chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
アレコレ楽書きessay https://yluna.hatenadiary.com/

イタリア・ペルージア田舎暮らし・80%オーガニック・ミニマリスト生活のイラストエッセイサブブログ。

オット1・コドモ2・ネコ1・インコ1の世話をしながらペルージア郊外の田舎で「カクカクツクル(描く書く作る)が生業。

八重樫るな
フォロー
住所
イタリア
出身
未設定
ブログ村参加

2016/01/31

  • 最後のひと押しはクリムトの絵だった

    何かを表現したいという意欲は 人間が生きるための大切な 栄養源のひとつ。生来とても器用に色々なことを さらりとこなす身体能力を 両親から授かった。器用貧乏というやつに なりかねない資質を そこそこうまく乗りこなして 生きてきたと思う。実際に行動してきて確信したのは 大衆が見逃しがちな物の中にある 隠れた可能性を最大限に引き出す 心眼と手先の器用さは 天下一品だということ。端切れや残り素材など 廃棄物としてあっさり処分される 物達の声が聞こえるし クリアにヴィジョンが見える。これをこう仕立てたら こんな感じに素敵な物が出来上がる。 という一連の流れが ぶわっとなだれ込んでくる。そしてそれを完成さ…

  • 「誰も助けてくれない、わたしはひとりぼっち」

    というコメントを3回目にした。 YouTubeの動画コメント欄に そういう書き込みがあった。もし本当に誰も助けてくれないなら YouTubeだって見られないし コメント欄に書き込みすらできない。どこかで誰かがインターネットの システムをサポートして コメント欄に書き込みを できるようにしてくれている。スマホかパソコンを考えて作って 売ってくれる人がいるから それを使って自己表現したり 楽しんだりできる。そもそも生きているなら 食べるし寝るし排泄する。 最低限でも何かをやる。食事を作ってくれる人がいなくても その食べ物を作る人がいて 店に並べる人がいて レジで会計をしてくれる人がいる。家を作る材…

  • あっという間の別れと新しい相棒【所有と守銭奴概念を手放した世界では物事がすぐに動くという話あれこれ】

    23年間の相棒だった かわいい緑の車と 満月の朝にさよならした。イタリア暮らしの思い出に 寄り添っていた愛車なので かすかな切なさが たまらなく心地よい。受け取ってくれる人が せっかちタイプで 約束の時間より 1時間前に電話が来て あっという間に手続き完了。同日、その事務所で 新しい車の名義変換を 同じ女性が担当してくれた。てきぱきと機敏な手腕で またしても10分程度で 変更作業が完了。予め連絡していた 車両保険の手続きも サクッと終わって ひとり乗りUFOみたいな車が これからの私の相棒になった。普段は午前中に針仕事をする。 だけどその日だけピンポイントで とある事情で重役出勤をしてくれ、と…

  • てこの原理【支点・力点・作用点】で現実世界を動かすコツ

    中学校で習う物理の法則 てこの原理はそのまま 現実世界を動かす方法として 活用できる仕組み。動かしたい現実(作用点)と やること(力点)の間に 支える信念(支点)がある。信念に執着して側から離れず 力んでもなかなか現実は動かない。支点から離れたところで ひょいと軽い力をかけると 自力ではとうてい動かせないと 思っていたようなものが 動いてしまうてこの原理。例えば恋愛。 作用点がラブラブ関係。 支点が楽しい日々。 力点には何を置く?彼・彼女が欲しいな、と思って 直接アプローチするのも それはそれでいいけれど 自分の好きなことに夢中になって 楽しそうだったり 生き生きしている人は それだけで魅力が…

