chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
ittiのBL創作小部屋 http://itti57.blog.fc2.com/

R18有。切ないけど楽しい物語。同級生、リーマン、日常系のお話です。

オリジナル小説・イラスト・漫画など 何でも思うまま創作中

itti(イッチ)
フォロー
住所
静岡県
出身
未設定
ブログ村参加

2016/01/12

arrow_drop_down
  • ほどける指先 231 (黒田×岸)編

    「そういや腹は減ってないのか?」 黒田がテレビ画面をじっと観る岸に訊ねると、視線を寄越した岸が「塾の始まる前に食ったから、減ってないかな。あ、アイスなら食べたいけど」と白い歯を見せて云う。「じゃあ待ってて、持ってくるから」「うん、悪いな」 リビングを出るとキッチンに向かう黒田。 ふと自分の部屋のドアに目をやれば、中から音楽が聞こえるが、それと同時に喘ぐ声も漏れ聞こえる。冷凍庫からカップアイスを取り...

  • ほどける指先 230 (黒田×岸)編

    シャクシャクと、持って来たリンゴを頬張りながら、岸は椅子の上で胡坐をかく。 親に対して失礼な態度を取っているのは重々承知だが、あの空気の中に居るのは居たたまれない。妻の顔色を窺う父親と、自分の事以外には関心のない母親。岸に対しても、成績で他の人より勝っている事が大事で、人から後ろ指を指される事などもってのほか。自分の家族は特別だと、多分疑いもなく育ってきたのだろうと思う母に、父親の事や黒田の事を...

  • ほどける指先 229 (黒田×岸)編

    岸が自宅に戻ると、父親の車が車庫に入っているのが見えて、急いで玄関の扉を開けた。 丁度、家政婦の女性が玄関で父の靴をしまっている所で、岸の顔を見ると「お帰りなさい、今お父様が帰って来られたところですよ」と云う。岸は「そう」とだけ云って、自分も靴を脱いであがって行った。 キッチンでは料理が準備されていて、食卓に運ぶだけになっている。それを覗き見ながら岸は自分の部屋に行こうと階段を上がりかけた。「聡...

  • ほどける指先 228 (黒田×岸)編

    暫く岸と千晶と黒田の三人で話しをしていたが、あまりにも岸が千晶の兄の正美を話題にするので、部屋の空気は気まずくなってしまい千晶は帰ると言い出した。 時計を見ればもう夕方だし、そんな時間かと岸も黒田も見送る事にする。 岸が千晶に好意を寄せている事は分かるし、黒田もせめて気持ちだけは通じればいいと、帰り際に「岸と付き合ってやってよ」と、気軽に云ってしまった。まさかその言葉が引き金になるとは思わずに、...

  • ほどける指先 227 (黒田×岸)編

    腹が空いたという岸の為に、黒田はキッチンに行くと棚からホットケーキミックスの袋を取り出す。 普段なら焼きそばとか、ラーメンとかを作るところだが、千晶がいるので甘いものでも、と思ったのだ。ちょっとカッコつけたかったのかもしれない。千晶の見た目からして、スイーツは似合いそうだった。 リビングに居る岸と千晶の声が少しだけ聞こえてくると、黒田は自然に聞き耳をたてる。あの二人が何を話しているのか気になるし...

  • ほどける指先 226 (黒田×岸)編

    この日、バイトが休みで家に居た黒田は、久々に母の店の開店準備を手伝っていた。 中学の時に自分の父親の存在を知って、それが岸の父だった事で酷く落ち込んだ時期もあった。知らなければ岸とも普通に友人として付き合えただろうに、変に血の繋がりがあると分かってからは、何かにつけて岸を甘やかしてしまう気がする。たとえ半年でも自分の方が兄になると、庇護欲の様なものが湧いてしまう。それに、岸は一緒にいて楽なのだ...

