chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 関口宏さん、林家木久扇さん、ありがとう

    今日、関口宏さんが「サンデーモーニング」を、林家木久扇さんが笑点を卒業した。お疲れさまでした。そしてありがとうございました。関口さんは、批判精神を発揮して番組を進行していらっしゃいました。平和主義の立場から権力に対しては厳しいことも言うこともありました。とは言えあくまで普通の批判精神を発揮していただけでした。現在でも特別左寄りだとは感じません。ところが近年の右寄りのネットユーザーから目の敵にされて、かわいそうな形での引退となってしまいました。もちろん年齢的なことから、進行にたどたどしい場面なども見受けられ、卒業の時期としては適当だったのだとは思います。しかしネット記事の扱われ方はあきらかにおかしいものでした。関口さんが「サンデーモーニング」でこういう発言をしたというネット記事が出て、それに対してネットの一...関口宏さん、林家木久扇さん、ありがとう

  • 映画『ダム・マネー ウォール街を狙え!』を見ました。

    アメリカの株式投資を描いた映画『ダム・マネーウォール街を狙え!』を見ました。巨大マネーに抵抗した個人投資家たちの夢を描いた気持ちのいい映画でした。2020年の実話をもとにして作られた映画です。主人公はキースという平凡な会社員。キースはゲームストップ社というビデオゲームメーカーに投資しており、自身の投資する姿を動画配信もしています。キースの動画は多くの人に支持され、ゲームストップ社の株は徐々に上がっていきます。みんながキースの夢を支援し、それを自分の夢にしたのです。金融業界のヘッジファンドは、ゲームストップ社の株は絶対に下がると踏み、大量の空売りをします。ところがゲームストップ社の株は逆に急騰します。大富豪たちは大損してしまい、社会問題に広がります。この映画は株式市場を舞台と下大金持ち対一般庶民の構図の物語...映画『ダム・マネーウォール街を狙え!』を見ました。

  • 映画『落下の解剖学』を見ました。

    2023年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した映画『落下の解剖学』を見た。真実とは何かを考えさせる深く重い名画だった。人里離れた雪積もるフランスの山荘に一組の夫婦とその息子が住んでいる。夫はフランス人で妻はドイツ人だ。息子は目が見えず、盲導犬がサポートしている。夫婦は作家だ。その夫が不可解な転落死をする。妻が殺人容疑で逮捕される。妻は否認する。裁判となり、夫婦の冷めた関係が次々とあばかれていく。妻にとって都合の悪い証言や証拠が次々に出てくる。妻はそれに反論する。夫によって録音されていた夫婦の激しい言い争いが法廷で流される。その中では暴力を使ったかのような音もある。妻にとっては絶体絶命の展開です。最後に息子が証言する。果たして真実とは何か。判決はでる。しかし実は真実はわからないままだ。芥川龍之介の「...映画『落下の解剖学』を見ました。

  • 夏目漱石の『草枕』を読む。3

    画工は宿につく。内部の構造が迷路のような宿である。那古井という土地自体も山の中の閉ざされた場所であり、しかもこの宿も迷路のようであり、異空間に幽閉されているような感覚をおこさせる。通された部屋は普段使っている部屋だという。客がないので他の部屋は掃除をしていない。突然の客であったために普段使っている部屋に通されたのだ。食事をとって風呂に入る。そして寝る。夢を見る。長良の乙女が振袖を着て、青馬に乗って、峠を越すと、いきなり、ささだ男と、ささべ男が飛び出して両方から引っ張る。女が急にオフェリヤになって、柳の枝へ上って、河の中を流れながら、うつくしい声で歌をうたう。救ってやろうと思って、長い竿を持って、向島を追懸けて行く。女は苦しい様子もなく、笑いながら、うたいながら、行末も知らず流れを下る。余は竿をかついで、お...夏目漱石の『草枕』を読む。3

  • 夏目漱石の『草枕』を読む。2

    第二章山道の途中雨に降られた画工は茶屋に入る。誰も出てこないので、画工は火にあたり休んでいる。婆さんが出てくる。しばらくすると雨は止む。漱石の作品では意図的に雨が降る。漱石作品の中の雨は要注意である。雨が止むと遠くに山が見える。天狗巌だ。この天狗巌がこの那古井という村の象徴のような場所である。そこへ馬子の「源さん」(源兵衛)があらわれる。「那古井の嬢さま」の話題になる。嫁入りのときに裾振袖を着て、高島田に結って馬にのっていったのである。「那古井の嬢さま」とはこの小説の中心となる登場人物、那美のことであるが、まだ画工は会っていないので顔がわからない。画工はミレーのオフェリヤの面影を当てはめてみる。するとすっぽりとはまる。夏目漱石は「薤露行」でもオフェーリアのイメージを描いている。「薤露行」と「草枕」は明らか...夏目漱石の『草枕』を読む。2