  • 「言いたいことが言えない」体感とバイリンガル子育て

    長男が日本語の勉強を独学で始めた。 彼のペースでのんびりと 創意工夫しながら。幼い頃に少しだけ 日本語のレッスンを 次男も交えて3人でやった。イタリア語の習得に 少々手こずっていた2人に さらに難解な日本語を 詰め込むのは酷だな、と 感じたのでやめた。混血児は必ずバイリンガル またはトリリンガルなどに 育てるべきだというのも固定概念。ごく一般的な信念を そのまま我が子達に あてはめる必要はない、と 腑に落ちてからの日々は とても軽やかで楽しかった。アニメが好きな長男は たくさんの作品を見ながら 日本語への興味が湧き上がり 言葉を習得しようと独学を始めた。音楽が好きな次男は 日本語の読み書きに …

  • 3人の77歳の男【ホテルの社長・高学歴&職歴・こだわり店長】

    前回の日本帰国の際に 奇しくも年齢が同じ3人の男性と 話す機会が別々にあった。1人めは自力でゼロから 高原にホテルを築き 息子に実務のバトンを渡し あれこれやりたいことを やっているホテルの社長。2人めは高学歴の家庭環境で育ち 本人も学歴・職歴が 華やかな高校の先輩。3人めは厳選した食材を使い 自宅の一部を改築して ひとりで店を切り盛りする こだわりの料理人兼店長。社長に会った時 プラチナのネックレスをなくした。先輩に会った時 お気に入りの麻の上着をなくした。店長に会った時 絵を高額で購入してもらい 素敵なキーホルダーをもらった。単純に出来事から メッセージを受けとった。この道じゃないよ。 こ…

  • 「30年かかりますよ」と、もしも先に言われたら

    近頃30年越しでやっと 元の形に戻った物がある。 ブレーメンの音楽隊を型どった 黒い鉄製のフック。出会いはモスバーガーだった。アパートの近くにある店の トイレのドアに 上着や荷物をかけるために 設置してあったフック。かわいいなぁ、と トイレに行く度に思っていた。数ヶ月後のある日 てっぺんの雄鶏部分が折れていた。 誰かが重い物をフックではなくて 雄鶏にひっかけたのだろう。あ、やべぇ。落ちた雄鶏パーツを フックとドアのスキマに挟んで その誰かは立ち去った。私がその後トイレを使用して なんとなくそわそわした気分で その日はモスバーガーを立ち去った。捨てられちゃうのかな。再びその店を訪れたとき 店員さ…

  • エネルギーバンパイアと高利貸しとイケメン銀行員

    昨日銀行で個人融資を受けた。 家族に負の遺産を残さない 保険料込みでの利息は かなり高いパーセンテージ。ふと中国でタクシーに乗った時の 運転手の行動を思い出した。 私が中国語を話せない日本人だと わかった途端に料金をかさ増しした。それに気づかないふりをした。 痛くも痒くもない金額だったし きっと彼の生活の足しになると 思いつつ騙されたふりをした。庶民から高金利で微々たる稼ぎを 搾り取る支配層と群衆達。 そんなストーリーもちらつく。どんな物語を選んで どんな主人公になるか 選ぶのはいつも私達本人。俯瞰視点で眺めると 自由自在にストーリーを 描くことができる。銀行という組織は 今のところガッチリと…

  • Flower・華やかな日々【理由と根拠を探す左脳に黙ってもらう】

    何かを始めたり やめたりするときに いちいち説明をつけたがる 左脳の声を聴き過ぎると ブレーキがかかる。「楽しそう」 「おもしろそう」 「やってみたい」始めるときの感覚は これだけで充分。「疲れた」 「飽きた」 「他のことがやりたい」やめるときの感覚は これだけ。仕事中ならば小休憩する。 手を離せない状態なら 大きく深呼吸をする。きっちりとスケジュールを組んで その通りにこなす快感は もうたっぷり味わった。手帳やカレンダーを 選ぶわくわくが もう湧いてこない。針仕事の最中でも 日々の暮らしのあれこれも すべて流れに委ねる。流れ(flow)る人(+er) Flower (=花) として生きる。花…