  • ほどける指先 225 (黒田×岸)編

    翌日、昼からバイトをこなした黒田だったが、終わるや否や岸が塾の時間まで一緒にゲームセンターに行こうと誘ってきて、仕方なく連れだって行く事にした。本当は家でゆっくり寝たかった。岸を泊めて、なんとなく考え事をしていたせいか少し寝不足の様だ。「お前さ、今日は塾終わったら家に帰れよな」 黒田がそう云うと、岸は「なーんでよ、冷たいじゃん」とくちびるを尖らせる。「俺の服着てるし、せめてパンツぐらいは自分の持...

  • ほどける指先 224 (黒田×岸)編

    翌朝、少し早く起きた黒田は、隣で眠る岸の顔をそっと覗き込んだ。 昨夜は酷い事を云ってしまったかもしれないと、心の中で、すまない、と謝る。岸が千晶を好きだという気持ちに嘘は無く、自分は応援した方が友達としてはいいのかもしれない。だが、どうしても素直に応援できないでいる。 女と適当に遊ぶのとは違い、よりにもよって同性の中学生の男子に恋をするなんて、黒田からしたら青天の霹靂だ。本当は岸に諦める様に云っ...

  • ほどける指先 223 (黒田×岸)編

    エアコンを25℃に設定して布団を被ると、黒田は横を向いて寝る。 ベッドはダブルなので、二人で寝ても余裕はある。今まで西岡や沢口も泊ったりした事があり、寝相が悪くない限りは朝までぐっすり眠る事が出来た。 岸は風呂から出ると、黒田に借りた服を着て髪の毛を乾かすと部屋にやって来た。 既に壁の方を向いて寝ている黒田を気遣ってそうっと布団に入って来ると、背中を向けて横たわる。 まだ眠いわけではないが、電気を...

  • ほどける指先 222 (黒田×岸)編

    キッチンの方からいい匂いが漂ってくると、リビングに居る岸はニヤリと口角を上げる。 この匂いはラーメンだ、と想像しながら待っていると、黒田が盆の上に器と水の入ったボトルを乗せて部屋に戻って来た。「美味そうな匂い」 岸は、待ちきれない様に覗き込むと、テーブルに置かれた器を両手で持って舌鼓を打つ。もやしとキャベツが乗ったしょう油ベースのラーメンに、半熟のタマゴがおとしてあり、チャーシューの代わりにハム...

  • ほどける指先 221 (黒田×岸)編

    * * * その夜は蒸し暑さがピークで、黒田は夜にバイトが終わると、急いで帰宅し速攻でシャワーを浴びた。 先日、店に岸たちがやって来たが、3人はカラオケに行くと云ってそのまま帰って行き、黒田は自宅で静かな夜を過ごし、この日もひとり静かに映画でも観ようと思っていた。 髪を乾かしながら、冷蔵庫から水を取り出してリビングのテーブルに置く。ペットボトルの蓋を開けると一気に半分ほどを飲んでしまい、ふぅーっと...

  • ほどける指先 220 (黒田×岸)編

    夏休みに入ると黒田はバイトに精をだし、岸は親の勧めで塾に通う事になる。 自分がいなくても勝手に家に入っていいと云ったが、岸は流石にひとりで居るのがつまらなくて、夏休みに入ってからは来る事が減った。それに塾の時間が夕方なので、黒田と時間が合う時にだけ来る様になった。 この日は、黒田が昼のシフトに入っていたので、岸は沢口と西岡を誘って黒田のバイト先であるファミレスにやって来た。 人の事は言えないが、...

  • ほどける指先 219 (黒田×岸)編

    夏の陽射しが強くなり、通学途中は汗を拭うのも面倒で、早く夏休みにならないかと思う毎日。 黒田と岸はいつもの様に二人で校舎を後にすると通学路を進んで行く。今日は近くの喫茶店に寄って涼んで行こうと思った。「沢口はデートで待ち合わせって云ってたから、あそこの店にいるんじゃねぇの?」 岸が黒田に云うと、「じゃあ店変える?」と訊く。沢口がいると他の女子を呼びそうで面倒だった。「あッ」 岸が黒田の顔を見るで...

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、itti(イッチ)さんをフォローしませんか?

ハンドル名
itti(イッチ)さん
ブログタイトル
ittiのBL創作小部屋
フォロー
ittiのBL創作小部屋

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用