて思いながらテストの丸つけをしています。でも、ミツオ君の乱雑な...
◆漢字練習で人の心を知る嫌な事は先にする、そんな話をして学校でも宿題は先取りさせ、ミツオ君の宿題忘れや忘れ物は少しずつ減っていきました。漢字は丁寧にはなりましたが、でも、もう一押し、何かが足りないように思っていました。相変わらず提出物の字が、乱雑だったのです。ある日のこと、私はテストの丸つけをしていました。すると、名前が読めないテストが出てきました。なんとか名前を読むと、ミツオ君のテストでした。そ...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き「この前の道徳の授業で、忘れ物の授業をしたよね。みんなで、どうして忘れ物をしてしまうのかを話し合った時に、「面倒くさい」「部屋が散らかってる」「準備を後回しにする」という意見が出ました。この「面倒くさい」っていうのも後回しだよね。やりたくないから面倒だなって思う。「部屋が散らかっている」っていうのも、片付けを後回しに...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き人の脳って不思議なもので、何か疑問があると、いつまでも覚えていて答えを探しているんだって。みんなも経験があるでしょう? これって何て名前だっけ?って思ったら、ずいぶん時間がたってから”〇〇だ!”ってピカッて思い出すってこと。」子ども達は口々に「ある!ある!」と言っています。「やりたくないこと…みんなだったら宿題ってことに...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと「宿題を先にやっても良い事にしているけれど、それでも宿題を出せない人がいます。そういう人は、隙間時間や20分休みにやっているのだけど、ちょっとよく考えてみてくださいね。宿題は、やらなければならないことです。これは大丈夫ですか?」子ども達に聞くと、「はい!」という返事が返ってきました。「そうそう、やらなければならないこと。それ...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 7「量が質に変わる」クミコさんの問題は、分からないからと自己否定に向かってしまって量をこないしていないこと。そう考えて、クミコさんにとにかく「できる」を目標にしていこうと話をしました。特に実践しやすかったのは、算数でした。クミコさんは算数には特に苦手意識があって、算数の時間にはいつも暗い顔をしていたました。でも算数は時間さえ味方につけたら乗り越えられると...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 7「量が質に変わる」。車の運転でも同じなのでしょう。いくら理論を知ったからといって、実際に練習を重ねないとできるようにならない。だからサーキットに行って練習を重ねる必要がある。そうやって行動に移さないと、人は思考を深められないのだと思います。これは学校の学びも同じで、算数の理論を学んだからといって出来る子ばかりではありません。むしろ、出来ない子が大多数で...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 6クミコさんは、「私は勉強ができない」という強固な鎧を心に身にまとって「勉強ができない自分」を肯定して、現状維持の壁を破ることができませんでした。学習活動が遅いのは、完璧主義の問題もあると思っています。チューリップを植えるのが遅かった1年生は、失敗を恐れる心理があったのでしょう。クミコさんも、問題ができないことが怖い。失敗したらどうしよう、、、と思ったら...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 5丁寧に板書をノートに写すクミコさん。丁寧書いていたら、本人も勉強した気分になるから自分を否定することにもなりません。そこに落とし穴がある。クミコさんの問題は、できるようになる努力をしていないことと、苦手なことから逃げてしまう心にあると思いました。クミコさん自身は、「できる自分」になりたいと思っていることでしょう。でも、その未来に向かって歩き出す勇気がな...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 4クミコさんの授業での様子を見ていると、とにかく、なんでも丁寧なのです。板書を写す時も、とても丁寧にノートに書いていきます。丁寧すぎて、時間が掛かるのが問題で。。。その姿は、私には”逃げ”のように感じました。丁寧に書くことで、考えることから逃げている。授業では考えることや分かることが大切ですが、丁寧に字を書くことで、思考することを拒否しているのでしょう。以...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 3現状維持なら、自分は傷つくことはない。お母さんの話では、クミコさんは家では宿題ができなくて泣いているとのことなので、勉強ができないことで自分自身を責めているのでしょう。なら勉強したらいいじゃんって思うし、そんな風に苦しんでいるのは地獄のようだものだと思うのですが、そういう思考が常態化していると、抜け出せないんですね。クミコさんの問題も、「勉強ができない...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 2心の話には素直に反応して、しっかり話を聞くことができるクミコさんですが、授業となると、とたんに不安そうな顔となります。漢字は以前担任した時にかなり特訓をしたので、止め・はね・払いも完璧に書くことができるし、漢字小テストは、半分くらいは〇になっていたので、全然できないというレベルではないので、違和感がありまくりです。漢字が読めないという話はいったいなんだ...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 1クミコさんは、前年度の担任からの申し送りで、文章は拾い読みで漢字も読めない、算数の文章題も全く解けないという子でした。前年度の成績は学年の中で最下位層に位置していました。以前に担任もした子で、当時も勉強が苦手だな、、、とは思っていたのですが、何度かお母さんから「お気楽先生が担任の時はやる気があったのに…」という相談を受けていたのです。再び担任した時は、(...
『人生とは自転車のようなものだ。 倒れないようにするには走らなければならない。』これはアインシュタインの名言です。最近、この言葉に出会ってかなり衝撃を受けました。同様な名言は数多く存在していて、泳ぐ魚は沈まない、回る駒は倒れない、など、このブログでも以前に書いた記憶があります。でもなぜ、再びアインシュタインなのか?それは自分自身にとって、「動けない」ことが大きな課題であると最近意識するようになって...