  • レゲエ風に変身したMがラーメン屋に転身・ジャスに身を委ねる夜

    いつくか並んでいる 屋台を通り過ぎたとき ラーメン屋のカウンター越しに でかい声で呼び止められた。前日の雨で足元がどろどろ。 歩みに集中するふりをして 呼びかけを無視した。通り過ぎて奥の屋台にいた 知り合いの女の子に声をかけた。するとラーメン屋から レゲエっぽい風貌のMが ひょっこり出てきて 俺のラーメンを食べていきなよと こちらに向かってやってくる。え!M?全く気が付かなかった!いつも短髪で穏やかに話すM。 彼の大声を聞いたことがなかった。へえ。あんな声がでるのか。そう思いながら 奥の屋台の女の子と 言葉を交わした。 彼女はMの娘。「知らん顔して無視してたよね?」 「だって!あんな変貌ぶりだ…

  • たくさんのちいさな「できた!」ぴったりなやり方でピアノ・絵・暮らしを楽しむ

    幼い頃にだらだらと 続けていたピアノ。 やめてから数十年。ジャスピアノを聞いたとき 身体の内側から こんな感じに弾きたい!と わくわくが生まれた。そうか!コード進行を ひと通り覚えてしまえば どんな曲でも伴奏できる!伴奏を弾きながら 歌うスタイルが大好き。 適当に弾けそうな曲を 楽譜なしで身体で覚えた。最初の曲は欧陽菲菲「Love is over 」 この伴奏を何回も何回も 歌いながら弾いた。並行して「エリーゼのために」と 指慣らしのコード進行と音階を 気が向いたときに弾いていた。ここ数ヶ月ピアノにほとんど 触れていなかったけれど ふと昨日弾きたくなって ザザンオールスターズの 「Melody…

  • 単語帳とクラッカー

    長男が日本語の勉強を始めた。 ひらがな・カタカナの 単語帳を作りたい、というので 適した紙とリングと 穴あけパンチを用意した。次男は甘い物断ちを始めた。 私も普段は砂糖断ちをしているので 塩味のクラッカーを作った。父親と暮らす息子達のところに 単語帳作りの道具と 手作りクラッカーを持って 訪問したのは午後6時。作業をしていたら 元ダンナが帰宅して 夕食の話になった。魚のトマト煮込みが絶品の 店を予約してある、と言うので 私も一緒に行くことにした。ちょくちょく通っていた店で 相変わらずの美味しさだった。運転手は免許証を取りたての次男。 レストランの支払いは長男。はからずも親が夢見るシーンに 単語…

  • 肩乗りクジラ

    背中の傷からたくさんの 濃い氣の塊が出たことを 懸念した友達が 氣の常態を観てくれる存在に その事を伝えてくれた。男の形をしていたその存在は 自分から取り出した氣の塊を 私に向かって投げた。すり抜けないで肩のあたりに 留まったので大丈夫だという。 スカスカだと通過してしまう。その氣の塊はクジラの形になった。 かわいいなあ、と思っていたら ガラスのコップになって 手元にやってきた。空っぽだったけど 手に取ったら液体が湧いた。 飲んでエネルギー補充した。そのタイミングで目が覚めた。 一昨日の朝方の夢の話。3次元の現実ではないと すぐにわかるけれど メッセージがとてもクリアで すごくわかりやすい。人…

  • 有言実行 無言実行 Dico faccio, non dico faccio

    今朝の起きがけに この言葉が浮かんだ。すごくいいな、と思う。 言ったことをやる。 言わないこともやる。ごちゃごちゃと説明するのが 好きじゃないし 説明してもらうよりも やってみせてもらう方が わかりやすい。自分で実際にやってみて どうにも上手くいかない部分だけ コツを聞きたい。職場でもそうしている。もちろん失敗できない 繊細な素材も度々扱う。 そういう場合はあまり布で 試してから本番作業をする。一発勝負のときは 心を空っぽにして 素材の声を聴きながら 完成形のイメージを描く。すると手に針と糸の神様が ストンと降りてくる。作家には物語 音楽家には曲 お針子には縫い方それぞれ必要なものが ちゃんと…

