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日々の便り https://blog.goo.ne.jp/hansyoodll84

男女を問わず中高年者で、暇つぶしに、居住地の四季の移り変わりや、趣味等を語りあえたら・・と。

老若男女を問わず、人夫々に出逢いの縁が絆の始まりとなり、可愛く幼い”蒼い”恋・情熱的な”青い恋”・円熟した”緑の”恋を辿って、人生観を形成してゆくものと思慮する そんな我が人生を回顧しながら、つれずれなるままに、出合った人々の懐かしい想い出を私小説風にブログに記してみた

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2015/11/08

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  • 山と河にて (28)

    二人姉弟である大助の姉、城珠子は、老人介護施設に勤めてから2年目となり、最初は戸惑った仕事の運びも、入所者の心情を少しでも理解仕様と日々努力したことが実を結び始めてきて、悩みと障害を抱えるお年寄りの人達とのコミュニケーションも、どうやら上手くとれるようになり、職場でも人気が出てきて、それにつれ仕事にも幾分心に余裕を持って臨める様になった。そんな珠子の周辺では、永井君との結婚話が秘かに進んでいた。彼女は毎日お年寄りを見ているためか、自分が嫁いだあと、一人身である母親の孝子に、将来、必ず訪れる介護のことが時に触れ脳裏をよぎり、確かに結婚するには若すぎる弟の大助と、日頃、まるで親戚同様、お互いが家族的な付き合いをして気心が知れ、実の妹の様に可愛がっている奈緒との交際関係が、自分が望んでいる様に進んでいないことが...山と河にて(28)

  • 山と河にて (27)

    大助は、奈緒から美代子のことについて聞かれたとき、彼女の胸の中を慮って正直に答えてよいかどうか迷って、返事を躊躇していたので、二人の間に少し沈黙の重苦しい時が流れたが、この際、ある程度のことは正直に話しておいた方が彼女の心の霧が晴れるんでないかと思い『美代子は、家庭内の複雑な事情で、母親のキャサリンの故郷であるイギリスに行ってしまったよ。春、別れる時、お互いに、美代子は見知らぬ土地での生活、僕は規則の厳しい大学の寮生活と、夫々が、これからの生活に馴染むまで、連絡は取り合わないことにしようと約束したんだ。最も、これは、彼女のお爺さんが、僕達のことを気遣かって好意的に言ってくれたことなんだが・・。考えてみれば、若い僕達には当然のことで、目先の恋愛感情に溺れて、大事な勉強がおろそかにならない様にとの気遣いで言っ...山と河にて(27)

  • 山と河にて (26)

    皆が黙々として、前を行く組に従い歩いているうちに、雲の切れ間から下界の緑が眺められる様になり、やがて暑い日ざしが照り映え、下からソヨソヨと吹き上げる生温かい微風は、風雨に濡れた身体や衣服を乾きやすくしてくれた。マリーは、ちゃっかりと六助に負ぶさっていたが、健ちゃんが大声で「もう直ぐ休憩小屋に辿りつくので、そこで服を乾わかし、休んで行こう」と声をかけて、疲労気味の皆を励ました。山の中腹にある休憩小屋に辿りつくと、荒れた天候も一変して雲一つなく晴れ渡り、夏の陽光が眩しく草原を照らし、薄紅色のハクサンコザクラや白や黄色の名も知らぬ小さな草花が綺麗に咲き乱れていた。暑い日差しにも拘わらず、そよ風が心地よく吹いていて、疲れた身体を癒してくれた。直子は、健ちゃんの背から降りると、まだ、六助の背から降りようとしないマリ...山と河にて(26)

  • 山と河にて (25)

    登るときには天候もよく、それほど苦にならなかった頂上への最後の急勾配の断崖も、下山するときには霧を含んだ風も吹いて岩石がぬれて滑りやすく、皆が、崖に吸い付くように足元に神経を集中して、緊張のあまり背筋に冷や汗を流しながら、一歩一歩足元を確認しながら降りた。大助は崖を降りる途中、眼前の奈緒の豊かに丸味を帯びた尻を見て、彼女も立派な大人なんだわと妙に触りたい衝動にかられながら、やっとの思いで登り口の勾配がやや緩やかになった尾根の登山道に降り立った。尾根の両側の下方を見ると、すでに霧が渦を巻いて奔流の様に湧き出てきて、左右の下方から吹き上げてくる風を遮るものが無いので、身体に当たる風も強く感じるようになった。一息入れて入る間にも天候が瞬く間に急変し、視界は全く塞がれて3メートル位離れた、前を行く六助達の組が見え...山と河にて(25)

  • 山と河にて (24)