◆『いい人戦略』でいこう!3クラスで話したことまだまだ未熟な私たちだから、いい人を目指して努力していく。そんな話をしていたら、子どもから「嫌なことをした人にも、親切にするのですか?」という質問がありました。これには少し困ってしまったのですが、他の子がさっと手を挙げて「オキシトシンは、相手にもでるから…」と助け船を出してくれました。毎日、いろいろな話をしていますが、子ども達なりに知識をつなげる努力をし...
◆『いい人戦略』でいこう! 2クラスで話したこと「いい人であることは難しいです。だってね、悪口を言われたと思ったら心の中では、怒り爆発状態だものね。私だって同じです。でもね、戦略なんですよ。自分はたぶんいい人じゃない。だから、いい人のフリをする。いい人のような演技をする。例えば、人の顔って口の端…口角というけれど、そこをちょっと上に上げたら、笑顔だと思われる。逆に下げたら機嫌が悪いように見える。だっ...
◆『いい人戦略』でいこう! 1クラスで話したこと「悪口を言い続けたら友達が無くなっていく。これは、怖い話ではないですか? だって、そんな人と付き合ってなんていられないよね。クラスは、悪口を言わない人がほとんどだよね。ちょっと見回してごらんよ。少なくとも、大人しくあまり喋らない子は悪口を言わないでしょ? 休み時間になると外に飛び出してドッジボールをやっている子だって悪口を言っている暇なんてないよ。漢字...
◆自分の色眼鏡を変える 3クラスで話したこと つづき「こういうことはね、騙されたと思ってやってみると良いんだよ。周りの人は親切で優しい人ばかりだ、っていう色眼鏡をかける。そのためには、まず自分が親切で優しい人になることが必要なんだ。知らない世界というのは、信じられないことでしょう。でも教えて貰うというのは、知らない世界を知るってこと。学ぶは真似ぶなのだから、騙されたと思ってやってみる。ケンタ君は、実...
◆自分の色眼鏡を変える 2クラスで話したこと つづき「誰かが「嫌い」と言っているのを耳にしたら、簡単に自分のことだと思ってしまう。手紙を見せて貰えなかったら自分の悪口が書かれているのだと簡単に思ってしまう。人の他人を見る目というのは、これほどまでに曇っているのです。こういうのを、色眼鏡をつけて世界を見ていると言います。例えば、赤色の色眼鏡を掛けている人だったら、どんなものも赤みがかって見えていて、正し...
◆自分の色眼鏡を変えるクラスで話したこと つづき「悪口を言われた場合の対処の仕方の2つめは、自分の色眼鏡を変えるということです。1つめの”相手は変えられないからあきらめる”は、自分は悪くなく、相手が一方的に悪いという場合でした。でも、必ずしもそうじゃない場合があります。それは、自分が濃い色眼鏡をかけて相手を見ている場合です。ひょっとしたら、相手が悪口を言っていない可能性だってある。例えば、私は嫌われて...
◆相手は変えられないことをあきらめる(明らかに見る)2クラスで話したこと つづき「でもまぁ、悪口を言われたり意地悪をされたりする原因が自分にはあるのだろうから、自分はよりよく生きていこうと思う事は大事だよね。よく皆に話をする人に親切にするとか自分への利益誘導をしないとかといった日々の努力も大事です。そういう努力をしていたら、自分は正しく生きているのだから悪口を言う相手が悪いって、ちゃんと思えるように...
◆相手は変えられないことをあきらめる(明らかに見る)1サトコさん達の一件があって、子ども達に、友達との関係についてちゃんと話をしなければと思いました。女子は特に、高学年になると必ずといってよいほど人間関係で問題が出てくるものですから、よい機会だとも思いました。クラスで話したこと「昨日、ある女の子から相談がありました。友達から悪口を言われているというのです。悪口を言われた場合の対処の仕方は、2つある...
◆悪口を言われた 6「ミコさんの言う事を信じよう」と私がサトコさんに言った瞬間、サトコさんが驚いたように目を見開いてこちらを見ました。そして、ミコさんとクミさんは嬉しそうな表情になりました。ミコさんは、本当に言ってなかったのでしょう。そして今後も言わない自信があるのだと思いました。子どもの喧嘩というのは、双方が自分の正義を主張するばかりで、いつまでも後に残すことがあります。それは、相手の主張を受け入...
◆悪口を言われた 5サトコさんには、ミコさんの「言っていない」という言葉が届かない。それは、自分の正しさに固執してしまっているから。自分自身、サトコさんのような経験は何度もありました。でも、相手の言う事を「違う!」と思いたくなるけれど受け入れていくことが必要です。そうしなければ、問題の解決にはつながらないし、負の感情にずっと固執し続けていくことにもなります。サトコさん達に話したこと「サトコさんはミ...
◆悪口を言われた 4(先生もミコさんも、悪口を言っていないといっているけど、絶対に言った!)サトコさんの心の中は、こんな思いに囚われているのでしょう。その気持ちも分かる。自分の考えに囚われて悩んでしまう。自分の考えを正しいとして、人の言う事を受け入れられない。人は、そういうものなのだと思います。興福寺の阿修羅像は、とても人気の仏像です。仏教に取り入れられてからは、釈迦を守護する神となったそうですが...