  • 物を溜め込む心理

    家やカバンや冷蔵庫に 必要以上の物を溜め込む。その行動を紐解くと「心の隙間を埋めるため」 「不安を解消するため」 「決められない迷いの象徴」であることが多い。その状態に慣れると 今度は習慣になってしまい なかなかモノを手放せなくなる。要らないものを処分するとき 判断が必要なので その取捨選択をついつい 後回しにしてしまいがち。「自分で決めること」を習慣として身に着けていないと 小さな判断も他人任せにしてしまう。ひとりで決められないことと 自己判断できることの 線引きも曖昧になりがち。すると余計なお節介まで やってしまいがちになる。「自分自身ができないこと」が 気になってしまうので ついつい眼の…

  • からだで体感して楽しむ生き方

    2月とは思えない日差しの午後 庭でバーベキューをした。塩麹に漬けた魚と海老 じゃがいもとかぼちゃ アメリカ土産のビーフジャーキー 日本土産の生酒どれもこれも美味しかった。たくさん写真を撮るのを最近やめた。カメラレンズで瞬間を 捉えることが大好きで スマホのアルバムには お気に入りのシーンがずらり。雑貨や服が多すぎると 家がごちゃごちゃするのと同じで スマホの中身が乱雑になり データ量が重くなる。だからやめた。写真撮影は大好き。 大好きなことを手放すと 次のステージへ移動できる。 そのことを経験から知っている。おとといの朝焼けは むちゃくちゃ美しかった。数年前の私なら すぐに車を止めて撮影した。…

  • 大好きな人間達が静かに動き出した

    ここ数日感じていること。しばらくの間 音沙汰がなかったり 公の活動を控えていた 大好きな人間達が 静かに動き出した。大声をあげたり 仰々しく騒ぐのは 好きではないし あまり近づかない。穏やかに確実に歩む人達が 彼ららしく自己主張をする感じが 肌で感じられる。大騒ぎすぎる孫達を 静かに見守っていた おじいちゃんおばあちゃんが「そろそろお片づけの時間だよ」と、声をかける。 そんな感覚の動きを 見かけることが増えた。黙っていた人が 自分の言葉でしゃべり出したり 周りの人々の世話を 生活の主軸に置いていた人が 自分のやりたいことを始めたり。そういう人間が 周りに増えたということは 私がそんな風に 生き…

  • ガッツポーズして喜びの雄叫びをあげた金曜日・姿を隠した愛車に救われた土曜日・人間関係に恵まれた月曜日

    職場から家に帰宅したとき ほんとうに久しぶりに やったあ!よかった!と叫んだ。水曜日の帰宅時に あれ?車の加速具合が変だな? と気付いたけれど 気のせいかな?と思えるレベルで 翌日の調子をみてみることにした。次の日木曜日は明らかに アクセルを踏み込んでも 加速の度合いが遅すぎた。 週末預けて点検と修理が 必要だと言われた。金曜日は早朝出勤をして ほぼ誰もいない道を ゆっくり走って職場まで到着。 帰宅時はお昼前なので ある程度の交通量は避けられない。3通りの選択肢から いちばん交通量の少ない道を選んだ。 3回の上り坂道をクリアしないと 家までたどり着けない。自宅から修理場までは ほぼ平坦なので問…

  • キムタクがアメリカで「たこ焼き屋」をやると言った

    そんな夢をみた。 細かい内容はシュールだった。私が夜に見る夢は 細部が本物っぽい。目を開けたときの現実では あり得ない世界なのに 眺めや物の質感が やたらとリアル。CGクリエイターならば 再現フィルムを作りたいくらい。視覚記憶能力が高いので かなり昔の夢でも 細部をよく覚えている。ずっと前にも夢にキムタクが 登場したことがある。 その時彼は前世の姿だった。言葉の汚さを勘弁してもらって 端的に言うと チビハゲデブのキムタクだった。外見からは誰も 彼の魂だとわからない。その人物は金持ちで人柄もいい。 だけど外見と身体能力が 著しく卑下されやすい状態だった。だから今回の人生では 外見と身体能力という…

