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ittiのBL創作小部屋 http://itti57.blog.fc2.com/

R18有。切ないけど楽しい物語。同級生、リーマン、日常系のお話です。

オリジナル小説・イラスト・漫画など 何でも思うまま創作中

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2016/01/12

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  • ほどける指先 128 *

    正美の咥内は温かく、うねる舌が肉壁の様に千晶の硬芯を締め付けると、声が出そうになるのを必死で抑えた。飛びそうになる意識の中で、ふいに松下の事が頭を過ぎって、こういうの、アイツも経験したんだろうか、なんて思ってしまった。両手で口を塞ぎながらも、中心に集まる快感の嵐を抑える事は出来ない。「んんっ、.......ぁ、...............んふっ...............ゔっ..............」 自分から発する吐息交じりの声が頭の...

  • ほどける指先 127 *

    背中に回された腕が解かれると、千晶の頬にフッと唇が当たる。正美の指先は首筋を撫で、反対の頬を軽く支えると口づけをした。甘いくちづけをされると、身体は宙に浮いてしまう程心地よくて、千晶は先程までの不安や怯えも飛んでしまいそう。何度もくちびるを食む様に、キスの雨が降って来る。その度に身体が熱くなるのを感じると、自然とへその下あたりがムズムズしてきて、足の置き場に困った。「硬くなっちゃったね、ここ」 ...

  • ほどける指先 126

    急に胸の奥が痛くなった。千晶は自分の手の中にあると思っていた。それが、こんな事を云いだすだなんて............「カノジョ、ってなに?........どうしてそんな事云うの?」 正美は千晶の肩をギュッと掴むと訊いた。多分、今までで一番低いトーンの声だったと思う。自分で云ってちょっと驚くが、千晶は目を伏せたまま答えなかった。「オレが部活ばっかで、千晶との時間が少ないのは悪いと思ってる。ご飯も手伝えなかったし。...

  • ほどける指先 125

    食事が終わると、正美は先に風呂へ入ると千晶に云ってキッチンから出た。様子がおかしいと思いつつも、それ以上は訊けない。いったいどうしたっていうんだ?二階の自室に向かいながら頭を捻るが、正美には分からなかった。 相変わらず部活の練習はキツクて、正直今はそれについて行くのがやっとで。部活と学校の勉強、それが正美の中では一番こなさなければいけない問題だった。もちろん千晶の事が大事だ。でも、それはこの先も...

  • ほどける指先 124

    どの位時間がたったのか..... ガチャっという音がして、テーブルから顔を上げると時計を見てビックリする千晶。もう7時はとうに過ぎ、8時前になっていた。キッチンのドアが開くと、「ただいまー」という声と共に正美が入って来る。が、千晶の様子を見て一瞬で変だと悟った。制服のまま、鞄も床に置いて椅子に腰かけている。正美の方を向いた顔がギョッとした表情で、声も出ないといった感じで。「どうかした?具合でも悪いの...

  • ほどける指先 123

    千晶は、人気のないキッチンの椅子に腰掛けると、ぼんやり正美の顔を思い出す。最近は疲れてる顔しか見ていない気がした。部活の練習は本当にキツイのだろう。でも、一緒に寝る事で癒されると言われ嬉しかった。 もし、自分が正美の彼女だったら、松下の様に嬉しそうな顔をして友達に話せるのだろうか。義理とはいえ弟の、同性とエッチな事をしているだなんて、口が裂けても言えないだろう。自分だって誰にも言えない。 段々と自分...

  • ほどける指先 122

    ぼんやりしながら家までの道を歩くが、隣にいる松下の言葉は入って来ない。童貞を卒業って.......その相手ってもちろん彼女だよな、と思いながら、頭の中は色々な妄想が巡っていた。とはいえ、女子の身体なんてなんとなくでしか見た事がないし、想像しようにも自分と正美の行為しか知らないので頭の中はぐちゃぐちゃ。「おい、......アジー、........聞いてる?」「........ぁ、ごめん、なに?」 千晶は気を取り直して松下の方...

  • ほどける指先 121

    部活の間中も、ずっと江本の云った言葉が脳裏に残って離れない。千晶は、一向に進まない筆をぼんやり眺めると、首に残る絆創膏に触れた。今朝、正美が貼ってくれたので、その時の仕草を思い出しては一人悦に浸る。正美も江本の様に思っているのだろうか。どうして自分を選んでくれたのだろう、と考えてしまう。「今日は一緒に帰れるからさ」 そう云ったのは松下で。画材道具を棚に仕舞うと、千晶と江本の元にやって来た。「カノ...

  • ほどける指先 120

    移動教室に向かう生徒を見送って、最後まで教室に残った千晶と江本。他に人がいないのを確認すると、千晶は鞄から本の入った袋を取り出して江本に渡した。「なんだか悪いブツでも取引してるような感じだね」 袋を受け取った江本が笑いながら云う。確かに、人目を忍んでコソコソと渡すなんて、人が見たらなんの取引かと思われそう。「悪い物じゃないけど、漫画自体学校に持って来ちゃいけないんだからさ。それも、内容がこんな.....

  • ほどける指先 119

    江本から借りた本をこっそりと仕舞い、通学鞄をドキドキしながら抱えると教室に入って行く千晶。春の暖かい風のせいなのか、それとも緊張からか、うっすらと額に汗をかいていた。「おはよう」と、教室の生徒に挨拶をしながら席に着いたが、視線は江本を探した。でも、まだ登校していなくて、鞄を開けるのを待つことにする。江本の顔を見たら、速攻で本を返そうと思っていたからだ。 近くに座った生徒と、他愛のない話をしながら...