    健ちゃんは、皆が崖淵の方に景色を見に行った後、残ってもらった永井君と草わらに対面して座り「今度から、町内会や商店会に積極的に参加してくれるとのことだが、君は頭も良いと言うことだし、人当たりも如才なく柔らかくて、会員の親睦と商店街の発展に頑張ってくれ」「町内会は任意団体で法律的な裏付けがなく、纏めるのに苦労もあるが、君なら性格的にも適任だと期待しているよ」と言ったあと「聞くところによれば、珠子さんと結婚するらしいが、彼女とは同級生だろう?。兎に角、おめでとう」「俺が口出しするのも、出すぎている様で失礼だが、城(珠子)さんの家族は店のお得意様で古くから親しくさせてもらっているので、差し支えなければ、これまでのいきさつを聞かせて欲しいのだが」「君、珠子さんを幸せにする確かな自信があるんだろうな?。極めて当たり前...山と河にて(24)

  • 山と河にて (23)

    皆が、お喋りしながら賑やかな昼食を終えると、マリーは六助をせきたてて仲良く手を繋いで池のほうに駆けていったが、健ちゃんは「お~ぃ!池に近ずくなよっ!」「はまったら、底なしの無限地獄だからなぁ~」と声をかけると、六助は振り返って「脅かすなよぅ~」と真顔で返事をし、興味深そうに覗いているマリーの手を引っぱって、水溜りの周辺から離して崖の方に駆けていった。皆が、健ちゃんの言葉にビックリしていると、教師をしている直子が、珠子達に対し「健ちゃんは、二人を冷やかして言ったのょ」「ポツポツとある池は、”池塘”と言って、ホラッ、尾瀬や火打山でも見られるゎ。高い湿原地帯に出来る、雪解け水等が泥炭層に溜まった沼なのょ」と説明したところ、皆は、納得して安心していたが、健ちゃんは「あの二人、単なる仲良しか、恋愛中なのか、よぅ~判...山と河にて(23)

  • 山と河にて (22)

    冷えた微風が漂う暗夜の午前3時。珠子達女性群は目覚まし時計で起きると、外の井戸端で洗面したあと、各人は昨夜健ちゃんから指示された通りに、宿のお女将さんのお握り造りの手伝いを終えると、部屋に戻って日焼け止めの薄化粧をしたあと薄手の長袖ブラウスにジャケットを着てジーパンを履いて装い、珠子の勧めで首に予め用意してきた色とりどりのタオルを巻き、揃って入り口前に出ると、すでに、男性群は支度を整え彼女達を待っていた。健ちゃんは腰に吊るした鉈で小枝を落とし杖を作っており、各人を見ると皆に渡していた。彼女等は、男性群は二日酔いで自分達より遅いと思っていただけに、口々に「流石に、男性は違うわね」とコソコソ囁いていたら、六助は彼女達の服装を見て「いやぁ~、登山訓練とはかけ離れて華やかだなぁ。まるで、フアッション・ショウーのよ...山と河にて(22)

  • 山と河にて (20)

    奈緒は、健ちゃんをカウンターに呼び寄せたが周囲のお客さんが気になり、落ち着いて話が出来なく、二人だけで部屋に入ることに少し躊躇したが、思案の末、奥の居間に健太を案内した。健ちゃんも、彼女の部屋に入るのは初めてで、彼女の誘いに一瞬躊躇ったが、奈緒の顔つきから難しい内緒話かと察し、オンザロックを手にして部屋の丸テーブルの前に座ると、奈緒は「真面目に話を聞いてネ」と念を押すと、彼は「少し酔ってはいるが大丈夫だよ」と返事をしたので、彼女は冷えた水を一口飲んだあと、俯いてコップを見つめながら、重苦しい口調で呟くように『実は、一昨日、お店が休みの夜、母さんとお店の飾り幕に刺繍をしていたとき、母さんがいきなり「お前、好きな人でもいるのかい?」と聞いたので、わたしビックリして「いる訳ないでしょう」と答えたら母さんは言いに...山と河にて(20)

  • 山と河にて (19)

    珠子は、ベットの端に座らせられた瞬間、真新しい白い敷布を見て反射的に、このベットの上で自分と同様に見知らぬ女性達が感情を無視されて、彼の一方的で単純な性的欲望の対象として弄ばれているのかと直感的に思い浮かべ、嫌悪感から彼の話も耳にはいらなかった。珠子は取り立てて話す気にもなれず、早く立ち去りたいと思っていると、彼の母親がコーヒーカップをのせたお盆を運んできて、彼女の顔を見るると、安堵感から和やかな表情で「この子は、仕事はお父さんも驚くほど上手にこなすが、人生で一番大事な結婚のことになると、好きな人がいても、恥ずかしくてプロポーズなんて言えないよ。と、弱気になり、まさか、私が代わってプロポーズする訳なんて出来ないでしょう。と、言っても取り合わないんですよ」「珠子さんなら、この子の性格を補ってくれると、私は、...山と河にて(19)

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