  • いよいよ本格的な膿出しと移動が始まった【時代の移り変わりに使うべきアンテナは〇〇】

    そんなことを感じる出来事が 周りで連発している。引っ越し・移住 不正発覚・新規事業・転職・退職 離婚・別居・出会い 出産・入院・手術・がん治療人生の転機になりそうな キーワードを身の回りで ちょくちょく耳にする。ごく身近な家族のメンバーは ここ数年の間に そういう転機を越えて 新たに動き出している。たぶん向き合うべき課題に 蓋をしたり見て見ぬふりしたり 後回しにしてきた人達は いよいよ対面するしかない 状況なんだろうなと思う。「良い悪い」ではないけれど どうしても避けられない課題が 人生のある局面で必ずやってくる。本来、私達は人間の身体に おさまらないくらいの エネルギーを使い放題使って 人生…

  • イタリアで鍛えられた会話と行動のスピード感

    イタリア人の会話のリズムは 大阪人のノリに近い。下手なお笑い芸人よりも 突っ込みが上手く 切り返しも素早い。 ボケなし突っ込みという感じ。スピード感と切り返し方法を 日々の会話とやり取りで たくさん学ばせてもらった。おかげで生来の毒舌キャラの 粘っこさとまわりくどさが 化学反応みたいに変化した。生粋の職人に研いでもらったような ぴかぴかの日本刀並の切れ舌に なってしまったみたいだ。通り魔にならないように 辻斬りしないように ことばを慎むよう 鞘に普段は納めている。それでも時々バレてしまう。しばらく一緒にいると 「毒舌だ」と指摘される。 言葉でつける秘孔が わかってしまうから。がちがちの甲羅で隠…

  • イタリア語の豆知識をスパイスにしたおしゃべり Pizzicotto Italia 10

    ラジオ感覚でYouTubeでお楽しみください🎶Pizzicotto Italia 10 Instagram ノスタルジックイラストエッセイ https://www.instagram.com/simplelife.in.italia スケッチ・ポートレート・創作作品 https://www.instagram.com/yluna_creations 食べ物と暮らしのイラスト https://www.instagram.com/yluna_illustrationsX(Twitter) 【Simple Life in Italia】https://x.com/YaegashiLuna 【IV i…

  • いちばん上の引き出しの中身を見ればわかる

    よく使う場所のいちばん上の 引き出しを見れば そこで暮らす人間がどんな現状を 生きているのかよくわかる。以前暮らしていた家の キッチンの脇にある 大きな収納家具の引き出しを 昨夜久しぶりに見た。父親と暮らしている 息子が探しものをしていた。びっくりするくらいの 薬箱が並んでいた。 元ダンナの両親の家の リビングにある家具の引き出しに そっくりになってきた。コレクションのように 並べられた薬箱が すべて必要なものなのかは わからないけれど 4年前にはなかったものが 確実に増えている。善し悪しではなくて ただ現状を示している。私の家のキッチンの 収納家具のいちばん上の引き出しには ナッツとコーヒー…

  • 龍の動く年の幕開け

    空から見ると龍の形に見える日本が 元日から盛んに動いている。年明け早々に相次ぐ 非日常の映像に 心がざわつく人が たくさんいると思う。それは愛情のあらわれ。 イタリアの職場では 雑談のついでにサラリと 両親は大丈夫だった? と、聞かれて終わり。飛行機の事故を知る人はいない。 遠い場所で起こることに 人は心を揺さぶられない。気持ちが揺れるのは 心理的距離の近さの証拠。非日常の出来事が教えてくれるのは あたりまえの毎日が どれだけの奇跡の連続かという 見逃しがちな事実。とくに日本の正確な時刻表と それを守る関係者の機敏な働き。 公共機関の遅延があたりまえの 国で暮らしていると 日本は奇跡的な天国だ…