  • 夏目漱石の『草枕』を読む。1

    夏目漱石の『草枕』を読む。章ごとに気付いたことを書いていく。今回は「一」。『草枕』の冒頭を引用する。山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。多くの人が知っている文である。この小説の語り手は画工である。この画工は「人の世が住みにくい」ので、引っ越したくなるがどこへ越しても結局は同じように住みにくく、住みにくさから逃れるために詩や画ができるのだという。ここで見逃してはいけないのは、結局はどこもが住みにくいということである。引っ越し(これは旅も含めていいのだろう)は、一時の気休めにしかならないのだ。ではなぜこの世は住みにくいの...夏目漱石の『草枕』を読む。1

  • 政治家はいらないのでは?

    政治家は本当に国のことを考えているのだろうか。裏金問題を見ていると、どうひいき目に見ても選挙に勝つことしか考えていない。選挙に勝つために領収書の必要のない金が必要になり、だから裏金が必要になる。選挙に勝ち続ける自民党はそうやって当選者を増やしてきたのだ。自民党は否定するだろうが、そう疑われてもしょうがないのである。彼らの理屈は「政治は金がかかる」である。しかし違う。「選挙に金がかかる」のだ。私設秘書をたくさん雇って選挙民の陳情を処理したり、後援会組織の拡大をねらったり、さまざまな選挙対策を金の力でやっている。ルール上認められているからいいと反論するのだろうが、こういうことばかりするから、本当に政治を志す若者は政治家になれず、二世議員だらけになってしまうのだ。お坊ちゃま議員は態度だけはでかいけれども、「先生...政治家はいらないのでは?

  • ショーン・ホームズ演出舞台『リア王』を見ました

    ショーン・ホームズが演出、段田安則が主演を務める『リア王』を見ました。斬新な演出で、緊張感が持続する舞台でした。幕が上がると白い背景、舞台の上には蛍光灯が点灯し、不思議な現代的な空間が現れ意表をつく幕開きとなりました。登場人物も現代的な衣装を着ています。人物の区別がつきやすく、大げさな歴史性が捨象されているために、セリフの意味がストレートに伝わってきます。人物関係もわかりやすくなっているような気がします。おそらく後半のごちゃごちゃした箇所が省略されていたので、すっきりしているのではないかと思われます。いろいろな考え方はあると思いますが、私はシェークスピア作品をそのままの形で、現代に、しかも日本で上演するのは無理があるように思います。とくに『リア王』はあまり上演されることがなく、観客も準備ができていません。...ショーン・ホームズ演出舞台『リア王』を見ました

  • KERA CROSS「骨と軽蔑」を見ました。

    KERA作品をさまざまな演出家の手で立ち上げる「KERACROSS」。そのラストをKERA自身が演出するので、KERAMAPと何が違うんだろうと疑問には感じるものの、まあそんな細かいことはどうでもよく、すごい役者が勢ぞろいして楽しみにしていた「骨と軽蔑」を見ました。やっぱりすごい舞台でした。内戦が続くある国が舞台です。会社経営をしているその町のお金持ち家族と、その関係者が登場人物です。ただしその家族の主は途中で死んでしまい、結局舞台には現れません。その家族の娘に小説家の姉がいます。その姉と妹の仲が悪い。常に喧嘩しています。お互いに相手が先に悪いことをしたからいけないんだと主張して、常に水掛け論になってしまいます。この関係が戦争が頻繁に起こる現在の国際状況と重なります。この芝居の特色は「異化」が頻繁に起きる...KERACROSS「骨と軽蔑」を見ました。

  • 東日本大震災の記憶

    13年前の今日、東日本大震災だった。高校入試の採点の日だった。突然大きく揺れ始めた。最初は冷静だった。大きな揺れも何度か経験していたので、しばらくすれば止むだろうと思って状況を見ていた。しかし揺れが収まらない。これは普通ではないと思い始めた。入試の採点をしているわけだから、まずは対応を考えなければならない。おそらくすぐに答案をすべてしまって、試験の本部にあずけ、外に出た。外はみぞれまじりの雪だった。かなり寒かったことを記憶している。異常事態であったので採点の処理などは落ち着いてからとなり、まもなく解散となった。採点日だったので生徒がいなかったのが幸いだった。生徒がいたら、全員を返すまで家に帰れなかった。多くの学校がそうだったと聞く。とは言え、そこからが大変だった。自動車で帰宅したのであるが、すでに停電して...東日本大震災の記憶