  • ほどける指先 118

    本を閉じると、千晶は天井を見上げる。心を落ち着かせようとしているのだが、目眩がしてベッドの上なのに手で身体を支えた。同時に、本は床にトサッと落ち、表紙の絵だけが華やかに見えた。女性のグラビア写真は目にする事もあるが、この、男同士の性描写は初めて見るし、自分と正美がしている事もあったが、その先にもっと凄い事があるなんて知らなかった。「どうしよ、なんか、.............正美には見せられないな」 おもわ...

  • ほどける指先 117

    キッチンでオムライスを作っている間も、千晶は机にしまった本の事が気になっていた。表紙しか見ていないが、江本の云っていた男同士の恋愛漫画って、どんな内容なんだろう。女の子が好きそうな作品は、映画化されたりして、コマーシャルだけど観た事がある。同じような感じなんだろうかと、思いを馳せた。 自分と二人分の夕食を用意すると、両親の分は味噌汁だけ取っておいた。おかずは冷蔵庫に作り置きの物があり、オムライス...

  • ほどける指先 116

    本屋に入ると、新作の小説が並べられていて、そういえば最近本を読むことがなかったな、と千晶は思った。江本が先に進んでいくので、仕方なく付いて行くと参考書でも見に行くのだろうと思っていたが、コミックのコーナーの方に向かっている。あれ?と思いながらも、漫画は嫌いではないし、紙の本は最近買う事もなかったので新鮮だった。目新しいコミックを手に取ると、江本が「藤城、ちょっと来て」と呼ぶ。棚の反対側にいるのか...

  • ほどける指先 115

    部活を終えて帰路についた千晶。途中までは松下と江本も一緒に帰るが、松下はカノジョと会う約束があるとかで、途中で別れた。江本に冷やかされて照れながら走っていく松下を遠い眼で見ていると、江本が「藤城も見た感じ彼女が居そうなのにな。結構女子に人気あるの知ってる?」と訊いてくる。「前は自覚あったけど、アレ、俺のアニキのお蔭だった」 千晶は足元の小石を蹴ると、つまらなさそうに云った。「いっこ上の?前に見た...

  • ほどける指先 114

    白い画用紙に向かっている時間は好きだった。運動はそこまで好きじゃないし、美術部は案外緩くて部活を休んでも文句を云われることはない。コンクールの時だけちゃんと作品を仕上げれば、後は好きなイラストや漫画を描いている生徒もいる。千晶はデザインが好きで、作品を仕上げるよりはデザインの本を読んでいる時間の方が長かった。それでも、コンクールではいい成績を残す事もある。表彰もされたが、それ自体はあまり関心がな...

  • ほどける指先 113

    千晶が制服を着替えていると、正美はすかさず絆創膏を手にやって来て、首のキスマーク痕に貼ってやった。「もう、ヤダなぁー。絶対友達につっこまれる。そうでなくても、松下なんか彼女とキスしたいとかわめいてるのにさ」 千晶は口を尖らせると正美を睨んだ。中学3年にもなると、男子の興味はそんな事ばかり。受験は別枠の様だ。付き合っている相手がいるなら尚更興味を持つ。「悪かったよ。これからは見えるとこにはつけない...

  • ほどける指先 112*

    疲れもあってか、正美の方が先に果ててしまうと、ぐったりと千晶の横に倒れ込んでしまう。正美は上下する胸に手を当てて呼吸を整えようとするが、身体がだるくて動けそうになかった。横に顔を向けて千晶の表情を窺うのがやっとで。 すると、千晶は正美の上に乗っかって、自身のものを擦りつけながら小さく喘ぎ声を漏らすと、自分で高みに昇りつめていった。はっ、はっ、.............あぁぁ.............んあっ、.................

  • ほどける指先 111*

    寝る準備をした千晶だったが、なんとなく母親との事でモヤモヤしたままで、正美の傍に居たくて部屋を訪ねてしまった。ノックをすると、いつもなら入っていいよ、という声が聞こえるのに、今夜は返事がない。気になって部屋のドアをそっと開けてみると、既に布団に入っている正美が見える。部屋の電気は点いているので、まだ寝るつもりはなかったのだろう。「まさみ、.......まさみ、電気消していいの?」と云って近くに顔を寄せ...

  • ほどける指先 110

    京子が風呂から出て来てキッチンに来ると、千晶が食器を洗っているところだった。後ろ姿を見て、随分と大きくなった事を実感すると、胸の奥が少しだけ傷んだ。可愛い盛りの3歳ごろから母の多恵子に預けっぱなしで、自分は千晶と向き合ってこなかったなと思う。反省する事ばかりで、心の中では申し訳ないと思いつつも仕事が優先順位を占めてしまう。背中を見つめながら、「千晶、身長伸びたでしょ?」と訊いた。「え?なに突然。....

  • ほどける指先 109

    キッチンに立つ千晶の元に絆創膏を持って来た正美。「これで隠せるから」と、それを剥すと首のキスマークの痕に貼ってやる。「ったくもう、明日ひやかされたら嫌だなぁ」 千晶は絆創膏を指で押さえると口を尖らせた。 食事をとりながら学校の話をしていると、暫くして京子が帰って来た。「ただいまー」と云いながらキッチンに顔を出すと、書類の入っている大きな黒のカバンを床に置き「ふう~」と疲れた顔をして吐息を漏らした...

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