  • まるい食卓とシカクイ机

    クリスマスと年末年始の時期 いろいろな家を訪問したり 外で食事をする機会が増える。今日お昼ごはんに招待してくれた 友達の家の食卓はまるい。 家族以外のメンバーを 気軽に追加しやすい。イタリアでも日本でも 昔はまるいテーブルが多かった。 囲んでおしゃべりする 人数を制限しないまるい形。輪になって言葉を交わすと お互いの顔がよく見える。シカクイ机は人の数を すっぱりと切りやすい。 長テーブルだと人数は増えても 遠い人の声を聞くことも 顔を見ることもできない。真っ直ぐに椅子や机を並べると 対面する人が限られて 背中を向けた人の顔は見えない。曲線は柔軟性があり 直線は決断力がある。物事がうまく行かない…

  • ゴミ箱に捨てられたトナカイの親子

    クリスマスの時期に 家の玄関で出迎えてくれる トナカイの親子は 街中の大きなゴミ箱の前に 捨てられていた。ペルージアのど真ん中で 雑貨屋をやっていた頃は 店を彩っていた親子。その後数年間は友達の店を 夜も明るく照らしていた。首が動かなくなっていた 大きなトナカイを 近所の電気屋さんに 修理してもらったのは3年前。それからは毎年この季節 我が家の玄関を あたたかく照らしてくれる。まだまだ活躍できるのに ぽいっと捨てられた物達を 私はそのまま放置できない。人間や動物だと とても保護しきれないけれど なんとかなりそうな物は とりあえず同伴帰宅する。普段の暮らしを圧迫しない範囲で むやみに捨てられた物…

  • 今宵もまた見惚れて嫉妬する

    昼と夜の狭間の時間に 空と大地の境界線のあたりを うっとりと眺める。稜線や家や木々が描く線と 山の向こうに姿を消した太陽の 残り火が作り出す色彩。今宵も見惚れて 少しだけ嫉妬する。絵の具を扱って 伸びやかなグラデーションを 真似てみたいと思っても その色使いの端くれしか 表現できないもどかしさに 気持ちがのたうちまわる。空にはかなわない。その計算のない純粋さと 打算のない無防備さの せめてかけらだけでも この身にしみ込ませたい。手足と頭を動かすのをやめて じっと眺めて居れば ほんの少しだけでも 空と大地の粋な心意気を おすそ分けしてもらえるだろうか。はあ、とため息をついて あたたかい飲み物を含…

  • ひとり時間を穏やかに味わえる喜び

    クリスマス準備をしながら 最近よく流しているのは 自分がやらないことを 情熱的にやっている人達の YouTube動画やおしゃべり。BGMっぽく流していると こうして世界の多様性が 育まれているんだなと感じる。私は惚れっぽくて 人も動植物も街も国も地球も宇宙も 片っ端から好きになってしまう。好奇心も旺盛だから 出会った情報をどんどん 深掘りしたくなってしまう。あれもこれも どれもこれも それぞれの魅力がある。だから自分の心身を守るために なるべくひとりの時間を増やして 不要な情報は手放して 空や草木を眺めて愛でる。 白湯を飲んで頭を空っぽにする。クリスマスや年末年始を 家族・友達・パートナー・仲…

