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日々の便り https://blog.goo.ne.jp/hansyoodll84

男女を問わず中高年者で、暇つぶしに、居住地の四季の移り変わりや、趣味等を語りあえたら・・と。

老若男女を問わず、人夫々に出逢いの縁が絆の始まりとなり、可愛く幼い”蒼い”恋・情熱的な”青い恋”・円熟した”緑の”恋を辿って、人生観を形成してゆくものと思慮する そんな我が人生を回顧しながら、つれずれなるままに、出合った人々の懐かしい想い出を私小説風にブログに記してみた

日々の便り
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2015/11/08

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  • 山と河にて (18)

    大助は、美代子と別れて帰宅した夜、彼女の身辺に起きた複雑な事情を思案して、彼女の行く末を心配するあまり、精神的な疲労と寂寞感から、家族に詳しい内容も説明せずに自室に引きこもり床に入ったが、思考が整理出来ず寝付かれないままに真剣に考えた。それは、経済的に未熟な自分では、今は、彼女を幸せな生活に導けないが、彼女が自分を信じて献身的に尽くしてくれる愛情と、老医師であるお爺さんの自分に寄せる期待に背かぬ様に努力することで、何時の日かは、彼女の夢を叶えてあげることが、自分に与えられた男の責任だと堅く心に誓った。彼が寝静まったころ。母親の孝子は娘の珠子を部屋に呼んで、お茶を飲みながら静かな声で、美代子の家庭事情から、二人が別離したことを教え、大学生になったとはいえ、我が子ながらよく厳しい環境に耐えて一切表情に表さずに...山と河にて(18)

  • 山と河にて (17)

    大助は、帰京の車中、窓外に広がる越後平野の田園風景と、残雪をいただいて晴天に映える青い山脈を眺めながら、美代子が用意してくれた海苔巻き寿司をほおばり、彼女と過ごした休日の出来事を色々と思い出して感慨にふけっていた。彼女は、朝、自分が気ずかぬうちに起きて朝食と昼の海苔巻きを用意してくれ、なんとなく心に漂った不安をユーモアな語り口で不安をかき消してくれ、長い別れの寂しさを億尾にも出さず、あくまでも自分の意志を貫く逞しい精神力と、時折、見せる気弱く感受性の烈しい彼女に、今更ながらその一途な気持ちがたまらなく嬉しかった。しかも、目標を定めて得心したら、家庭内の複雑な問題を少しも顔に出さず、目標に向かって励む精神の強さは、確かに自分を超えるものがあると思った。それに、死線を幾度と無く越えて老境を迎えた老医師が、孫娘...山と河にて(17)

  • 山と河にて (16)

    大助は、隣室の広い座敷にある豪華な仏壇の前で、お爺さんが朝の勤行である読経の際に鐘を打つ音で目を覚ましたが、隣に寝ていたと思っていた美代子がおらず、枕もとの水を一口飲んで、そのまま、再び腕枕をして仰向けになり、桜の小枝を巧みに張り巡らした天井を見つめているうちに、昨夜のことを想い出し、その余韻の残った頭に、もしやと一抹の不安がよぎった。お爺さんの読経が終わると、美代子が薄青色のカーデガンと黒のロングスカートに白いエプロンをまとった姿で襖を開いて入って来て、枕元に膝をついて布団の襟元に手をおくと、少しハニカミながらも明るく爽やかな笑顔で「目が覚めているの?。そろそろ起きてよ。お爺さんも待っているゎ」と言いながら「ハイッ!下着を着替えてね。ズボンもアイロンをしておいたゎ」と言って、何の屈託もなく差し出したので...山と河にて(16)

  • 山と河にて (15)

    大助は、浴槽から上がり脱衣場に行くと美代子も後について上がってきたが、長湯したうえに戯れた興奮で、汗が拭いても拭いても湧き出る様に皮膚を濡らし、美代子が見かねて自分のバスタオルで背中を拭いてくれたが、その時、大鏡に彼女の裸体が映っているのがチラット見えたので、大助は本能をそそわれて、彼女を抱きしめて可愛い桜色の乳首にキスをしたところ、彼女はビックリして「イヤッ!ヤメテェ~」と叫び声をあげ、慌ててバスタオルで上半身を隠して後ずさりしたので、彼は自分のとった衝動的な行動と恥ずかしさが、ない交ぜになって複雑な思いで振り向きもせずに「チェッ!さっきは、すきな様にして、といったくせに・・」「コレダカラワカンナイナァ~」と文句を言うと、彼女は少し間をおいて「ゴメンナサイ」「ナゼカジブンデモワカライヮ」と申し訳なさそう...山と河にて(15)

  • 山と河にて (14)

    大助は川辺に立って、遠くに霞む残雪に映える飯豊山脈の峰々を、種々な想い出を浮かべながら眺望し、そのあと小石を何度か河に投げては眼前をゆったりと流れる河を凝視し感慨深げに「この河で、無邪気に水泳をしていたとき、美代ちゃんと初めて知りあったが、あれから4年過ぎたのか・・。時の流れは振り返ると早く感じるもんだなぁ~」「あの時。君が河底の石に躓き足を滑らせて、僕に咄嗟に抱きついたが、その時の、君の体の柔らかい感触を今でも覚えているよ」「それに・・。毎年、夏休みに理恵子さん達と水泳しり織田君達と河蟹やカジカを取ったりして遊んだのが、今となっては、懐かしい想い出だなぁ~」と言いつつ美代子の隣に腰を降ろすと、彼女の指を一本ずつ手にとって見ていて「透明なマニュキアは健康的で綺麗でいいなぁ~」「女子大生は、皆がしているのか...山と河にて(14)