  • 夏目漱石の『明暗』夏目漱石4 焦点人物 温泉場

    4『焦点人物』「語り」についても大きな変化がある。これまでの漱石の作品は語り手が一人称であれ、三人称であれ、焦点となる人物は特定していた。例えば『吾輩は猫である』は「吾輩」が語り手となる一人称小説であり、焦点はもちろん「吾輩」にある。それに対して『三四郎』は三人称小説であり、語り手は小説内の世界の人物ではない。だから本来ならば誰に焦点をあててもいいのであるが、基本的には「三四郎」だけに焦点があてられる。つまり「三四郎」の心の中だけは描かれるが、他の登場人物の心の中は描かれないのである。大きな変化が現れたのは、後期三部作である。後期三部作の作品に於ては、語り手が交代するという方法がとられた。例えば『こころ』では、上と中の「私」と下の「私」は違っている。つまり一人称小説でありながら、語り手が交代することによっ...夏目漱石の『明暗』夏目漱石4焦点人物温泉場

  • 夏目漱石の『明暗』3「小林」

    3『小林』『明暗』の中で一番印象に残るのは「小林」である。小林の陰湿な言動にドストエフスキーを感じてしまうのである。小林自身が次のように語っている。「(ドストエフスキーのことを)先生に訊くと、ありゃ嘘だと云うんだ。あんな高尚な情操をわざと下劣な器に盛って、感傷的に読者を刺激する策略に過ぎない、つまりドストエヴスキが中った為に、多くの模倣者が続出して、無暗に安っぽくしてしまった一種の芸術的技巧にすぎないといううんだ。しかし僕はそうは思わない。先生からそんな事を聞くと腹が立つ。先生にドストエヴスキはわからない。」そして涙を落して泣きはじめるのである。小林は金で困っている津田よりも、更に生活に困っている人間である。それでいて気位は高い。言葉に迫力がある。その小林が別の場面では津田に次のように言う。「頭では解る、...夏目漱石の『明暗』3「小林」

  • 夏目漱石の『明暗』2 お金 心理戦

    夏目漱石の『明暗』について考えたころを、忘れる前に書いておきます。1,『お金』夏目漱石の小説でよくお金が重要な要素となる。津田も自身の入院費を工面するために奔走する。さらには小林への餞別でもお金のやりとりがある。お金のやりくりや、お金の出入りが筋を進める力となっているのである。ところが、不思議なことにお金のあてができる前に入院してしまう。現代の小説にはない特徴がある。夏目漱石は作家になる前も、東京帝大を卒業して、松山や熊本で教師として働いていたわけなのでそれなりの収入があったと考えられるのだが、夏目鏡子の『漱石の思ひ出』を読むと、漱石は朝日新聞に入社する前などはお金には苦しんだようである。つまり当時日本人はほとんどが貧乏だったのだ。借金が当たり前であり、借金の苦しみを抱えながら毎日を生きていたのである。夏...夏目漱石の『明暗』2お金心理戦

  • 夏目漱石の『明暗』

    夏目漱石の『明暗』を読み終わりました。3度めです。かなり長い小説ですが、完結していません。完結する前に漱石が死んでしまったのです。この小説について考えてみたいことをここに書きたいと思います。今回はあらすじを紹介します。あらすじ主人公は津田由雄。津田は、勤め先の社長吉川が紹介したお延と結婚している。しかしお延と知り合う以前に清子という女性と付き合っていた。清子は突然津田と別れ、関という男と結婚する。心変わりの理由も判然としないまま津田はお延と結婚する。津田とお延の関係はギクシャクしていて、お延は津田に対して不信感を抱いている。津田は痔を患い、入院手術が必要になる。お金が必要になり、京都の父親に仕送りを依頼するが、日ごろの不義理のせいで父親は憤慨しており、津田の申し出を拒絶する。金の工面がつかないまま津田は入...夏目漱石の『明暗』

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、とにかく書いておかないとさんをフォローしませんか?

ハンドル名
とにかく書いておかないとさん
ブログタイトル
とにかく書いておかないと
フォロー
とにかく書いておかないと

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用