  • アクション映画並みに車で滑って飛んだ朝

    おとといの朝の出来事。 小雨の降る急な下り坂にて スピードの落とし具合が足りず ハンドル操作が効かなくなった。畑に突っ込まないように 踏ん張ってみたが 軽い車はぽーんと飛んで 畑に着地した。前日の雨で畑の土は柔らかい。 それでも前進はできる。 自力で脱出を試みた。畑と道路の間に側溝があり そのままでは出られない。車を降りて近所の家を 何件か訪ねたが 誰も出てきてくれない。 まだ早朝だった。警察官と保険代行業の友達に 連絡したが繋がらない。 地元の警察は管轄区域が違うと やる気ゼロの対応。レッカー移動が必要だと判断して 近所の24時間対応の場所に連絡。 それほど待たずに援護に来てくれたけど 側溝…

  • 何度も戻ってくるところ【クリスマス準備の季節がやってきた】

    ぐるぐると 堂々めぐりして 戻ってくるところは いつもおんなじ。やっぱり好きなものは好き。 苦手なモノは苦手。手を動かして 細かい作業をすることが 大好きで止まらない。新しい素材を手にするとき 使い切りたいと思う。 半端に出たハギレや切端を ぽいぽいと捨てられない。こうやったらまだ使えるよ。 あれと組み合わせると オモシロイ物ができるよ。ハンパな形の物達が おしゃべりする声が聴こえる。 そしてイメージが浮かぶ。ほぼ想像どおりの物を 創り上げる器用さを 母から譲り受け 日々の針仕事で磨いている。その技術とひらめきと 素材達のおしゃべりを混ぜて クリスマス準備をしている。やらないと決めて 距離をお…

  • 身体のバランスをとることで心の軸も整う

    オンラインカウセリングを 今年の初夏からやっていたけれど 辞めることにした。高額な受診料を払わなくても 手軽にカウセリングを受けられる よいシステムだと思う。だけど、そのサービス理念の基盤と 私の価値観がズレている。社会不適合者 大人の発達障害 繊細さん 毒親育ちそんな言葉が闊歩する界隈なので ただ話を聞いて欲しいという人が 当然ながらたくさん集まる。確かにその段階のケアが 必要な人達はたくさんいる。だけど私のやりたいことでも やるべきことでもないと 肌身にしみて感じた。そこにやりがいを感じて 熱心に取り組める人がいるのだから 適材適所の人がやればいい。実際にやってみて合わないと判断したら 潔…

  • タイミング

    そうか。 そういうタイミングなんだ。 と、腑に落ちることが 近頃ほんとうに多い。というか この世の本質は ベストタイミングだらけ。だけどアレコレと こじらせているのは ニンゲンという ちょっと変わった生命体。ワタシも今現在 ニンゲンというバイオスーツを 使わせてもらっているので 例外ではなく 時折勝手にこじらせている。だけどそんなことも まるっと含めて 体験したくて地球に来た。だから酸いも甘いも ありがたく楽しませてもらっている。先日、愛車の車検があった。 今年の夏ハンドルのクッション部分の ゴムがボロボロと落ちてしまって 換えのパーツを待っていた。安定しないハンドルの状態で なんとか職場と近…

  • 夜がもう少し長かった頃

    パチッと室内灯をつける。 そっと触れる枕元の灯りをつける。 動くものの気配で電灯がつく。夜に人工的な灯りが使えて 便利にはなったけれど 夜をそのまま楽しむ時間が とても短くなりがち。ヒトはたくさん勉強したり いっぱい働くようになったけど 笑顔は減って苦しむヒトが増えた。太陽がのぼり私達を照らす。 やがて薄暗くなり 家に帰りたくなる。 暗くなった空に星が輝く。ほのかなろうそくの光だけで 夜を過ごすのが好きだ。 室内灯は特別な場合を除いて いつも柔らかなもの。 薄明かりの空間は落ち着く。絵を描くときは手元だけを照らす。 針仕事も同じ。 音楽は流すけどテレビはないから ごちゃごちゃした雑多な情報は …