  • 山と河にて (13)

    山の懐に囲まれた街では、春の夕暮れは陽が峰々の端に沈むのが早くても、晴れた日は空が明るく、時の過ぎ行くのを感じさせない。大助と美代子は、大川に架かる赤く塗装された橋の袂に差し掛かると、彼女の案内で堤防の階段を手を繋いで降りて行き、河川敷に作られた広い公園のお花畑に着いた。町内の老人倶楽部の有志が丹精こめて手入れしているお花畑は、中央の芝生を囲むように、真紅のサルビヤ・黄色nマリンゴールド等色とりどりの小さい花が植えられ、その外側を小道を挟んで、ボタンやチュウリップにツツジの花畑となっている。愛好家の人達が長年の知恵と経験を生かして手入れしているため、ボタンとチューリップは赤・色・紫と色とりどりに植えられ、山ツツジが花びらを大きく開いて春を謳歌している様に咲き誇り、一面が憩いの公園となっている。大助が一人ご...山と河にて(13)

  • 山と河にて (12)

    大助の挨拶を聞いて、老医師は彼の沈着冷静な態度と返事に少し驚き、顔の前で手を振りながら困惑した顔つきで「大助君、誤解しないでくれ給え」「ワシは、君と美代子の交際に水を差す気持ちは毛頭ないが、君に対し、我が家の内情を隠し通すのもワシの気性に反し、純真な君の将来にとって参考になればと思って、恥を忍んで話したまでで、君には一切責任は無いので気にしないでくれ」と、慌ててシドロモドロに答えた。美代子は、頑固なお爺さんが覚悟し、母親も承知のこととはいえ、思いもしなかった自分の出生と今後の行く末に目が眩むほど驚いてしまったが、彼の自信に満ちた返事で気を取り直して、それなら尚更のこと大助の考えを確かめたい思いにかられながらも、二人の話を注意深く聞きながらも、彼が肝心なことを話し出さないので、お絞りの布巾をたたんだり広げた...山と河にて(12)

  • 山と河にて (11)

    老医師は苦渋の思いで大助に対し家庭内の話しをした日の夜。京都から帰る途中で夫の正雄を新潟に残して一人で帰宅したキャサリンに対し、昨日、家庭内の事情をある程度大助に説明したことを話したところ、キャサリンから予想もしないことを告白された。キャサリンが、今迄に見せたこともない悲しい顔で語るには『昨年夏頃から、日々の暮らしの中で、なにかにつけ、夫の正雄の態度が冷たく感じる様になり、はしたない話で口にもしたくありませんが、この際、私達夫婦の関係について本当のことを知っていただくために、敢えてお話いたしますが・・。夫とは日常の会話も少なく味気ないもので、夜の生活も一方的に自分の性欲を満たすだけの、しかも、屈序的な体位を要求し、こばむと力ずくで半ば暴力的に無理やりsexを求める様に変化してきたので、どうしたのかしら、若...山と河にて(11)

  • 山と河にて (10)

    大助と、お爺さんが談笑していたとき、大きな笑い声に誘われる様に、賄いの小母さんが「先程、寅太君が山から採ったばかりだが、大助君に食べさせてくれと言って、ヤマウドを持って来てくれたわ」と、胡麻和えした葉と素切りしたウドを皿に乗せて味噌と一緒に運んで来た。お爺さんは、それを見て、益々、上機嫌になり顔をくしゃくしゃにして、彼に「これは、山菜の王者だ!。天然ものは香りが強いが凄く旨いんだよ」と言って彼に薦めた。美代子は、彼がお爺さんに調子を合わせてビールを呑んでいて、必死に頼んだ肝心なことを言い忘れてしまわないかと、一寸、心配になったが、二人が愉快そうに笑って話している様子を見ていて、まるで、実の祖父と男の孫のようで、和やかな雰囲気が羨ましくもあり、とっても嬉しかった。彼が、洋上でのカッター訓練で尻の皮が剥けるほ...山と河にて(10)

  • 山と河にて (9)

    大助は、風呂場から逃げるようにして居間に戻ると、お爺さんは新聞を見ていたが、彼の顔を見るや「おやっ!早かったね」「また、美代が悪ふざけでもしたのかね」と苦笑して言ったので、彼は額の汗を拭きながら「いやぁ~、突然、美代ちゃんが飛び込んできたので、僕、魂消てしまったよ」と返事をして、浴場での出来事を正直に話そうとすると、美代子が浴衣姿で冷えたジュースを持ってきて、彼の話を途中から聞き、彼を睨めつけるようにして「余計なことを、喋らないのっ!」と話を遮ったところ、お爺さんは追い討ちをかける様に「大助君、美代は恥ずかしがらずに、君の背中を流したかね」と言ったあと「ワシが言いつけたんだが、迷惑だったかな」「もう、二人とも子供でなく、中学・高校と長い間、仲良く交際しているので、ワシは構わんと思うがな」と、からかうように...山と河にて(9)

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