  • 手荷物だけの旅と思い出ボックス

    イタリア・日本の往復旅を 手荷物だけでやってみた。 予想以上に快適だった。日本での滞在先が実家だから 簡単にできたことに感謝。なにか足りなければ 借りられるし買える。 カバンに入らないものは そのまま預かってもらう。これが可能だから ごちゃごちゃ考えずにできた。オンラインチェックインと 手荷物だけの旅は 並ぶストレスが減って ホントに楽だった。普段の暮らしも 人生という長旅なのだから なるべく持ち物を減らすと いろんなことが簡単になる。物をなかなか捨てない実家の 荷物だらけの空きスペースに かろうじて布団を敷いて 寝起きしながら イタリアの家の動きやすさを 最確認した3週間だった。物を手放せな…

  • 素晴らしき国Nippon

    4年ぶりの里帰り。 故郷ニッポンの人々と街の 素晴らしさに触れて この国で生まれ育った幸運に 改めて感謝している。これほどまでに 「普通の暮らし」のレベルが 高い国はめずらしい。公共のトイレもきれいだし ホテルも店も清潔で快適。 銀行・郵便局・市役所も 働く人々が真面目で丁寧。 電話での対応も素晴らしい。確かにこのレベルのサービスを 維持するためのストレスは あるかもしれない。だけど街行く「普通の人々」の モラルと譲り合いの精神 丁寧なやりとりの基礎は 昨日今日できたハリボテじゃない。こんなに素敵な国を支えているのは ごく普通の人々だと思う。並んだり待つことが苦手な イタリア人や他国の人々に …

  • 「おもしろいなあ!このヒト!」

    過去の記事をひとつ削除しようと なんとなく思った。 検索をして読んでみたらおもしろくて 昔の自分のファンになってしまった。その記事を探している途中で なにを書いたか覚えていない 気になるタイトルがいくつかあって それも読んでみた。おもしろい! このヒトおもしろいなあ!ほんの少し前の自分が書いた記事。 だけどすごくおもしろかった。 書いててよかった。いいねの数が多いとか少ないは 全く関係ないおもしろさ。一般ウケしそうな 文体・構成・テーマを選ぶと それはそれでホントに 読者や世の中の反応度合いが 明らかに変わる。そういう楽しみ方も 発信するときはある程度必要。だけど。 私好みの自分の記事は やっ…

  • より削ぎ落とした方が全体のバランスが整うという極意

    この秘技を伯母から教わった。 小学生の頃の夏休み よく親戚巡りをしていた。 両親の生まれは岩手。 東北方面をまわることが多かった。当時福島に住んでいた伯母は 華道と茶道を教えていた。 私がひとりで遊びに行ったとき 彼女が基礎を教えてくれた。フラワーアレンジメントや 華道を他で習ったことはない。 植物と会話をしながら 器にバランスよく配置するのが 得意だし大好き。「ちょっと取り過ぎかなと 思うくらい枝葉をはらうのが ちょうどいいんだよ」花を活かすために 枝葉をどこまで取るか 伯母がそう教えてくれた。野草を生けるときいつも この言葉が蘇る。そしてこのアドバイスの普遍性に 大人になってから気づいた。…

  • 名前がある・名前を決める効果

    はっきりしない感覚や よくわからない関係性に 呼び名があると 輪郭がくっきりするような 安心感を抱く性質を 私達人間は持っている。名前があることで なにかが枠に収まる。名前と概念を結びつけながら 〇〇と✕✕の関係性を覚える。そうやって思考や記憶を 整理しながら学ぶことを 学習と呼んでいる。たいていのことは その流れに収まる。少し厄介なのは 名前がはっきりしない 物・感覚・現象・関係性に 出会ってしまったとき。なるべく似ているものを 一生懸命探って 正体を突き止めようとする。それが好奇心と上手く絡んで 知識や技術の学びにつながり 仕事や使命になると 人は「飽きない人生」を歩む。けれども はっきり…

ブログリーダー」を活用して、八重樫るなさんをフォローしませんか?

ハンドル名
八重樫るなさん
ブログタイトル
アレコレ楽書きessay
フォロー
アレコレ楽書きessay

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用